二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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神様のノート 一冊目
日時: 2015/05/12 18:40
名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346

始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。

基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。


とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。

それでは、よろしくお願いします。


※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。

昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。

そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。

色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。

昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。



—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。


「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」


5/12 最終更新


『目次』

☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186

〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43

〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123

〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671

〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420

〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848

〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました


☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506


☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585


☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835


☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276


☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589

〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319

〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888


☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649


☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!

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結果発表! 評価零・五(クマのみ) ( No.390 )
日時: 2015/01/03 23:47
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)

上がってきたのは、牡丹とクマ。牡丹の方は心なしか泣いているようにも見える。そんな彼女を、クマが小声で励ましている。
牡丹の前には由梨、クマの前には悠がいる。

「…牡丹。評価用紙を渡す前に聞きたい。あのキノコはどういう意味だ?」
「どうもこうもありませんわ。由梨さんもご存知でしょう? あのキノコと毒キノコは、一見しただけでは区別がつきづらいと。私はピーチさんの公務を手伝う貴方と別れた後、一人でキノコを取りに行きましたの。私が間違えて採取してしまった。ただそれだけですわ。」

牡丹の証言は、一人でキノコを取りに行き、見分けがつかず間違えて投入してしまったそうだ。

「薬草も、アタシが用意したものでちゃんとやったんだよな? …調合したら、胃」
「あぁ、私の方で勝手に効果を強めた物とすり替えましたわ。強めた方が副作用は大きくなりますが、効き目はその分バッチリですもの!」

由梨の言葉を遮るように言う牡丹。

「…牡丹、お前の言い分はキノコは一人で用意したが、それは毒キノコだった。由梨の用意した薬草は使わずに別の、効果を強めた薬草を使った。そうだな?」
「その通りで」
「ちょーっと待ったあぁぁぁっ!」

バーン! と激しい音を立て、昴達の後ろにある、医務室に繋がる扉から誰かが出てきたようだ。
後ろを振り向くと、そこにはピーチがいた。腕にはキノじいを抱えている。しかも縛り付けられてませんか?

「ぴ、ピーチさん…!?」
「牡丹ちゃん、嘘はダメよ。私を庇って言っているのか別の意図かはわからないけど、私はちゃんと知っているわ。今回の毒キノコ騒動の犯人を、ね。」

そう言ってピーチはキノじいの縄を解く。キノじいは牡丹の前に来て、その大きな頭を下げた。

「うぅ、牡丹殿、昴殿、由梨殿、皆さん、申し訳ない! すべては、このじいが元凶なのです!」
「…キノじい、全て話しなさい。私と由梨ちゃんが公務をしている間、何があったか。」
「はいですじゃ…。」
「き、キノじいさん…。」

牡丹はおずおずと困ったように狼狽えたが、キノじいは首を横に振った。

「全てはこのじいのミスですじゃ。…牡丹殿は由梨殿の分を摘み、早く帰ってお弁当の試作をしようと考えていたようで、一人で城のキノコ栽培所にてあのキノコを採取しておったのじゃ。わしはそこをたまたま通りかかって声をかけたのが、全ての過ちじゃった…。」
「…。」
「わしが馬鹿じゃった。彼女はその時、正しいキノコを摘んでおった。なのに、わしがしたのは…そのキノコは違う。毒キノコだと言ってしまって、毒キノコの方を一人分、わしが摘んで渡してしまったのじゃ。後に、姫から毒で倒れたと聞かされて…キノコの話をしたら、わしの記憶違いで毒キノコと正しいキノコを逆に覚えていた事が判明したのですじゃ…。」

どうやら、牡丹は毒キノコを摘んでおらず、正しいキノコばかりを摘んでいたようだ。だが、キノじいの記憶違いで逆に覚えており、正しいキノコを全部捨てさせ、毒キノコを摘ませたようだ。
葉月は、これをどこかで聞いたと思った。だが、思い出せそうにないので由梨を見る。

「…ティトレイがリバース世界でやらかしたのと全く一緒だな。葉月も覚えてるだろ?」
「あ。あー…あのワライダケ事件のアレか…。」
「そうそれ。…アタシは牡丹が一人分しか摘んでないのを見て、ピーチと一緒に彼女の公務が終わった後、取りに行ったんだ。あのキノコはパッと見ただけじゃ全く区別がつかない。まじまじと見ないとわからないくらいしか違いがない。…その時に気付けば、こうはならなかったな…。」
「昴さん、皆さん、ごめんなさい…。私がついていなかったのとキノじいの勘違いのせいで、生死を彷徨ったのでしょう?」
「まぁ、でも何とか助かったのは助かったし、全ては誤解が生んだ事故だ。…誰の責任でもないよ。」

