二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】風林火山プリキュア!
- 日時: 2017/08/01 13:12
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539
初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!
追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。
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- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.165 )
- 日時: 2017/06/07 21:51
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第24話「友達の友達?走れ絆の二人三脚!」4
<蜜柑視点>
それから、毎日千速ちゃんや朱莉ちゃんに指導してもらって、私達はメキメキと上達していった。
やがて、体育祭本番の前日になり、最後の校庭練習になる。
「それじゃあ、行くよ」
足をバンドで縛った私は、皐月さんにそう声を掛ける。
すると、彼女は「えぇ」と頷く。
私達は肩を組み、縛った足を下げる。
「「せーのっ!」」
掛け声と共に、私達は足を踏み出す。
「「いっちにっ! いっちにっ! いっちにっ! いっちにっ!」」
しばらく走っていると、校庭のトラックのカーブに差し掛かる。
でも、それもなんとかクリアして、なんとか半周する。
ゴールした私に、朱莉ちゃん達が駆け寄ってくる。
「すごいよ! 二人とも走りきれたじゃん!」
「えへへ……朱莉ちゃんや千速ちゃんのおかげだよ」
私はそう笑いつつ、皐月さんに視線を向けた。
皐月さんはそれに微笑み、両手を上げてくるので、私はそれにハイタッチのように手を叩いて見せた。
パァンッ。と、乾いた音がした。
「これなら、本番も大丈夫そうだねっ」
「うんっ」
朱莉ちゃんの言葉に頷いた時だった。
突然、私が持っていた二人三脚用のベルトに、黒い影のようなものが纏わりついたのが分かった。
「なっ……!」
「蜜柑さんッ!」
すぐに皐月さんが私の持っていたベルトを遠くに投げ捨て、私のことを押し倒す。
ベルトはオンネーンへと変貌し、巨大化していく。
「あぁ……!」
「クッ……行くよ! 皆!」
朱莉ちゃんの言葉に私達は慌てて立て直し、アウラシュリフトロレを構える。
「「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」」
「侵掠すること、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ!」
「徐かなること、林の如し! キュアフォレスト!」
「風!」
「林!」
「火!」
「山!」
「「「「プリキュア!」」」」
……やっぱり恥ずかしい。
そう思っていた時、オンネーンが攻撃してくるので、私達は躱す。
顔を上げると、オンネーンが第二激を放つために構えていた。
「クッ……一気に行くよッ!」
「「「動く雷霆よ……」」」
そこまで掛け声をした時、オンネーンから二つほど何かが飛んできた。
私の腕にぶつかったそれは、まるで引き寄せられるかのように、皐月さんの元に伸びる。
戸惑っている間に、皐月さんの腕にそれが巻き付き、少しずつ私と皐月さんの距離は縮む。
やがて、ほとんど密着状態になると、腕に巻き付いていたそれは金属製の輪のようなものになる。
「なっ……!」
「もしかして、二人三脚の時のベルトだから……!」
皐月さんの言葉に、私は息を呑んだ。
「つまり、私達を繋いで……動きにくくするってこと?」
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.166 )
- 日時: 2017/06/07 22:33
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第24話「友達の友達?走れ絆の二人三脚!」5
「つまり、私達を繋いで……動きにくくするってこと?」
私がそう聞いた時だった。
「侵掠の火よ!」
「疾き風よ!」
「「我に集い、力と成れ!」」
そんな掛け声と共に、炎の竜巻がオンネーンを襲う。
しかし、効果はいま一つなようで、すぐに振り払われる。
「朱莉ちゃん!?」
「ちょっとフレイム! 勝手に突っ走らないでよ!」
「ごめんごめん。次からは合図するよ」
そう言う二人の足は金属で繋がれている。
あぁ……あの二人、割と体力バカなところあるから……。
「あはは、あの二人すごいねぇ」
「……私も、あの二人のように、蜜柑さんと仲良くしたいです」
隣から聴こえた皐月さんの言葉に、私は顔を向けた。
彼女は恥ずかしそうに俯いて、私の手を握った。
「協力して……一緒に戦いましょう」
「……うんっ!」
私は彼女の手を握り返し、頷いた。
すると、皐月さんは優しく微笑み、オンネーンに視線を向ける。
「サンダーブレスは出せそうですか?」
