二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.135 )
日時: 2017/05/28 20:16
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第19話「蜜柑が風邪?迫られる決断!」7

「動かざること、山の如し! キュアモンテ!」

 変身した瞬間、体がすごく軽くなるのが分かった。
 でもここで調子に乗って動きすぎたら、後で反動が凄そう。
 気を付けないと……。

「モンテ!」
「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス! モンテ!」

 すぐに私は叫び、朱莉ちゃん達とオンネーンの間に立って攻撃を受け止める。
 なんとかそれを弾き、私は一呼吸つく。

「モンテ、何してるの!」
「家で寝てなくちゃダメじゃない……」

 心配そうに言う二人に、私は「ごめん……」と謝る。
 しかし、すぐに「でも!」と顔を上げた。

「私には、二人が戦うのを、指を咥えて見てることなんてできないよ! 私も一緒に戦いたい!」
「でもそしたら疲労が……」
「それなら、頑張って体力つくる。頑張って、頑張って……一緒に戦う」

 私の言葉に、二人は顔を見合わせた。
 そして微笑む。

「分かったよ、蜜柑。一緒に戦おう」
「仕方ないわね。……倒れても知らないから」

 千速ちゃんの言葉に私は頷き、オンネーンに視線を向けた。

「侵掠の火よ!」
「疾き風よ!」
「不動の山よ!」
「「「今、三つの力よ! 我らに集い、怨念を打ち払え!」」」
「「「プリキュア! ドライサンダーッ!」」」

 雷撃によりオンネーンが浄化されていくのを見つめながら、私達は変身を解いた。
 ……解いた瞬間、体が一気に熱くなって、私はフラッと倒れる。

「蜜柑!」

 朱莉ちゃんが抱き止めてくれたのを感じる。
 しかし、それよりも、体が熱い。頭の中まで熱い。

「はぁ……先が思いやられるわ……」
「とにかく運ぼう」

 そんな会話が聴こえ、体が軽くなる。
 自分で歩けると言おうと思ったが、正直この体調では無理だな、と思い、仕方なく運ばれた。
 やがて、部屋のベッドに寝かされて、少し落ち着いてから、私は喉を震わせた。

「……今日は、こんな風だけど……私、全部頑張るよ。プリキュアも、朱莉ちゃんのお世話も、全部」
「お、お世話!?」
「まさか蜜柑の疲労の原因って……」

 千速ちゃんがジト目で朱莉ちゃんのことを見ると、朱莉ちゃんは「えーっと……」と視線を逸らした。
 すると、芽衣さんがベッドを覗き込んで来たので、私は彼女の袖をクイッと引っ張った。
 それから顔が近づいてくると、私は小声で言った。

「ありがとう。おかげで、プリキュア辞めずに済んだよ」

 私の言葉に、芽衣さんは苦い顔をする。

「……辞めさせなくても、いつか倒す」
「フフッ。楽しみにしているね」
「それは皮肉か?」
「うーん……そういう意味もあるけど……」

 私は、何やら言い争いをしている朱莉ちゃんと千速ちゃんを見て、自分の顔が綻ぶのが分かった。

「私には……あの二人がいるから。流石の冥姫でも、あの二人に勝てると思わないもん」
「……そう……」

 呆れたような笑みを浮かべる芽衣さんに、私も笑ってみせた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.136 )
日時: 2017/05/28 21:27
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

