二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク
日時: 2014/02/09 17:45
名前: 小雨 (ID: FvJ38Rf9)

はじめまして。
だいぶ遅ればせながらbw発売記念と言う事で、お目汚しさせていただきます。


***注意事項***

*ポケットモンスターの二次創作小説です。

*基本一人称視点で進行。

*bw記念といいつつ、舞台はホウエン地方です。

*登場ポケモンは第五世代までの範囲で登場します。原作のキャラ達も何人か登場しますが、作者はアニメ版をあまり見ていないので、アニメ版には準拠しておりません。ので、アニメを見ている方は違和感を感じることがあるかと思います(すいません)。

*い ち お う ルネシティに住む少年のスピンオフ的作品です。てことで、始まりはルネシティ。なんでそんなモブキャラを選んだのかというと、レジ系ゲットしたくて久々に起動した第三世代ROMのルネシティの雰囲気に魅了されてしまったためです。

*作者の都合のいい解釈、展開、本編との矛盾などが多数出てくるかと思いますが生ぬるい目で見ていただけると嬉しいです。全ては作者の力不足に依るものです。尚、このホウエン地方は皆様の冒険したホウエンではなく、パラレルワールド的なものです。

*作者のランダムマッチにおける勝率は二回に一回程度のレベルです。ネット対戦勝てない人挙手。

*感想等お気軽に頂けると小雨は喜びます。大変申し訳ありませんが、本作品やポケモン等に全く関係の無い話題や雑談等の書き込みはご遠慮くださいますようよろしくおねがいします。


大体ここら辺が許せる方、よろしくお願いいたしますー。

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Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.2 )
日時: 2011/05/12 18:50
名前: 小雨 (ID: BKd.hc6i)

第2話
夜道


でこぼこの道を降りて家に帰る頃にはもう暗くなっていた。家々には明かりが灯り、暗い夜道をぼんやりと照らしている。
この町の夜は暗い。およそ街灯と呼ばれるものが無く、夜道を照らす光がおよそ月明かりしかないからだ。そう、外の世界には街灯というものがあるのだと、以前買ってもらった本に書いてあった。
しかし、夜を照らす明かりと引き換えにまあるい空から見える夜空は格別のものだ。

「おかえりスズ。今日は何してたの?」
「みんなと遊んでたよ。お腹すいたー。もうご飯になるの?」
「もうすぐできるからね。ちょっと待っててね」
母親が料理に戻った。
僕は嘘をついた。僕はずっといつもの場所でボーっと空を見ていたのだ。
周りの友人達は、最近みんな自分のポケモンを手にいれはじめ、見せ合ったりして遊ぶようになっていた。初めのうちは物珍しさで僕も一緒に遊んでいたのだけれど、いくら釣りをしてもゲットする事ができないため輪の中に入れないことが多くなり、次第にみんなと距離を置くようになっていた。
どうやら僕には釣りの才能が無いらしく、ポケモンを入手する手段が限られているこの町ではそれは絶望的と言えた。

「さぁ、ごはんできたよー。食べよう!」
母さんが料理をテーブルに運んできてくれた。
「いただきます」
「いただきます」
二人でテーブルを囲み、ささやかな夕食が始まった。
僕には父さんがいない。詳しい事は聞かされていないけれど、僕の小さい頃に死んでしまったらしい。
父さんは外の世界から町に物資を運び込む仕事をしていたのだが、町へ戻る途中嵐にあい、行方不明になってしまったらしい。僕が物心つく前の話だ。
周りの人たちはその事について随分気にかけてくれているようだけど、僕は父さんの事が全くといっていいほど記憶になかったので、寂しさはそれほど感じなかった。
「ごちそうさま」
「はい、ご馳走様。食器片付けたらちゃんと勉強しなさいね」
「わかってるよー」
僕は食器を台所に運び、自分の部屋へ引き上げた。
狭い家だけど、一応僕は個室を与えられていた。友達の多くは自分の部屋を持っていないようだった。これも二人暮らしのおかげかもしれないなと思うと、父親がいないことも案外悪い事ではないのかもしれない。
母さんはしっかり勉強しなさいとよく言う。この街の中にいたら、どんどん外の世界から遅れていってしまうから、と。母さんは外の世界で父さんと知り合ってこの街に来たから余計にそう思うんだ、と。
でも僕は、別にいいんじゃないかと思う。
この町での生活サイクルは今の時点で完結しているし、興味がないわけではないけど、無理して外の世界に行きたいと思うわけではないのだ。
僕はいまいち勉強に身が入らず、部屋の明かりを消した。
窓から差し込む月明かりの中で、僕は眠りについた。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.3 )
日時: 2011/01/10 23:51
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: LXRMec4z)

