逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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主催者によって発令されたミッション7。
ゲーム残り時間35分までに病院にたどり着くことが出来れば、ハンター2体放出と引き換えに、通報者を特定するヒントとなる映像を見ることが出来る。
ただし、病院内に入れるのは、先着1名だ…




・・・・・・

リュカ「このミッション…僕は行かないほうがいいよね…」

カメラマン「何故ですか?」

リュカ「だって、僕推理とか無理だし…」

小学生のリュカ。自分の頭脳では推理は無理と判断し、ミッション参加を断念…!




ゆうやん「ミッション…煉さん、どうしますか?」

煉「そうですね…このミッションって、逃走者が行けばヒントが手に入りますけど、もし通報者が行った場合って、ハンターが放出されるだけですよね…それを考えると、俺たちが行くのもありじゃないですかね…」

ミッションについて話し合う、ゆうやんと煉。そこに…



プルルルル…プルルルル…

メールだ…

煉「あっ、竜崎さんからです」



ミッション7について  From 竜崎悠太

ミッション見たか?実は俺は今、十六夜、KAME3、射命丸と一緒にいる。ミッション7は俺たち4人で片付ける。くれぐれもミッションに行かないように。下手な奴がミッションに行き、情報が俺の耳に入らなかったら最悪だ。もしミッションに行く奴がいたら、即座にそいつを通報者の第1候補として疑う。



煉「ええ~。ちょっとこれは乱暴じゃないですか…?」

ゆうやん「いや…そうでもないと思いますよ。考えてみれば、俺たちがミッションに行っても、その先の推理が出来なければ無意味です。だったら、推理能力の高い竜崎さんに任せるのも、普通にありだと思います」

煉「でも…でもですよ?もし竜崎さんが通報者だったら…」

ゆうやん「いえ、それはないでしょう。竜崎さんが通報者ってことは、竜崎さんと一緒にいる咲夜さん、KAME3さん、文さんもグルという事になってしまいます。この中で少なくとも、咲夜さんとKAME3さんは、通報者に加担はしないでしょう。KAME3さんは作者さんですし、咲夜さんが通報者に加担しようものなら、レミリアさんから大目玉を食います」

煉「という事は…この4人が通報者ってことはないわけですね」

ゆうやん「グルになれませんからね。というわけで、ミッション7は竜崎さんにお任せするのがよいかと…」

煉「分かりました。では俺たちは、引き続き周囲の警戒をしていましょう」

ゆうやんと煉は、ミッションには参加しないことにしたようだ…




エリオ「ここは竜崎さん頼みですかね…頼みましたよ!」

アカギ「ククク…まあ、竜崎が行くのが一番確実か」

一ノ瀬「竜崎…私は何も心配していないわよ。貴方を信じるから…」

他の逃走者も、竜崎にミッションを託すようだ。




・・・・・・

主催者「上手いな…竜崎は」

エリー「あんなメールを送られては、竜崎達4人以外はミッションに行けない。それはすなわち、エリア内を徘徊している通報者も、ミッションに向かえないという事になります」

主催者「竜崎がすごいのは、このメールを送るという事を、瞬時に思い付いたという事だ。さて、これからどうなるかな…?」




・・・・・・

竜崎「まあ…これでいいだろう。さて、ミッション7。病院までの距離は300m弱。…誰が行く?」

KAME3「これは…咲夜さん以外ならだれが行ってもいいと思います。咲夜さんは復活者で、情報収集の鍵になるので、このミッションに行くのはだめですけど…」

文「あ、じゃあ私が行きましょうか?私、新聞記者ですから!情報を皆さんにお伝えするのは得意ですよ!」

竜崎「いや……俺が行く。射命丸、お前は、他の逃走者から情報を集めておいてくれ。俺は情報を元に推理することはできるが、情報収集能力自体は、そんなに高くない」

咲夜「じゃあ、気を付けて。ヒントを得たら、ホテルの入口で待ち合わせしましょう」

竜崎「ああ、分かった」

竜崎、ミッションのために病院へと向かう!




安岡「竜崎の奴…ミッションに参加する気か…?ふざけるな!ミッションやったらハンターが増えちまうじゃねえか!」

病院内の赤いボタンが押されると、ハンター2体放出が確定する。そうなれば、エリア内のハンターは合計7体となる。

安岡「文句言ってやる!」

自分本位の安岡、携帯を取出し、竜崎の携帯にかけようとするが…

安岡(いや…駄目だ!今ここで文句言ったら、俺通報者説が出てきてしまう!)

このような思考回路にたどり着き、携帯をしまう。

竜崎は、ミッション参加反対派を押さえつける効果まで考えて、あのメールを送ったのだ。




圭一「おい……これ何だ?赤いボタンに見えるけど…しかも『押すな!』って書いてあるし…」

神社の入口で、『押すな!』と書かれた赤いボタンを見つけた圭一。

圭一「なんか、押したらとんでもないことになる気がするが……」

しかし、人間というものは、こういうボタンをどうしても押したくなる生き物でして…

圭一「とりゃあ!」

ポチッ!



デデーン!

「圭一、アウトー」

圭一「はっ!?何だ今の効果音!それにアウトって!?」

その時、神社の奥から全身黒タイツの男が飛び出してきたかと思うと…

バシッ!

圭一「痛っ!マジで痛え!」

ゴム製の棒で圭一のお尻を叩いた。それだけすると、黒タイツの男は神社の奥に消えていった……

圭一「おい…今のなんだったんだ?つかケツ痛え…」