二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【オリキュア】風林火山プリキュア!【1000越え】 ( No.65 )
日時: 2017/05/11 17:40
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

それは良かったです!

いえ、被ったと言っても蜜柑が出てくるだけですし、何より広村さんが先に書いてるので謝る必要はないですよ!

いえいえ、こちらこそありがとうございます

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.66 )
日時: 2017/05/11 18:06
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第9話「笑顔が一番!蜜柑畑の秘密!?」4

「侵掠するは、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ!」
「「「風林火山プリキュア!」」」

 名乗りを終えると、私達は早速オンネーンに殴りかかった。

「はぁぁぁ!」

 朱莉ちゃんは、そう叫ぶと同時にオンネーンに拳を入れる。
 しかし、オンネーンはびくともしない。
 まさかと思い私も殴ってみるが、岩のような固さだった。

「もしかしてこれ、この間の!」
「そんな……! この前はよく分からない力でなんとかなったけど……」

 その時、オンネーンの足が落下してくる。
 私達は咄嗟にそれをかわし、距離を取る。

「とにかく、今私達に出来ることをやるしかないよ!」
「そんなのって……」

 私がそう言った時だった。

「こらああああああッ! 化け物おおおおおおッ!」

 空気を震わせるような雄叫び。
 そして残念なことに、それは……私が一番聴き慣れた声だった。

「お、お姉ちゃん!?」
「このミカン畑には、指一本、触れさせない!」

 そう言って、咄嗟に構えるのは茎を切るためのハサミ……。
 ……そんなので勝てるわけないじゃん……。

「な、何をしているの! 速く逃げて!」
「嫌だッ! この畑は……この畑だけは、守らないと!」
「なんでそんなにこの畑に関わるんですか! それより貴方の命が……」
「この畑は、妹のために作ったのッ!」

 その叫びと同時に、背後から何かが破裂する音が響いた。
 しかし、今の私には……どうでも良かった。

「それって……どういう」
「……ここだけの話、ね。私の妹、蜜柑って名前なんだ。その名前のせいで、小さい頃は男子からからかわれていたみたいでさぁ。引っ込み思案な性格だし、大人しいし、反論とかもできなくて……その影響から、今ではミカンが大嫌いになっちゃって」

 そんなの……初めて知った……。
 今まで、私が苛められていたのはこの性格からだと思っていた。
 名前も影響していたなんて……思いもしなかった……。

「ははっ、本人は忘れてるっていうか、本当に嫌だったから、無理矢理忘れた感じあるけどね。……でも、ミカン嫌いだけは直らなくて……だからさ、私が作ったミカンを、いつか食べてもらって、笑顔になってもらうのが夢なんだ。その為にも……この畑だけは……」

 そう言って、オンネーンの元に駆けだそうとする。
 私は咄嗟に彼女の腕を掴み、地面に押し倒した。

「今行ったら危ないですッ!」
「嫌だ! たとえこの命に代えても、私は、妹の為に、この畑を守るんだ……!」

 ……昔からそうだった。
 一度決めたことは曲げなくて、やり通す。
 頑固で、自分が正しいと思ったら、意地でも謝らないんだ。
 そう感傷に浸っていた時、強く突き飛ばされた。
 見ると、お姉ちゃんが私とオンネーンの間に立っていた。

「お姉ちゃん!」

 私が呼んだ瞬間、彼女の姿が視界から消えた。
 数メートル先で地面を転がり、地に伏せているのは……お姉ちゃん?

「な……! だ、大丈夫!?」

 私は慌てて駆け寄り、彼女の体を起こした。
 すると、お姉ちゃんは「カハッ」と息を吐いて、虚ろな目で私を見た。

「貴方……似ている、んだ……妹に……蜜柑に……」
「それは……!」
「妹を守れたと思えばこれくらい……本望だよ」

 そう言って、ガクッと気絶する。
 私はソッと寝かせると、近くの木から、オレンジ色の実を一個もぎ取る。
 そして、皮を剥き、白い皮に包まれた実を一つ、口に含む。

「……美味しい……」

 初めて食べたミカンは、すごく、優しくて、甘い味がした……。
 目から溢れる涙を必死に拭って、私は気絶するお姉ちゃんに視線を向けた。

「ごめんね……お姉ちゃん。本当は、ずっと、大好きだよ……」

 呟きながら、私はオンネーンの元まで歩き出す。
 胸が熱い。お姉ちゃんを傷つけられた悲しみや怒りがグルグルと回って、そして、今までの態度への申し訳なさもあって。
 私は深呼吸をして、叫んだ。

「お姉ちゃんの大切なもの……私も、守る!」

 そう叫んだ瞬間、体に雷が走った。
 腕に金色に光る腕輪が装着され、脳裏にセリフが浮かぶ。

「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス! モンテ!」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.67 )
日時: 2017/05/11 20:08
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第9話「笑顔が一番!蜜柑畑の秘密!?」5

