二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.185 )
日時: 2017/06/17 22:41
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第27話「ドキドキ肝試し!皆の怖いもの?」6

「朱莉ちゃん!」
「だ、大丈夫! 私はお化けくらいなら平気だから……!」

 そう答えていた時、目の前でフラッシュが煌く。
 一瞬目が眩みそうになるが、なんとか堪え、オンネーンを蹴り飛ばした。
 地面に倒れたオンネーンの体が、少しずつ、変わっていく。
 さぁ、一体何になるのやら……。
 そう思っていると、それは何やら角張った見た目になる。

「え、これって……」

 そう、それは……今頃私の部屋の隅で山積みになっているであろう、夏休みの宿題だった。

「あっ……」
「朱莉ちゃんの怖いものって……」
「あぁ、これ……」
「うわあああああ! やらないとおおおおおお! 思い出したくなかったああああ!」

 私が頭を抱えて叫んでいると、その横をウィングが通り過ぎる。
 攻撃を加えようとした瞬間オンネーンの姿が変わり、お化けの見た目になる。

「あ、これってメモリー機能とかもあるんだ……」
「えー……これって八方塞がりってやつじゃない? 全員の怖いものをコピーなんてされたら……」
「徐かなる林よ! 動く雷霆よ! 今、二つの力よ! 我に集い、力と成れ! フォレストロッド!」

 私の言葉を遮るように、フォレストがフォレストロッドを取り出し始める。
 唐突な行動に、私達は彼女を二度見した。

「ふぉ、フォレスト!?」
「皐月ちゃ……そんな、考え無しに行動しても……!」
「大丈夫です。私なら……」

 そこまで言った時、オンネーンの体がまたもや元に戻り、皐月にレンズを向ける。
 フラッシュが瞬き、皐月の怖いものが露見したことが分かる。

「あーあー……やっちゃった……」
「いえ、大丈夫です。きっと……」

 皐月がそう言った直後、オンネーンの様子がおかしくなる。
 恐らく皐月の怖いものに変化しようとするのだけれど、もやもやとしたものを体に纏っては、それが消えていく。
 まるで、形にできていないような……。

「やはりそうですか……一気に決めますよ」

 皐月はそう呟くと同時に、フォレストロッドを構える。

「二つの力よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! デュアルバーストッ!」

 その掛け声と同時に、二つの輝きがオンネーンの元まで突き進む。
 やがて、オンネーンは浄化され、消えていった。


「いやー……今回のは流石に、間一髪だったね」

 私の言葉に、皐月は「全くですよ」と呆れた声を出した。

「怖がりの千速や蜜柑はともかく、朱莉までもがあんな弱点を持っているなんて……」
「あはは、面目ない」
「そういえば、なんで皐月の怖いものは、オンネーンは再現できなかったの?」

 千速がそう聞くと、皐月はフッと微笑む。

「まさか、怖いものがないってことじゃないよね?」
「えぇ。私にだって、怖いものはありますよ」
「えー。何々〜?」

 私が身を乗り出して聞くと、皐月は優しく微笑み、自分の腕にへばりついている千速の頭を撫でた。

「千速や、朱莉、蜜柑。大切な人が私から離れることが、私にとって、一番怖いです」
「あはは……そりゃ、オンネーンも化けれないわけだ」
「えぇ。でも、もうこんなことにならないよう、少なくとも千速と蜜柑には鍛えてもらわなければ」
「えっ……」

 皐月の言葉に、蜜柑は明らかに嫌そうな顔をする。
 千速も察したようで、怯えた目で皐月を見上げた。
 二人の反応に、皐月はニコッと微笑んだ。

「戦闘中に話していた怪談話の件、今から帰ってゆっくりしましょう。折角の夏休み、ですし」

 その言葉に、蜜柑は咄嗟に私の後ろに隠れようとした。
 しかし、彼女の腕を掴んで逃げ出さないようにして、私は引きずりながら「良いねー」と答えた。

「私も聞きたいなぁ、皐月の怪談」
「フフッ。怖くて夜眠れなくても知りませんよ?」
「皐月の怪談……」

 俯いて震えだす千速に、蜜柑の顔も暗闇でも分かるくらいに青ざめていく。
 その様子を見ながら、私と皐月は同時に笑いだした。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.186 )
日時: 2017/06/18 20:46
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第28話「朱莉の天敵!?宿題を終わらせろ!」1

