二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】風林火山プリキュア!
- 日時: 2017/08/01 13:12
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539
初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!
追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。
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- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.211 )
- 日時: 2017/07/01 23:06
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第32話「まるで親子?フウマルと千速の家族愛」1
「迷惑を掛けてしまい、申し訳ない……」
翌日、風間家に来て早々、フウマルはそう言って土下座してきた。
あまりに唐突な出来事に、私達はしばらく呆然とする。
ただフウマルの看病に来ただけなんだけどなぁ……。
「ちょっとフウマル、頭上げてよ」
「いいや、千速。こういうのはきちんと謝罪が大切なんだ。大人の責任というものが……」
「いやいやいや! 私達別に気にしていないし! ね? 蜜柑」
「う、うん……皐月ちゃんだって操られていたし……」
「そういえば、あの時ちゃんと謝っていませんでしたね。えっとあの件に関しては……」
「あーもう余計にややこしくするなー!
私のツッコミに、皐月は「しかし……」と不満そうに言う。
隣では、未だに土下座しようとしているフウマルを止めようとしている千速……なんだこのカオス。
「私達は全然その件に関しては気にしてないから! 変にかしこまらないで!」
私の説得に、ようやく皆落ち着く。
朝っぱらからせわしない……。
私はそれにため息をつき、千速に顔を向けた。
「にしても、良かったね千速。フウマルを取り戻せて」
「ん……ありがとう。でも、私だけだったら、フウマルどころか、皐月も取り戻せてなかった。本当に……ありがどう……」
そこまで言うと、千速の目からボロボロと涙が零れる。
隣にいたフウマルはそれに微笑み、ティッシュを数枚取って千速の涙と鼻水を拭う。
千速はそれに、さらに号泣して、フウマルに抱きついた。
「良がっだ……本当に……うわぁぁぁん」
子供のように泣きじゃくる千速の頭を、フウマルは優しく撫でる。
よく見ると、フウマルの目からも涙が溢れ、彼の頬を伝って落下していく。
「朱莉、蜜柑。……出ましょう」
その言葉に振り返ると、扉を微かに開けて皐月が立っていた。
「皐月……」
「……あの二人は親子のように仲が良かったですから。久々の再会ですし、二人きりにしてあげましょう。きっと、話したいことだってあるでしょうし」
皐月の言葉に、蜜柑が「そうだね」と言って笑う。
そんなもんかねぇ……まぁ、分からなくはないけど。
私は苦笑しつつ、ひとまず、皐月の部屋で時間を潰すことにして、皆で彼女の部屋に向かった。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.212 )
- 日時: 2017/07/02 20:29
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第32話「まるで親子?フウマルと千速の家族愛」2
<千速視点>
「落ち着いたか?」
「ヒグッ……うん。ごめんねフウマル……」
私はそう言いながら辺りを見渡した。
気を遣ったつもりなのだろうか。部屋には私達の他に誰もいなかった。
「……こうして二人で話すのも……いつぶりだろうな……」
フウマルの言葉に、私は少し緊張しつつも、「そうだね」とだけ答えた。
やっと……やっと、フウマルを元に戻せたんだ。
そう思うと、胸が熱くなって、私は俯く。
「……ただいま、千速」
そう言うと、フウマルは私を抱きしめた。
その瞬間、色々な感情が溢れ出てきて、胸の中でグチャグチャに混ざり合って、また泣きそうになる。
「おかえり、フウマル……」
