逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

30


圭一「あと…100mくらいですか?」

赤坂「ああ、だが圭一君、2ndステージに行っても決して無理はしないように」

圭一「分かってますよ」

ハンターに気を付けながら、確実に駒を進めてきた赤坂と圭一。喫茶店は、もうすぐそこだ!

圭一「それじゃあ、さっそく…」

赤坂「待つんだ圭一君。喫茶店の前には、きっとハンターがいる」

圭一「あ…さっきの確保情報…」

先ほど、スバルが喫茶店前で確保されていた。喫茶店前にハンターがいる確率は高い。

赤坂「無理して喫茶店に入る必要はない。迂回して茶店の方に入ろう」

圭一「そうですね…」

時間をあまり気にすることなく、最善の判断を下す赤坂。さすが、刑事といったところか…




美穂子「もう…限界です…」

喫茶店の近くまでやってきた美穂子。しかし、体力のない彼女にとって、この毒は辛すぎたようだ。

美穂子「皆さん、すみません……自首します!」

自首は、あまり考えていなかった美穂子だが、この状況では自首を選ぶほかないようだ。

美穂子「ちょうど電話ボックスが…吐き気がしますけど、何とかあそこまでなら…」

電話ボックスを見た美穂子。救いを求めるかのような足取りで、電話ボックスの中に入った。

プルルルル…プルルルル…

エリー(声)「はい、こちら主催者室です。主催者様に伝えたいことがありましたら、私がお受けいたします」

美穂子「あの…すみません…………」

エリー(声)「どうされましたか?」

自首をすることを、躊躇う美穂子。みんなが苦しんでいるのに、自分だけ自首するなんていいのだろうか…?そういった気持ちが、美穂子に自首を躊躇わせているのだ。

そんな美穂子に、ハンターが近づく…

ハンター「……!」

美穂子(ハンターが…!)

もう迷っている暇などない。自首をしなければ、確保は必然…!

美穂子「自首…自首します!」

エリー(声)「了解しました。ゲーム残り時間4分30秒。自首成立です」

自首が成立すると同時に、ハンターは美穂子を追うのをやめた。

美穂子「皆さん…ごめんなさい。許してください…」



  【福治美穂子 自首成立 残り3人】

ゲーム残り時間       獲得賞金

 4:30       111万9000円 




~茶店~

プルルルル…プルルルル…

安岡「なになに…『福治美穂子 自首成立 111万9000円獲得』自首!?」

フェイト「ついに自首が出ちゃった…」

自首成立を知らせるメールに、わずかながら戸惑う逃走者たち。



池田「みんな!キャプテンを責めないでほしいんだし!」

福治美穂子の後輩の池田。自首した美穂子が悪く思われないように、必死に先輩を庇う。

それに対する反応は、皆一つだった。

エリオ「別に、責めませんよ。毒ガスがまかれてるんです、その状況で自首した人を責めるなんて、そんなことは出来ませんよ」

パチュリー「そうよ。私でも多分、自首してたと思う…」

KAME3「この自首を責めるなんてことする人は、もう人間じゃありませんよ」

毒ガスがまかれている状況、苦しくて苦しくて仕方なかっただろう。そんな状況から何とか逃れようと自首した人を、誰が責められようか。

池田「みんな……ありがとうだし!」




・・・・・・

赤坂「よし、着いた!」

圭一「やっと、やっとなんですね…」

1stステージ終了2分前。ハンターを警戒して迂回した赤坂と圭一が、ついに茶店にたどり着いた。

赤坂「ハンターもいない、これでクリアだ」

圭一「よく考えれば、血を抜かれた俺がよくクリアできましたよね。毒もあるっていうのに…それもこれも、赤坂さんのおかげです。ありがとうございました」

赤坂「礼を言われるのはまだ早い。その言葉は、君を最後まで守ってから聞きたいね」

圭一「そうですね…さあ、入りましょう!」

毒の影響を受けている2人。だが、今だけは、元気に茶店の中に入るのだった…



赤坂衛 前原圭一 2ndステージ進出




これで、エリアに残っているのは、作者さんの竜王ただ1人!

残り時間は、ついに1分を切った。間に合うのか!

竜王「ゴホッ!ゴホッ!ヤバイ、足が動かない…」

作者さんと言えど、限界のようだ…



そこに、止めを刺すようにハンターが2体…

ハンターⅠ「……!」

ハンターⅡ「……!」

竜王「も、もう無理。動けない…」

当然逃げ切れるわけもなく…



ポンッ



竜王             ゲーム残り時間

確保 残り0人         0:45




・・・・・・




1stステージ…終了!

辛く苦しい1stステージを逃げ切り、見事2ndステージへの切符を手にしたのは…


マリオ「2ndステージでも逃げ切ってやるぜ!」

スーパースター『マリオ』!


衣「満月の晩に、衣が捕まるはずもなし!」

満月を味方に戦う美少女雀士『天江衣』!


竜崎「2ndステージ…何も起こらなければいいが」

常に理論を展開して闘う、頭脳派逃走者『竜崎悠太』!


圭一「ああ…クラクラするぜ。休憩時間で何とか…」

血を抜いて、健康状態が心配される元気中学生『前原圭一』!


赤坂「さあ、これからだ」

圭一と同じく血を抜いたが、持ち前の体力で持ちこたえる最強刑事『赤坂衛』!


レミリア「油断できないわね…」

1stステージで3回ハンターに追われるものの、全て振り切ったカリスマ吸血鬼『レミリア・スカーレット』!


そして…


ゆうやん「逃走中を知り尽くした身として、終盤までは残りたいですね」

izumi「ゆうやんさんには助けてもらいました。今度は自分がゆうやんさんを助ける番です」

『逃走中同盟』でも屈指の2人。そのキャリアの長さを活かせるか『ゆうやん』&『izumi』!


この8人が、2ndステージに駒を進めることとなった。




新たなる逃走者32人を加えて、更なる逃走心理劇が繰り広げられる!
体力、頭脳、そして運!全ての力を出し切って、逃走成功という大きなゴールに向かって突き進む!
果たして、逃走成功者は現れるのか!