小説カイコ       ryuka ◆wtjNtxaTX2 /作



第一章 幽霊からのテガミ編(4)



           ■
            
結局、朝のマンホール事件で朝練には出れなかった俺。でも何とか学校には間に合った。。。で、今一時間目な訳だ。一時間目から地学の授業。でもただの地学ではない。
地学教室……そこは……





     まさに魔境。




地学教室はハンパなく薄暗い。さらに先生がハンパなく喋るのが遅く、声がめっちゃ小さい。………まあ、そういう教科なわけで、もちろん俺は今まで授業を最後まで起きていたことがない。そんなんで、一時間目が終わり休み時間になった。こんなんでいいのだろうか……(´A`;;

クラスに帰ると、背面黒板にA4サイズの紙きれが張り出されていた。どうやら校外学習の鎌倉遠足の班メンバーが決まったらしい。ぶっちゃけ、みんな知り合って一か月も経っていないんだから、メンバーなんてどうでもいいのだが。

「あ、高橋君?」
名前を呼ばれたので振り向くと、黄緑色のファイルを持った女の子がいた。……確か、柏木杏ちゃんだっけな。

「私と高橋君、同じ班なんだけどメアド交換してくれる?まだ高橋君のはもらってなかったと思うんだ。」言いながら、杏ちゃんはブレザーのポケットから携帯を取り出した。

「え、あ、もちろんです。」急いで自分の携帯を出して、赤外線交換をする。〝受信しました" の表示が出ると、杏ちゃんはお礼を言って俺の前からいなくなった。



……なんか、嬉しい(笑)

それから、二時間目の授業があり、三、四時間目をこなして、午後の授業は七時間目まで頭がボーっとした状態だった。どうやら熱が出たらしい。クラクラする。

部活を休んで、フラフラの状態で家に帰ると、無人のはずの自分の部屋に電気がついていた。節電のご時世なのに勿体ないな……

部屋のドアを開けると、誰かが居た。妹でも弟でも母親でもない。今日会った中学生だ。

「おう、随分と待たせてくれたな。待ちくたびれたぞ。」




……本当に、頭がクラクラした。