二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク
- 日時: 2014/02/09 17:45
- 名前: 小雨 (ID: FvJ38Rf9)
はじめまして。
だいぶ遅ればせながらbw発売記念と言う事で、お目汚しさせていただきます。
***注意事項***
*ポケットモンスターの二次創作小説です。
*基本一人称視点で進行。
*bw記念といいつつ、舞台はホウエン地方です。
*登場ポケモンは第五世代までの範囲で登場します。原作のキャラ達も何人か登場しますが、作者はアニメ版をあまり見ていないので、アニメ版には準拠しておりません。ので、アニメを見ている方は違和感を感じることがあるかと思います(すいません)。
*い ち お う ルネシティに住む少年のスピンオフ的作品です。てことで、始まりはルネシティ。なんでそんなモブキャラを選んだのかというと、レジ系ゲットしたくて久々に起動した第三世代ROMのルネシティの雰囲気に魅了されてしまったためです。
*作者の都合のいい解釈、展開、本編との矛盾などが多数出てくるかと思いますが生ぬるい目で見ていただけると嬉しいです。全ては作者の力不足に依るものです。尚、このホウエン地方は皆様の冒険したホウエンではなく、パラレルワールド的なものです。
*作者のランダムマッチにおける勝率は二回に一回程度のレベルです。ネット対戦勝てない人挙手。
*感想等お気軽に頂けると小雨は喜びます。大変申し訳ありませんが、本作品やポケモン等に全く関係の無い話題や雑談等の書き込みはご遠慮くださいますようよろしくおねがいします。
大体ここら辺が許せる方、よろしくお願いいたしますー。
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- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.687 )
- 日時: 2014/03/04 21:36
- 名前: 小雨 (ID: FvJ38Rf9)
187話 Atrocious Rain
灰色達の圧力が徐々に弱まっていることに、センリは気がついた。
敵の数が減っている…?
押し寄せるような圧力は薄れ、加えられる攻撃はまばらになっていた。
目の前の敵をなぎ倒したケッキングを一歩下げ、センリは周囲を観察した。
戦況は間違いなく動いている。
—しかし、何が変わった?
我々の戦力は、決して相手を圧倒していたわけではなかった。
むしろ戦いが長引くほどに、押し込まれる可能性さえ危惧していたくらいだ。
相手の幹部については突入の段階で一人倒してはいるものの、焔とは現在も交戦中。蛇に至っては、未だ姿を現してさえいない。
撃破したコードネーム持ちも、精々半分といったところだろうか。
—何が変わった?
コジョンド達の増援。
しかし、彼らは10に満たない程の少数だった。強力であるとはいえ、ここまで即効性をもって敵の戦力を削るだろうか。
—では、何が…
仮に。
センリの脳裏に一つの可能性が浮かびあがる。
—仮に、相手が意図的に退いているのだとしたら…?
思考は、直後に響き渡った絶叫によって中断させられた。
見上げた空には、いつの間にか大きな羽を広げたポケモンが逆光を浴びながら羽ばたいていた。
鋭い閃光の後、その羽から赤い光を放つ何かが放射状に発射される。
これは、光の羽根……?
—いや、炎!
大空に広がるように放たれた炎の羽根は、すぐに矛先を地上へと定める。
直後、空から無数の炎が降りそそいだ。
"二人とも、僕の後ろに!"
大空に鮮やかに展開されたそれに一瞬見とれてしまっていた僕は、ルークの声で我に返った。
ルークは僕たちの前に躍り出ると、空を見据えて右腕を構えた。
無差別とも言える炎の驟雨。
それらは容赦なくルネシティの家々を破壊し、景観を削る。
街のあちこちから悲鳴が上がった。
そしてもちろん、僕たちが攻撃圏外であるわけもなく。
"…ッ!"
炎の羽根をなぎ払うように、或いは掴み取るように炎を防いでいたルークだったが、絶え間なく降り注ぐ炎は徐々に右手の速度を上回り始める。
"右腕だけじゃ…防ぎきれな…っ!"
「貴様、何処へ!」
空から閃光が迸った瞬間、ザックは走り出していた。
上空から降り注ぐモノの驚異を、本能的に察知したのだ。
走った。走った。
自分の足がやけに遅く感じる。
決して進むことのできない夢の中でもがいているような焦燥を、ザックは感じた。
くそ、間に合うか!?
