逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

60


プルルルル…プルルルル…

阪神「メールが2通…ってマジかよ!」

エリオ「『古本屋付近にて、アクセラレータ確保 残り20人』アクセラレータさん確保!?」

ゆうやん「で、こっちが…『古本屋付近にて、フランドール・スカーレット確保 残り19人』これって、同時確保だよな…」




美琴「これはつまり…アクセラレータを説得しに行ったのが、フランドールだったってこと?」

阪神「そうなるな。でもアカギさん、このこと予想してたんですよね?何で予想できたんですか?」

アカギ「ククク…休憩時間の時の話だが、俺はフランドールとポーカー対決をした。その時俺は、フランドールから異様なオーラが漂ってくるのを感じた。あのオーラは、常人には出せない。あのオーラは、過去に何かあったものが出すオーラだ」

竜崎たちと別れ、通報者の正体を探るもう1つのグループとなっている3人。アカギの予想通り、アクセラレータを説得しに行った人物がいたことについて、美琴と阪神がアカギに説明を求めていた。

美琴「過去に何か…もしかして、フランドールとアクセラレータから、同じようなオーラを感じたってこと?だからフランドールは、アクセラレータを放っておくことが出来ない……そういう事なの?」

阪神「ちょ…ちょっと待ってくださいよ!それって、ただの直感じゃ…」

そう、確かに阪神の言うとおり、アカギの説明は無茶苦茶で、予想の根拠はただの直感である。しかし、この神域の男、赤木しげるは、その無茶苦茶な予想ですら、成立させてしまうのだ。これが、神域の力…

アカギ「ククク…まあ、それはさておき、俺たちも情報を集めるんだろ。復活した御坂、お前がカギだ。御坂が他の逃走者と接触し、俺や阪神がその情報から推理する。まあ、こんなところか」

アカギを含むこの3人も、情報収集に動く…!




大石「ん~なんか貼ってありますね~」

小学校の校庭にある掲示板に、ポスター張ってあるのを発見した大石。そこに書かれていたこととは…



【常識を超えた心理戦を貴方に…】

『第2回逃走中 参加者募集中!参加したい人は、主催者からの招待を待て!』



大石「ほ~う。また逃走中が開催されるんですか。私は招待されるのでしょうかね~。心理戦が主体の逃走中となれば、刑事の私の得意分野ですが…」

次回の逃走中は、心理戦がメインのようだ…




リュカ「僕バトルボールもってるんだけど…通報者がだれかわからないんだよね…」

通報者を倒せないのであれば、そのバトルボールも宝の持ち腐れだ…

リュカ「とりあえず、隠れていよう…」

臆病者の、RPG主人公…




文「さてさて、残り19人となってしまいました!このまま全滅してしまうのでしょうか!それとも、逃走者が通報者に逆襲の牙をむくのか!」

カメラマン「いや、そんなことカメラに向かって話さないでくださいよ…文さんは新聞記者であって、レポーターではないでしょう?」

文「いや~そうなんですけどね~……ちょっと静かにしてください、ハンターです」

ハンターを見つけた文。しかし文は、ハンター以外の人物も見つけていた。それは…



竜崎「さて、まずは復活した十六夜を中心に情報を集める。それを俺たちが分析する。って感じか」

レミリア「そういうことになるわね」

咲夜「……ご期待に添えられるよう、努力します」

KAME3「俺も、少しでも力になれるように、頑張ります」



文「竜崎さん達ですね」

文、竜崎達、そしてハンター。この6人が、半径200m以内にいるという、特殊な状況が生まれている。

しかし、ハンターから竜崎は見えないし、文は隠れているので、普通にいけば誰かが確保されるという事はないだろう。

しかし、ここで大問題が発生する!



通報者「射命丸文がホテルの入口付近にいて……竜崎悠太、レミリア・スカーレット、十六夜咲夜、KAME3が公園のトイレ付近にいます」

なんと、通報者が乱入!