どうやら昴は、ピーチ達のやった事を咎めるつもりはないらしい。

「キノじいの処理はそっちに任せる。」
「わかったわ。」
「さて、キノコ事件は解決したはいいが、薬草の謎が解けないな。」
『昴ー。』

牡丹は本当に薬草の効果を高めたのか、どうやって調べたらいいかわからない。そんな中で、いつの間にかいたのか、ノームがほえーんとした表情で手をあげた。

「どうした? ノーム。」
『オイラ、それ調べられるぞー。牡丹の弁当くれー。』
「え、つっても食っちまったし…。」
『まだ一個残ってるだろー? 自分で食う分ー。』

そうだ。七海のような馬鹿舌毒無効というような特殊な性質を持たない牡丹がこうして生きていると言う事は、自分のお弁当を食べていないと言う事である。

「あ、あのお弁当なら捨てましたわ! 自分で食べるだなんて、していませんから!」
「それはわかってたよ。しかし捨てた、か…。」
「捨てた? それは嘘よね、牡丹。」

声を発したのは、雪花だった。その手には、キノコのホイル焼きが入った、凍り付いたお弁当だった。

「せ、雪花、それ…!」
「私が取り上げたのを忘れたの? 後で捨てようと思ったけど、残しておいて正解だわ。」
『いただくぞー。』

ひょい、と雪花の手からお弁当箱を引ったくり、なんと、お弁当箱ごと食べた!

「え、おいノーム! それは」
「大丈夫。」

毒をお弁当箱ごと食べた光景を見て狼狽える葉月と由梨以外の一同だが、葉月が何にも心配なさそうにそう言った。

「ノームは誰に似たんだかわかんないけどさ、舌こそ正常だが、ゲテモノは普通に食える奴なんだよ。」
『ほふはほー。(訳:そうだぞー。)』
「食いながらしゃべるなよ。あと弁当箱は関係ないだろ。何でそれごと食う。…結果は?」
『んっく。んとなー、薬草に細工は見られないぞー。オイラが用意した奴だー。けど、毒キノコの成分が強いなー。これじゃ、折角の薬草も変な反応して毒になるなー。』
「あれ? そう言えば昴さん達は、遺言を残せるくらいの時間があったのよね? あのキノコは即効性で、一口食べたらすぐに死んでしまうはずなのに。」

そう、ピーチの言う通りあれは即効性の毒キノコ。一口食べたらアウトな代物だが、効きが悪いと感じていた。

『薬草達が毒キノコの成分によって、変に変化したみたいだなー。本来の意図とはかけ離れた性質をー…毒の進行を遅らせるような性質を持っちゃったみたいだなー。だけど毒性が強いからー、その内薬草の成分も毒になりー、ああなったんだなー。本来なら、薬草が混ぜられた奴を全て食べれば、お腹に優しい胃薬になるはずなんだなー。』
「…胃薬? じゃあ、本当は胃薬になるようなものに加え、美味しいキノコを食べさせようとしたんだな。」

牡丹は何も答えなかったが、本当は評価五を狙えるくらいの美味しい料理を作ろうとしたのだ。だが、毒キノコのせいで、全てが狂ってしまった。
だが、ここまで聞いてもわからない事がひとつ。何故、牡丹がここまで変わったか。だ。

「…ボタチャン、スーチャンはきっと望んでないけど…そろそろ話すべきだと思うクマ。クマ、話すクマ。」
「く、クマさん!?」
「スーチャン、ごめんクマ。クマとボタチャン、スーチャンの秘密にしておきたいあるものを見ちゃったクマ。スーチャンは寝てたから知らないクマ。…クマも、アレを見てから、裸族についてあり方が変わったクマよ。」

クマは話始める。牡丹が変わった理由を。そして、自身も変わろうと考えた理由を…。

結果発表! 牡丹とクマの切欠 ( No.391 )
日時: 2015/01/03 23:50
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)

事の始まりは、料理対決をしようと決めてから、二日後の話。

「クマさん、クマさんは何を作るおつもりですの?」
「クマはねー、ちょっと趣向を凝らしたベントークマ! 中身はまだ秘密クマよー。ボタチャンは?」
「そうですわねぇ…。夜の営みを促す滋養強壮の薬草入りか、惚れ薬の成分を入れたりとか。あっ、R18的な物を入れて審査員達を」
「やめるクマ。完全にスーチャン達が死ぬクマ。」