 肝試しが終わった翌日から、どうにも蜜柑の視線が痛い……。
 いや、理由は分かっている。そして、現在私はその理由を目の前に固まっている。

「ダメだ……絶望的に、分からん……」

 そう、それは……夏休みの宿題……。
 毎年最終日まで溜め込むのが最早恒例行事と化している気がするそれを、ようやく私は手を付けようとしている。
 今年だって、本当は最終日まで溜め込むつもりだった。
 しかし、肝試しの時の戦いで、この宿題のせいで足手まといになってしまった手前、それでもなお溜め込み続けるほどの度胸はない。
 ……が……。

「わーかーらーんー!」

 ガリガリと頭を掻いた私は天を仰ぎ、やがて、フゥ、と息をついた。


「えっと……それでいつも通り私と……」
「私と皐月までもが呼ばれた、と?」
「だって全然分からないんだもん〜!」

 私が半泣きで訴えると、千速は呆れたようにため息をついた。
 ちなみに蜜柑にとってはこれはほぼ毎年のことなので、終始苦笑を浮かべている。
 皐月に関しては……すでにやる気は無いようで、なぜか私の本棚からホラー系の漫画を取り出して読んでいる。
 遠慮ないね。

「ふむ……千速、これを見て下さい」
「ん? 何を……ひ……!」

 皐月が平然と見せたホラー漫画を見た千速は涙目で青ざめ、すごい速さで後ずさる。
 私はその様子を眺めつつ、机に広げた宿題の山に落胆する。

「あはは……例年に比べれば早く始めた方だけど、相変わらずすごい量……じゃあ私は数学と英語を担当すれば良い?」
「ちょっと、宿題っていうのは自分でやらないと意味が無いのよ? 蜜柑がそうやって甘やかすから……」

 千速の言葉に、蜜柑は「でも……」と困ったように笑いながら、数学と英語のワークを手に取る。
 しかし、すぐにそれを千速が「だーめ」と言って没収し、私の前に置く。

「これは朱莉の問題なんだから。朱莉が終わらせなくちゃ」
「そうですよ。まぁ、私達も分からない場所は教えますし、一緒にお勉強をしましょう」

 にこやかに微笑みながら言う皐月に、私は「はーぃ……」と返事をした。
 はぁ……憂鬱……。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.187 )
日時: 2017/06/18 22:32
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第28話「朱莉の天敵!?宿題を終わらせろ!」2

 それから、どうやら皐月と千速も宿題を全部終わらせたわけではないらしいので、取りに帰って三人で一緒に勉強しようという話になった。
 蜜柑? 優等生の蜜柑は夏休み始まって一週間で全部終わらせるんだよ。毎年。
 ……わけがわからないよ。

「それで、私達が来る前にどれくらい進めたの?」

 蜜柑はそう言って私の手元を覗き込み、そして、笑みを引きつらせた。
 ……やめて。そんな目で見ないで。
 1ページ目から手付かずだからって哀れみの目を向けないで!

