二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】風林火山プリキュア!
- 日時: 2017/08/01 13:12
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539
初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!
追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。
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- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.95 )
- 日時: 2017/05/19 17:19
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第14話「正直な気持ち!初恋はミカン味!」4
「……」
静寂。
しばらく放心し続けた私は、なんとか我に返り、慌てて手をブンブンと振った。
「きゅ、急にどうしたの!? 眼科行った方が……」
「目はどっちもAだし、一応言っておくと頭だって正気だッ!」
私の言葉を遮るように言う勇太の声に、ますます頭の整理が追い付かない。
ひとまず一度深呼吸をして、真っ直ぐ彼の目を見た。
「……好きだ」
改めて言い直す勇太。
意味をきちんと理解した瞬間、耳まで顔が熱くなった。
「ふぇ……でも、嫌ってたじゃん……苛めたりとか……」
「それは、その……よくあるじゃん? 好きな子を苛めたりするやつ。……あれ」
自分で言うことなのかなぁ……。
困惑する私に、勇太は顔を真っ赤にして歯を食いしばる。
「お、俺……今までお前を悲しませた分、これからはお前のこと、笑顔にしたい。だから、つ、付き合ってください!」
「ちょ、ちょっと待ってよ……そんな、急に言われても……」
私が困っていると、勇太はハッとして、しばらく戸惑う素振りを見せた後で、近くにあったベンチを指さした。
「とりあえず……あそこ座らねぇ? ずっと立って話しててもアレだろ」
勇太の言葉に、私は少し迷った後で頷く。
それから隣り合って座ったけど、やはり少し恥ずかしくて、私は距離を取った。
「それで、返事は……」
しばらくして切り出された言葉に、私は、自分の肩がピクッと動くのが分かった。
口の中がカラカラに乾き、緊張で胸がバクバクと音を立てる。
そういえば、私は今まで、告白してきた人の目や頭がおかしいと勝手に決めつけ、断り文句のように病院を勧めるだけだった。
でも、今は朱莉ちゃん達もいないし、私が決めるしかないんだ……。
「ちょ、ちょっと、飲み物とか、買ってくる……」
極度の緊張に耐え切れず、私はそう言って立ち上がった。
私の反応に、勇太は最初ついて来ようとしていたが、それをどうにか断って、私は逃げるように走った。
……感じ悪いだろうなぁ……。
−−−
<勇太>
「はぁ……」
蜜柑がいなくなって、俺はつい、ため息をついた。
可能性で考えるなら、断られる確率が高い。
そう考えると、やはり、ショックが大きかった。
「……なんで俺……素直になれなかったんだろ……」
そんな独り言が零れる。
あの時、なんで俺は、苛めてしまったんだ。
もしあの時、言う言葉が違ったら、今頃、彼女の隣にいられたかもしれないのに……。
憎い……過去の自分が、憎い……!
もしやり直せるなら、俺は、蜜柑を……———。
「へぇ〜。面白い怨念を持っているね」
チャラい感じの声が聴こえ、俺は顔を上げた。
そこには、ヘラヘラと笑う金髪の男が立っていた。
「邪悪なる魂よ。我に仕えよ! いでよ、オンネーン!」
その言葉と同時に、俺の意識は途絶えた。
−−−
<蜜柑視点>
「あれ? 蜜柑何してるの? 勇太は?」
そんな声が聴こえて、私は視線を向けた。
そこには、こちらに走ってくる朱莉ちゃんと、その後ろに、千速ちゃんが見えた。
「あ。朱莉ちゃん。ちょっと、飲み物買いに……」
「へぇ……勇太は一緒じゃないんだ」
「うん。ちょっと……一人になりたくて」
「え、なんで……」
「ガルァァァァアアアアアッ!」
朱莉ちゃんがそう聞いた瞬間、どこからか雄叫びのようなものが聴こえた。
