二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク
日時: 2014/02/09 17:45
名前: 小雨 (ID: FvJ38Rf9)

はじめまして。
だいぶ遅ればせながらbw発売記念と言う事で、お目汚しさせていただきます。


***注意事項***

*ポケットモンスターの二次創作小説です。

*基本一人称視点で進行。

*bw記念といいつつ、舞台はホウエン地方です。

*登場ポケモンは第五世代までの範囲で登場します。原作のキャラ達も何人か登場しますが、作者はアニメ版をあまり見ていないので、アニメ版には準拠しておりません。ので、アニメを見ている方は違和感を感じることがあるかと思います(すいません)。

*い ち お う ルネシティに住む少年のスピンオフ的作品です。てことで、始まりはルネシティ。なんでそんなモブキャラを選んだのかというと、レジ系ゲットしたくて久々に起動した第三世代ROMのルネシティの雰囲気に魅了されてしまったためです。

*作者の都合のいい解釈、展開、本編との矛盾などが多数出てくるかと思いますが生ぬるい目で見ていただけると嬉しいです。全ては作者の力不足に依るものです。尚、このホウエン地方は皆様の冒険したホウエンではなく、パラレルワールド的なものです。

*作者のランダムマッチにおける勝率は二回に一回程度のレベルです。ネット対戦勝てない人挙手。

*感想等お気軽に頂けると小雨は喜びます。大変申し訳ありませんが、本作品やポケモン等に全く関係の無い話題や雑談等の書き込みはご遠慮くださいますようよろしくおねがいします。


大体ここら辺が許せる方、よろしくお願いいたしますー。

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Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.672 )
日時: 2013/12/25 12:20
名前: リラックマ (ID: 9V8/lVdD)

さだこさん
漢字読めません!

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.673 )
日時: 2013/12/25 22:06
名前: http:// (ID: ???)  

183話 火葬(上)

既に動かなくなった狒々王を前に、狂ったように哄笑を続けていたビアルが平静さを取り戻すと、洞窟内には静けさが戻ってきた。
戦いの音は鳴り止み、霧散していた澱んだ空気が再び滞留しているような気さえする。
ビアルはよろめくと、崩れ落ちてしまわぬように壁にもたれかかった。
「さぁて、これからどうするかね。ルネシティの坊ちゃんと同盟結んだ手前、お手伝いのひとつもしてやりてぇ所ではあるんだが。…ちくしょう狒々王の野郎、意外と頑張りやがって…。どうやらしばらく動けそうにねぇなぁ」
ビアルは荒い息を吐きながら、呟くように言った。
「てめぇが地獄以外のところに行くなんて事はまかり間違ってもねぇと思うが、せいぜいあっちで閻魔様に絞られやがれ」


日常とは目標設定と達成の連続であり、その積み重ねが人生となる。
朝起きてメシを食う。気に入らねぇ野郎をぶちのめす。眠くなったら眠る。
これらの繰り返しが人生を作り出していくというのが、ビアルの人生観である。
砂漠を出てからのビアルは、ただ一つの目標のためだけに生きてきた。即ち、狒々王討伐である。
そのためだけに、ただ一つの目標のために、生きてきた。すべての行動は、この瞬間のためだった。

悲願を達成したビアルに隙が生まれたのは、無理からぬことだった。


閃光後、灼熱。
ビアルの全身を、炎が包み込んでいた。

「あっ、なっ………っ!」
ビアルはその体を包む炎を散らすべく必死に地面を転がった。
「あの野郎のじゃあねぇ…この炎は…」
ビアルは目線をあげた。空洞の中央の辺りが、ぼんやりと青白く光っているのが見える。
「…幻灯鬼さん、随分とひでぇ事をしなさるじゃねぇですか。一体アタシが何したって」
自らが口にしようとしたことの愚かさに気がついた。
ビアルは、裏切り者なのだ。組織側に属する者に攻撃される理由としては、十分すぎるほどだった。
「焔の旦那の差金ですかい?本当に、豪胆なようで細かいところにも気が回るんだから参るぜ…」
巨大な槍のような炎が、ビアルを貫かんと次々に放たれる。ビアルはすんでのところでそれを回避する。
最早ビアルには、地面を操る力も、まともに逃げ回れるだけの体力も残されてはいなかった。


違う

一撃必殺の炎を交わしながら、ビアルは違和感を覚えた。

焔の旦那の差金じゃねぇ

もちろん焔の命令という可能性は捨てきれない。しかし幻灯鬼の攻撃には、明確な殺意が搭載されているのだった。
再び幻灯鬼を正面から見据えた時、ビアルには違和感の正体がわかってしまった。
幻灯鬼の目には、沼の底に堆積する汚泥のように、真っ黒い光が宿っていたのだ。
それは、かつて竜戦士が砂鰐の瞳に見たものと同じ性質のものだった。

憎しみ

どろどろとした真っ黒い感情の奔流が、幻灯鬼の中を駆け巡っているのだった。
「…そういや、幻灯鬼さん、アンタ、狒々王の野郎とよくつるんでたっけなあ。仇討ちってわけですかい?」
幻灯鬼。炎魔蝶。そして狒々王。焔の繰る炎のポケモン達は三様に癖はあれど、根のところでは互いの信頼が通じているように見えた。

———お前がワシをここで殺したとして、その後どうなるかわかるか?第二・第三の砂鰐が誕生するだけだ。そいつは貴様が抱き続けたのと同じだけの憎しみを持って、貴様たち一家を根絶やしにするだろう———

ついさっき仕留めたばかりの、憎い相手の言葉が脳裏を掠める。
その言葉を今、実感を伴ってビアルは理解した。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.674 )
日時: 2013/12/25 22:07
名前: 小雨 (ID: ???)  

