逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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ゲーム残り時間61分。ミッション6終了ギリギリで、確保者を3名復活させる権利を得た竜崎。
作者1人と優秀な人2人を復活させようと、竜崎は考える。果たして、復活するのは誰なのか。
そして、通報者の容赦のない通報、アクセラレータの暴走に、逃走者たちは立ち向かえるのか。




・・・・・・

ryouki(スタッフ)「さあ、誰を復活させますか?」

竜崎「まず作者から1人。作者から復活するのは…………阪神政虎!」

阪神「俺!?俺でいいのかよ!」

竜崎「ああ。お前は、作者としての能力の他に、高い運動神経と行動力がある。通報者と戦うには、十分な力を持っていると判断した」

阪神「竜崎…俺、絶対役に立つように努力するからな!」

竜崎「期待しているぞ」

作者さんからの復活は、阪神政虎。そして次に…

竜崎「他に、優秀なものを2人、復活させる。正直、候補がかなりいて迷った。そんな中、俺はこの2人を選んだ。復活するのは…………十六夜咲夜と御坂美琴!」

咲夜「私が…?」

美琴「私が復活…本当にいいの?」

竜崎「お前らの判断能力と、俺たちとの相性を見込んでのことだ。大丈夫、お前らなら…通報者の正体にたどり着ける」

作者さん以外からの復活2人は、十六夜咲夜と御坂美琴に決定。これで、復活の珠はすべて使い果たした。

ryouki(スタッフ)「ミッション終了まで、残り30秒です。30秒後に、この喫茶店からハンターが2体放出します!」

このミッションクリアには、5つの復活の珠が必要だった。つまりこのミッション、失敗である。しかし、失敗しても尚、3人の逃走者が復活したことを考えれば、十分な結果だといえるだろう。

竜崎「ここから出るぞ!復活早々にハンターの餌食なんていやだろ!」

阪神「よし、行くぞ!」

美琴「復活したからには、通報者をボッコボコにしてやるわ!」

咲夜「では、行くとしますか」

こうして、ミッション6は終了した。それと同時に、2体のハンターがエリアに放出された!




プシュー!プシュー!




プルルルル…プルルルル…

なのは「ミッション結果来た!『ミッション6結果 竜崎悠太、レミリア・スカーレット、赤木しげる、KAME3の活躍により、阪神政虎、十六夜咲夜、御坂美琴が復活。しかし、5人復活は出来なかったため、2体のハンターが放出された』あ、参加者の名前が出るようになってる…」

リュカ「あの人たち…凄い!」

衣「このミッションやるとは…最早常軌を逸しておるぞ!」




・・・・・・

主催者「そんな…バカな!」

エリー「逃走者の中には、偽善以外の善もあったようですね」

主催者「だがしかし、アカギ、レミリア、KAME3の3人、そして復活の珠を届けた竜崎は、通報者に勝つために仕方なくミッションをやったと考えれば…」

エリー「爪1枚ですよ。通報者に勝つという目的のためだけでは、代償が大きすぎます。つまり彼らの行動は、本物の善の心なしでは、出来ない行動なのです」

主催者「人間の善の心など、所詮偽善。そのことを全逃走者が知れば、逃走者同士の絆など、あっという間に壊れると思っていたが…まさかこんな展開になるとは」

エリー「彼らを見誤ったようですね。これでは、通報者が敗れるのも時間の問題かと…」

竜崎たちは、絶対に信頼できる逃走者という武器を手に入れた。通報者にとっては、辛い展開になってきたと言えるだろう。

しかし、主催者は…

主催者「いや、通報者は負けないだろう。通報者は優秀だ。当然、竜崎よりも優秀。アカギと比べてようやく5分…いや、それでも通報者の方が実力は上かもしれない。それほどの強豪プレイヤーを、通報者に俺は選んだ。竜崎がいくらあがこうと、通報者敗れるという『運命』を変えることなどできない」

エリー「そういうものですか…」

主催者「そういうものだ。あいつらごときが、『運命』に逆らえるはずがない。さて、引き続きゲームの展開を見よう」


   ***


アカギ「竜崎、こっちだ」

竜崎「ああ」

アカギ、レミリア、KAME3の3人と、竜崎達御一行が、健康ランド前で合流した。復活者を決めたら、ここで合流しようとあらかじめ決めておいたのだ。

美琴「そういえば、あんた達に聞きたいことがあるんだけど」

竜崎「なんだ?」

美琴「アクセラレータって、何で作者さん3人も撃破してんの?あいつが通報者なの?」

牢獄の者たちには、撃破情報しか伝わっていないため、アクセラレータが通報者ではないという事実を知らない。

竜崎「いや、あいつは通報者ではない。だが、あいつは今、暴走している。自分に票がたくさん入ったことで、裏切られたとでも思ったのだろう。まったく、メンタルの弱い奴だ」

それを聞いた美琴は、少し悲しそうな顔をした。

美琴「それは…しょうがないのかもしれない。知ってる?アクセラレータってね、実はとんでもない力を持ってるのよ。その力がね、10歳のころ暴走したの。それからつい最近まで、自分の力の暴走を恐れて、誰ともかかわらない生活を送っていたらしい。自分の力で、人を傷つけることに耐えられないから」