「うーん……ちょっと難しいかな。フォレストロッドは?」
「難しいですね。……どうしましょうか」
「そんなの……諦めずに戦うしかないよね?」
私が言うと、皐月さんは「はいっ」と言って微笑んだ。
そして、オンネーンに向き直る。
「山の力は、盾を作るだけ。林の力は、姿を隠すだけ……」
「イチかバチか。雷霆の力にでも手を出してみましょうか?」
「フフッ。付き合うよ。それしかできることないし」
私はそう言いつつ、彼女の手を握った。
いつもならここで、頭の中に技の掛け声が浮かぶんだけど、今回は全然浮かばない。
でも……やるしかない。
「「動く雷霆よ! 我に集い、力と成れ!」」
私達は叫び、繋がれた手を突き出した。
すると、二つの雷が絡まり合い、オンネーンの元まで突き進む。
その時、ピキピキと腕輪にヒビが入り、数瞬後、乾いた音と共にそれははじけ飛んだ。
「やった!」
私が声を出すのと同時に、オンネーンが雷撃を弾く。
皐月さんに視線を向けると、すでに、彼女は手を構えていた。
「徐かなる林よ! 動く雷霆よ! 今、二つの力よ! 我に集い、力と成れ! フォレストロッド!」
フォレストロッドを出した皐月さんはそれを握り締め、真っ直ぐオンネーンを睨む。
そして、構えた。
「二つの力よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! デュアルバースト!」
二つの光が絡まり合いながら、オンネーンまで突き進んでいく。
やがて、オンネーンは浄化され、消えていった。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.167 )
- 日時: 2017/06/07 23:18
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第24話「友達の友達?走れ絆の二人三脚!」6
ついに体育祭本番。
私は二人三脚にしか出ないので気が楽ではあるが、やはり、胃が痛い。
そもそも、運動が苦手な私にとって体育祭というものは地獄で……。
「千速〜!」
隣に立つ皐月さんの声に、私は顔を上げた。
今からクラスの選抜メンバーによるリレーで、クラスどころか学年内でも随一の俊足を誇る千速ちゃんは、当たり前のようにアンカーのビブスを着て歩いている。
少し視線を動かすと、朱莉ちゃんが歩いているのも見えた。
「朱莉ちゃ〜ん!」
私が声をかけると、朱莉ちゃんは嬉しそうにこちらに手を振り、近くを歩いていた陸上部の子に窘められていた。
その様子に、皐月さんは苦笑してこちらを見た。
「活発な幼馴染を持つと、お互い大変ですね」
「ははっ……千速ちゃんは割と大人しい方じゃないの?」
私が言うと、皐月さんは首を横に振った。
「今はかなり冷静になっていますけど、昔はすごく活発で、猪突猛進というか、後先考えずに行動して、一回山で迷子になったこともありますし……」
「わぁ……朱莉ちゃんは迷子にはならなかったけど、正義感が強いっていうかさ。よく私が苛められてるのを助けるために男子に喧嘩売るし……」
「それを言ったら千速は……」
幼馴染トークに花を咲かせていた時、パァンッと乾いたピストルの音と共に、一番の人が走り始める。
私のクラスは一組で、ハチマキの色は赤だ。
だから、赤い髪の朱莉ちゃんの場合、ほとんどハチマキが同化していてわかりにくい。
「ホラ、走り出したよ! 応援しよ!」
私が言うと、皐月さんは微笑み、「そうですね」と言った。
それから着々と競技は行われて、ついに二人三脚の時間になる。
招集がかかった瞬間、心臓がバクバクと音を立てて、胃が痛い……。
「蜜柑さん……顔色が優れませんけど、大丈夫ですか?」
「ん……大丈夫……大丈夫……」
私がどうにかそう答えると、皐月さんは温かくて優しい笑みを浮かべ、私の手を取る。
「な……」
「大丈夫ですよ。私が付いてます」
そう言って優しく手を撫でられる。
私はそれに戸惑い、慌てて手を引っ込めた。
「そ、そういうの恥ずかしいよ……」
「フフッ。恥ずかしさで、緊張なんて吹き飛んだでしょう?」
「えっ? ……あっ」
私の言葉に、皐月さんは、まるで悪戯が成功した子供のような無邪気な笑みを浮かべた。
その時、先生の掛け声により、私達は歩き出す。
スタート地点に着くと、足を縛るベルトが配られたので、早速それで足を縛る。
それから競技は始まり、少しずつ私達の番が迫って来る。
ドキドキしていると、手を繋がれた。
「皐月さん……」
「大丈夫ですよ。あんなに練習したんですから。きっと成功します」
その言葉に私は「ありがとう」と言って、前を見た。
やがて一位で順番が回って来て、前の人からバトンを受け取り、私と皐月さんは顔を見合わせた。
「「せーのっ!」」
掛け声と共に、私達は走りだす。
練習通り、上手く走れている。
掛け声もずれていないし、どうにか転ぶこともなくゴールできそう。
そう思っていた時、何組かに抜かれ始める。
「なっ……!」
「いっちに、私達は、いっちに、自分のペースで、いっちに、行けば良いんですよ」
掛け声をしながら言う皐月さんに私はなんとか頷き、走る。
二年生のクラスは四組まで。その内、今二つのペアに抜かれたから、あと一組に抜かれたらビリになっちゃう。
折角一位の状態で回してもらったのに……!