まず最初に追われたのは、射命丸文…

文「あやーっ!なんでハンター来るんですか!?隠れてたのに!!」



竜崎「…ん?なんか叫び声聞こえなかったか?なんでハンター来るんですか!?…とか」

KAME3「隠れてたのに!!…とも言ってましたね」

レミリア「って、ハンターきてるわよ!!」

咲夜「あの天狗が追われています!って、巻き込まれるわよ!逃げましょう!」

竜崎たちも、同じように通報されているため、当然の如くハンターに追われることとなる…!



レミリア「天狗!私たちを巻き込まないでよ!」

文「そんなこと言われたって~!私はちゃんと隠れてたのに、ハンターが突然走り出したんですよ!」

竜崎「それは…まさか!通報者か!」

この5人は、それなりに足が速い。しかしやはり、ハンターの方が速いのだ。少しずつ、距離は縮まっていく…



咲夜「お嬢様!私が囮になります!」

レミリア「ダメよ!貴女は復活者でしょう!意地でも逃げ切りなさい!」

竜崎「……くっ!どこかに曲がり角くらいはないのか!?」

こうしている間にも、ハンターとの距離は縮まり……



ポンッ

遂に、ある逃走者が確保されてしまった!その逃走者とは…



レミリア・スカーレット         ゲーム残り時間

確保 残り18人             49:20



レミリア「…フッ」

カメラマン「あの…レミリアさん。いま、わざとゆっくり走ってませんでしたか?」

レミリア「あのままだと、絶対咲夜が囮になると思ってね。咲夜には1stステージでも助けられてるし、それに…」

カメラマン「それに…?」

レミリア「従者を守れない者に、主の資格なんてないだろ?」

レミリア・スカーレット。500年を生きた吸血鬼は、自分の愛する従者を守るため、紅魔館の主として散った……


   ***


KAME3「『通報者の通報により、公園内にてレミリア・スカーレット確保 残り18人』…か」

咲夜「お嬢様……私は、絶対に通報者を見つけて見せます」

文「レミリアさんには、悪いことをしましたね…私があの方向に逃げたばっかりに…」

竜崎「気にするな。他の方向に逃げたら、お前が捕まっていた」

文「……はい」

通報されたとはいえ、文にも罪悪感があるようだ…

KAME3「さて、切り替えていきましょう。とりあえず、情報収集ですよね。出会った人に聞いていきましょう。……といっても、何を聞くんですか?」

竜崎「そうだな……その人物がどういう行動をしていたか、それを聞く。そこからいろいろ推理していくんだ。だがその前に……通報者候補を絞っておかないか?」

咲夜「…え?通報者候補は、復活組である私、御坂、阪神を除いた15人よね?」

竜崎「違う。もう少し絞れる。十六夜、お前の言う通報者候補は、この15人だ」



【通報者候補】
リュカ
射命丸文
赤木しげる
安岡
フェイト・T・ハラオウン
エリオ・モンディアル
前原圭一
大石
東横桃子
天江衣
KAME3
翡翠煉
ゆうやん
竜崎悠太
一ノ瀬玲奈



竜崎「まずこの中で、俺、KAME3、アカギは通報者ではない。実際に通報されているし、3人で固まっていた時に、他の逃走者が通報されている。これはこの3人が全員証人となって証明できる。さて、これで12人」



【通報者候補】
リュカ
射命丸文
安岡
フェイト・T・ハラオウン
エリオ・モンディアル
前原圭一
大石
東横桃子
天江衣
翡翠煉
ゆうやん
一ノ瀬玲奈



竜崎「次に、天江と圭一を除く。天江は俺たちと行動していて、その時にほかの逃走者が通報によって確保されている。これは俺やアカギが証明できる。圭一とはさっき別れたが、フランドールに突き飛ばされて、今俺たちを通報するだけの力はない。今は体を休めるので精いっぱいのはずだ。これで10人」