轟槍に背を向けるようにして走った先は、二人の戦いを心配そうに見守っていたチーの下だった。
「に、兄ちゃん!?」
驚くチーをひったくる様に抱えると、拳を固めて岩肌を砕き、そこに生まれた小さな空洞の中にチーを押し込む。
ザック自身の体で蓋をすれば、即席シェルターの完成だった。
すぐにザックの意図に気がついたチーはパタパタと暴れたが、自身の力ではどうしようもない事は明らかだった。
「やだ、ザック兄ちゃん!どいてよ!」
チーの金切り声を受け止めながら、これから訪れるであろう痛みを想像してザックは歯を強く食いしばった。
決して声など上げないように。
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参照数20000超えたようです。
ありがとうございます。
- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.688 )
- 日時: 2014/02/11 11:33
- 名前: ピクミン ◆RFSVi6f1XY (ID: S1XpBh/Z)
大きな羽……
レシラム・ファイアー・ホウオウ・ウルガモス辺りかな?
ザックのお兄さんぶりがやばいですw
- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.689 )
- 日時: 2014/02/13 21:10
- 名前: 小雨 (ID: FvJ38Rf9)
ピクミンさん
正解はその中にいます!
答えは次回ということで^^;
- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.690 )
- 日時: 2014/03/04 22:12
- 名前: 小雨 (ID: FvJ38Rf9)
189話 からげんき
ルネシティの端に、一本の木が生えていた。
今でこそそれほど大きな木とは思えないけれど、僕が今よりずっと幼かった時に見上げたそれは、とても大きくて立派な木だと感じた。
剥き出しになった根っこに腰掛けると、時折通り抜ける風が葉をさらさらと揺らした。僕はその音を聞きながら釣りをするのが好きだった。
父さんがいなくなってしまってから、僕の家は少し広くなった。
母さんと小さな僕とでは、それは少し持て余してしまうほどに広かった。
ひとり足りない食卓。置いていかれた靴。本来の持ち主には二度と使われないであろう物たち。
がらんとしてしまった家の中を見て。
人がひとりいなくなるという現象は、その質量以上の何かを世界から奪っていく。小さな僕はそんなような事を漠然と感じていた。
壊れていく。
失われていく。
僕の故郷が。
僕は半ば呆然としながら、炎の雨に破壊されていく映像を見ていた。
キエテイク
モエテシマウ
「おい、スズ!」
耳元でノリに叫ぶように名前を呼ばれて僕はようやく現実に引き戻される。
「ルーク…ルークは!?」
ルークは膝をつき、苦しそうに呼吸を荒くしていた。
"大丈夫…守ってくれた…"
土煙が晴れるにつれ、ルークの前に二つの影が立っているのが見えた。
「無事か、スズ」
僕の目に飛び込んできたのは、アスナさんの後ろ姿だった。
隣には燃え盛る炎を全身に包むウインディが空の相手を見上げて低く唸り声を上げていた。
「あ…アスナさん!」
「…炎魔蝶だ」
アスナさんは空の相手を睨みつけるように見据えていた。
アスナさんの視線を追うように、僕は改めて空を見上げた。
異様に発達した翼を羽ばたかせて飛行している。太陽を背に体から炎を発している炎魔蝶は、まるで第二の太陽のようだった。
「アスナさん、あれは…」
「ウルガモス。イッシュ地方に生息するポケモンだ」
だがな…と、アスナさんが苦々しげに続ける。
「…あんなのは、規格外だぞ」
「くだらん」
轟槍のザックを見る目は、すでに飽きてしまったおもちゃで遊ぶことを余儀なくされている子供のようだった。
炎の雨をまともに受けたザックの半身は、見るも無残にただれていた。
「兄ちゃん!」
ザックの背後から聞こえてくるチーの泣き叫ぶ声は、突き刺さるような悲痛さを帯びていた。
「ザック兄ちゃん、もうやめよう!その怪我じゃあ、もう…!」