クマが神殿に遊びに来ており、二人で話を弾ませていた。
今、この神殿には二人の他に、昴しかいない。その彼女も、今は執務室でパソコン片手にデスクワーク中だ。

「にしても昴さん、最近執務室に籠りっきりですわね。」
「何かお仕事が忙しいクマか?」
「いえ、仕事はいつも通りですわ。うーん、気になりますわ。隠れて仕事せずに遊び呆けてるのかも…。」
「スーチャンに限ってそれはなさそうな気がするクマ。」

ここ数日籠りっぱなしの昴。彼女を心配していてか、いつの間にか話題がそうなっており…。

「ね、クマさん、ちょっと見に行ってみません事?」
「ほえ? 執務室にクマか?」
「遊び呆けていたら私達でお説教ですわ!」
「うーん、でもそれはまずないと思うクマ…。」

そう言うクマだが、牡丹と共に歩き出した。
二階の執務室に着き、こっそりと覗くと、昴がソファで横になっていた。

「あれ? スーチャン寝てるクマ?」
「みたいですわね…。」

昴に近くにあった掛け布団をかけてやりながら、部屋内を散策する。
すると、机の上に大量の紙を見つけた。どうやら請求書のようだ。

「…請求書がいっぱいクマ…。」
「昴さん、まさか、この請求書の処理に追われて…?」
「これ、ほぼセンセイの被害関連での請求書クマ…。」
「あの方、何度昴さんを困らせれば気が済みますの…。あら?」

牡丹は開かれたままのパソコンを見つけた。
そのまま前に座り、中身を見る。

「ちょ、ボタチャン、まずいクマよ!?」
「昴さんが何しているか、これで分かると思います…わ…。」
「ボタチャン?」
「…。」

牡丹が開いていたのは、メール送信画面。どうやら被害を受けた人々に謝罪をするメールを作っていたようだ。
彼女は、どうやらまだ送られてきた文面を消していないようで、二人はそれを見てしまった。

「…。」
「ひ、酷いクマ…。クマ達の事を貶す文が…!」

開かれたメールに書かれていたもの、それは、心無い言葉の山、山、山だった…。

「貶されて当然の事かもしれませんが…これは酷すぎますわ…! 自分が言われたと置き換えてみてくださってもいいのに…! あら…?」

そこに書かれていた文面。おそらく、これは後に消すような文面だろう。

『他の人にとっては、他人かもしれない。でも俺にとっては子供みたいなもの。改めて、それを認識した。やっぱり、責められると、ちょっと辛いな…。』

本当は、昴も辛いのだ。悲しい事を言われて、辛いのだ。

「…スーチャン…みんなの事を思っていたんだクマね…。」
「…昴さん、最近、少し胃薬の量が増えました…。きっと、こんなものを受け取って、一人で抱えて…色々あって更に胃痛が酷くなったのでしょう…。私達の暴走や…。」
「センセイやクマの暴走…。それは、みんなの怒りを買って…スーチャンの負担になってたクマね…。」

無意識に、二人は寝息を立てる昴を見た。その表情は、どこか…苦悶に満ちていた。

「…今は、そっとしておきましょう。手伝える事は、何もありませんわ…。」
「そうクマね。」

二人は何を思ったのか、今の昴の姿に何かを感じ取ったのか、静かに外へと出て行った…。

結果発表! 牡丹の反省 ( No.392 )
日時: 2015/01/03 23:55
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)

「あのスーチャンを見た時、クマ達は同じ事を思ったクマ。もうスーチャンにメイワクはかけたくない。傷ついてほしくない。多分、ボタチャンもそう思ったからこそ…。」
「アタシにわざわざ習いに来たってわけか。少しでもその嫌な面を払拭するための行動をしようとしたってわけか。昴さんの負担を減らすために。」
「…。」

牡丹は黙ったまま、何も答えない。答えるつもりはないようだ。

「スーチャン、ボタチャンは…今回だけは本当に純粋にスーチャンのために作ったクマ。」
「…勝手に執務室に入った事をまずは謝罪しろよ。」
「うぐ、そ、それは…ゴメンクマ…。」
「ごめんなさい…。」

ちょっと怒ったような昴の言葉に、二人は謝罪をした。

「…まぁ、謝罪したならいい。…さてと、牡丹。」
「はい…。オシオキなら、受ける覚悟は出来ていますわ。」
「よろしい。再確認せずにぶっ込んだのはお前の責任だからな。…けど…。」

昴は牡丹の側に寄り、くしゃっ、と頭を撫でた。

「変わろうとしている思いはあるんだって分かった。なるべくこれを続けてほしいんだけどな、俺としては。」
「…。」

牡丹は黙る。この分だとまたやるだろうなとは思うが、この時は何も言わなかった。反省する事もあるという事だけ分かっても収穫だ。

「まぁ、ゆっくり変わっていけ。お前も…少しずつ、成長しているのが分かって嬉しいからよ。」
「…はい…。」

俯かれたその目には、涙が溜まっていたのを昴は知らない…。

結果発表! 例の映像 ( No.393 )
日時: 2015/01/04 00:00
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)