【通報者候補】
リュカ
射命丸文
安岡
フェイト・T・ハラオウン
エリオ・モンディアル
大石
東横桃子
翡翠煉
ゆうやん
一ノ瀬玲奈



竜崎「そして最後に、リュカと射命丸を除く。リュカは小学生。ヒントの紙に、通報者は上条以上の頭脳を持っていると書いてあっただろ?射命丸は、さっき通報されて、実際にハンターに追われているから通報者ではない。すると残るのは、たったの8人になってしまうんだ」



【通報者候補】
安岡
フェイト・T・ハラオウン
エリオ・モンディアル
大石
東横桃子
翡翠煉
ゆうやん
一ノ瀬玲奈



文「お…おおお!」

竜崎「この8人以外に話を聞くんだ。そいつらは、絶対に嘘の情報を言わない。通報者ではないのだからな」

咲夜「じゃあまずは……文、話を聞かせてもらうわよ」

文「わっかりましたぁ!」

KAME3「あの…できればもうちょっと静かに…」

通報者との情報戦が、今始まった…!



文「私は、2ndステージが始まってから、結構動いてまして…まず、公園でゆうやんさんにあったんですね。その時、紙とペンを貸しました。アンケートの結果を集めてるっていうんで」

竜崎「フム…続けてくれ」

文「その後、ゆうやんさんと私はハンターに追われました。何とか2人逃げ切って、そのあと私は、近くの建物の陰に、ミッション6のメールが送られてくるまで隠れていました。あ、隠れている途中に、フェイトさんと会いましたね」

竜崎「質問だ。お前はゆうやんにも会ってるし、フェイトにも会ってるらしいが、お前から話しかけたのか?」

文「ええ、そうですよ」

竜崎「そうか…続けてくれ」

文「ミッション6の代償を知ったので、メールで一斉送信しました。そのあとは、ずっとホテルの陰に隠れてましたね」

射命丸文の行動を知った竜崎悠太。彼はここから、どのような推理をするのか……その推理の内容に、皆の期待がかかる。しかし…

竜崎「ありがとう。それじゃあ、他の逃走者を探すか」

特にこれといって、推理をする仕草はしない。

咲夜「ちょっと、推理しなくていいの?」

竜崎「まだ情報は少ない。アカギからの電話や、自分たちの情報収集で情報が増えてから推理だ。急いで推理して、誤った推理をしても仕方ない」

竜崎は、次の情報を待つようだ…




・・・・・・

主催者「さて、いよいよ情報戦になってきたな。推理中の醍醐味ともいえる場面だな」

エリー「この後の展開ですが、逃走者は通報者を見つけられるでしょうか?」

主催者「今のままじゃ無理だな。だから俺が…少し手助けをしてやろうと思う」

主催者は、パネルに移っている【NEW MISSION】のボタンをタッチした……




・・・・・・

プルルルル…プルルルル…

煉「ミッション来ました!『ミッション7 どうやら、まだ通報者の正体にたどり着けていないようなので、主催者サイドから通報者に関するヒントを与える』ヒントですか…」

一ノ瀬「『今からゲーム残り時間35分まで、先着1名病院の中に入れるようにする。病院の中には、赤いボタン、ビデオデッキ、ビデオ、モニターがある。ビデオデッキにビデオを入れ、赤いボタンを押すと、通報者に関するヒントが映像としてモニターに映し出される』1人しか映像は見れないのね…」

桃子「『ただし、赤いボタンを押してしまうと、ハンターが2体追加される。リスクをよく考えてボタンを押したまえ』ヒントの代わりにハンター2体追加っすか!」



ミッション7 通報者に関するヒントを手に入れろ!

今からゲーム残り時間35分まで、先着1名だけ病院に入ることが出来る。
病院の中にあるビデオデッキにビデオを入れ、赤いボタンを押せば、通報者に関するヒントを得ることが出来る。
ただし、赤いボタンを押してしまうと、ハンターが2体追加されてしまう。
他の逃走者に恨みを買われるかもしれないこのミッション。やるかやらないかは、逃走者の自由だ…