逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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ついに明かされた、確保者復活の代償。しかし、その代償はあまりにも大きかった。
なんと、代償は爪1枚…!あまりにも…あまりにも大きすぎる代償!
しかし、ミッションをやらなければハンターが放出されてしまう。
このミッションに挑む勇気ある参加者は現れるのか!




・・・・・・

ゆうやん「作者さんを助けたいからミッションに行くつもりだったけど、これはさすがに…」

ミッションに向かっていたゆうやん。しかし、文のメールでミッションの代償を聞き、足が止まる。

ゆうやん「でも、きっと誰もやらないだろうし…」

今の所、ミッション参加を表明している逃走者の数は…0




フェイト「とりあえず、これからどうする?」

文「そうですね~とりあえず、別れるのがいいんじゃないでしょうか?まとまってると危険ですし」

フラット「そうですね…」

シグナム「4人バラバラになった方が、とりあえず安全性は高まるか…」

ミッションが出来る病院前にやってきた4人。しかし、ミッションの代償が爪1枚と聞き、泣く泣くミッションをあきらめた。

そんな4人の近くに、ハンター…



ハンター「……!」

文「あやややや!ハンターです!」

シグナム「くっ…!とりあえず別れろ!」

4人は、2つの方向に別れた。左に逃げたのは、フラットと文。右に逃げたのは、フェイトとシグナム。

ハンターが追ったのは…



フェイト「うっ…!こっちに来た!」

シグナム「ここは私が囮になる!テスタロッサ、お前は逃げろ!」

フェイト「え…でも…!」

シグナム「いいから行け!同時確保よりはましだ!」

フェイト「うん…!ありがとう、シグナム!」

シグナムは、足の動きを緩めた。フェイトとシグナムの差がどんどん広がっていく。逆に、ハンターとシグナムの差は縮まっていき…



ポンッ


シグナム           ゲーム残り時間 

確保 残り27人        80:30


シグナム「フッ…後で美味い物でもおごってもらうぞ…テスタロッサ…」

大事な仲間のために、1人の戦士が散った…




なのは「ええ~!シグナムさん確保!?」

ヨッシー「結構逃げ切りそうな人だったんですが…」




シグナム「さて、牢獄に行くか…牢獄の場所は、喫茶店の中だったな」

カメラマン「あ、すみません。これより確保された逃走者は、茶店の中に設置された新牢獄に入っていただきます」

シグナム「…そうか。ならそちらに行こう」




・・・・・・

エリー「あの…これは?」

シグナムの確保を見ていたエリー。新牢獄の存在を初めて知ったエリーは、主催者にその意図を聞いた。

主催者「簡単なことだ。確保者達に情報が行き渡らないようにするために、牢獄を新たに作った。俺がこのゲームで、逃走者と確保者の連絡が取れないようにしたのは知ってるな?」

エリー「はい」

主催者「そのせいで、確保者たちは射命丸文の一斉送信をチェックできていない。彼らは、復活の代償が爪1枚という事を知らないんだよ」

エリー「そういえば、そうですね」

主催者「だが、ミッションメールは見ている。さてこのミッション、もしも参加者がだれもいなかったらどうなる?間違いなく、確保者たちは逃走者たちが自分たちを見捨てたと思う。そうなれば、繋がりも信頼も一瞬で吹き飛ぶ」

つまり主催者は、このミッションを使って参加者64人の絆を、めちゃくちゃにしようとしている…?

主催者「だが、そこに射命丸のメールを見た逃走者が牢獄に入ってきたらどうだ?そいつは確実に伝えるだろう。ミッションの代償が爪1枚だということを。それを確保者が聞けば、誰もミッションに参加しなくても仕方ないと思う。故に、絆は壊れない」

