逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~
作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

45
プルルルル…プルルルル…
咲「メール2通…しかも両方とも確保情報!?」
しら「『通報者の通報により、健康ランド付近にて、結城秋子確保 残り32人』また通報者…」
一ノ瀬「そして…『通報者の通報により、ラーメン屋付近にて、北条沙都子確保 残り31人』通報者が暴れてるわね…」
桃子「という事はこれ…通報者は2人通報で+60万円だから、今通報者は120万円獲得してるってことっすか!」
止まらない、通報者…
竜崎「…やはり、通報者は手強いようだ。2人同時に通報し、きっちり2人仕留めてきた」
マリオ「どちらかに逃げ切られると、逃走時の情報が漏れるからだな」
竜崎「そうだ。この逃走中、逃走者同士の通話は可能だが、逃走者と確保者の通話は認められていない。つまり、牢獄に入れてしまえば、逃走時の情報が漏れることはない」
基本的に、逃走者と確保者の通話はできない。今回は、逃走中と推理中という特殊な複合ゲームが故、主催者がそのようにルールを査定したのだ。
竜崎「まあそんなことより、今はこのヒントの紙だ。この紙に書かれている人物の能力がどれほどの者かわからないことには、話にならない」
これが、竜崎たちに与えられたヒントだ。
~ヒント~
一、通報者は、逃走者の中に身をひそめるのが上手く、ぼろを出すことはほぼないと思われる。
二、通報者の頭脳は、上条以上パチュリー以下である。
三、通報者の身体能力は、圭一以上マリオ以下である。
※ このヒントをメールで一斉送信するのは禁止とする。
竜崎「マリオ、お前は身体能力は…」
マリオ「そこらの奴らと同じにするなよ!身体能力だけなら、アカギにもレミリアにも負けねえ!」
アカギ「ククク…」
レミリア「人間風情が、言ってくれるわね」
竜崎「よし、分かった。マリオの身体能力は、とりあえず上の中と認識しておく。次に圭一、これは分かりやすい。一般的な男子中学生レベルだ」
衣「つまり、中の上以上の身体能力を持っていたら、そいつは通報者候補ってことだな~」
男子中学生以上、スーパースター以下の身体能力が、通報者候補という事になる。
竜崎「次に頭脳。上条は分かりやすい。一般的な男子高校生レベルだ。そしてパチュリー…レミリア、実際の所パチュリーの頭脳は、他の逃走者と比較してどうなんだ?」
レミリア「パチェの頭脳はもうすでに人のそれではないと思うわ。パチェに敵う頭脳の持ち主はいないと判断していいと思うわよ」
竜崎「そんなに凄いのか…なら、パチュリーの頭脳は逃走者一と扱う」
これはつまり、男子高校生以上の頭脳を持つ逃走者が、通報者候補という事になる。
竜崎「今後話しやすくするために、分かりやすくまとめるぞ。頭脳側での通報者候補をまとめて集合A。身体能力側での通報者候補をまとめて集合Bとする。とすると通報者は、A∩Bという事になる」
ここまでは状況整理。本当の推理はここから…
竜崎たちの推理は、まだまだ続く…
アクセラレータ「着いたぜ!交換だ!」
店員(演:森近霖之助)「ありがとうございます。お礼としてアイテムを…何にしますか?」
ビデオショップにたどり着いたアクセラレータ。
現在残っているアイテムは『無敵サングラス』『ドーピング剤』『自首ボタン』の3だ。
アクセラレータ「う~ん。実は俺、能力に頼りすぎて身体能力がねえんだよな……よし、ドーピング剤くれ!」
店員「分かりました。はい、どうぞ」
アクセラレータ「うっしゃあああ!!」
アクセラレータは、受け取ったドーピング剤をすぐさま口に含む。
アクセラレータ「お…おお!力湧いてくる!!」
ドーピング剤の威力は、半端ないようだ…
アクセラレータ「…ん?なんだあいつ?」
アクセラレータの近くを、黒い人影が通った。それは…紛れもなく回収員だった。
アクセラレータ「ま…マジかよ!運いいな、俺!」
強運の男、アクセラレータ…
アクセラレータ「おら、ビデオよこせ!」
回収員「うわっ!!」
アクセラレータは、回収員からビデオをひったくると、そのまま店員の所へ戻った。
アクセラレータ「またもってきたぜぇ!次は無敵サングラスくれ!」
店員「ま、またですか…?ありがとうございます。はい、どうぞ」
アクセラレータ、強運でアイテム2つ獲得…
これで、残すアイテムは自首ボタンただ1つ!
その最後のアイテムを手にできるチャンスを手にしたのは…
魅音「おっ、ハンター…いや、回収員か~?」
ゲーム部部長、園崎魅音!
魅音「って、回収員じゃないじゃん!」
ではなかったようだ…
ハンター「……!」
魅音が見たハンターが魅音を見つける。
魅音「って来たああああ!!」
慌てて逃げる魅音。しかし、いかんせん距離が短すぎた…
魅音「うわああああああ!!」
ポンッ
園崎魅音 ゲーム残り時間
確保 残り30人 90:20
園崎「回収員だと思ったのにー!最悪だよー!」
例え回収員だったとしても、ミッション終了まであと20秒しかないという事実は、本人の心に傷を付けることになりそうなので伏せておこう…
圭一「うわっ!魅音も確保か…」
赤坂「ミッションと通報者が重なったせいで、確保ペースが上がってるな…」
そして…
プルルルル…プルルルル…
梨花「メールなのですよ~」
フェイト「『ミッション5結果。マリオがバトルボール、衣が通報者の正体に近づくためのヒントが書かれている紙、アクセラレータが無敵サングラスとドーピング剤を手に入れた』アクセラレータ、どんだけよ…」
ヨッシー「結局、回収員とハンターの見間違いを恐れて何もできませんでした…」
ミッション5が終了し、逃走者たちに多少有利な状況となった。
しかし、このままゲームが進行すると思ってはいけない。
今後のミッションで、主催者は驚愕の内容を提示する…!
果たして、その内容とは…!

小説大会受賞作品
スポンサード リンク