逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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ゲーム残り時間は90分となり、残る逃走者は通報者を加えて30人となった。
逃走者たちにアイテムが渡され、少し逃走者有利に傾いたこのゲーム。
果たして、主催者は今後どのような試練を与えてくるのか…




・・・・・・

しら「…あれ?izumiさん、これ見てください」

izumi「どうしました?」

ラーメン屋の裏口に隠れつつ、票集めをしているしらとizumi。しかし、しらが何かに気付いた。しらがizumiに見せたのは、沙都子の確保情報だった。

izumi「これが何か?」

しら「通報者の通報で沙都子さんが捕まったのは大体8分前。捕まった場所はラーメン屋付近です。じゃあ、今僕たちがいるここは…?」

izumi「ラーメン屋付近…」

しら「僕たちは、ゲームスタートからずっとここにいました。なのに、なんで僕たちは通報者に見つかってないんでしょうか…?」

実はこの2人、通報者に1度見つかっている。しかし、通報者なぜかこの2人を通報しなかったのだ。

しら「僕はこう考えています。通報者は、僕たちを見つけたが、通報はしていない…と」

しらも、この事実に気付いたようだ。

izumi「でも、なぜそんなことを…」

しら「まさか……」

この時、しらに嫌な予感。しかも、その予感が当たっているならば、このゲームを根底から覆すほどの、それほどまでの嫌な予感。

しら「いや、そんなこと…ないよな…」

izumi「ところでしらさん、今票は?」

しら「ああ、アクセラレータさんが5票で1位です。次いで霊夢さんと安岡さんの3票。4位はレミリアさんの2票です。未集計の票はあと11票です」

izumi「しらさん、記憶力いいですね…」

順調に、票を集める2人。このまま、すべての票を集めきることはできるのか…




パチュリー「とにかく、ハンターだけは警戒しないと…私の場合、体力がないから見つかったらアウトなんだから…」

ハンターを、必要以上に警戒する100年を生きた魔女。そこに…



梨花「あ、パチュリーなのですよ~」

100年を生きた魔女、その2…

※ 古手梨花とパチュリー・ノーレッジは、見た目こそ少女だが、実は100年生きています。

パチュリー「うわっ!びっくりした…」

梨花「パチュリーは通報者ではないですよね?」

パチュリー「違うわ。と言っても、信じてもらえないと思うけど…」

通報者について話す2人。その近くに…



通報者「パチュリー・ノーレッジに…古手梨花!古本屋付近にいます」

通報されてしまった…

ハンター「……!」

パチュリー「ハンター!?」

梨花「に、逃げるのです~!」

ハンターに見つかってしまった2人。必死に逃げるが、もともと身体能力がない2人である。このままでは、同時確保がありうる…

パチュリー「とりあえず、別れましょう!」

別れた2人。ハンターが視界にとらえたのは…



梨花「こ、こっち!?」

梨花だ…

梨花「きゃああああああ!!」



ポンッ



古手梨花           ゲーム残り時間

確保 残り29人        88:40



梨花「眠いので、牢獄で寝ることにしますのです。にぱ~☆」

カメラマン(か、可愛い…)

カメラマンサービスを、忘れない…



パチュリー「古手梨花確保…悪かったかしら?」

大石「おや、梨花さんが捕まってしまいましたか…」




フェイト「なんかさ…アクセラレータって怪しくない?」

アクセラレータを疑っている、フェイト…

文「どうしてですか?」

そこに現る、新聞記者、射命丸文…

フェイト「わっ!文か……ほら、アクセラレータってさ、アイテム2個獲得してるでしょ?通報者はハンターに追われないから、回収員からビデオを回収しやすいんだよ」

文「確かに、一理ありますね…」

そして、このことに気付いている者が他にもいた。




竜崎「アクセラレータ…怪しいな」

竜崎だ…

マリオ「いや、怪しいっていうかもうど本命だろ!バトルボールぶつけに行こうぜ!」

竜崎「確かに、ど本命だ。だが、決定的な証拠はない。もし間違ってでもみろ。アクセラレータにボールを当てた瞬間に、あいつは強制失格だ」

アカギ「ククク…別に間違ったって、自分が強制失格になるわけじゃないんだぜ?」

竜崎「確かにな。完全に打算で動くなら、今アクセラレータにバトルボールをぶつけてもいいかもしれない。しかし、それは人としてどうなんだ?勝手に疑って、強制失格にさせて…最低だ」

竜崎(だが、もし本当にアクセラレータが通報者だった場合、一手遅れになる。何か…何かないのか!?アクセラレータが通報者だという、決定的な証拠はないのか!?)

アクセラレータ通報者説が広まるが、決定的証拠はない。ギャンブルに出るのは、竜崎悠太の主義に反していた。確実な証拠を見つけ、その上で動く。それが、竜崎悠太のやり方なのだ。