「チー」
チーの声とは対照的に、ザックの声は静かだった。
「お前、スズが嫌いか?」
突然投げかけられた質問に、チーは一瞬の沈黙の後、すぐに答える。
「そ、そんなわけないじゃん!チーだってスズやルークの力になりたいよ!だけど…だけど…」
「俺もだ」
それだけ言うと、ザックは半身を引きずるように前に出た。
「お前の敗因は、痛みを忘れたことだ」
轟槍の前に立ったザックは静かに告げる。
「敗因?俺の?」
ザックはそれには答えず、ただ轟槍を見据えた。
ザックは、スズと出会った時のことを思い出していた。
血まみれの自分とチーを助け、自らと無関係な争いごとに首を突っ込み、村を救ってくれた少年。
その少年の助けとなるために、ザックはここにいるのだった。
スズは強くなった。出会った時の弱々しい雰囲気は薄れ、随分とたくましくなった。
それはスズが、数々の痛みを糧としてきたからだと、ザックは思う。ここに至るまでの数々の出来事が、少年に成長を促したのだ。
ルネシティは、スズの故郷だ。
炎の雨が降った後、ルネシティの景観は随分と変わり、街の至るところで火の手が上がり始めていた。
守りたいと言っていた故郷。取り戻したいと言っていた故郷。
少年の心中は、察するに余り有るものだった。
スズは強くなった。
だがまだ、少年にはひとりで戦うだけの力は無い。
だから支えるのだ。大切な恩人を。大好きな仲間を。
ザックは拳に力を込める。
戦いで負った傷。体内を流れる毒。火傷を負った半身は、痛みで引きちぎれそうだった。
だが、まだ力が入る。戦える。
体に鞭を打ち、ザックは轟槍めがけて加速した。
轟槍はそれを迎え撃たんと、研ぎ澄まされた自身の槍を構えた。
痛覚をシャットアウトしている轟槍は、攻撃を躱さない。
ザックは狙いは、ただ一点。その大槍の、ただ一点。
攻撃を加え続けていた一点を、渾身の力を込めて、拳を叩きつけた。
鈍い音と共に、鋼が砕け散る手応えを感じた。
ザックの攻撃が、轟槍の槍を破壊したのだ。
「小癪!!」
獲物を失って尚、轟槍は怯まなかった。
そのまま無事な腕でザックを引き寄せると、鋼鉄の頭部を叩きつける。
鈍い音とともによろめいたザックに追い討ちをかけんと接近したとき、不意にバランスを崩す。
反射的に足元を見た轟槍が目にしたものは、おかしな方向に曲がっている自らの片足だった。
「なっ…!」
ザックが蓄積させていたダメージの積載量が限界を越え、溢れ出した結果だった。
注意が散漫になったその一瞬、ザックの渾身の拳が再び轟槍を殴り飛ばす。
轟槍は吹き飛ばされるように、壁面に激突した。
「言うだけの事はある…しかし、俺はまだ戦える!槍砕けようとも!足折られようとも!意識断ち切られん限り、俺は止まらん!」
壁で体を支えながら、轟槍は吠えた。
「撤退だ」
戦いに割って入るように、静かな声が響いた。
「アギィ!大丈夫だ、俺はまだ……!…お前、その腕……」
相棒の声が聞こえた方を見た轟槍の目が、その腕に釘づけになる。
「奴らの仲間の雪女にやられた。炎魔蝶の炎でなんとか氷漬けからは抜け出せたが、この体では俺はもう戦えない」
蟲忍の右腕は、未だ氷に封じられていた。
轟槍はほんの少し何か言いたげな素振りを見せたが、すぐによろめくように隣に立ち、言った。
「………異論はない」
「行くぞ。戦場から離脱する」
すでに決定事項のように、蟲忍は轟槍に告げた。
轟槍はしばしザックを見つめていたが、言葉を発することなく去っていった。
「兄ちゃん!」
チーがパタパタと駆け寄ってくるのを背後に感じた。
"兄ちゃんは、大丈夫だ"
紡ごうとした言葉は、もはや声にならなかった。
ザックは小さく笑顔を浮かべると、ゆっくりと崩れ落ちた。
- Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.691 )
- 日時: 2014/03/06 13:57
- 名前: ピクミン ◆RFSVi6f1XY (ID: jHcC18eG)
ザックさん重傷のお知らせ……
シュバルゴにノーマルで勝つとかタフネスすごいですねw
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