慌てて振り返ると、そこには、ライオンのような見た目をしたオンネーンがいた。
「オンネーン……?」
「ライオン……まさか、勇太が!?」
「え、蜜柑。彼のこと呼び捨てにしているの?」
驚いた表情で言う千速ちゃんに、私は「しまった」と口に手を当てた。
その様子を見ていた朱莉ちゃんは、「今はそんなのどうでもいいよ!」と言って、アウラシュリフトロレを取り出した。
「とにかく、行くよ!」
「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.96 )
- 日時: 2017/05/20 10:50
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第14話「正直な気持ち!初恋はミカン味!」5
「侵掠すること、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ!」
「「「風林火山プリキュア!」」」
変身し終えた私達は、すぐにオンネーンの元に駆け寄る。
しばらく走っていた時、倒れている勇太を見つけた。
「勇太!」
私はすぐに勇太の元に駆け寄り、体を起こした。
どうやら意識を失っているだけのようで、脈も呼吸も正常だった。
「良かった……」
「ガルァァァァアアアアッ!」
その時、オンネーンが雄叫びと共に、朱莉ちゃんの元に駆け寄る。
「朱莉ちゃん!」
私は、咄嗟に駆けだし、どうにか朱莉ちゃんとオンネーンの間に立つ。
しかし、この距離では、盾を作り出すことすらままならない。
いや、よく考えたら、今私はサンダーブレスすら装着していないのだ。
「モンテッ! 何して……」
「ガァァァァアアアッ!」
雄叫びをあげたオンネーンが、前足を振り上げる。
咄嗟に腕を構え、私はキュッと目を瞑った。
「……あれ……?」
しかし、十秒ほど経っても、攻撃が加えられることはない。
恐る恐る瞼を開くと、そこには、良い子して座っているオンネーンがいた。
「えっ……」
「おい、何しているんだオンネーン! 早く攻撃しろ!」
金髪の人がそう怒っているが、オンネーンは悲しそうな表情で私を見つめていた。
そういえばこのオンネーン……勇太から、出来ているんだっけ?
「……私を、傷つけないの……?」
私が聞くと、オンネーンは何も答えず、その場に伏せた。
頭を撫でると、岩のような固い感触と共にどこか、温かい感覚があった。
『お、俺……今までお前を悲しませた分、これからはお前のこと、笑顔にしたい』
今、ようやくその気持ちを理解した気がする。
私はオンネーンの体を抱きしめ、「ありがとう……」と呟いた。
「勇太のイジメのこと許すわけじゃないけど……反省しているんだって、気付けたよ」
私の言葉に、オンネーンは懐くような鳴き声を出して、顔を擦りつけてくる。
そのやりとりを見ていた男は、「どういうことだ!」と叫んだ。
「まさか、人の感情が怨念の中に多く混ざっていたというのか!? それとも、誰かを恨む気持ちだけじゃなかった?」
「……ありがとう」
私の脈絡のない言葉に、金髪の男は「は?」と返す。
だから、私はそれに微笑んで見せた。
「おかげで、勇太の気持ち、きちんと知ることができた気がする。だから……ありがとう」
「ふざけるな……オンネーンッ!」
その言葉と同時に、私を見つめていたオンネーンの目が霞んだ気がした。
振り下ろされた前足をなんとか躱して、私達は顔を見合わせた。
「「「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス!」」」
「フレイム!」
「ウィング!」
「モンテ!」
「侵掠の火よ!」
「疾き風よ!」
「不動の山よ!」
「「「今、三つの力よ! 我らに集い、怨念を打ち払え!」」」
「「「プリキュア! ドライサンダーッ!」」」
雷撃がオンネーンを浄化していく中、私は倒れている勇太に目を向けた。
「ありがとう。おかげで少し……自分のこと、好きになれた」
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.97 )
- 日時: 2017/05/19 21:34
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第14話「正直な気持ち!初恋はミカン味!」6
