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【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク
日時: 2014/02/09 17:45
名前: 小雨 (ID: FvJ38Rf9)

はじめまして。
だいぶ遅ればせながらbw発売記念と言う事で、お目汚しさせていただきます。


***注意事項***

*ポケットモンスターの二次創作小説です。

*基本一人称視点で進行。

*bw記念といいつつ、舞台はホウエン地方です。

*登場ポケモンは第五世代までの範囲で登場します。原作のキャラ達も何人か登場しますが、作者はアニメ版をあまり見ていないので、アニメ版には準拠しておりません。ので、アニメを見ている方は違和感を感じることがあるかと思います(すいません)。

*い ち お う ルネシティに住む少年のスピンオフ的作品です。てことで、始まりはルネシティ。なんでそんなモブキャラを選んだのかというと、レジ系ゲットしたくて久々に起動した第三世代ROMのルネシティの雰囲気に魅了されてしまったためです。

*作者の都合のいい解釈、展開、本編との矛盾などが多数出てくるかと思いますが生ぬるい目で見ていただけると嬉しいです。全ては作者の力不足に依るものです。尚、このホウエン地方は皆様の冒険したホウエンではなく、パラレルワールド的なものです。

*作者のランダムマッチにおける勝率は二回に一回程度のレベルです。ネット対戦勝てない人挙手。

*感想等お気軽に頂けると小雨は喜びます。大変申し訳ありませんが、本作品やポケモン等に全く関係の無い話題や雑談等の書き込みはご遠慮くださいますようよろしくおねがいします。


大体ここら辺が許せる方、よろしくお願いいたしますー。

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Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.452 )
日時: 2011/10/14 17:07
名前: 小雨 (ID: BKd.hc6i)

第106話
頭巾と砂ワニ 6

●ワルビアル一家●
ビアル…歴戦のワルビアル。つよい。砂鰐。
アル…一番上の長男ワルビアル。気性が荒い。
ビル…真ん中の次男ワルビル。冷静。
メグ…一番下の妹メグロコ。元気。
ズルズキン…ワルビアル一家の新入り。



ズルズキンとメグの二人はしばらく砂漠を歩き、つい先日アルが制圧したオアシスへと向かいました。
オアシスは生命力に満ちておりました。
二人はオアシスのほとりまで進むと、持ってきた桶に早速水を汲みました。
「よし、これだけあればしばらくもつね!」
桶に汲まれた澄んだ水を見て、メグが嬉しそうに言います。
「…そうだな。用事も済んだことだし、戻るぞ」
ズルズキンがぶっきらぼうにいいました。
「少し休憩していこうよ。メグ疲れちゃった」
ズルズキンはため息をつくと、小さく密集して生えている背の低い草の上に寝転がりました。
一歩外に出れば荒れ果てた砂漠が広がっているというのに、オアシスには穏やかな時間が流れています。
ズルズキンはぼんやりと、砂漠に流れ着くまでの事を思い返しておりました。
「ねぇ、頭巾のお兄ちゃんはどうしてビアルさんと毎日戦ってるの?」
メグが唐突に質問を投げかけてきました。
「奴が強いからだ」
ズルズキンは簡潔に答えます。
「ビアルさん強いよねぇ。メグ達のお父さんよりも強いかも!」
「…砂鰐はお前達の父親じゃないのか?」
ズルズキンはかねてから疑問に思っていたことを問いかけました。
ワルビアル一家の兄妹達は砂鰐の事を"ビアルさん"と呼び、対してビアルは兄妹達のことをわざわざ回りくどい呼び方で呼んでいました。血の繋がったもの同士の間でそれがいかにも不自然であるという事は、さすがにズルズキンにも感じることができるのでした。
「ううん、違うよ。お父さんは随分前にいなくなっちゃったの。それからね、ビアルさんが来てくれたのー!」
メグの回答はいまひとつ要領を得ませんでしたが疑問自体は解消したので、ズルズキンはそれ以上聞き返しませんでした。争い合いが蔓延しているこの砂漠で何も告げずに姿を消したというのはつまり、決して歓迎すべき事態とは言いがたいのでした。
「…そろそろいくぞ。日が暮れる前に拠点に帰ろう」
「うんっ!」
立ち上がったメグが、ちらちらとオアシスを気にしている事にズルズキンは気が付きました。
「…?どうした?」
「ううん、なんでもない…」
ズルズキンがメグの目線を追うと、オアシスの底で何が光を反射しているのを確認できました。
「気になるのか?」
「別に!暗くなっちゃう前に帰ろう!」
明らかに意志に反する事を言っているメグに、ズルズキンはため息をつきました。
「…ちょっと待ってろ」
「え……あっ、頭巾のお兄ちゃん!」
そういい残すと、ズルズキンはオアシスに飛び込みました。波紋が湖に広がります。
オアシスは思ったより深さがありました。ズルズキンは光ったあたりを目指して潜水を開始しました。
ズルズキンは自らの行動に不思議な感覚を覚えていました。
戦い、戦い、戦う。止まる時は生命の終わり。自らの事ですらその程度にしか考えたことがなかったズルズキンにとって、他者のために何かをするというのは始めてのことだったのです。初めて芽生えたこの思いを何と形容すべきなのかわからず戸惑いさえ覚えるズルズキンでしたが、それが嫌な気持ちでないことだけは彼にも解っておりました。
ぼんやりと考え事をしながら水をかいているうちに、ズルズキンはターゲットにたどり着きました。
「これは…イシズマイの殻か?…そういえばメグの奴、これを集めているとか言っていたな」
光を反射していたのは、小さなイシズマイの抜け殻でした。ズルズキンはそれを拾うと、岸をめがけて再び泳ぎ始めました。
「…や…て!返……て!」
岸が近付いてくるにつれ、何やらメグの緊張した声が聞こえてまいりました。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.453 )
日時: 2011/10/19 00:52
名前: 小雨 (ID: BKd.hc6i)