本当に気紛れで二次を巡回していたらなんかここだけ浮き彫りでレベルが高いです、先生。
よもやあの少年を主人公にしようとは。第三世代から始めた私としてはなんかもう感動です。
今更ながらハジメマシテ。紅蓮の流星という者です。
なんかよくわからないけど感動してコメントしてしまいました。これからも更新頑張ってください。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.4 )
日時: 2011/01/11 01:39
名前: 小雨 (ID: FwQAM/tA)

紅蓮の流星さん

コメありがとうございますー。初コメなのでとても嬉しいです!
れレベル高いだなんてそんな…///←
なんて冗談はともかく、多分どんどんボロが出ると思いますので、苦笑いして流してやってくださいませ。。。

あ、キャラ特定していただけましたか!これまた嬉しい限りです。
ちびちびと書いてきますので、たまに覗いていただけると嬉しいです^^

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.5 )
日時: 2011/05/12 18:51
名前: 小雨 (ID: BKd.hc6i)

第3話
友達

「すーずくんっ」
翌朝、僕を呼ぶ声で目が覚めた。カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。
友達が迎えに来てくれたようだ。そういえば今日はみんなで遊ぶって言ってたっけ。
「…ごめん、すぐ行く」
僕は眠い目をこすり布団から起き上がると、カーテンを開けた。柔らかい日差しが部屋の中を包む。
さっさと支度を済ませて外に出ると、いつもの二人が待っていた。
いわゆるガキ大将タイプのノリと、ちょっとゆったりしたところのある女の子、シズク。
「ごめん、寝坊しちゃった」
僕は謝りながら二人のところに駆け寄った。と、自然に目線が下に行ってしまう。
みな、自分のポケモンを持っている。
ノリはメノクラゲ。自宅にあったという古い釣竿を使って、少し前に釣り上げた。僕は正直あまりかわいいとは思えなかったのだが、ノリはえらく気に入っていたので何も言わなかった。
シズクのポケモンはマリル。シズクの父親は町の外へ出る事のできる数少ない大人で、マリルリを所持していた。先日卵が孵り生まれたマリルの世話を、シズクが任されていた。
緩やかな階段をいくつか登り、いつもの広場に着く。二人はすぐにポケモンと一緒に遊び始めたが、自分のポケモンを持っていない僕は次第に輪に入れなくなってきた。
「ノリ、釣竿貸してよ」
「おう、いいぞ。お前も早く自分の捕まえろよ!」

