月下のクリムゾン  るりぃ ◆wh4261y8c6 /作



第肆妖『天使』1



団子やに遊びに来る僕を見て、楽しそうに笑う彼女が好きだった。
何度か彼女を逢引に誘おうと挑戦したが、すべて阻止されて未だに叶っていない。
隣で一緒に空を見上げながら、いつも同じ事を考える。
いつか、彼女と一緒に暮らそう。
誰にも真似できないくらい、一番綺麗に。
だからその為に、自分は彼女の笑顔を護っていこう、と。

「空ってこんな色になるんだね。」

「またつれてきてあげようか? 起きられたら、だけど。」

「仕事があっていけないの知ってるくせに言うんだから。意地悪。」

金も権力もなくて、非力だけど。
彼女が屈託なく笑えるように。
絶対、護るから。