「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス! モンテ!」

 言ってから、少し困惑。
 私って名乗りは動かざるなのに、動いて良いの!?
 そう思った瞬間、オンネーンが腕を振り下ろしてくるのが見えた。
 後ろにはお姉ちゃん。避けることは許されない。
 でも、なぜか不思議と……守れる自信があった。

「はぁぁぁ!」

 叫ぶのと同時に、私はその腕を受け止めた。
 足を強く踏ん張ると、ザザッ、と、足が下がる。

「モンテ!」
「これ以上お姉ちゃんを傷つけないで!」

 私は叫びながら、オンネーンの腕を跳ね返す。
 そして、サンダーブレスを構えた。

「不動の山よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! モンテムーロ!」

 地面に手を付けた瞬間、敵の四方を山の壁が囲む。
 終始その様子を眺めていた二人は、やがて、私に駆け寄って来た。

「何々! 今の!」
「えっと……なんか、できちゃった」
「……分からないわね」

 困った様子で言う千速ちゃんに、私は何を言えば良いのか分からず、肩を竦めた。
 その時、ライデンちゃんが走ってくるのが見えた。

「悪い! 近くにいる人たちを避難させていたら、遅くなった!」
「遅いよライデン! 遠足の時の雷のやつ、お願い!」
「えっ? でも……。あっ、分かった!」

 そう言うと、ライデンは深呼吸をして、手を構えた。

「動く雷霆よ! 今、プリキュアに力を貸し給え!」

 その言葉と同時に、二人の腕に腕輪……サンダーブレスが引っ付いた。
 それから、私達は円を囲んで、腕を出す。

「侵掠の火よ!」
「疾き風よ!」
「不動の山よ!」
「「「今、三つの力よ! 我らに集い、怨念を打ち払え!」」」

 そう言った瞬間、腕輪に雷が落下する。
 痛みは無い。でも、少しびっくりした。
 私達はすぐに横一列に並び、同時に腕を構える。

「「「プリキュア! ドライサンダーッ!」」」

 正拳突きのように腕を突き出した瞬間、巨大な雷が山の盾によって動きを封じられたオンネーンを浄化した。
 破壊された地面等が回復していくのを見つめながら、私はお姉ちゃんに近づいた。
 気絶はしているけど、謎の力によって怪我も治癒していくし、大丈夫そう。

「モンテ……?」

 不思議そうな表情で私を見つめる朱莉ちゃん。
 私は振り返ると、微笑んで見せた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.68 )
日時: 2017/05/11 22:30
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第9話「笑顔が一番!蜜柑畑の秘密!?」6

「んん〜……ハッ!」

 しばらくして、お姉ちゃんは目を覚ました。
 ひとまず朱莉ちゃんに運んでもらって、家の中で寝かせていた。
 他の皆にミカンの収穫を任せて、私はお姉ちゃんが目を覚ますのをずっと待っていた。

「あ……蜜柑」
「大丈夫? 外で倒れていたから、びっくりしちゃって……」

 そこまで言った時、肩を掴まれて、そのまま体をくまなく調べられた。
 しばらくしてお姉ちゃんは泣き出しそうな笑顔を浮かべて、「良かった……」と言った。

「さっき、外で化け物が暴れていたから……外に出た蜜柑が襲われたんじゃないかって……心配で……」
「……お姉ちゃん……」
「もし蜜柑がいなくなったら……私……心配で……」

 そう言って、ボロボロと泣き出すお姉ちゃん。
 私がティッシュを渡すと、ズビーッと音を立てて鼻をかんだ。
 彼女の様子を見ながら、私は頬を掻いた。

「そういえばさっき、喉乾いたから、ミカンちょっと食べたんだけどさ……」
「うん?」
「すごく……美味しかった。ごちそうさま」

 私がそう言って見せた瞬間、お姉ちゃんの目から、まるで漫画のように、涙がドバッと出た。

「え、ちょ、お姉ちゃん!」
「ぢょ、ぢょっどまっで。録音、録音しなくちゃ……」
「落ち着いてよ!」

 私が慌てて止めると、すぐにお姉ちゃんはティッシュで鼻をかみ、笑顔を浮かべた。

「嬉しいなぁ。でも、どうして急に?」
「うーん……なんでだろう?」

 流石にあの言葉を聞いていたのは内緒なので、私は適当にごまかした。
 私の反応に、お姉ちゃんは「そっかそっか」と言いつつ、一度立ち上がり廊下に出た。
 少しして、手にミカンを持ってやってきた。