泣きそうになった時、肩を強く掴まれた。
「……少しペースを上げましょう、蜜柑」
その言葉に、私は頷いた。
「うんっ、皐月ちゃん!」
一度少し速度を落として、一気に掛け声を早くする。
どうにか残りを走り切り、私達は次のペアにバトンを渡す。
「ハァ……ハァ……」
トラック内に入って、切れた息を整えようとしていた時、前に誰かが立った。
顔を上げると、皐月ちゃんが微笑んでいた。
「やりましたね……蜜柑」
「皐月ちゃん……うんっ!」
私は頷き、笑みを浮かべて見せた。
それからしばらくして呼吸が収まり顔を上げると、ちょうど二人三脚もアンカーを残すだけになり、そのアンカーは、当たり前のように朱莉ちゃんと千速ちゃんだった。
一組の順位は二位で、一位の三組より数メートル離された状態でバトンが回ってくる。
「朱莉ちゃーん! 頑張れ〜!」
「千速〜! 一位にならないと許しませんよ〜!」
皐月ちゃんの声援に、微かに千速ちゃんの顔が綻んだ。
そして、二人の速度は、恐らく朱莉ちゃんの全速力とほとんど変わらないくらいの速度で走る。
やがて、ゴールの手前ギリギリで一位だった三組を抜き、ゴールする。
「「やったぁぁぁぁ!」」
私達は歓声をあげて、感極まってつい抱きついてしまった。
それに、慌てて私は「ご、ごめんっ!」と言って離れる。
すると、皐月ちゃんは微笑み、「良いですよ」と言った。
そうして、体育祭は無事に終わって行った。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.168 )
- 日時: 2017/06/08 20:37
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第25話「夏だ!海だ!対決だ!朱莉VS千速!?」1
暑い日差しを遮るビニールハウスの中、私はミカンの茎をハサミで切り取り、カゴに入れた。
このミカンはハウスみかんと言って、ビニールハウスの中で栽培するミカンだ。
少し高い品種だけど、味はすごく美味しい。
「蜜柑。これで良いのですか?」
不安そうにそう聞いてくる皐月ちゃんに、私は「ん?」と聞き返す。
その手には先ほど採ったばかりであろうミカンを持っている。
「んー……うん。良いと思うよ」
「思う、じゃなくて、もっとハッキリ答えてあげないと。皐月ちゃんは筋が良いねぇ。すごい綺麗」
私の後ろからお姉ちゃんがそう言う。
その言葉に、皐月ちゃんは「ありがとうございます」と言って、恥ずかしそうにはにかんだ。
それに、お姉ちゃんはうんうんと頷く。
今日から夏休み。
初日早々、私は直々にお姉ちゃんからミカンの収穫の手伝いに駆り出されることになり、朱莉ちゃんは毎年付いてきてくれているんだけど、今日はそれに千速ちゃんと皐月ちゃんの二人が加わり、半強制的にライデンちゃんも連れられて、合計五人で手伝いに来ている。
今は、ライデンちゃんと朱莉ちゃんと千速ちゃんのグループと、私とお姉ちゃんと皐月ちゃんのグループで、別れて収穫している。
「新しいお友達、中々礼儀正しい子だね。顔もすごくかわいいし」
「そういうの良いから……ところで、朱莉ちゃん達は……」
「絶対私の方が多い!」
「だから、そういう競争とか別にどうでもいいってば」
遠くから聴こえた声に、私は顔を上げた。
そこでは、大量にミカンが入ったカゴを持った朱莉ちゃんと千速ちゃんが、何やら言い争いをしながらこちらに歩いてくるのが見えた。
二人の後ろでは、ライデンちゃんが呆れた顔でカゴを持って歩いてくるのが見えた。
「お疲れ様、ライデン。……あの二人は?」
「なんか、急に朱莉が競争心を持ち始めて……それから取り合い合戦みたいなものが始まっちゃってなぁ……」
呆れた様子で言うライデンちゃんに、お姉ちゃんは「あらら〜」と呆れた様子で声をあげた。
「まっ、二人ともお疲れさま。競争も良いけど、ハウスみかんはデリケートな品種だから、丁寧に扱うように」
「それは大丈夫です。毎年お手伝いしていますし」
朱莉ちゃんがドヤ顔で言うと、お姉ちゃんは「確かにそうだ」と言って快活な笑みを浮かべた。
私はそれに苦笑しつつ、先ほど収穫したミカンが入ったカゴを置く。