間話4「お守り」

 千速と皐月が出会って、四年ほど経った。
 十歳になった二人は、今日も小雨が降る外を眺めつつ、お守りを編む。

「できた。どう?」

 出来上がったお守りを得意げに見せる千速。
 そのお守りを見た皐月は、優しく微笑んだ。

「よくできていますね。初めて作った頃に比べたら、大分うまくなっています」
「そう? 良かった」

 千速はそう言うと皐月の手を取り、手首にお守りを巻き付け始める。
 やがて、キュッと結ばれたお守りを見て、首を傾げる。

「えっと……?」
「皐月がこれを教えてくれた人だもん。だから、いずれ皐月みたいにすごく上手になったら、お守りは皐月にあげたいなって……思っていたんだ」

 恥ずかしそうにはにかみながら言う千速に、皐月は「そうですか……」と呟いた。
 手に巻かれたお守りは、黄緑と、緑と、白の三色の色で出来ていた。

「この色の意味は?」
「えっと〜……皐月は優しいから、優しさの意味がある黄緑と緑。あと、健康でいてほしいから、白」
「ほぉ……」

 マジマジとお守りを見つめた皐月は、優しく微笑み、千速の頭を撫でた。

「ありがとうございます。大切にしますね」
「なっ……子供扱いしないで!」

 パシッと自分の頭を撫でる手を叩くと、皐月は「フフッ」と笑った。

「それじゃあ、お礼と言っては何ですけど……」

 そう言うと、皐月は先ほど作り終えたばかりのお守りを手に取り、千速に手渡した。

「これ……」
「千速をイメージして作ったんです。爽やかで、いつも笑顔で、まるで草原に吹くそよ風のような、千速を」

 水色、青、白の三色でできたお守り。
 それを受け取った千速は、パァァッと目を輝かせた。

「良いの!?」
「はい。付けてあげましょうか?」
「良い。大事にする」
「……それは付けないと意味がないんですよ?」

 苦笑混じりに皐月が言うと、千速はブンブンと首を横に振った。

「初めて皐月がくれたお守りなんだもん。……本当に叶えたいお願いが出来た時に、付ける」
「じゃあ、私ならすぐに付けることができますね」
「えっ?」

 不思議そうにする千速に皐月は微笑み、千速の手を握った。

「千速とずっと一緒にいる。……それが、私の、今一番叶えたい願いです」
「……そんなの、こんなお守りがなくても叶えられるじゃん」

 千速はそう笑い、皐月の手に指を絡めた。
 互いにその手を強く握り合い、二人は見つめ合って……同時に笑った。

「これからも、ずっと、ずっと一緒だよ。皐月」
「えぇ。大きくなって、大人になっても、ずっと一緒です。千速」

 指を絡めたまま二人は言って、額を付け合わせて笑った。
 いつしか、小雨は止んで、その部屋から見える空には虹が架かっていた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.137 )
日時: 2017/05/28 22:58
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第20話「まさかの正体!真実を紡ぐ緑色の糸」1

<芽衣視点>

「……プリキュアに、正体が知られたわ」

 できるだけ感情を込めないように、私は言った。
 その言葉に、三人が顔を上げた。

「それって……どういう?」
「あくまで、まだみk……キュアモンテだけよ。でも……」
「知られたことに代わりはない……と?」

 オウガの言葉に、私は重々しく頷いた。
 すると、オグルはわざとらしくため息をついた。

「冥姫。お前は状況の重大さを理解していない」
「はぁ……?」
「このままお前が正体を隠し続けるとなると、むしろ、お前がプリキュアに弱みを握られたままになる、ということだぞ? それが分かっているのか?」

 あまり、深く考えていなかった。
 というか、遠山蜜柑はそういうことをするようには思えないし、それは他の二人も同様。
 ……って、私は彼女達の何なんだ。
 そう思っていると、オグルが私の前に立ちはだかった。

「……何ですの?」
「このまま正体を隠して奴等に近づいても、奴等を倒せるとは思えない」
「なっ……何が言いたいんですの?」

 私が動揺を隠しつつ言うと、オグルはわざとらしくため息をつき、しゃがんで私と目線を合わせて、言った。

「もう、正体なんてばらしてしまえ」


<千速視点>

「雨だから、今日は屋上でお弁当食べれないね〜」

 窓の外を眺めながら、朱莉は言った。
 土砂降りの雨、とでも言うのだろうか。
 鉛色の雲から大粒の雨が降り注ぎ、雨の音がかなり激しい。

「雨、か……」

 私は呟きつつ、手首に巻いたままのミサンガを見つめた。
 四年間も付けていると、大分汚くなって、不衛生であるようにも思える。
 でも、この程度気にならない。

「皐月……」
「……千速ちゃん? 何見てるの?」

 隣に並んだ蜜柑は、そう言って首を傾げた。
 あれからニ、三日程度は寝込んだらしいが、無事に復帰し、今ではすっかり元気だ。

「皐月が作ってくれたお守り」
「……あー。前に見せてくれたやつ?」
「そうそう」
「そういえば、皐月さんって、まだ手がかりすら無いんだよね?」

 朱莉の言葉に、一瞬、脳裏に冥姫の顔が浮かぶ。
 ……いや、彼女は確定ではない。あくまで、私の仮定だ。

「そうね……幽鬼軍の件が落ち着いたら、ゆっくり探したいな」
「その時はもちろん、私達も手伝うからね!」

 蜜柑の肩を抱きながら言う朱莉に、私は少し笑いつつも、「ありがとう」と言った。
 それにしても……。

「皐月……今、どこで、何をしているのかな……」

 私の呟きは、外から聴こえる雨の音にかき消された。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.138 )
日時: 2017/05/29 17:11
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第20話「まさかの正体!真実を紡ぐ緑色の糸」2

