逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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竜崎「案外…簡単についたな」

病院から7分。全力で走った竜崎は、運よくハンターにも通報者にもアクセラレータにも見つからずに喫茶店へとやってきた。

竜崎「まあ、全力で走るしかなかったのだが」

病院から喫茶店までは、かなりの距離がある。ランニング程度のペースでは、時間内にたどり着けるはずがない。ハンターや通報者に見つかるというリスクを背負ってでも、竜崎は全力で走るしかなかったのだ。

しかし、それも爪をはがしていないからこそ。もし爪をはがしていたら、その痛みのせいで途中で立ち止まったりして、とても時間内にたどり着けなかっただろう。ここは、アカギの機転がうまく効いたといえる。

ryouki(スタッフ)「中へどうぞ」

スタッフのryoukiに促され、竜崎は喫茶店の中へ入る。




~牢獄~

魔理沙「誰か来たぜ!」

美琴「竜崎!竜崎ね!」

南郷「やっと助けに来てくれたのか!待ちくたびれたぜぇ!」

牢獄は、大盛り上がりだ…




竜崎「…これを」

ryouki(スタッフ)「復活の珠3つですね。では、1stステージで捕まった確保者の中から、3人お選び下さい」

皆が、期待を寄せた目で竜崎を見る。竜崎は、そんな確保者たちの近づいて、ミッション6の真実を告げた。

竜崎「皆…このミッション6、代償はなんだったと思う?……爪1枚さ」

確保者たち「…え?」

皆、一様に体が固まった。

竜崎「アカギ、レミリア、KAME3が爪を1枚ずつ失った。そのおかげで、お前たちは3人復活できる。だから約束してくれ。復活した後は、必ずアカギやレミリア、そしてKAME3の指示に従ってくれ。そして、俺たちと一緒に通報者を見つけ出す手伝いをしてくれ。…分かったな?」

牢獄の者たちが、皆一様にうなずく。その瞳は、絶対に通報者を見つけ出してやるという意思が込められた瞳だった。

竜崎(よし、ここまではいい。問題は、誰を復活させるかだが…)



~誰を復活させるのか~  by 竜崎悠太

通報者を探す手伝いをしてもらうのだから、優秀な奴を復活させるに越したことはない。となると作者が一番妥当だが、さすがに作者3人はない。となれば、復活させるのは…

【作者1人&優秀な人2人】

となる。そして、今回どんな奴が優秀な奴になりうるかと言うと、この5の条件をなるべく満たしている人物という事になる。


1.それなりの基礎知識がある者。

2.身体能力が高い者。

3.機転が効く者。

4.どんな時でも冷静さを保っていられる者。


そして最後、これが一番重要なんだが…


5.俺たち4人(竜崎、アカギ、レミリア、KAME3)と相性がいい者。


相性が良くなければ、いくら能力が高くてもダメだ。さて、この5つの条件を元に、誰かを復活させることになるのだが…

~END~



竜崎(よし、決めた)

ryouki(スタッフ)「お決まりですか?」

竜崎「ああ。復活させるのは…!」


   ***


ゲーム残り時間61分。ミッション6終了ギリギリで、確保者を3名復活させる権利を得た竜崎。
作者1人と優秀な人2人を復活させようと、竜崎は考える。果たして、復活するのは誰なのか。
そして、通報者の容赦のない通報、アクセラレータの暴走に、逃走者たちは立ち向かえるのか。




・・・・・・

ryouki(スタッフ)「さあ、誰を復活させますか?」

竜崎「まず作者から1人。作者から復活するのは…………阪神政虎!」

阪神「俺!?俺でいいのかよ!」

竜崎「ああ。お前は、作者としての能力の他に、高い運動神経と行動力がある。通報者と戦うには、十分な力を持っていると判断した」

阪神「竜崎…俺、絶対役に立つように努力するからな!」

竜崎「期待しているぞ」

作者さんからの復活は、阪神政虎。そして次に…

竜崎「他に、優秀なものを2人、復活させる。正直、候補がかなりいて迷った。そんな中、俺はこの2人を選んだ。復活するのは…………十六夜咲夜と御坂美琴!」

咲夜「私が…?」

美琴「私が復活…本当にいいの?」

竜崎「お前らの判断能力と、俺たちとの相性を見込んでのことだ。大丈夫、お前らなら…通報者の正体にたどり着ける」

作者さん以外からの復活2人は、十六夜咲夜と御坂美琴に決定。これで、復活の珠はすべて使い果たした。

ryouki(スタッフ)「ミッション終了まで、残り30秒です。30秒後に、この喫茶店からハンターが2体放出します!」

このミッションクリアには、5つの復活の珠が必要だった。つまりこのミッション、失敗である。しかし、失敗しても尚、3人の逃走者が復活したことを考えれば、十分な結果だといえるだろう。

竜崎「ここから出るぞ!復活早々にハンターの餌食なんていやだろ!」

阪神「よし、行くぞ!」

美琴「復活したからには、通報者をボッコボコにしてやるわ!」

咲夜「では、行くとしますか」

こうして、ミッション6は終了した。それと同時に、2体のハンターがエリアに放出された!




プシュー!プシュー!




プルルルル…プルルルル…

なのは「ミッション結果来た!『ミッション6結果 竜崎悠太、レミリア・スカーレット、赤木しげる、KAME3の活躍により、阪神政虎、十六夜咲夜、御坂美琴が復活。しかし、5人復活は出来なかったため、2体のハンターが放出された』あ、参加者の名前が出るようになってる…」

リュカ「あの人たち…凄い!」

衣「このミッションやるとは…最早常軌を逸しておるぞ!」




・・・・・・

主催者「そんな…バカな!」

エリー「逃走者の中には、偽善以外の善もあったようですね」

主催者「だがしかし、アカギ、レミリア、KAME3の3人、そして復活の珠を届けた竜崎は、通報者に勝つために仕方なくミッションをやったと考えれば…」

エリー「爪1枚ですよ。通報者に勝つという目的のためだけでは、代償が大きすぎます。つまり彼らの行動は、本物の善の心なしでは、出来ない行動なのです」

主催者「人間の善の心など、所詮偽善。そのことを全逃走者が知れば、逃走者同士の絆など、あっという間に壊れると思っていたが…まさかこんな展開になるとは」

エリー「彼らを見誤ったようですね。これでは、通報者が敗れるのも時間の問題かと…」

竜崎たちは、絶対に信頼できる逃走者という武器を手に入れた。通報者にとっては、辛い展開になってきたと言えるだろう。

しかし、主催者は…

主催者「いや、通報者は負けないだろう。通報者は優秀だ。当然、竜崎よりも優秀。アカギと比べてようやく5分…いや、それでも通報者の方が実力は上かもしれない。それほどの強豪プレイヤーを、通報者に俺は選んだ。竜崎がいくらあがこうと、通報者敗れるという『運命』を変えることなどできない」

エリー「そういうものですか…」

主催者「そういうものだ。あいつらごときが、『運命』に逆らえるはずがない。さて、引き続きゲームの展開を見よう」