ひとまず、私は抱きしめ返す。
とにかく、フウマルが帰って来たんだ。
それだけがただ嬉しくて、私は泣くのも忘れて、彼を抱きしめ続ける。
「立派になったな……伝説の、プリキュアにもなって……皐月だって、お前の力で取り戻したんだろう?」
「ううん……私だけじゃなくて、朱莉や蜜柑が協力してくれたから」
「あれから、色々あったよな……聞かせてくれよ。何があったのか」
その言葉に私は頷き、フウマルと分かれてこの世界に来てからのことを話した。
風の書に選ばれてプリキュアになったこと。
中学校に入って朱莉達と出会い、一緒に戦うようになったこと。
ライデンや皐月とも出会って、それから、それから……———。
思いつくままに、順序なんかも無視して、ひたすら自分の体験したことを饒舌に語っていく。
フウマルはそれを頷きながら聞いてくれて、ただ楽しくて、私はとにかく思いつく限りの体験を話した。
<朱莉視点>
「千速ちゃん、楽しそうだね」
扉の隙間から二人の様子を観察していた時、蜜柑が小さい声で言った。
私はそれに「そうだね」と同意しつつ、扉から離れた。
「ていうか、あの二人てっきり恋人か何かかと思っていたんだけど……違うの?」
「んー……恋人、では、無いですね。恐らく。……どうしてですか?」
皐月の問いに、私は「いやさぁ……」と言いつつ、扉の隙間から千速の様子を見て、ため息をついた。
「あれ……完全に、学校であったことを父親に報告する娘じゃん」
「……微笑ましいね」
「蜜柑、多分そのコメントは違うと思います」
皐月の言葉に、蜜柑は首を傾げた。
私はそれに苦笑しつつ、顎に手を当てた。
「うーん……でもさぁ、折角の再会の感動をこんな狭い部屋の中で済ませるのってどうなのかな」
「まさか朱莉ちゃん……」
怪訝そうな表情で聞いてくる蜜柑に、私は笑って見せた。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.213 )
- 日時: 2017/07/02 22:30
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第32話「まるで親子?フウマルと千速の家族愛」3
<千速視点>
「それで……なんでショッピング?」
大手ショッピングモールの入り口にて、私はついそう言った。
それに、朱莉はニマニマと笑いながら、フウマルを指さした。
「フウマルってさぁ、結構カッコイイと思わない?」
「それは、まぁ……」
「でもさぁ、服がそんな、変な和服っぽいのしか無いのはもったいない!」
朱莉の言葉に、私はフウマルの服装を見てみる。
なるほど……確かに、フウマルの格好はこの世界では少し浮く。
忍者っぽいというか、まぁ、変わった服で通じるかもしれないが、やはり少しねぇ……。
「……でも、ライデンだって似たようなものだけど、何も言わないのね?」
「うッ……それは……」
私の言葉に、朱莉はぎこちなく視線を逸らした。
フウマルの服を買うなら、ライデンにも服を買い与えるべきだと思うのだけれど……ライデンだって似たような服着ているし。
まぁ、ライデンの服装は、フウマルに比べればこの世界でも大分馴染む感じは無くも無い。
しかし、フウマルについて買い物どうこう言うなら、なぜライデンには買い与えなかったのか……。
そう不思議に思っていた時、軽く服を引っ張られる感触があった。
振り向いてみると、そこでは、蜜柑が私の服を軽く掴んでいた。
「蜜柑……?」
私が名前を呼ぶと、蜜柑は朱莉の方向をチラッと見てから、私の耳元に口を寄せてくる。
「朱莉ちゃん、千速ちゃんとフウマルちゃんが久しぶりに再会したんだし、折角だからどこかに出かけようって、発案したんだ」
「朱莉が?」
「うん……朱莉ちゃんがそうやって言い出すことって今まで無かったし、付き合ってあげようよ」
蜜柑はそう言ってはにかむ。
私はそれにしばらく呆然としていたが、朱莉の善意が嬉しくて、フッと顔が綻ぶのを感じた。
「分かったわ。それで、服屋に行けばいいの?」
「おっ! やっと乗り気になってくれたか! じゃあ、千速とフウマルはあっちの服屋さんを見てきなよ」
そう言って朱莉が指さした方を見ると、それは、メンズの服がある服屋だった。
「えっと……えっ? 皆一緒に行くんじゃないの?」
「ライデンにはあっちの服屋の服が似合いそうだから、皐月と一緒に買ってきなよ」