 放課後になった。
 流石にこれほどの豪雨にもなると、陸上部も休みになる。
 なので、私達は一緒に帰ることになったんだけど……。

「……なんで鞄を二つ持っているの?」

 傘を手に取りながら、私は朱莉に聞いた。
 両脇に抱えるように鞄を持つ朱莉は、「だって〜」と言って体を揺する。

「蜜柑を疲れさせるわけにはいかないでしょ? 私が迷惑掛けてるわけだし。今日蜜柑の鞄重そうだし」
「わ、鞄無いと思ったら朱莉ちゃん持ってたの?」
「無許可かよ!?」

 教室から出てきた蜜柑の言葉に、私は、ついそんな風にツッコミを入れた。
 私の言葉に、朱莉は不満そうに口をとがらせる。

「蜜柑って絶対無理するし〜」
「うぅ……でも荷物くらいは自分で持つよ。朱莉ちゃんに荷物持ちなんてさせられないし……それより、傘は?」
「えっ?」

 キョトンとする朱莉に不安を覚えつつ、私は彼女の傘掛けを見た。
 案の定、そこに傘は掛かっていなかった。

「やばッ。置き傘してると思ったのに!」
「もうっ! 良いから鞄は返して。そうやって鞄両脇に抱えられたら傘に入れられないし」
「むー」
「……相変わらずの夫婦っぷり……」

 私が呆れながら言うと、蜜柑は「こんな夫やだなぁ」と苦笑しながら言った。
 朱莉はそれに「酷いなぁ」と笑いながら鞄を蜜柑に返し、三人で玄関から出た。
 全く、この二人は相変わらずだ……。
 そう呆れながら校門まで歩いていた時、見覚えのある人影が見えた。

「芽衣!?」
「えっ!」

 私はすぐに走り出し、芽衣の元まで駆け寄る。
 校門に立つ芽衣は傘もささずに立っていて、綺麗な髪も、高そうな服もずぶ濡れだった。
 私はすぐに傘を差しだし、「どうしたの?」と聞いた。
 しかし、それより先に、その傘を押し返される。

「えっ……?」
「うわ、本当に芽衣だ。どうしたの、びしょびしょじゃん」

 朱莉の言葉に、芽衣は伏せていた目を微かに上げた。そして、すぐに目を伏せた。
 明らかに只事じゃない雰囲気に、私達は顔を見合わせた。

「どうする?」
「……とりあえず、私の家に連れて行くわ。二人は先帰ってて」

 私はそう言いつつ、芽衣の体を引き寄せた。
 握った手は氷のように冷たくて、私は、少し驚いてしまった。

「芽衣、大丈夫?」
「……」
「何があったの? 私に相談してくれれば、その……私にできることなら、なんでもするから」
「……」
「あ、でもなんでもって言っても、できることとできないことがあるから、実質的には、なんでも、っていうのは無理だけど……」
「……千速さんは……」

 ずっと黙っていた芽衣は、微かに、囁くように言った。
 私は口を噤み、次の言葉を待つ。

「千速さんは……もし、友達だと思っていた人が、ずっと隠し事をしていたとしたら……どうしますか?」
「急にどうしたの……? うーん。元々隠し事されたこともないし。でも……友達相手なら、紆余曲折はあれど、最終的には、許すんじゃないかなぁ……」
「そう、ですか……その隠し事が、どんなものでも?」
「うーん……多分……」

 私の反応に、芽衣はそれ以上何も言わず、また目を伏せてしまった。
 それから家に帰り、和子さんに事情を話して、部屋に入れる。

「えっと、とりあえずタオルで体は拭いて……服は私ので良いかな? 背は同じくらいだけど、細かい部分のサイズとか……」
「千速さんっ」

 芽衣はそう言って立ち上がった。
 唐突なことだったので、私は「おぉ……?」と奇妙な声をあげつつ、続きを待つ。
 芽衣はしばらくキョロキョロと視線を彷徨わせた後で、真っ直ぐ私を見つめた。

