逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~
作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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主催者「……止めたか。フランドール・スカーレット。正直言ってここまでやるとは思わなかった」
エリー「そうですね。特に、アクセラレータの本心を見抜いたときは、正直私も驚きました」
主催者「フランドールは、アクセラレータを過去の自分に照らし合わせたのだろう。だからこそ、アクセラレータが無意識に考えていたことまで気づけた。……フッ、これは面白い。これは本当に……運命が変わってしまうかもしれないな」
エリー「……アクセラレータを止めることが出来たのと、通報者を撃破することに何か関係があるのですか?」
主催者「大有りだ。逃走者がアクセラレータを気にしなくてもよくなったおかげで、通報者に集中できる。確かに通報者はこの手のゲームにとてもなく強い。それでも、今回のことで奇跡が起こる確率は数倍にも増した。まあ、それでもまだ奇跡の確率だが」
するとエリーが、少し首をかしげながら、主催者に質問した。
エリー「あの…少しよろしいでしょうか?主催者様は通報者をずいぶんと買っているようですが、私にはあの方がそこまで強いようにはあまり見えないのですが…」
主催者「俺もだ。ゲーム前にあいつのデータを見て驚いたよ。あいつの優秀さに。始めて対峙したとき、あいつの性格、言動を観察したが、あそこまで強いとは俺も思わなかった」
エリー「そうなのですか…それでは、再びゲームを見守るとしましょう」
・・・・・・
アクセラレータ「んで、これからどうするよ?」
フラン「う~ん。とりあえず、私と一緒に行動しない?」
今後について話す、アクセラレータとフラン。その近くに…
衣「まずい!もうこんなに近くまで来ておるのか!」
ハンター「…………!」
ハンターに追われている、天江衣だ…
衣「ここを抜ければなんとか…!」
衣が、細い路地を抜ける。そこで、逃走者たちが出会う…!
アクセラレータ&フラン「え!?」
衣「お、お主たちハンターだ!逃げろ!」
アクセラレータ「マジかよ!」
フラン「とりあえず逃げるよ!」
フランがアクセラレータを説得している間も、当然だがゲームは進んでいるのだ。
衣「くっ…!やはり衣が一番遅いか!」
この3人の中で一番遅いのは、明らかに天江衣。このままでは衣の確保は必至。しかし、ここで不測の事態が起こる。
アクセラレータ「うわっ!」
バターン!
フラン「アクセラレータ!?」
衣「大丈夫か!」
なんと、アクセラレータがこけてしまった。それを見た少女2人は、アクセラレータを心配して立ち止まる。
アクセラレータ「気にすんな!行け!」
しかし、アクセラレータは起き上がれず、代わりに少女たちを逃がす選択をした。
フラン「行くよ!衣!」
衣「ウ…ウム。すまない!」
アクセラレータのおかげで、フランと衣は何とかハンターの視界から消えたようだ…
そして、残されたアクセラレータは…
アクセラレータ「……ケッ!」
ポンッ
当然の、確保…
アクセラレータ ゲーム残り時間
確保 残り20人 50:30
アクセラレータ「ふぅ…牢獄に向かうか」
アクセラレータが立ち上がった時、アクセラレータを確保したハンターが、突然走り出した。
アクセラレータ「誰か見つかったのか!?」
ハンターが捉えた逃走者は…
フラン「さあ…来なよ!」
アクセラレータ「フ…フランドール!あいつ逃げたんじゃ…」
なんと、アクセラレータが逃がしたはずの、フランドール・スカーレット…!
しかも、フランは一歩も動いていない。つまり…
ポンッ
捕まってしまう…!
フランドール・スカーレット ゲーム残り時間
確保 残り19人 50:27
フラン「捕まっちゃった~」
アクセラレータ「て、てめえ…なんでわざと捕まった!?」
フラン「それはお互い様でしょ?こける演技へたすぎ。よく衣にばれなかったよ」
なんと、アクセラレータはわざとこけて、確保される道を選んだらしい。
フラン「私の助言が仇になった?皆の役に立つことをすればいいって私が言ったから、あんなことしたんでしょ?ごめんね」
アクセラレータ「まあそうだな。だが、てめえが気に病む必要はねえ。今俺は、とても清々しい気分なんだからよぉ……それに、てめえはなんでわざと捕まったんだ?」
フラン「だって、貴方1人で牢獄に行ったら袋叩きにされちゃうでしょ?だから私が一緒に行ってあげるの!」
アクセラレータ「ケッ!そんなことされなくたって俺は大丈夫だ!」
フラン「あ~照れた照れた!カワイイ~!」
アクセラレータ「うるせぇー!ほんとに気絶させてやろうかクソガキがぁ!」
フラン「あれ~私495年生きてきたんだよ?あなたがどんなに天才でも、生きてきた年数がこれほど違うんじゃ勝てないよ?長寿は天才に勝る!ってね。いい言葉だね~」
アクセラレータ「知らねえよ!そんな言葉!」
フラン「だって今考えた言葉だもん!」
逃走中を通してやけに仲良くなった2人であった……
・・・・・・
ヨーテル(スタッフ)「うおおおお!新ジャンル!フラアク誕生!これは流行る!」
ryouki(スタッフ)「流行りませんよ。いきなり何言ってんですか、ヨーテルさん」

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