小説カイコ       ryuka ◆wtjNtxaTX2 /作



第二章 後編(1)



あの人生ゲーム事件から約2か月。7月も半分が終わってしまった。
終業式が午前中で終わり、少し掃除をしてから解散となった。

みんなそれぞれの部活へと散らばっていく。


俺は体育科実習室へと向かっていた。なんでも、やっと部活のユニフォームとジャージが業者から届いたらしい。
実習室に着くと、他の一年生メンバーはみんな揃っていた。既にみんな、自分の分はもらった後らしい。

顧問の津田先生からユニフォームとジャージを一式受け取ると、どうゆう訳だか「鈴木と高橋ちょっと来い」と言わてしまった。

「お前ら、新人戦でリレー組めよ。」津田先生は どっこいしょ、と椅子に座りながら言った。「佐藤と張と4人でな。4継かマイルかはお前らに任せるからさ。新人戦ってことをよく考えて決めろよ? 決まったら教えろな。………以上!!」


4継とは一人100mずつ走って、4人で合わせて400m走るリレーで、マイルとは一人400mずつ走って、合計1600m走るリレーだ。正直言って、マイルはやりたくないなぁ……400mとか専門外だし。

「おい、高橋。」鈴木と二人で渡り廊下を歩いている途中、鈴木が話しかけてきた。「マイルに決まってるよな?男ならマイルだよな?」

「えー!? 俺4継がいいな。400mとかマジで無理。」そりゃ鈴木は普段400mハードルとかやってるからいいかもしれないけどさ。「ちゃんと走り切れる気がしないよ。」
「大丈夫だって!夏練で俺と一緒に400m走ろうぜ☆」 輝かんばかりの笑顔。出た!これがウワサの鈴木スマイルか!
「…む。そのスマイル俺にも通用すると思うなよ。」


鈴木はちぇっ、と舌打ちをして先に部室に行ってしまった。まったく、これだからイケメンは………くれぐれも、女子のみなさんはこういう奴に騙されないでいただきたい。


しかし、リレーかぁ。実を言うとちょっと楽しみでもある。それに中学の時、惜しくも県大会でベスト8に入れなかった悔やみもあるしね(笑)




結局、マイルは張先輩の猛反対を受けて却下となり、4継をやることになった。