私の言葉を無視しながら、朱莉は別の服屋にライデンと皐月を促す。
呆然としていると、蜜柑が私の肩を叩いた。
「千速ちゃん、ごめん。流石にこれは予想外」
「えっ!?」
苦笑しながら言う蜜柑に、私は驚く。
すると、朱莉は蜜柑の腕を引き、ヒラヒラと手を振る。
「それじゃあ、私は蜜柑と散歩してくるから。後は頑張れ〜」
「頑張るって、何を……」
「千速。早く行かないと閉まるぞ?」
戸惑う私の腕を軽く引いて、フウマルが、朱莉に紹介された服屋を指さしながら言う。
いや、まだ昼間だから……閉まるわけないから……。
そう思いつつも、結局朱莉と蜜柑もどこかに消えてしまい、結局私はフウマルと共に服屋さんに入店した。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.214 )
- 日時: 2017/07/02 23:17
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第32話「まるで親子?フウマルと千速の家族愛」4
服屋の中はポップな音楽が流れ、中はやはり男性の人が多い。
そんな中でフウマルと歩く私は、恋人とか思われているのだろうか……。
……いや、フウマルは背も高いし、私の背は低い方だから、親子かな。
「それにしても……拙者はこの世界の服というものは分からないのだが……」
近くのTシャツを見ながら、フウマルは言う。
私だって、服は基本和子さんから買い与えられているものを着ているから、あまり詳しくないんだけど……。
「私に聞かれても……でも、フウマルは結構サッパリしてるから、青系の服とか良いんじゃないかな」
「青……千速の色だな」
「へ……?」
私が呆けると、フウマルはニッと微笑み、私の髪を軽く手で梳いた。
「だって、こんなに綺麗な空色をしているし、プリキュアに変身した時は青いプリキュアになるだろう?」
「あぁ、そういうこと……まぁ、青は結構好きかな。でも、フウマルが着ている服も、青っぽいよね?」
青いシャツを手に取りながら、私はそう聞いてみる。
すると、フウマルは優しい笑みを浮かべ、私の頭に手を置いた。
「千速が好きな色、だからな。パートナーの好きな色に合わせるくらい、当然じゃないか」
「……ッ! もう、良いから早く決めちゃお。あ、これとか良くない?」
私はそう言いながら、青いシャツとジーンズをフウマルの体に合わせてみる。
あ、結構似合う。
でも、私のセンスがおかしくて、実は傍から見たらダサいかもしれない。
それだったらどうしよう……。
そう不安に思っていた時、フウマルがクスクスと笑っていた。
「な、何……?」
「ははっ……あぁ、いや。拙者のために悩んでくれる千速が可笑しくて」
「な……っ!?」
「安心しろ。千速が選んでくれた服なら、たとえセンスが無かったとしても気にしないよ」
「そ、そんな言い方しなくても……」
私が膨れていると、フウマルはさらに可笑しそうに笑う。
そんなに笑わなくても良いのに……ていうか、私のセンスが悪い前提で話していないか?
いや、でもどうなんだろう……前に美術で描いた絵を提出したら、美術の先生にかなり引きつった笑みを返されたんだよなぁ……。
朱莉に聞いたら「千速の絵は個性的だから……」と言われたけど、あれもセンスが無いからなのではないか……。
そう思いつつも、ひとまず服を選んでいく。
持っているお金にも限度はあるから、高い物は選べない。
でも、どうにか服を選んでいき、なんとか私は服を選びきった。
「よし……それじゃあ、とりあえず試着してみよ?」
「試着……?」
「あ、えっと……あそこ、更衣室あるじゃない? あそこで着替えるんだけど……」
「あぁ、なるほど……」
フウマルは納得し、更衣室の方に向かって行こうとする。
その時、床が大きく揺れて、私は転びそうになる。
が、咄嗟にフウマルが支えてくれて、なんとか転ばずに済んだ。
「大丈夫か?」
「う、うん……もしかして、オンネーンかな……」
体勢を立て直しながらの私の言葉に、フウマルは無言で私から手を離した。
それに、私は彼の顔を見た。すると、彼は優しく微笑んだ。
「拙者じゃ足手まといになるからな。心苦しいが、ここは観戦させていただくよ」
「でも、心配とかは……」
つい、そう聞いてしまう。
するとフウマルは私の頭に手を置いた。