「んッ……」
ゆっくりと目を覚ました勇太は、彼の顔を覗き込んでいる私の顔を見た瞬間、「ぅわッ!?」と変な声をあげて起き上がる。
「えっと……大丈夫? 化け物が暴れてて、その近くで倒れていたから……」
「いや、その……なんか、ごめん。俺、お前を守りたいのに、守られてて……やっぱり、恋人になる資格なんて……」
「ううん。そりゃ、まだ勇太のこと許したわけじゃないけど……でも、反省してるっていうのは、伝わったから」
私の言葉に、勇太は「本当か!?」と身を乗り出してきた。
それに少し後ずさりつつ、私は続けた。
「恋人、とか、そういうのはよく分からない。でも……勇太がもう苛めないなら、友達くらいには……」
「ほ、本当か!?」
「ちょ、近い近い……」
身を乗り出してくる勇太に身を引きつつ、私は続けた。
「私、今までは、自分に価値のない人間だって思ってた。でも、勇太に告白されたりして、少しだけ、自信がついた。……ありがとう」
私の言葉に、勇太は顔を真っ赤にして、「い、いや、その……」と視線をキョロキョロと彷徨わせた。
その時、「みかーん!」という声と共に、背中に衝撃を受けた。
「わ、朱莉ちゃん?」
「勇太の顔真っ赤だけど、何したの〜? 付き合ったの!?」
「付き合ってはないよ……。でも、仲直り? はしたかな。ね、勇太」
「お、おう……まぁな」
「なんだぁつまんないの〜。ま、良いや! それじゃあ一緒に動物園周ろうよ〜。やっぱり蜜柑がいないとつまんない〜」
「もう、しょうがないなぁ」
私は立ち上がると、座ったままの勇太に視線を向けた。
少し迷っていると、彼は自力で立ち上がり、私の手を掴んだ。
「い、行こうぜ。……はぐれるなよ」
「……うんっ」
私が手を握り返すと、勇太は顔を真っ赤にした。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.98 )
- 日時: 2017/05/19 23:05
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第15話「母の日ならぬ妖精の日?ありがとうの気持ち!」1
<千速視点>
週末の陸上部の午前練習が終わって、私はゆっくり道を歩いて帰る。
曲がり角を曲がった時、道の脇にあるお花屋さんのガラス張りの扉の向こう側に、見覚えのある三つ編みが見えた。
試しに店内に入ってみると、それは、予想通りの人物だった。
「蜜柑?」
「あ、千速ちゃん。陸上部の帰り?」
「えぇ。貴方は、こんなところで何を?」
私の言葉に、蜜柑は「あぁ……」と言って、笑みを浮かべた。
「今日は母の日って言って、お母さんに感謝をする日なんだよ。それで、この日はカーネーションを送るのが普通だから、朱莉ちゃんの買い物に付き合って……」
「朱莉?」
私が聞くと、蜜柑は前方を指さした。
そこには、赤い花を目の前に真剣に悩んでいる朱莉の後ろ姿があった。
「へぇ……蜜柑は買わないの?」
「フフッ、実は、今日たまたまミカンの出荷の都合で、お姉ちゃんが帰ってくるんだ。だから、二人でミカン料理を作るの」
「貴方も随分ミカン嫌いが治ったのね」
私がそう言った時、店員の「ありがとうございました〜」という言葉と共に、やけに上機嫌な朱莉が「千速〜!」と言って抱きついて来ようとしたので、避けておく。
すると、「ひどーい」と言って、朱莉は頬を膨らませた。
「朱莉ちゃん。良いカーネーションは買えた?」
「ん? うんっ。きっとお母さんも喜ぶよ〜」
「良かったね」
「うんっ」
そんな会話をしつつ、私達は店を出て歩き出す。
……二人は相変わらず手を繋いで。
「そういえば、千速のいた村には、母の日みたいなのは無かったの?」
しばらく歩いていた時、朱莉がそう聞いてきた。
彼女の言葉に、私は頷いた。
「えぇ。そもそも、私のいた村では、妖精が母親代わりみたいなものだから、親に感謝しようっていう風習はあまりなかったわ……。でも、その代わり、妖精の日っていうのはあったけど」
「「妖精の日?」」
綺麗にハモッた。
そんな話をしていると、普段分かれている交差点に着いた。
「あ、それじゃあ、私こっちだから……」
「いやいや、妖精の日とやらについて詳しく聞かせてもらおうか」
そう言って肩を組んでくる朱莉。
蜜柑に視線を向けると、彼女は苦笑したまま肩を竦めた。
