逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~
作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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圭一「あと…100mくらいですか?」
赤坂「ああ、だが圭一君、2ndステージに行っても決して無理はしないように」
圭一「分かってますよ」
ハンターに気を付けながら、確実に駒を進めてきた赤坂と圭一。喫茶店は、もうすぐそこだ!
圭一「それじゃあ、さっそく…」
赤坂「待つんだ圭一君。喫茶店の前には、きっとハンターがいる」
圭一「あ…さっきの確保情報…」
先ほど、スバルが喫茶店前で確保されていた。喫茶店前にハンターがいる確率は高い。
赤坂「無理して喫茶店に入る必要はない。迂回して茶店の方に入ろう」
圭一「そうですね…」
時間をあまり気にすることなく、最善の判断を下す赤坂。さすが、刑事といったところか…
美穂子「もう…限界です…」
喫茶店の近くまでやってきた美穂子。しかし、体力のない彼女にとって、この毒は辛すぎたようだ。
美穂子「皆さん、すみません……自首します!」
自首は、あまり考えていなかった美穂子だが、この状況では自首を選ぶほかないようだ。
美穂子「ちょうど電話ボックスが…吐き気がしますけど、何とかあそこまでなら…」
電話ボックスを見た美穂子。救いを求めるかのような足取りで、電話ボックスの中に入った。
プルルルル…プルルルル…
エリー(声)「はい、こちら主催者室です。主催者様に伝えたいことがありましたら、私がお受けいたします」
美穂子「あの…すみません…………」
エリー(声)「どうされましたか?」
自首をすることを、躊躇う美穂子。みんなが苦しんでいるのに、自分だけ自首するなんていいのだろうか…?そういった気持ちが、美穂子に自首を躊躇わせているのだ。
そんな美穂子に、ハンターが近づく…
ハンター「……!」
美穂子(ハンターが…!)
もう迷っている暇などない。自首をしなければ、確保は必然…!
美穂子「自首…自首します!」
エリー(声)「了解しました。ゲーム残り時間4分30秒。自首成立です」
自首が成立すると同時に、ハンターは美穂子を追うのをやめた。
美穂子「皆さん…ごめんなさい。許してください…」
【福治美穂子 自首成立 残り3人】
ゲーム残り時間 獲得賞金
4:30 111万9000円
~茶店~
プルルルル…プルルルル…
安岡「なになに…『福治美穂子 自首成立 111万9000円獲得』自首!?」
フェイト「ついに自首が出ちゃった…」
自首成立を知らせるメールに、わずかながら戸惑う逃走者たち。
池田「みんな!キャプテンを責めないでほしいんだし!」
福治美穂子の後輩の池田。自首した美穂子が悪く思われないように、必死に先輩を庇う。
それに対する反応は、皆一つだった。
エリオ「別に、責めませんよ。毒ガスがまかれてるんです、その状況で自首した人を責めるなんて、そんなことは出来ませんよ」
パチュリー「そうよ。私でも多分、自首してたと思う…」
KAME3「この自首を責めるなんてことする人は、もう人間じゃありませんよ」
毒ガスがまかれている状況、苦しくて苦しくて仕方なかっただろう。そんな状況から何とか逃れようと自首した人を、誰が責められようか。
池田「みんな……ありがとうだし!」
・・・・・・
赤坂「よし、着いた!」
圭一「やっと、やっとなんですね…」
1stステージ終了2分前。ハンターを警戒して迂回した赤坂と圭一が、ついに茶店にたどり着いた。
赤坂「ハンターもいない、これでクリアだ」
圭一「よく考えれば、血を抜かれた俺がよくクリアできましたよね。毒もあるっていうのに…それもこれも、赤坂さんのおかげです。ありがとうございました」
赤坂「礼を言われるのはまだ早い。その言葉は、君を最後まで守ってから聞きたいね」
圭一「そうですね…さあ、入りましょう!」
毒の影響を受けている2人。だが、今だけは、元気に茶店の中に入るのだった…
赤坂衛 前原圭一 2ndステージ進出
これで、エリアに残っているのは、作者さんの竜王ただ1人!
残り時間は、ついに1分を切った。間に合うのか!
竜王「ゴホッ!ゴホッ!ヤバイ、足が動かない…」
作者さんと言えど、限界のようだ…
そこに、止めを刺すようにハンターが2体…
ハンターⅠ「……!」
ハンターⅡ「……!」
竜王「も、もう無理。動けない…」
当然逃げ切れるわけもなく…
ポンッ
竜王 ゲーム残り時間
確保 残り0人 0:45
・・・・・・
1stステージ…終了!
辛く苦しい1stステージを逃げ切り、見事2ndステージへの切符を手にしたのは…
マリオ「2ndステージでも逃げ切ってやるぜ!」
スーパースター『マリオ』!
衣「満月の晩に、衣が捕まるはずもなし!」
満月を味方に戦う美少女雀士『天江衣』!
竜崎「2ndステージ…何も起こらなければいいが」
常に理論を展開して闘う、頭脳派逃走者『竜崎悠太』!
圭一「ああ…クラクラするぜ。休憩時間で何とか…」
血を抜いて、健康状態が心配される元気中学生『前原圭一』!
赤坂「さあ、これからだ」
圭一と同じく血を抜いたが、持ち前の体力で持ちこたえる最強刑事『赤坂衛』!
レミリア「油断できないわね…」
1stステージで3回ハンターに追われるものの、全て振り切ったカリスマ吸血鬼『レミリア・スカーレット』!
そして…
ゆうやん「逃走中を知り尽くした身として、終盤までは残りたいですね」
izumi「ゆうやんさんには助けてもらいました。今度は自分がゆうやんさんを助ける番です」
『逃走中同盟』でも屈指の2人。そのキャリアの長さを活かせるか『ゆうやん』&『izumi』!
この8人が、2ndステージに駒を進めることとなった。
新たなる逃走者32人を加えて、更なる逃走心理劇が繰り広げられる!
体力、頭脳、そして運!全ての力を出し切って、逃走成功という大きなゴールに向かって突き進む!
果たして、逃走成功者は現れるのか!

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