「……皐月ちゃんと千速ちゃんは?」
「私は……後は国語だけです。もう残り数ページ程度ですが」
「私は社会科だけかな。まだ半分くらい残ってるけど、教科書見ればできるから、多分すぐに終わるかと」

 ぐッ……相変わらず学力上位ばかりめ……!
 悔しがっていると、蜜柑が「そんな顔しないの」と言って、一問目の問題を指さす。

「じゃあまずはここから始めよ? ね?」
「うぅ……分かった」
「うんうん。えっとまずはねー……」

 それからは、蜜柑の説明を受けながら一問ずつ解いていく。
 我ながら、蜜柑に頼りすぎているのが申し訳なくなってくる。
 とはいえ、自力で解くのに比べると効率は大分上がって、それから十時間ほどかけて夏休みの課題である一冊を終えた。
 それだけで私の体力は枯れ果て、机に突っ伏した。

「まだ力尽きるには早いよー……まだ国語に理科に社会に英語に……」
「うげー……」
「少し休憩した方が良いんじゃない? ていうか……外、暗いわね」

 千速の言葉に、私達は窓の外を見た。
 夏場は日が落ちるのが遅いものだが、それでも暗くなるくらいの時間になっていたらしい。
 割と朝早くに呼んだんだけどなぁ。時間が経つのは早い。

「では、私達はこれでお暇しましょうか。和子さんも心配しているでしょうし」
「ん……そうだね。そろそろ夕食の時間だし」
「そっかぁ……じゃあ、残りはまた明日やろうね、朱莉ちゃん」
「うー……またねー」

 三人を見送った私は大きく息を吐き、フラフラと自室まで戻る。
 そして、机の上に山積みになった宿題を見て、息をつく。

「……少しでも進めておくか」

 そう呟き、国語のワークを手に取って広げてみる。
 グッ……やはり難しい……!
 しかし、どうにか分かる問題もいくつかあるので、なんとかそれを埋めていく。
 ……辛い……。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.188 )
日時: 2017/06/19 21:25
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第28話「朱莉の天敵!?宿題を終わらせろ!」3

「あれ……シャー芯がない……」

 しばらく問題を解いていた時、シャーペンの芯が切れてしまい、替えを出そうとした時、ケースの中の芯が空っぽだったのだ。
 時計を見ると、夜の九時か……。
 最近のコンビニって文房具もそこそこ充実してるし、近所のコンビニに置いてあった気がする。
 頭も使いすぎて糖分欲しいし、ついでにお菓子買ってこよっと。

「こんな時間にどこ行くの?」
「ちょっとコンビニ〜」

 私はそう言いながら靴を履く。
 片手には500円玉を握り締めて。

「こんな時間に? 危ないわよ?」
「平気平気。すぐ近所だし。あ、何か買って来てほしいものとかない?」
「んー……それじゃあ、牛乳がそろそろ切れそうだから、よろしく」
「あいあいさー」

 適当に返事をしてから靴がしっかり履けたことを確認して、私は立ち上がる。
 それから家を出てコンビニに向かって走る。

「ん……今、一人か?」

 街灯に照らされる夜道を走っていた時、そう呼び止められた。
 顔を上げると、そこには……見覚えのあるような無いような、変な感じがする男が一人立っていた。

「えっと……?」
「こんな時間に一人で……一体、どこに?」

 そう言われつつ彼の目を見た瞬間、ほんの一瞬だけ、思考に靄がかかるような感覚がした。

「えっと……夏休みの宿題してたら文房具が切れちゃって。それ以外にも買いたいものもあるから、ついでにコンビニに」
「宿題……明日じゃダメなのか?」
「うーん……ダメ、かな。えっと、私夏休みの宿題溜め込むタイプでさぁ。しかも馬鹿だし、友達に教えてもらっちゃうんだよね。でも、それだと時間とるし、私に分かる範囲なら、少しでも進めておこうかなって」

 なぜかは分からないが自分の口がやけに軽くなるのを感じた。
 クルクルと軽く舌が回り、私は饒舌に、自分の個人情報を惜し気なく見知らぬ青年に話していた。
 いや、でも……どこかで彼のことは見覚えがあるんだよなぁ……。
 声なんて、割とつい最近聞き覚えがあるような……。

「ふむ……じゃあ、お前の友達は、お前のことを疎ましく思っているかもしれないなぁ」
「は……?」
「いや……わざわざ貴重な時間を割いてまでそんなことをさせられて、本当は嫌になっているんじゃないか、とな」
「あはは……そんなわけないよ〜。蜜柑は毎年手伝ってくれてるけどまだ友達でいてくれてるし、千速や皐月だって、きっと……」