はぁ……面倒。
「どうぞ。麦茶です」
和子さんがそう言って麦茶を出すと、朱莉と蜜柑は「ありがとうございます」と頭を下げた。
私服に着替えた私は、二人の前に座り、「それで……」と話を切り出す。
「何が聞きたいの?」
「妖精の日とやらに決まってるじゃん」
朱莉の返答に、私は「だよね……」と呟いた。
まぁ、知ってた。うん。
「そもそも妖精に関しては……ライデンを見てれば分かるから、説明はいらないわよね。元々、妖精っていうのは、この世界での両親の代わりみたいなもので、世話や教育などは、基本全て妖精が補うわ」
「え、親たちは何をするの?」
「基本二人とも仕事や家事。子供と遊んだりもするけど」
「へぇ〜」
目をキラキラさせて聞く朱莉に、なんとなく、昔の私が重なった。
その時、なんとなく、小さい頃の思い出が蘇った。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.99 )
- 日時: 2017/05/20 08:38
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第15話「母の日ならぬ妖精の日?ありがとうの気持ち!」2
〜八年前〜
「おい、それ以上は危ないぞ!」
「大丈夫、大丈夫!」
心配するフウマルの声を受け流して、私は一気に森の中を駆け抜ける。
やがて視界が開けるとそこには……広大な景色が広がっていた。
私達がいる崖の向こうに広がる、村の情景。
ついてきたフウマルは、驚いた表情で呆然としていた。
「ここは……」
「えへへ、前に皐月と遊んでいた時に見つけた穴場。……あのね、今日……」
そこまで言った時、体が軽くなる感覚がした。
見ると、私の足元の地面が崩れ、空中に身を投げ出されていた。
「千速ぁッ!」
その声と同時に腕を掴まれる。
足から下には地面なんて無くて、顔を上げると、人間の姿になったフウマルが私の腕を必死に掴んでいた。
「フウマル……」
「離すなよ……絶対、離すなよ……」
「え、推すなよ的な?」
「何の話だ……?」
フウマルは少し不思議そうな表情をしつつも、私の体を引っ張りあげようと踏ん張る。
次の瞬間、フウマルのいた地面も崩れ、二人とも空中に投げ出される。
「うわッ!?」
「……ッ! クソッ!」
フウマルはすぐに私の体を抱え込み、私が上になるように体を捻った。
数瞬後、ドッパーンッ! という破裂音にも似た音と共に、下にあった池に落ちる。
「うぇーん……怖かったよぉ……」
「お前の自業自得だろ。……早く帰って、風呂入って着替えないとなぁ」
ひたすら泣く私をおんぶして、フウマルはひたすら歩く。
私はそれに鼻を啜って、口を開く。
「でも、折角フウマルに書いた手紙が、グチョグチョだよぉ……」
「……手紙?」
フウマルの言葉に、私は着ている服に挟んだ手紙を取り出した。
しかし、今ではほとんどびしょ濡れの紙屑らしきものと化してしまい、読めるものではない。
「エグッ……今日は、フウマルみたいな、妖精さん達に感謝する日だって、お母さんが行ってたの……グスッ……だから、フウマルに手紙書いたの……いつも、ありがとう……って……」
「そうか……」
私の手からビショビショの手紙を受け取ったフウマルは、少し見つめた後で、微笑んだ。
「ありがとう。嬉しいよ」
〜現在〜
「ねぇ千速ぁ、聞いてる?」
朱莉に肩を揺すられ、私はハッと我に返った。
顔を上げると、頬を膨らませた朱莉が立っていた。
「朱莉……ごめん。少しボーッとしてた」
「もぉー。妖精の日とやらについての説明。聞いてないよ」
「あぁ、そうだったわね。……妖精の日っていうのは、お世話をしてくれる妖精に、手紙を書いて感謝を伝える日なんだ。手紙じゃなくても良いけど、やっぱりこれが王道っていうか」
「この世界で言うカーネーションみたいな?」
そう聞いてくる蜜柑に、私は頷いた。
ずっと無言で説明を聞いていた朱莉は、「なんかよく分かんないけど」と前置きをして立ち上がる。
「そんなに大事な日だったらさ、千速だって、お世話妖精さんに感謝の気持ち伝えるべきなんじゃないかな」
「えっ? でも、どうやって……」
私が聞くと、朱莉は歯を見せて笑った。
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