「まっ、夏休み初日からこんなことに付き合わせてるんだし、これくらいの遊びならやってくれて構わないよ」
「そんなこと言うなら、そもそも私を呼ばなければ良いのに……」
私が不満を口にすると、お姉ちゃんは「そんなこと言うなよ〜姉妹だろ〜」と言って、私の髪をワシャワシャとした。
それにさらに頬を膨らませていると、私の頭から手を離し、お姉ちゃんはミカンのカゴを運び始める。
「ま、夏休みと言っても、特にすることないからね〜」
「暇なら宿題やればいいのに……毎日溜め込むんだから……」
私の言葉に、朱莉ちゃんは「うッ」と口を噤んだ。
すると、お姉ちゃんは立ち止まり、こちらに振り向く。
「なに、皆夏休み暇なの?」
「そうだけど……まさか、また収穫の手伝いさせるわけ!?」
「あはは、流石にそこまでは私も鬼じゃないって」
「……」
私が疑いの眼差しを向けてみると、お姉ちゃんは「本当だって」と言って肩をすくめる。
そして、手をパンッと鳴らした。
「もし皆が暇ならさ、良い所に連れて行ってあげるよ」
「「「「良い所?」」」」
同時に聞いた私達は、お互いに顔を見合わせた。
それに、お姉ちゃんは大きく頷いた。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.169 )
- 日時: 2017/06/11 22:16
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第25話「夏だ!海だ!対決だ!朱莉VS千速!?」2
「おおおおおおおおおお! 海だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
車を下りた瞬間雄叫びをあげる朱莉ちゃんを、私は慌てて窘める。
少しして、私達が乗っていた車の中からお姉ちゃんが出てきた。
「よっす」
「ほ、本当に良かったんですか? 無料で連れてきてもらってしまって……」
オドオドとする皐月ちゃんに、お姉ちゃんは「良いって良いって」と言って軽く手を振った。
「昨日は収穫の手伝いしてもらったしね。今日はその分、たっぷり遊んどいで」
「この海……もしかして、雅治叔父さんの?」
私が聞くと、お姉ちゃんは「そそっ」と言った。
それに、千速ちゃんが「雅治叔父さん?」と聞いてくる。
「うん。雅治叔父さん。この海で、海の家を経営してるんだ」
「私の作るミカンが好評でさぁ、毎年夏にはこうしてミカンを届けに来てるわけ」
そう言ってお姉ちゃんは、車の中からミカンが入ったダンボールの箱を出し始める。
私は知ってることだけど、他の三人には言って無かったもんねぇ。
そう思っていた時、千速ちゃんがダンボールの箱を一個持った。
「手伝いますよ。これくらいは」
「え、本当? 悪いねぇありがとう」
お姉ちゃんがそう感謝した時、朱莉ちゃんがムッとした表情を浮かべて、別のダンボールの箱を持った。
「私も持って行きます!」
元気にそう言い、運び始める朱莉ちゃん。
お姉ちゃんは気にしてないみたいだけど……何かおかしい。
「蜜柑……あの二人……」
「うん……朱莉ちゃんに関しては、何か変な物でも食べたのかな……お姉ちゃん。何か変な物食べさせた?」
「それで真っ先に姉を疑うとはどういう了見かな? 別に、私は何も食べさせてないけど? 大体、朱莉ちゃんは元気なだけじゃない。良いねぇ、若いって」
そう言って明るく笑うお姉ちゃんにため息をつきつつ、地面に置いてあった箱に手を掛け……って、重ッ!?
想像以上の重さに、私は呆然とする。
これを平然と持って行ったあの二人って……。
そう思っていると、隣から手が伸びてきた。
「手伝いますよ。少しでも、あの二人の競争材料を減らしましょう?」
「はは……ありがとう、皐月ちゃん」
私がお礼を言うと皐月ちゃんは微笑み、箱を持ち上げていく。
非力な私達二人でようやく持ち上げられる重さを、あの二人は軽々と……。
「どうしたの二人とも、さっさと行くよ」
そう言うお姉ちゃんは三箱くらい平然と持っていて……もうわけがわからないよ。
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