それは、アクセラレータの過去。彼女が知っている範囲内で、彼女は竜崎にアクセラレータの過去を告げる。

美琴「最近になって、やっと人と接し始めたみたいで、そん時のあいつは、幸せなんだと思う。きっとあいつは、ずっと人と接したかったんじゃないかと思う。でも、自分の力のせいでそれが出来ない。最近人と接し始めたって言っても、それはごく少数の人たちだけ。でも、この逃走中なら?能力がすべて封印されているこの逃走中なら、自分が他人を傷つけることはない。だからあいつ、すごく積極的に人とかかわろうとしてたでしょ?」

竜崎(そういえばあいつ、ホテルの中で…)




アクセラレータ「通報者ボッコボコにすんぞ!」

全員「おう!(はい!)」




竜崎(とか、音頭取ってたっけ…)

美琴「だから、アンケートで自分に票がたくさん入った時、裏切られたような気持になっちゃったんじゃないかと思う。そして、こう思った。自分は、やっぱり人と接することなんてできない…ってね。だから暴走した。もともとあいつ、すこし情緒不安定みたいなところがあったし」

美琴は、ここで話を切った。アクセラレータの過去。簡潔にだが、それを6人に話した。

竜崎「…アクセラレータって、今何歳だ?」

竜崎は、ここで唐突な質問をした。

美琴「いや、正確な年齢は分からないけど、17歳くらいじゃない?あいつ高校生だし」

竜崎「じゃあ、およそ7年か。あいつは7年間、まともに人と接してなかったのか…7年…決して短い時間じゃない。そんなにも長い時間、あいつは辛い思いをしてきたのか……」

阪神「竜崎…」

竜崎「アクセラレータを狂わせたのは、俺たちだ。俺たちが票を入れたりするから…俺たちは、あいつを嫌い、あいつを疎外した…孤独の闇に閉じ込めた!7年ぶりにたくさんの人と関われる機会を…奪った!だから……俺たちで倒そう。アクセラレータを!」

美琴「待って!それはやめた方がいいと思う。暴走したアクセラレータは、いわば狂気の塊よ。アクセラレータは、ドーピング剤を飲んでるんでしょ?7人がかりでも…厳しいかもしれないわ。仮に倒せたとしても、かなりの犠牲がつくことになる」

竜崎「じゃあ、放っておけというのか?あいつを狂わせたのは俺たち。だから止めるのも…俺たちだ!」

アカギ「その必要はないぜ」

竜崎「アカギ?」

アカギ「もう…行ったからな。あいつが、アクセラレータを倒しに…というより説得しに。あいつなら必ず、止めてくれる。それも、撃破せずに。アクセラレータを止めて、あの狂気を取り除いてくれる。俺は…そう信じている」

竜崎「それは…誰だ?」

レミリア「教えてくれないのよ。私たちもさっき同じことを言われたのだけど」

KAME3「アカギさん、いい加減教えてくれませんか?」

アカギ「……教えねえ。それより、通報者だ」

アカギが、強引に通報者の話題に話をそらす。しかし、通報者の話題になろうかというとき、タイミング悪く…



通報者(見つけた!って、7人も…?)

通報者が、竜崎たちを捉えてしまった!

通報者「健康ランド付近に、竜崎悠太、赤木しげる、レミリア・スカーレット、KAME3、十六夜咲夜、御坂美琴、阪神政虎います」



主催者(まさかの7人通報!?)

通報者の通報を受け、5体のハンターが竜崎たちの元へ向かう!



阪神「…ん?ハンターきてますよ!」

KAME3「うっそ!ていうか、2体来てますよ!?」

竜崎「クッ…!通報者か!」

美琴「とりあえず、4対3で別れましょう!」

近くにあった分かれ道に、4対3で別れて逃げる。左の道に進んだのは、竜崎、KAME3、レミリア、咲夜の4人。右の道に進んだのは、阪神、アカギ、美琴の3人。

ハンター2体も、別れて逃走者7人を追う!



竜崎「なんとか…なったか」

レミリア「どうやら…撒いたようね」

KAME3「もう…大丈夫のようですね」

しかし、さすが逃走者の中でもトップクラスの脚力を持つ者たち。ギリギリながら、ハンターを撒いてしまった…!




しかし、今の通報でハンター5体は健康ランド付近に集まっているわけでして…

ヨッシー「え!?なんでこんなにハンターいるんですか!?」

ハンター「……!」

元から健康ランド前にいたヨッシー。不運にも、ハンターに見つかってしまった!

ヨッシー「って、前からも来てますよ!?」

ハンターⅡ「……!」

最早、逃げ場はない…



ポンッ



ヨッシー            ゲーム残り時間  

確保 残り24人         58:48


ヨッシー「ハンター2体来るとか…通報者ですか!?」

通報者は、ヨッシーは通報していない…




通報者「『健康ランド付近にてヨッシー確保 残り24人』ヨッシー…?」

通報者も、唖然の表情だ…