184話 火葬(下)

「—っ!」
体勢を崩したビアルを、幻灯鬼の炎の槍が捉えた。
炎はすぐに燃え上がり、ビアルの体にとりつくように踊り狂った。

終わらねぇじゃねぇか

獄炎に体を焼かれながら、ビアルは思う。

憎しみって奴は、全く終わりがねぇじゃねぇか
こいつは呪いか、タチの悪いウイルスかなんかかよ
次々と伝染していきやがる
そうして、その数だけ地獄が増えていきやがるんだ

だけど

だけどよぉ

「だったら…だったらどうしろって言うんですかい…」
炎に焼かれ、ビアルはついにその膝をつく。
「親友をあんな風に殺されて、黙っている事なんて、アタシにはできなかったんだ…!」

「…」
動きを止めたビアルを貫かんと、幻灯鬼が炎の槍を生み出す。
洞窟の暗がりが炎にあぶられ、狂ったように影が踊る。

—アタシもここまでか—
ビアルは目の前に迫っている自らの幕を、冷静に直視していた。
後悔はなかった…といえば、嘘になる。
しかしどこかで、こういう形での幕引きを受け入れている自分もいる。
「アタシも悪いこといっぱいしてきたからなぁ、この結末はその報いってやつですかねぇ。頭巾の兄さん、兄妹達の面倒しっかりみてやってく」

憎しみ
    螺旋
 地獄

ビアルは自らの言葉にハッとし、戦慄すら覚える。
アタシがここで死んだら、頭巾の兄さんはどうするだろう?
頭巾の兄さんなら或いは、アタシの死に様を見れば誰の仕業かを突き止めてしまうかもしれない。
アタシを殺った相手が幻灯鬼さんだと知ったら、頭巾の兄さんは、あの子たちは、どうするだろう?
本気でアタシの足跡を追ってきたのなら、突き止めることはそう難しくないかもしれない。
そうなったら、どうなるのだろう?

「クソッタレ、終わらねぇじゃねぇかよ…」
今のワルビアル一家なら、自分のように復讐に狂うような愚は犯さないかもしれない。
しかし万が一にも、それをさせるわけにはいかなかった。
愛する家族を、地獄に引き込むわけにはいかなかった。

ビアルは歯を食いしばると、幻灯鬼に向かって突撃する。
もはや動けぬと思っていたビアルの想定外の動きに動揺した幻灯鬼は、生成途中だった槍を射出する。
勢いを増して飛来する炎の槍は、ビアルの右肩を貫いた。
突き刺さった槍がその形を変え、ビアルの肩から腕にかけてをさらに焼く。
それでもビアルは、勢いを緩めることはなかった。
幻灯鬼の目前まで迫ると、無事な左手でその体をがっしりと掴む。
慌てた幻灯鬼が炎を纏う。炎はビアルの体を渦巻くように襲った。
炎に塗れながら、ビアルは笑う。
「この程度でアタシを落とせると思ってやがるのか、あぁ!?砂鰐を落としてぇなら極上の灼熱を用意しやがれ!」

幻灯鬼の目と鼻の先で、ビアルが大顎を開く。疲労の極みにある砂鰐の一撃とはいえ、食らえばただでは済まないだろう。
幻灯鬼の体に炎が収束し、爆炎が解き放たれる。炎は、至近距離にいたビアルの全身を焼いた。
「この程度が全力ですかい?そこでくたばっていやがるあのクソ野郎と同様、随分ぬるいじゃねぇか!」
響くビアルの高笑い。
怯んだ幻灯鬼の瞳に、再び憎しみの炎が宿る。
目の前の仇を灰燼にせんと、凄まじい火力がさらに上昇していく。

ああ そうだ
それ で いい
あん たのほ のおで やき つくすんだ
ほねも のこ したら いけ ねえぜ
あたしの たましい あたしの ち にく
すべて すべてを もっていけ


燃え盛る炎がやがて消え、再び洞窟に薄暗闇が戻る。
動くものは、幻灯鬼の発している炎が微かに揺らめく程度のものだった。

ふと、幻灯鬼は、自分が少しの傷もおっていないことに気がつく。
幻灯鬼は、砂鰐の実力をわかっているつもりだった。
すでに手傷を負っていたとはいえ、あの距離まで迫られて、自分が無傷でいられるはずがないのに—

幻灯鬼は少しのあいだ、少し前までビアルの存在していた空間を見ていた。
そして寂しそうに小さく哭くと、狒々王の亡骸と共にどこかへ消えてしまった。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.675 )
日時: 2013/12/26 15:10
名前: ピクミン ◆RFSVi6f1XY (ID: S1XpBh/Z)

ビアルさん死亡のお知らせ…

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.676 )
日時: 2013/12/27 00:27
名前: 小雨 (ID: ???)  

ピクミンさん

ビアルさんはここに至るまでに悪いこともいっぱいしているので、ハッピーエンドにするにはちょっと抵抗があったんですよね…


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