逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~
作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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疾風の音(スタッフ)「それでは、ヒントの映像をお見せします。一度しか見れませんので、よく覚えてください」
竜崎「ああ、分かった」
病院にたどり着き、ヒントを得る権利を得た竜崎。彼の推理は、真実を見つけられるのか…!
疾風の音(スタッフ)「では映像……再生!」
疾風の音がリモコンのスイッチを押すと、ザザ…という音の後、映像が再生された。
竜崎(これは…)
疾風の音(スタッフ)「これは、通報者が通報の際見ていた光景です。通報者が通報するところまで映っています。しかし、通報者の声は編集されております」
~映像~
1人目 ルカリオ 113:04確保
2ndステージ開始直後。通報者は積極的に動く。
通報者「ルカリオ、駅前にいます」
2人目 上条当麻 104:20確保
ルカリオ通報直後、少しおとなしかった通報者だが、そう何分も黙っているはずもなく、上条当麻を通報。
通報者「上条当麻、ラーメン屋の入り口付近にいます」
3人目 結城秋子 98:45確保
ここで通報者は、結城と沙都子を2人まとめて発見する。しかし、この段階では結城しか確保されず、沙都子は何とか生き残った。
通報者「結城秋子、北条沙都子、健康ランド裏口付近にいます」
4人目 北条沙都子 98:10確保
沙都子は結城の確保で生き残ったのだが、通報者に後をつけられ…
通報者「北条沙都子、ラーメン屋付近にいます」
5人目 古手梨花 88:40確保
古本屋付近にいるパチュリーと梨花を見つけた通報者。躊躇わず通報。しかし、通報者の声を聴けば分かるが、何か通報の仕方に違和感が…?
通報者「パチュリー・ノーレッジに……古手梨花!古本屋付近にいます」
6人目 パチュリー・ノーレッジ 68:10確保
通報者は、何を思ったのだろうか?なんと、前回の通報から20分以上間を開けての通報。単に逃走者が見つからなかったのか、慎重になっているのか、はたまた何か別の理由があるのか…?
通報者「パチュリー・ノーレッジ。アパート付近にいます」
7人目 高町なのは 54:40確保
特にいう事は無し。今はまだ……
通報者「高町なのは、古本屋付近にいます」
8人目 レミリア・スカーレット 49:20確保
これは、最近の出来事である。竜崎も、自分が通報されているため、よく覚えている出来事だろう。
通報者「射命丸文がホテルの入口付近にいて……竜崎悠太、レミリア・スカーレット、十六夜咲夜、KAME3が公園のトイレ付近にいます」
疾風の音(スタッフ)「続いて、非常に重要なヒントとなる情報があります。モニターを引き続きご覧ください」
竜崎がモニターに注目すると、映ったのはしらとizumiの姿。
竜崎「何か話し合っているようだが…それだけだな。それがどうした?」
疾風の音(スタッフ)「これは、通報者視点の映像です。つまり通報者は、しらさんとizumiさんを見つけているという事です。それなのに通報は…?」
竜崎「していない……見逃しか。この見逃しの理由は簡単だな。作者をあえて残して、票を集めさせようとした。……ん?ちょっと待て。それだとこの見逃し、何か不自然だ」
疾風の音(スタッフ)「通報者は、もう1つ故意にこちらの方を見逃しております」
モニターに映し出された人物。通報者が見逃した人物である。皆様はすでにご存じであろう、時空管理局のエースオブエース、高町なのはである。
竜崎「おかしい!だって高町は、通報者の通報で確保されている。なぜこの時通報しなかった?何か理由があるのか…?」
疾風の音(スタッフ)「ヒントは以上です。これより3分後、ゲーム再開と同時にハンターが2体追加されます」
竜崎(とりあえず、あいつらに伝えるか。そして、今の映像から推理したことを…!)
竜崎は、今の映像から手がかりを得たようだ。それを伝えるため、咲夜、文、KAME3の元へ走る!
***
文「あ、お帰りなさい!」
KAME3「待ってましたよ!…って、どうしてそんなに全力で走ってきたんですか?」
竜崎「ゲームが再開される前に、いろいろ聞いてほしかったんだ」
竜崎は、病院を出た後出来る限りのスピードで戻ってきた。そのおかげで、ゲーム再開まであと2分ある。
竜崎「まず、現状確認。通報者候補は、この6人だ。東横は、通報者候補から消した。アカギが情報を集めてくれた」
【通報者候補】
安岡
エリオ・モンディアル
大石
翡翠煉
ゆうやん
一ノ瀬玲奈
KAME3「まあ、アカギさんなら大丈夫でしょう。それで、ヒントは…?」
竜崎「ヒントの内容は、通報者が通報するときに発した声だった。もちろん、声は編集されていて、誰の声だかは分からなかったが。さて、そこから考えたところ、まず大石を通報者候補から消せる。理由は簡単。通報者は、古手とパチュリーを同時に通報しているんだが、通報の仕方が……」
通報者「パチュリー・ノーレッジに……古手梨花!古本屋付近にいます」
竜崎「このように、パチュリーの名前を言った後、2秒ほど間をおいてから古手の名を言った。これは、通報者が古手の知り合いでないことを示している」
文「え…なぜですか?間を置いたのは、ただ声が詰まったとか、そういう理由かもしれないじゃないですか」
しかし、竜崎は首を横に振る。
竜崎「普通さ、2人同時に通報するとしたら、知り合いの名前を先にいうだろ?それにこの間の置き方は、通報者が古手梨花の名前をうろ覚えてたかのように聞こえる。だから、古手の知り合いである大石は通報者ではない」
大石が梨花の名前を忘れるなんてありえないし、仮にど忘れしていたとしても、なぜパチュリーの名前は覚えていた?あんな長い名前を、フルネームで。知り合いの梨花の名前をど忘れして、パチュリーの名前は完璧に覚えていた?それはさすがに考えづらい。
竜崎「通報者候補はこれ以上絞れなかった。だが、怪しい人物がいたよ。2人ほど…」
咲夜「え…?誰なの?」
竜崎「……ゆうやんと翡翠煉」
竜崎の発言で、一瞬の沈黙が生まれる。その後…
KAME3「ええええええええええ!!!」
文「ちょ…!作者さんじゃないですか!」
咲夜「とりあえず、理由を聞こうかしら」
竜崎「ヒントで分かったんだが、実は通報者、しらとizumiを1回見逃している」
KAME3「へぇー。それはおそらく、票を集めさせて、通報者の正体を勘違いさせる目的で見逃したんでしょうね」
竜崎「そう…だがそれだと、困る状況に陥る可能性があってな。それが、『自分がアンケートのトップ』だったとき」
文「あっ…!」
竜崎「もし見逃して票を集めさせて、アンケートのトップが自分だったら?見逃したことが完全に裏目だ。だが通報者は見逃した。なぜ見逃せたのか?それは、アンケートのトップが自分ではないと知っていたから!そしてそれを知ることが出来るのは、票を集めてた作者だけだ!」
通報者候補は、5人になった。この中で、竜崎に特に疑われているのが、なんと作者さんであるゆうやんと翡翠煉。
この2人が通報者でないと思いたい気持ちはわかるが、情報は彼らのどちらかが通報者であると伝えてくる。
果たして、真の通報者は作者さんなのか…?

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