「千速さん、あの……先ほどの話に関係あるんですけど」
「あ、あぁ……隠し事がどうとかいう……それが?」

 そう言いながら、私は芽衣に着せる服をまとめていく。
 まぁ、この場で彼女の気持ちが楽になるならそれで……。

「例えば、私が冥姫だって言ったら……どうしますか?」

 その言葉と同時に、私は、手に持っていた服を落とした。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.139 )
日時: 2017/05/29 18:57
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第20話「まさかの正体!真実を紡ぐ緑色の糸」3

「えっ……?」

 しばらく呆然とする私に、芽衣は立ち上がり、首から提げたネックレスに触れた。
 次の瞬間、彼女の体を黒い光が包み込み、そして……冥姫の姿に……。

「そんな……」
「これが、私の本来の姿です。神林芽衣、というのは……偽名で……」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 私は、咄嗟に彼女の腕を掴んだ。
 その瞬間、握り締めた袖の向こう側に、違和感を抱いた。

「ちょっと……待って……」
「な、にを……」

 動揺する彼女を無視して、私はしっかりと腕を掴み、袖を捲った。
 その手首には……くすんだ、緑色のお守りが……。

「……嘘でしょう……?」
「な、何なんですか……? いい加減に、手を離して……」
「皐月……なの……?」

 私の言葉に、冥姫……いや、皐月は「はぁ?」と呆けた声を出した。
 それに、私は握っていた彼女の手首を、本人に見える高さまで掲げて見せた。

「もし皐月じゃないなら、このお守りはどこで手に入れたの?」
「そんなの、気付いた時には付いていて……私にもわかりません!」
「皐月なんだよね!? 貴方は……皐月なんだよね……?」

 気付いたら、私の目から、ボロボロと涙がこぼれていた。
 その時、手を振り払われた。
 顔を上げると、気付けば、皐月は冥姫の姿から芽衣になって……外に飛び出していく。

「待って!」

 私はすぐに彼女の後を追い、家を飛び出す。
 外に出た瞬間、大粒の雫が制服に、まるで弾丸のように打ち付ける。
 しかし、それを気にしている場合ではない。

 なんで気づかなかったんだ。あんなに近くにいたのに。
 いや、疑いはした。自分の中で希望論を唱えては、ありえないと決めつけて。
 だってそうでしょう? この世界に彼女がいるなんて思いもしなかったし、そもそも、彼女は私のことを覚えていないみたいだし。
 じゃあ、なんで今、目の前にいる皐月は私を覚えていないのだろう? なんで、私から逃げて……———

「わッ!」

 前から朱莉らしき声が聴こえ、私は走る速度を落とした。
 見ると、蜜柑に支えられてどうにかよろめくだけで済んだ朱莉と、地面にへたり込む皐月の姿があった。

「いったた……芽衣? 何してるの?」
「……」
「朱莉、蜜柑! えっと……」

 皐月に関してどう説明すれば良いか分からず、私はしばらく口ごもる。
 私の反応に、蜜柑が、「もしかして……」と僅かに声をあげた。

「もしかして、千速ちゃん……聞いたの?」
「えっ?」
「なになに、何の話?」

 不思議そうに言う朱莉に、蜜柑は苦笑しつつ、皐月を立たせる。
 皐月は、私と、朱莉と蜜柑に挟まれたせいか、居づらそうに視線を彷徨わせた。
 私は少し呼吸を整えて、口を開く。

「もしかして蜜柑……知っていたの? さt……芽衣と冥姫が、同一人物であること」
「嘘ぉ!?」
「うん。この間、確認したらそうだって。……千速ちゃんが、芽衣さんと皐月さん? を重ねているように感じたから、教えるのは酷かなって……」

 目を伏せながら言う蜜柑に、私は「そう……」と言いつつ、皐月に視線を向けた。

「確かに、芽衣は皐月にそっくりだし、面影を重ねていたわ。だって……二人が同一人物だったのだから」
「えっ!?」
「あのぉ! 話についていけないんですけど!」

 声をあげる朱莉を無視しつつ、私は皐月の手を掴む。

「ねぇ、皐月。なんでこんなことしているのか教え……」
「あぁぁぁぁッ! もうッ! うるさいッ!」

 恐らく———冥姫になった時や芽衣の時も、皐月の時も含めて———初めて、彼女が声を荒げて怒るのを見た気がする。
 冥姫に変貌していく皐月を見ながら、私は、ゆっくりと自分の手を見つめた。

「とにかく、行くよ! 二人とも!」
「うんっ!」
「え、えぇ」
「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」

 迷うのは後。
 今はただ……やるべきことをやるだけ。


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