第107話
頭巾と砂ワニ 7

●ワルビアル一家●
ビアル…歴戦のワルビアル。つよい。砂鰐。
アル…一番上の長男ワルビアル。気性が荒い。
ビル…真ん中の次男ワルビル。冷静。
メグ…一番下の妹メグロコ。元気。
ズルズキン…ワルビアル一家の新入り。

「返して!それはメグ達のお水なの!」
ズルズキンがオアシスから上がると、メグを取り囲むいくつかの影がありました。
砂漠北部の雄、ヒヒダルマの群れです。
「まずいな…」ズルズキンは思いました。このオアシスは完全にワルビアル一家の勢力下にあるのです。こんなところまでヒヒダルマ達が足を伸ばしているとは思ってもいませんでした。
「ほう、ズルズキンとは珍しい。貴様らの一族はこの砂漠から尻尾を巻いて逃げ出したと聞いていたがな」
オアシスから上がったズルズキンを見て、ヒヒダルマの一人が早速挑発してきます。
「貴様らの長、竜戦士も先の戦いで砂鰐に駆逐されたそうではないか」
「砂鰐ごときに遅れを取る種族だ。そもそもこの砂漠で生き延びられるはずが無い」
獰猛な鼻息と共に、ヒヒダルマ達は下品に笑いました。
ズルズキンは静かに立ち、ヒヒダルマ達の挑発をその身に受けています。
「…もういいか。水を持って帰らなければいけないんだ」
この状況で戦闘を始めるのは得策ではありません。自らが傷つく事に対して抵抗があるズルズキンではありませんでしたが、メグが巻き込まれる事を考えると、このまま乱戦になるわけにはいかないのでした。
「はっ、腰抜けが。この周辺はまもなく我々ヒヒダルマとワルビアル共の戦闘区域になるだろう。せいぜい情けなく生き延びるがいい」
ヒヒダルマ達はメグから奪った桶を地面に叩きつけました。桶が割れ、地面に徐々に染みを作ります。
「頭巾のお兄ちゃんを悪く言わないでっ!あんた達なんかビアルさんにやられちゃえばいいんだ!」
「メグっ!黙れ!」
それまで静かだったズルズキンの言葉に、メグはハッと我に返りました。
「ビアル…?」
その名前を聞いて、去ろうとしていたヒヒダルマ達が足を止めます。
「砂鰐の事か?貴様まさか、ワルビアル一家のメグロコか」
ヒヒダルマ達は目配せしましたが、すぐに意見が一致したようでした。
「お前、俺達と一緒に来い」
ヒヒダルマの一人がメグの腕を掴みました。
「えっ」
「砂鰐をおびき出すエサに使える。さすがの砂鰐も自分の娘が人質に取られたら出てこざるをえんだろう」
「び、ビアルさんはメグのお父さんじゃ…」
「ガタガタいうな。大人しく付いてきてもらおう」
強引にメグの手を引いたヒヒダルマの体が吹き飛び、オアシスに大きな水しぶきがあがりました。
「手を離せ、醜い達磨ども。お前ら如きが砂鰐と戦う資格があるかどうか、俺が選定してやる」
突然の出来事に、ヒヒダルマ達の顔色がみるみる真っ赤に染まっていきます。
「調子に乗るな、ズルズキン風情が!」
飛び掛ってくるヒヒダルマを交わし、ズルズキンは強烈な蹴りを叩き込みます。ヒヒダルマは小さくうめき声を漏らし、砂煙を舞い上げながら吹き飛びました。
「こいつ…少しはやるようだ」
ヒヒダルマ達は改めてズルズキンの周りを囲みます。
「メグ、先に帰っていろ」
「で、でも…」
「この程度の奴らに引けは取らん。お前も知っているだろう、俺は砂鰐と毎日戦っている」
「わ、わかった……すぐアル兄ちゃん達を呼んでくるから!」
戸惑っていたようでしたが、メグは大急ぎで走り出しました。