「大丈夫。信じているよ。だって、千速は強いから」
「……ありがと」
私の言葉に、フウマルはニッと微笑んだ。
私はすぐに踵を返し、服屋から飛び出して、オンネーンを探して駆けだした。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.215 )
- 日時: 2017/07/03 19:06
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第32話「まるで親子?フウマルと千速の家族愛」5
何度か床の震動に転びそうにながらも、私は走る。
しばらく走っていると、皐月と合流した。
「皐月! ライデンは?」
「ひとまず危ないので避難を……朱莉達は……?」
皐月の言葉に私は辺りを見渡した。
すると、遠くから蜜柑の手を引いて走って来る朱莉の姿があった。
「朱莉!」
「ごめーん! 遅くなった……!」
朱莉はそう言って立ち止まると、大きく息を吐く。
その後ろの蜜柑は、恐らく朱莉の全力疾走に付き合わされたのだろう。かなり最悪の顔色でフラフラとしている。
皐月が彼女の背中を擦ると、ブハァッ、と大きく息を吐いた。
体力無いって大変なんだろうなぁ。
「それで、オンネーンは?」
ようやく息を整えた蜜柑に答えようとした瞬間、外から爆発音が聴こえた。
私達はすぐに走って、外に出る。
すると、外で暴れるオンネーンと、赤い和服の男がいた。
「オウガ……」
「ようやく出てきたか……さぁ、レジェンドクロック、とやらを、渡してもらおうか」
皐月がオウガと呼んだ男は、そう言って手を差し出してくる。
私達はそれに後ずさりしつつ、アウラシュリフトロレを取り出す。
「だ、誰がアンタなんかに……! 皆、行くよ!」
「「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」」
「侵掠すること、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ」
「徐かなること、林の如し! キュアフォレスト!」
「風!」
「林!」
「火!」
「山!」
「「「「プリキュア!」」」」
変身を終えた私達は、すぐにオンネーンに向かって走っていく。
攻撃を入れようとした瞬間、躱されて、腹に衝撃を受けて吹き飛ばされる。
バゴォッという音とともに自動車に背中からぶち当たり、私は背中を押さえる。
体が強化されているとはいえ、痛いものは痛い。
ぶつかった自動車は扉が歪み、窓ガラスにヒビが入っている。
こんな衝撃があってほとんど怪我が無いなんて、信じられないな……。
「ウィング、大丈夫!?」
「だい、じょうぶ……!」
私はすぐに立て直し、一気に駆ける。
そういえば、と少し考える。
フウマルと分かれたばかりの頃、私は一人ぼっちだった。
未知の世界に投げ出され、一人途方に暮れて。
とにかく、林の書、火の書、山の書を見つけて村を取り戻さないと、ということで、頭の中は一杯で。
そんな中で、朱莉や蜜柑に出会って、少しずつ余裕が出来て。
それからライデンにも出会い、記憶を失った皐月とも再会して、今ではこうして共闘している。
初めての夏休みでは、海に行ったり、この世界の夏祭りを経験したり、肝試しをしたりして。
そして今では……フウマルを取り戻せた。
「やっと……ここまで来たんだ……!」
私はそう言いながらオンネーンの攻撃を躱し、腕を構える。
金色の光が輝き、サンダーブレスとして、手首に巻き付く。
それを確認しながら、私は強く踏ん張り、拳を握り締める。
「それなのに、こんなところで、邪魔されてたまるかぁぁぁッ!」
思い切り遠心力を付けて、私はオンネーンを殴り飛ばした。
オンネーンの体は遠くに吹き飛び、地面を跳ねる。
直後、ピリッと軽く痛みが走り、私は手首を押さえた。
「これは……?」
見ると、サンダーブレスは微かに輝きを強くしているような気がした。
「もしかして、サンダーブレスが、千速の想いに応えて……?」
「そんなことあるの?」
不思議そうに聞くフレイムを横目に見ながら、私は顔を上げた。
次するべきことが脳裏に過り、私はすぐに、強く輝くサンダーブレスを構え、叫ぶ。
「レジェンドクロックッ!」
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