僕はみんなと距離を置き、町と外とを結ぶ湖に釣竿を垂らした。しばらくそうしていたが、一向に何もかかる気配がない。水面は静かなもので、少しの波紋さえおきなかった。そもそも海に繋がっているはずなのになんでこんなに水面が静かなのか、僕は不思議で仕方なかった。
それにしても、大人たちが雑魚雑魚とあざ笑うコイキングすらかからない。後ろからは楽しそうな声が聞こえていた。
何で僕だけゲットできないんだろう…。早々に切り上げていつもの場所でぼんやりしていようかと思い始めた頃、隣にシズクが腰掛けてきた。
「スズくん、調子はどう?」
僕は早くもボーっとし始めていたので、突然話しかけられて焦ってしまった。
「あ、え、ええと、うん。全然ダメだよ」
「あはは。釣りなんて運だから、仕方ないよね。私もお父さんにマリルもらわなかったらきっと今も捕まえられてないもん」
シズクがそれとなく慰めてくれているのがわかったが、それが余計に情けなかった。
マリルはシズクに抱きかかえられており、良く懐いているようだった。時折嬉しそうな鳴き声をあげている。
僕は深いため息をついた。
「しかし、こうも釣れないもんなのかねぇ。才能っていうのがないのかな」
「…そんなことないよ。ね、私のマリル見て!昨日水鉄砲出せるようになったの!」
シズクが「マリちゃん、水鉄砲!」と指示を出すと、マリルは少量の水を水面に向けて放った。
静かだった水面に波紋が広がった。
「おぉー、すごい!」
「へっへーん!」
シズクが得意げに胸を張った。
「シズク、なんだ今の!」
ノリも見ていたらしく、こちらに近付いてきた。
「水鉄砲っていう技なんだって!見せてあげるね!」
「おぉー、すげぇ!」
二人は再びワイワイと騒ぎ出し、僕は再び釣り糸を垂らした。

Re: 【ポケモン】ポケットモンスター アスタリスク ( No.6 )
日時: 2011/05/12 18:51
名前: 小雨 (ID: BKd.hc6i)

第4話
遭遇


何日かたったが、僕は相変わらずポケモンを釣り上げられないでいた。
最初のうちこそ悔しさと劣等感にさいなまれていたけど、次第にそれは薄らいでいった。そもそもこの町の中で自分のポケモンを持っている人は数少ないし、町から出たことすらない人だってたくさんいるのだ。
ノリなんかは「メノクラゲにダイビングを覚えさせて外の世界へ行ってみてぇ!」、なんて言っているけど、僕は外界に興味こそあるにせよ、そこまで強く行ってみたいと思っているわけではなかった。
本当はこのままで。今のままこのルネシティの中でのんびりと暮らしていくのもいいと思っているのかもしれない。

その日は友人達もみんな用事があるらしく、僕は久しぶりに秘密の場所に行こうと思った。
何にも無いあの場所だけど、頭上に広がるまあるい空をゆっくりと見ていられる時間は僕にとって必要なもののようだった。
思えば釣竿を垂らさない日もひさしぶりだ。僕の性格上釣りは嫌いではないけど、さすがに何も釣れない日々が何日も続いてしまっては気が滅入る。
僕は日が傾き始めた頃、でこぼこの山道を登り、秘密の場所に向かった。青く澄んだ空を仰ぐのもいいが、夕焼けもまた違った味わいをかもし出してくれる。
それほど大きくないこの町で、よく誰にも知られていないこんな場所があったなと思う。あるいは知っている人もいるのかもしれないけど、ここ最近で人の立ち入ったような痕跡は見受けられなかった。
その場所は、山の頂上へ続く道を横にそれた先にあった。遠くからみると行き止まりのように見えるのだけど、近付いてみるとさらに道が大きく曲がるように続いていて、展望台のような開けた場所に出るのだ。見下ろせば町の全景が、見上げればまあるい空が見える。この町で一番素敵な場所ではないかと僕は思っていた。

いつものように山肌を登っていたのだが、少し様子が違うことに気がついた。
どこがどうと言われると言葉では説明できないのだけど、何となく感覚に訴えるものがあった。僕は違和感の正体も分からず、いつもどおり秘密の場所に足を踏み入れた瞬間、息を呑んだ。

驚いたなんてもんじゃない。僕はピクリとも動けなくなってしまった。
そこには見たことも無いドラゴンが横たわっていたのだ。
薄暗い青い肌をしたドラゴンは僕にすぐさま気がつくと、その鋭い視線をぶつけてきた。僕は余計に動く事ができなくなってしまった。今までのことが走馬灯のように僕の頭を駆け巡る。
僕はこのまま食べられてしまうのだろうか…結局一度もポケモンゲットできないままだった…。いざ死を覚悟してみると、やりたかった事が意外とたくさんあるものだなぁと思った。
「あー、こら!だめだよ急に人をにらみつけたら!」
突然女の人の声がして、僕はさらに驚いた。


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