逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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美琴「あれ?あの金髪…リュカじゃない?」

阪神「そうだな…アカギさん、どうしますか?」

アカギ「リュカから情報を集めるか。竜崎からのメールによると、リュカは通報者じゃねえしな…」

実は竜崎、通報者候補を8人に絞り、その情報をアカギの携帯にメールで送信していたのだ。

アカギ「というわけで、御坂頼む」

美琴「分かったわ。リュカ!」

リュカから情報を集めることで、通報者候補をさらに絞ることはできるのか…

リュカ「な…何?」

美琴「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかしら?」

リュカ「うん、いいよ」

美琴「あんたが2ndステージが始まってから何をしてたか、全部教えてちょうだい。通報者を見つけるためにも」

各逃走者の行動を知ることで、通報者候補を減らすことが出来るのだ。何故そんなことが出来るのかって?見てれば分かる。

リュカ「まず僕は、ゲームが始まって10分後くらいに、健康ランド前でバトルボールを拾ったんだ」

リュカは、バトルボールを美琴に見せた。

リュカ「そのあとは…バトルボールもってずっと隠れてたね」

アカギ「その間に、誰かに会ったりしたか?」

リュカ「う~ん……あっ!そういえば、会ったってほどじゃないんだけどね、東横さんを見かけたんだ」

アカギ「それは、いつのことだ…?」

リュカ「これはよく覚えてるよ!だってその頃、ちょうどパチュリーさんが通報者の通報で捕まったんだから!」

美琴「つまりそれって…」

アカギ「東横桃子は、白だ。竜崎に電話するか」

つまり、こういうことだ。リュカが桃子を見かけた時間帯に、別の場所でパチュリーが通報者の通報によって確保された。桃子が通報者なら、パチュリーが通報者の通報で確保されているのはおかしい。桃子とパチュリーは、別々の場所にいたのだから。

だから、東横桃子は通報者ではない。こうやって通報者候補を消していけば、いずれはたどり着く。真の通報者の正体に。




プルルルル…プルルルル…

竜崎「もしもし?アカギか」

アカギからの電話で、病院へ進んでいた足を止める竜崎。

アカギ「分かったことがあるぜ。東横桃子は白だ。リュカが東横を見た時間に、パチュリーが通報者によって確保されている」

竜崎「分かった。引き続き情報を集めてくれ」

アカギ「ククク…了解」



竜崎「東横は白か…」

竜崎は、再び病院へと足を進めた…




衣「ハンターがいないか…?」

アパート付近で、ハンターを見かけた衣。うまく、やり過ごせるか…

衣「……よし。行った」

ハンターには、気づかれなかったようだ……




ゆうやん「あれ?これバトルボールじゃないですか?」

煉「無造作に落ちてますね…拾っておきましょうか。とりあえず、俺が持っておきますね」

このバトルボールは、アクセラレータが確保と同時に落として行った物だ…

これで、バトルボールを所持している者は、竜崎、文、安岡、リュカ、翡翠煉の5人となった。エリアには、まだ2つのバトルボールが落ちている…




ハンター「…………!」

フェイト「はっ!……来た!?」

コンビニの近くで、ハンターを見つけたフェイト。しかし、フェイトが気付いたときには、ハンターはすでに走り出していた…!

しかし、さすがフェイトは鍛え方が違う。何とかハンターを撒こうと、かなりのスピードで逃走エリアを走る走る!

フェイト「この曲がり角を曲がれば何とか…!」

フェイトは、曲がり角を曲がる。この先の道が複雑な道であれば、何とかハンターを撒ける。

が…駄目っ!

フェイト「行き止まり…」

曲がった先は、行き止まり……

万事休すだ……



ポンッ



フェイト・T・ハラオウン       ゲーム残り時間

確保 残り17人            47:10



フェイト「あ~もう!不幸だ~~~~~!!!

それは、他人の名言だ……




一ノ瀬「フェイト確保…か。残り17人ね」

竜崎「フェイトが確保…東横は通報者ではない。ということは、通報者候補は…」

【通報者候補】
安岡
エリオ・モンディアル
大石
翡翠煉
ゆうやん
一ノ瀬玲奈

竜崎「この6人…!」




咲夜「暇ね…」

KAME3「とりあえず、周りを警戒することくらいしかやることないですからね~」

文「でも、こんなところでハンターに見つかったら最悪ですからね」

ホテル前で、竜崎の帰りを待つ3人。近くを誰かが通ったら情報収集に動き出すつもりだが、基本的にはここでじっとしているようだ。

KAME3「そういえば、みなさんは賞金とったら何に使うんですか?336万円ですよ」

咲夜「私は、全額紅魔館の資金に充てるわ。私がお金持ってても使わないし」

文「私は…そうですね~新しい万年筆を買いたいですね。今使ってる万年筆がもう古くて書き心地が悪いんですよ」

KAME3「文さん…336万円ですよ?もっと高価なものを買いましょうよ」

文「いやいや~残りは老後の資金に取っておくという事で」

咲夜「文…貴女1000年生きてるんでしょ?貴女の老後って何千年後よ?」

文「あはは~まあ、いいじゃないですか。天狗には天狗の事情があるんですよ!」

咲夜「どんな事情よ…」

ハンターに警戒すべき状況なのに、なぜかバカ話になっている……どうしてこうなった。




ゲーム残り時間は46分。通報者の逃げ切りまで26分。
情報を集める者、推理する者、静観する者、そして通報者。
激戦の予想を呈する情報戦は、まだまだ続く……