 そこまで言うと、少し不安になってくる。
 蜜柑も、本当はウンザリしているんじゃないだろうか。
 皐月や千速も、もしかしたら、私のことを邪魔だって……。

「ぅぁああッ! 考えれば考えるほど頭がこんがらがる〜! ちょっとアンタ!」

 私がビシッと指さすと、男は「あ?」と怪訝そうな顔をした。

「馬鹿な私にそういうこと言われても分かるわけないでしょ。あと、不必要な場所で頭を使わせない」
「はぁ!?」
「大体、こんな夜中に女子中学生に話しかけて、下手したら警察に通報されちゃうよ? まぁ私が煩いから勘違いされることはないと思うけど」
「えっと……」
「ホラ、お兄さんもさっさと帰った帰った。私は早く買い物済ませて宿題の続きをしないといけない義務があるのです」

 そう言いながら手で「シッシッ」という素振りをして見せると、男は嫌そうに眉を潜めつつも去っていく。
 私はそれに嘆息し、天を仰いだ。

「不安にさせんな……」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.190 )
日時: 2017/06/20 22:25
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第28話「朱莉の天敵!?宿題を終わらせろ!」4

 翌日になり、昨日と同じ時間に三人が来た。

「ははっ、今日も悪いねぇ。遠慮なく上がりんしゃい」
「……いつも問答無用で呼び出す人間の言葉とは思えないわね」
「朱莉ちゃんどうしたの? 何か、いつもと違くない?」

 千速のツッコミに、蜜柑がなぜかものすごく不安そうに顔を覗き込んでくる。
 ちょっと優しくしただけでこの反応って……普段の私がどんな人間だと思われているのか分かるよね。

「そんなことないよ〜! ホラ、早く私に宿題を教えてちょうだいな」
「はいはい……今日は何する? 一応色々な教科のノートを持ってきたんだけど」

 そう言いつつ、蜜柑は色々なノートを出し始める。
 英語に理科に社会に国語……おぉ。何かすごい。

「へっへーん。実は、国語を昨日の夜の間に進めておいたのです。だから、分からなかったところと続きを教えてほしいかな」
「そっか。じゃあ国語だね」
「朱莉が自分から勉強をするとは……どういう風の吹き回しですか?」
「皆からの私のイメージ酷くない!?」

 私が異議を唱えると、三人は「だってねぇ?」と言って、顔を見合わせた。
 ひ、酷い……!
 ショックを受ける私は、それでもなお堪え、三人を部屋に招き入れる。
 ……皐月。部屋に入って早々なんで私の本棚見るの? この間のホラー漫画気に入ったの? 貸すよ?

「それじゃあ早速始めようか。朱莉ちゃん。勉強道具は?」
「バッチリ、すでに用意済み」

 国語のワークと筆箱を構えながら言うと、蜜柑はクスッと笑った。

「なんか、いつもの朱莉ちゃんらしくないぞ〜? 何かあった?」
「いや、私がちゃんと勉強するだけで何その反応……」
「ハッ! まさか今の朱莉は偽物!?」
「なんでそうなるのかなぁ!?」

 私がツッコミを入れると、千速は「冗談よ」と言って笑われた。
 うぅぅ……やっぱり酷いよ……。
 頬を膨らませていると、蜜柑が「まぁまぁ」と言いながら頭を撫でてくる。

「子供扱いするな!」
「中学生は子供だよ?」
「朱莉の精神年齢は小学生以下だけどね」
「何を〜!?」
「あの……早く勉強しないと、時間が無くなりますよ?」

 皐月の言葉に私達は同時に口を噤んだ。
 一斉に静かになったのが面白くて、私はつい、「プハッ」と吹き出してしまった。
 それに釣られたのか、他の三人も笑いだし、ひとしきり、笑い声が室内に響いた。


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