「それは……カラマンダリン?」
「そっ。昼の休憩までに収穫したのはすでにまとめてあるからね。そこから」
「でも、なんで急に?」

 私が聞くと、腰を下ろしたお姉ちゃんは、ニカッと歯を見せて笑った。

「こうやってさ、いつか、蜜柑と、私が作ったミカンを食べるのが、密かな夢だったんだ」
「何それ。……変なの」
「変じゃないよ〜。これでも大真面目」

 そこまで言うと、お姉ちゃんは真面目な顔をして、ミカンを見つめた。

「……ミカンってさ、色々な品種があって。その品種ごとに出荷時期とか違うけど、最終的には、一年中出回るんだ」
「そういえばそうだね」
「うん。それでね、蜜柑の名前を決めるってなった時に、まだ十歳くらいの私が、ミカンを食べて笑顔になったんだって。それで、ミカンは美味しくて、食べた人を笑顔にする。そして、一年中出回っている。……だから、いつも誰かを笑顔にする子に育ってほしいって意味で、蜜柑、って名前にしたんだって」
「そう、なんだ……」

 私の返答に、お姉ちゃんは優しく頷いた。
 手の中にあるカラマンダリンを握る力を少し強くして、私は顔を上げた。

「自分の名前……ちょっとだけ、好きになれた」
「……そりゃよかった。ちなみにお姉ちゃんのことは?」
「……好き」

 そう答えた瞬間、「可愛い奴め〜!」と言って羽交い絞めにされ、頭をわしゃわしゃと撫でまわされる。
 私はなんとか立ち上がって距離を取ると、すぐに声を張り上げた。

「もう、本当にありえない! お姉ちゃんなんか、もう知らない!」
「えっ! ちょっと待って蜜柑!」
「あ、そろそろ朱莉ちゃん達のお手伝いしに行かないと」
「せ、せめてこのカラマンダリンを一緒に!」
「安心して。持って帰って美味しく食べるから」
「のぉぉぉぉぉぉぉ!」

 呼び止めるお姉ちゃんを躱しながら、私は、なんだか楽しくて笑った。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.69 )
日時: 2017/05/12 18:20
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第10話「熱血陸上部!?千速のやりたい事」1

<朱莉視点>

「遠山、10秒9」
「お疲れ〜! 蜜柑!」

 私が声を掛けると、蜜柑は「ありがとう……」とかなり疲れた声で言った。
 現在、体育で体力テストの真っ最中。
 50m走を計測中で、私は8秒4で、蜜柑は先ほどの記録。
 あとは千速が……。

「おぉ……」

 私が感嘆の声を上げるのと同時に、真横を疾風が吹き抜けたような感覚がした。
 全員の視線が、走り終えた千速に注がれる。

「えっと……風間、6秒9……」
「すごい! すごいよ千速ちゃん!」

 興奮した様子で言う蜜柑に、千速は苦笑混じりに「そうかしら?」と言った。

「昔から、よく皐月と山の中を走り回っていたからね。皐月がいなくなってからはよく探しに行っていたし。あの山に比べたら、この整地されたグラウンドは走りやすいわ」
「道理で足が速いわけだ……。私も負けてられないなぁ」

 私がそう言った時だった。

「風間さん。今日こそ良い返事を聞かせてもらうわよ」

 そう言って腕を組んで現れたのは、陸上部に所属している早見梨花だった。
 彼女の高圧的な態度に恐れたのか、蜜柑はすぐさま私の後ろに隠れた。
 私は庇うように立ちながら、二人の一触即発な様子を見つめた。

「お願い。陸上部に入って」
「……何度言われても困るわ。私はそんなことやらない。……私には他に、やらなくちゃいけないことがあるの」

 そう言って目を逸らす千速に、顔を真っ赤にする梨花。
 明らかにヤバそうな雰囲気。ていうか……。

「え、別に良いんじゃない? やってみなよ」

 私の言葉に、千速は「はぁ!?」と驚きの声をあげる。
 見ると、蜜柑も驚いたように目を丸くしていた。
 構わず、私は続ける。

「だってさ、千速足速いし、きっと千速の言うやらないといけないことにも、陸上部での経験は役に立つと思う」
「確かに……あの事は、私と朱莉ちゃんでもなんとかなるし、千速ちゃんは一度やってみたらどうかな?」

 同意する蜜柑に、千速は「えぇ……」と明らかに目を逸らす。
 そういえば、千速は何か断る時、毎回プリキュアを言い訳にしている様子がある。
 ……一応伝説の忍者だよね? プリキュアって。
 私が言うことでもないと思うけど、中学二年生の断る言い訳に利用するのはどうなんだろう。

「で、でも……」
「そういえば、千速って体験しに行ったことはあるの?」
「えっ……ないけど……」
「だったら、一度体験に行ってみなよ! きっと楽しいよ!」

 こうして、千速は今日、陸上部に体験入部することになった。


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