逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~
作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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ここは、とある建物の一室。
そこには、逃走中の主催者と、そのマネージャーのエリーがいた。
主催者「今回の逃走中…参加者は決まったか?」
エリー「はい。各所に招待状を送ったところ、64名のプレイヤーが参加する…と」
主催者「64か…多いな。今回、予選を行うつもりはない。1stステージと2ndステージに分けて、即本戦を行おうと思っている」
エリー「なぜですか?」
主催者「俺の…目的のためだ。俺の目的を達成するには、なるべく多くの逃走者がエリア内にいた方がいい」
エリー「貴方の目的…」
主催者「世界を…救うことだ」
どうやら、主催者は逃走中を使って、世界を救おうと考えているらしい。逃走中と世界を救うことに何の関連があるのか、今のところは皆目見当もつかないが…
主催者「時にエリー。お前は、募金箱に金を入れたことはあるか?」
エリー「いきなりなにを…まあ、ありますが。といっても、10円か50円くらいですけどね」
主催者「そうか。それじゃあ、老人ホームの訪問や、街の清掃などといった、ボランティアに参加したことは?」
エリー「あります。何回も…」
主催者「そういうのを、なんというか知ってるか?」
エリー「『良いこと』でしょうか?別の言い方をするなら『親切』とか…」
主催者「ハハハ…分かってないな。老人ホームへの訪問、そして街の清掃などといったボランティア活動。そういうのを…」
――――――『偽善』って言うんだ。
『偽善』…このキーワードが、今回の逃走中に深くかかわってくることとなる…!
各種設定
今回は、各種設定の紹介です
① ルール
今回の逃走者は64人。彼らは、200分間ハンターがら逃げることになる。賞金は、1秒100円ずつ上昇。逃げ切れば、120万円を獲得できる。しかし、ハンターにつかまれば、賞金は…0
② エリア
今回のエリアは、とある街。一見するとなんの変哲もない街だが、この街には様々な問題が…
逃走者たちは、この街の問題と立ち向かいながら逃走することになる…!
エリアの北には、病院、ホテルなどの施設が充実しており、近くには麻雀教室もある。逃走者たちは、ゲームが始まるまでホテルに待機している。
西には、住宅街が立ち並んでおり、近くには学校や公園もある。さらに西に行くと、森になっており、その奥には怪しい研究所が…?
南には、巨大デパートを中心に、健康ランド、喫茶店、茶店などの商業施設が立ち並んでいる。その近くは、アパートが建っている。
東は、主に駅前の商店街である。八百屋、肉屋などの小売店が立ち並んでいる。ビデオショップや古本屋も立ち並んでおり、非常にほのぼのとした場所である。
建物内は、基本侵入可能だが、住宅に入ってはいけない。不法侵入だからである。
広さはおよそ東京ドーム7個分だが、建物内の延べ床面積を合わせることで、東京ドーム9個分の広さに変化する。
この中を、逃走者たちが逃げ回る。
③ ミッション
逃走中には、主催者からのミッションが与えられる。これまで、幾度となく逃走者を苦しめてきたミッション。
だが、今回のミッションは、いつもとは一味違う…
④ ハンター
ハンターは、3体でスタート。彼らは、マラソン選手並みの持久力と、短距離選手並みのスピードを兼ねそろえており、見つかれば、逃げ切るのは安易ではない…!
⑤ 自首
このゲームは、自首も可能。エリア内に設置された3台の公衆電話から、主催者に自首の旨を伝えた段階で、自首が成立する。自首をすれば、それまでためた賞金が、獲得できる…!
⑥ オープニングゲーム
このゲームの結果によって、ハンターの放出されるタイミングが決まる。
3体のハンターボックスの前に置いてあるのは、オープニングゲームの定番である鎖……じゃない!
置いてあるのは、なぜか大量のナイフと丸い道具。これでいったい、何をしようというのか…

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