エリー「しかし、ゲームが終わればどのみち知ることになるのでは?」

主催者「そうだろうな。だが、俺はこのゲーム中のみ逃走者の絆が壊れてくれればいい。そうすれば、世界が救える…!」

エリー「…意味が分かりません」

主催者「…お前は何も知らなくていいさ」


   ***


izumi「しらさん!ついに…ついに…!」

しら「あと1人ですね…アンケート。最後の1人は誰ですか?」

izumi「竜崎です!では、電話しますね」

ゲーム開始直後から、地道に票集めをしていたしらとizumi。その票集めも、残すところ竜崎に聞くだけとなった。



プルルルル…プルルルル…

竜崎(声)「もしもし、izumiか?」

izumi「竜崎さん!アンケートは誰に入れましたか?」

竜崎(声)「…安岡だ」

izumi「ありがとうございます!」



プッ!



izumi「安岡さんだそうです」

しら「という事は、これでトップは確定ですね。票はこうなっています」


アンケート結果  集計 izumi・しら  未集計 2票

1位 アクセラレータ 7票
2位 博麗霊夢    4票
2位 安岡      4票 
4位 赤木しげる   3票
4位 レミリア    3票
  
    以下省略



しら「アクセラレータさんが断トツですか。未集計の2票を合わせても、2位の安岡さんはアクセラレータさんに届きません」

ちなみに、この未集計の票とは、電話をする前に確保されてしまい連絡が取れなかった逃走者が入れた票である。

izumi「じゃあ決まりですね!アクセラレータを倒しに行きましょう!」

意気込むizumi。しかし、しらがそれを止める。

しら「待ってください。僕たちだけで行くんですか?」

izumi「そうですが…それが何か?」

しら「…やめておきましょう。ここはメールの一斉送信機能で、全員にアンケートの結果を伝えましょう」

izumi「ええっ!?なんでですか!?先を越されたら、ボーナスの100万円は得られないんですよ?」

ボーナスの100万円を得る権利は、通報者を倒した1人にしか与えられない。しかし、それ以前に…

しら「ボーナスの100万円は、逃走成功して初めてもらえる金です。ボーナスを得られる可能性は、限りなく低いといっていいでしょう。なら、もういっそ伝えませんか?通報者がアクセラレータだという事実を」

izumi「…分かりました。確かに、今優先すべきはボーナスの獲得ではなく、アクセラレータの撃破でしたね。では、僕がメールを送ります」

izumiとしらは、賞金獲得よりも、逃走者が一致団結して通報者を倒す道を選んだようだ。作者さんらしい、立派な判断だと思われる。

しら(大丈夫…だよな…?)




プルルルル…プルルルル…

フラン「メールだ…『izumiです。嫌いな逃走者アンケートのトップが分かりました。アクセラレータです。つまり、通報者はアクセラレータという事です』そうなんだ!」

なのは「『皆さん、アクセラレータに注意しつつ、バトルボールがあったら倒しに行ってください』今バトルボールないしなぁ…」

izumiからの一斉送信。これにより、ゲームの状況は劇的に変化する…!




大石「アクセラレータさんだったんですね~これは少し私たちに有利になったといっていいでしょうか」

当然、逃走者にとっては有利な状況となっている。今まで通報者の正体が分からず、誰も信頼できなくなっていた逃走者が、他の逃走者と出会い、そして別れることが簡単にできるのだ。

それだけではない。通報者の正体が特定されたことによって、逃走者は心理的にも通報者の恐怖から解放される。この逃走中において、心理的に楽になれるというのはかなりのプラス要素となるだろう。




赤坂「圭一君、バトルボールだ!」

圭一「おお!ついに見つけましたね!」

赤坂「よし、とりあえず私が持とう」

バトルボールを手にした圭一と赤坂。

このバトルボールは、神社付近の森の中にあったため、なかなか見つからなかったのだが、ついに逃走者の手に渡った。

これで、7個全てのバトルボールが逃走者の手に渡ったことになる。

バトルボールを所有しているのは、リュカ、フラット、izumi、文、竜崎、赤坂、そしてアクセラレータの7人となった。

※ エリアには6個のバトルボールしか落ちていませんが、竜崎はミッションで手に入れたため、バトルボールを持っているのは7人という事になります。




一ノ瀬「通報者はアクセラレータだったのね。分かって安心したわ」

桃子「そうっすね。だからこうして話せるわけですし」

通報者の正体が判明したことにより、他の逃走者を信頼することが出来る。これは間違いなく、票を集めきったしらとizumiの功績だ。