逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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竜崎「さて……リュカはどこにいる?」

文「近くにいるといいのですが……」

リュカが通報者だと推理した竜崎は、文と共にリュカを探している。2人は、バトルボールを1つ持っている為――竜崎と文は共ににバトルボールを1つずつ持っていたが、文が持っているバトルボールは咲夜とKAME3にあげた――見つければすぐに、撃破に入れる。

文「ちょっと待ってください!ハンターです……」

文が、ハンターに気付いて足を止めた。それに反応した竜崎も、足を止める。



ハンター「…………」



文「ふう……ハンター行きましたね」

竜崎「助かった。お前が止めてくれなければ、そのまま前進して確保コースだった」

移動は常に、ハンターに見つかるリスクを伴う。推理中ばかりに夢中になり、逃走中の舞台から降ろされては、元も子もない。今のは、文のファインプレーで助かったが、今後いつこのような危機に遭遇するかは、分からない。

竜崎「しかし……リュカはすごい子供だよな」

文「どういう意味ですか?」

竜崎「俺はミッション7で通報者が通報したときの声を聴いたが、その時の通報者、通報に全く迷いがなかった」

文「そうなんですか?」

竜崎「通報者は、7人通報や5人通報もやっている。そんな時、普通の人間なら、声が震えたり、躊躇ったりするものだ。当然だ、今まで仲間だった者たちを一斉に通報するのだから。だが、あの声に迷いはなかった」

文「それが……凄いことなのですか?」

竜崎「ああ。あんな風に迷いを捨てる……逃走者に対する情を完全に捨てられる。そして、東横とコンビを組み、アカギという天才まで倒す。そんなことが出来るのは、やりなれた者だけだ。すなわち、数多くの修羅をくぐってきた者だけだ。そういう観点からみると、リュカが世界を救ったというのは、本当の話なのかもしれないな」

文「あんな小さな男の子なのに、すごく強いんですね……リュカさん」

竜崎「リュカはまだ10歳前後の少年だが、修羅場における経験が違う。経験は天才に勝る。……いい言葉だ」

文「知りませんよ、そんな言葉」

竜崎「今俺が考えた言葉だからな」

推理中終了まで、あと15分ほど。推理中が終わるまでに、通報者を見つけ、撃破することはできるのか。



大石「ん~あれは……ハンターじゃないですか」

ハンターを見つけた大石。近くの建物の陰に隠れたが、果たして、やりすごせるか……



ハンター「…………」



大石「行きましたか」

ハンターには、気づかれなかったようだ……

さすがに、ここまで残っている逃走者たちは、そうやすやすとハンターに見つかったりはしない……




リュカ「う~ん。正直、バトルボール持ってると、逃げる時にはいらないんだよね」

健康ランド前で、周囲の状況を気にしているリュカ。バトルボールは、通報者撃破には役立つアイテムだが、逃走時においては、邪魔なアイテムでしかない。それを懸念してか、周囲の状況を必要以上に気にしている。

リュカ「見つからなければいいんだよ……!結局の所さ……!」




エリオ「そういえば、もう機動六課の人って僕しか残っていなんだよね」

エリオの上司や仲間であるなのはやフェイト、スバルやキャロは既に捕まってしまっている。

エリオ「機動六課代表として、頑張らないと!」

機動六課のみんなの期待に答えるためにも、気合を入れなおす!




~牢獄~

霊夢「ちょっと!通報者はまだ捕まらないの!?」

南郷「アカギまで通報者にやられて……通報者、とんでもなくやべえ奴だぞ……!」

アカギ「まあ、こんなこともある。それよりも、俺が最後に置いておいたヒント……あれに誰か気付いてくれればいいんだがな……」

魅音「なに?ヒントとかおいてきたの?」

アカギ「ああ。あのヒントは、通報者にとってはまさに爆弾さ」

久「それよりもさ、通報者が撃破されたら、処分どうする?」

誰か「殴り飛ばす!」

誰か「火をぶつけてやる!」

誰か「斬首!」

誰か「食べます!」

誰か「血を抜くぞぉ~」

久「ああうるさい!分かったわよ!それだけ通報者に対するうっぷんがたまってるってことよね!」

牢獄は、変な意味で大盛り上がりだ……




一方こちらは、竜崎たちと別の所でリュカを探す2人。KAME3と咲夜。

KAME3「さて……リュカさんを探さなければいけないんですが、どこから探しますか?」

咲夜「竜崎たちが駅側に向かったから、私たちはこの付近を探しましょう。さて、探すわよ」

KAME3「ちょっとまってください。この場合、他の逃走者の方にも、リュカさんが通報者だという事を一斉送信したほうがいいんじゃないでしょうか?」

KAME3の意見は、至極まっとうなものに思える。しかし、これを咲夜は……

咲夜「う~ん。それはやめた方がいいと思うわよ」

あっさりと否定した。

咲夜「アクセラレータの時も、作者が似たようなことやって外したでしょう?だから今、逃走者にはある種の不信感がわいているはず。いたずらにほかの逃走者の心をかき乱したくないわ」

アクセラレータの時、作者が一斉送信したのがまずかった。これを受け取った逃走者たちが、アクセラレータが通報者だと勘違いしてしまった。そのせいで、逃走者たちには、この手のメールに信頼がおけなくなっているのだ。仮に今、通報者はリュカだというメールを送ったとしても、逃走者たちが動いてくれるとは限らない。

KAME3「メールを送る時間があるなら、リュカを探せ……という事ですか。さすが咲夜さん、こんな時でも瀟洒ですね」

咲夜「早く捜すわよ。今は1秒でも惜しいわ」

KAME3「はい!」

完璧で瀟洒なメイドと、優秀で度胸のある作者による、リュカ探しが始まった。