「いいのか?」
「構わん。砂鰐どもの居場所ならこのズルズキンも知っていそうだしな」
先ほどズルズキンに吹き飛ばされたヒヒダルマ達も戻ってまいりました。
「あまり時間はかけていられん、全員でかかるぞ。こちらの準備が整う前に砂鰐に登場されても面倒だからな」
ズルズキンはヒヒダルマ達の群れに向かい合いました。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.454 )
日時: 2011/10/19 20:58
名前: ピクミン ◆xr/5N93ZIY (ID: S1XpBh/Z)

ズルズキンさん男前だwww
ズルズキンってタイプは格闘・悪か。
エスパー無効、格闘では突破できないゴーストエスパーに対して
しっぺ返しやかみ砕くで対抗できる……結構強いですねw

今度育ててみようかな。ビルドレズキン型。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.455 )
日時: 2011/10/20 20:02
名前: 小雨 (ID: BKd.hc6i)

ピクミンさん


ズルズキンはイッシュでもかなり好きなポケモンなので、イケメン補正かかってますw

特性だっぴなら状態異常にも強いですしね。

ぜひぜひ!
小雨は竜舞じしんかじょう型とビルドレだっぴ型両方使ってみましたが、竜舞の方が気持ちよく無双できましたw

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.456 )
日時: 2011/10/26 20:49
名前: 小雨 (ID: BKd.hc6i)

第108話
頭巾と砂ワニ 8

●ワルビアル一家●
ビアル…歴戦のワルビアル。つよい。砂鰐。
アル…一番上の長男ワルビアル。気性が荒い。
ビル…真ん中の次男ワルビル。冷静。
メグ…一番下の妹メグロコ。元気。
ズルズキン…ワルビアル一家の新入り。



所詮は多勢に無勢です。
奮戦していたズルズキンですが、次第に数に押され、動きを封じられていきました。
炎を受ける度に皮膚を焼かれ、攻撃を加えられる度に鮮血が飛び散り、骨も何箇所か折れているようです。それでもヒヒダルマ達は攻撃の手を緩めませんでした。
"あいつは無事に逃げられたか…"
ついには崩れ落ち、最早抵抗する事ができなくなってしまったズルズキンが思うことは、自らのことではなく、小さなメグの事でした。そんな自分がなんだか可笑しくて、地面に大の字になっていたズルズキンは小さく笑いました。
「もう終わりか、ズルズキン」
「そう言ってやるな。そもそもズルズキン風情、我々の相手ではない」
"…からだが動かないな…ここまでか…"
「頭巾のお兄ちゃん!」
ズルズキンの意識が遠のいていったまさにその時、場を切裂くような大きな声が響き渡りました。
サッサッサッと、砂の上を走る音が聞こえ、ズルズキンの耳元で止まりました。それは聞きなれたメグの足音でした。
ぼんやりとしている視界の中に、涙を浮かべたメグの姿が飛び込んできました。
「おまえ…なんで…戻って……」
「アル兄ちゃん達、まだ帰ってきていなかったの!だから…だから…」
「だからって戻ってくる奴が…」
「ほう、わざわざ戻ってきてくれるとは。これは手間が省けた、礼を言うぞ。ズルズキンは用なしだ。奴らへの見せしめに、再起不能にしてやれ」
ヒヒダルマが冷酷に言い放ちました。
それを皮切りに、ヒヒダルマ達がズルズキンを肩を掴み、強引に立たせて拘束します。
「頭巾のお兄ちゃん!」
「お前はこっちだ。来い」
「くそっ…」
メグを連れて行かせるわけにはいかない…!
ズルズキンは強く思いました。それはとても不思議な気持ちでした。強く思う、という事自体、今まで感じたことの無い感覚でした。自のことですら必死になることがなかったズルズキンが今、全くの他人であるメグの事を必死で案じていたのでした。
と同時に、何か力がわきあがってくるのを感じました。
腹の底から力の奔流のようなものが巻き起こり、全身を駆け巡っていくのがわかります。
"これは…"
ズルズキンはためらいなく、その力を解放しました。
「な、なんだ!?」
「これは…竜の気?ばかな!」
ズルズキンの周囲に、力が竜巻のように巻き上がりました。それはまるで、竜が翼を広げたようです。ズルズキンは強引に、両脇を拘束していたヒヒダルマを振り払いました。
「こ、このっ…!」
襲い掛かってくるヒヒダルマの動きがまるでスローモーションのように見えます。
「………」
ズルズキンは再び、ヒヒダルマ達の群れと向かい合いました。


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