逃走中~勇気と頭脳で問題都市に立ち向かえ~

作者/ ヨーテル ◆I.1B0IMetU

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ゲーム開始から5分…とんでもないミッションが発令された。
賞金単価がアップするこのミッション。
しかし、代償は1人800ccの血…!
ミッション参加を表明している者は、まだいない。
果たして、ミッション参加者は現れるのか!

・・・・・・

竜崎「このミッション…なにか違和感を感じる」

はやて「違和感って何や?」

公園付近にいる竜崎とはやて。この2人も、ミッションにはいかないようだ。

竜崎「八神、ゲームが始まってから、1度でもハンターを見たか?」

はやて「いいや、見てへん」

竜崎「俺もだ。それはなぜか?おそらく、エリアが広すぎるんだ…このエリアは、東京ドーム9個分の広さ。加えてハンターは3人。これでは、ハンターに見つからないわけだ。東京ドーム3つ回って、やっとハンターが1人見つかる程度なんだからな」

はやて「そうやな…それで、ミッションの違和感って何や?」

竜崎「これだけ俺たちに有利な逃走エリアの広さ、ハンターの数から考えて、ミッション1の賞金単価アップは、ハンター放出と引き換えに賞金をあげるというミッションだと俺は踏んでいた。だが、そうではなかった」

はやて「実際は、血と引き換えやもんな。そら行きたくないわ~」

竜崎「このままだと、10…いや、15人以上この1stステージで残ってしまう可能性もある。当然主催者はそんなことさせないだろう。阻止しにくる」

はやて「そうやな~」

竜崎「このままの好条件で、ゲームをさせてもらえると考え無い方がいいな。おそらくこの後…強制的にエリアが縮まるか、強制的にハンターが放出されるか。このどちらかが起こる」

はやて「結局、何が言いたいんや?」

竜崎「油断するなってことだ。エリアの広さに甘えて油断しようものなら、ハンター放出ミッションあたりで誰も動かず、結果確保ラッシュになってしまう…!」




この時、このゲームを監視していた主催者の眉が、ぴくっと動いた。

主催者「気づいたか…俺が逃走者の油断を買おうとしていることを。それも、このミッション1の段階で…」

エリー「ただし、80点ですね」

主催者「そうだな…竜崎の予想には、1つだけ間違っているところがある。それは、そこまできつく、強制的なエリア縮小やハンター放出は行わないという事だ。まあ、多少は行うが…」

エリー「そうですね。ところで、このミッションについて質問があるのですが…ミッションに参加した逃走者が、ゲーム中に倒れた場合は、どうなるんですか?」

800ccの血を抜かれれば、意識不明になってしまう者が出るかもしれない。とくに、小柄な逃走者は…

主催者「『逃走中参加契約2-4 ミッションの結果、いかなる影響が逃走者に与えられたとしても、こちらはそれに関与しない。但し、命の危険がある場合は除く』…逃走者にも配られていたはずだ」

つまり主催者は、逃走者が倒れても、そのままエリア内に放置すると言っているのだ。

主催者「命の危険があるのは、相当体重が軽い者だけだ。30キロ前後のな。ただ、普通やらないだろ。そんな奴はこのミッションを」

エリー「まあ確かに、そうですね…」

主催者「それでも、万が一そんな奴がミッションをやろうとした場合は、こちらで止めるようにしてある。その辺の配慮は出来ているさ」




・・・・・・

赤坂「どうするか…」

赤坂は、悩んでいた。自分は、逃走者の中でも数少ない立派な大人。このミッション1で、800ccの血を抜かれて、一番影響のないのは自分だろうと思っていた。

それ故に、悩んでいたのだ。ミッションに行くか…否か

赤坂「悩んだ時は…とりあえず行動か。よし、行こう!」

赤坂、ミッションに向かう!




魔理沙「まったく…冗談じゃないぜ。なんだよ、血を抜くミッションとか…ん、血を抜く?そうだ!」

プルルルル…プルルルル…

魔理沙、誰かに電話をかけたようだ。

レミリア(声)「何、魔理沙?」

魔理沙「あ、レミリア。お前ミッション行けよ、吸血鬼だろ!血、抜かれたって補充が効くのはお前しかないんだぜ!」

レミリア(声)「補充って…嫌よ。血を抜かれるのは苦手なの。そんなに言うなら魔理沙が…!!!!」

プッ!

魔理沙「あれ、切れちまった。どうしたんだ?」




レミリア「まったく、しつこいわね!」

ハンター「……」

レミリア、ハンターに追われていた。

レミリア「魔理沙の電話のせいで逃げ遅れたじゃない!捕まったら魔理沙のせいよ!」

とか言いつつも…

ハンター「……?」

レミリア「ふう、なんとかなったわね…」

きっちりと撒くのは、さすが吸血鬼の身体能力といったところだろうか…