牡丹をもう一度撫でると、昴はクマに向き直った。

「さて、クマ、悪かったな、最後にさせて。つか、お前にも変わろうという意思があってよかった。」
「みんなにメイワクかけて、スーチャンがこれ以上苦しむのはイヤクマ。ラゾクはスキだけど、スーチャンを困らせるのはイヤクマ。だから、クマは適度にクマ自身やスーチャンのストレスを発散するためのラゾクになるクマ! クマは…スーチャンにセイキューショが送られないような行動をするクマよ! 仮に届いても、クマが払うクマ!」
「甘いぞクマ! そんな適当な裸族では裸道を極め」
「そんな人のメイワクなるような物は極めたくないクマ。クソマズイ料理は極めたくないクマ。」

悠が何かを言おうとしたが、クマはスパッと切り捨てた。しかも真顔で。

「スーチャン、あの映像…みんなで見ようクマ。クマ、その為に最後になったはずクマ。」
「ああ。…。」

昴は葉月と雪花と凪にちらりと視線を向けた。

「…鏡君、ちょっと外に行こうか。昴さん達にあんまん買ってこよ?」
「うん! わかった!」
「リリィ、昴さん達にいい紅茶を入れたいから、手伝ってくれない?」
「うん、いいよ。」
「ローズー、僕と一緒にお菓子買ってこようよー!」
「うん!」

彼女の意図を感じ取ったのか、三人は何とか純粋組を避難させる。しかも、外に。
その姿を見送った後、昴は溜息をついた。

「風花、お前、もう上がって来い。流石に打撲音聞きっぱなしは辛いだろ…。あ、映像見る事になるけどいいか?」
『すみません、打撲音や発砲音よりもそっちの映像の方がマシですうぅぅ…。』

余程怖かったのだろう…。風花が通信越しに泣いているし…。

「すぐ上がって来い。お前の精神が持つ間に…。」
『はいぃ…。』

風花が来るのを待っている間、全員で悠を見る。

「…さて、悠。これはお前のスマホだな?」
「え、何でそれを昴さんが持っているんだ?」
「裏でクマの食べたオベントーについていた物をヨースケに預けたクマ。」
「その預かったものを、休憩時間の時に昴さんに渡した。」
「そして俺が今持っているって訳。そしてクマを最後にしたのは…これを全員で見ようと思った訳だ。」
「そして、私がそれをテレビに繋げるんですね。」

ようやく風花が上がってきた。その表情はどこか疲れきっている。流石に長い間聞かせすぎたか…。

「す、昴さん、何でそれを全員で見ようと…。」
「え? わかんないか? 悠。…公開処刑に決まってんじゃねぇかよ。んじゃ、風花、頼む。」
「はい。」

昴は風花にスマホを預けた。悠はそれを奪い返そうとしているが、牡丹が蔓草を使って止めた。その間に、風花は昴が出したテレビにスマホを繋げた。

「では、再生しますね。」
「頼む。」
「え、ちょ、まっ、昴さん、待って!?」

悠が後ろで騒いでいるが、何も語らずに問答無用で再生した。

結果発表! 例の映像 本編 ( No.394 )
日時: 2015/01/04 00:05
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)

※ここからは色々と注意してください。


初めに映ったのは、笠をかぶって青い着物を着た男性のパネルがある場所だった。

「え、ここって稲羽郷土展!?」
「稲羽郷土展って…確か、風花達と出会ったヤソガミコウコウのか?」

そう、こう見えても風花達ペルソナ3のメンバーとペルソナ4のメンバーは文化祭シーズンの時にある一件で出会っている。詳しい話はネタバレ防止の為割愛するが、ここはその時出会った場所の中の一つにあるダンジョン、稲羽郷土展なのだ。

「オレ、ここ見たくなかったッス…。掘られそうになるし、あの料理は…うぷ…。」
「…完二君、あの時は本当にゴメン。」

千枝は思わず完二に謝る。理由はペルソナQをやろう。

「まぁ、ここもある意味トラウマだったからね…。私、凄くナビゲーションでよかったって思う…。」
「ここも、完二のダンジョンみたいなものだったからな…。」

死んだ目を浮かべる風花に、ゲームでやったのか、烈が苦笑を浮かべていた。
詳しくはゲームをやってほしいが…早い話が、完二のダンジョンを更に酷くした物、と言っておこう。

「でも、何でここがあるんだ?」
「最近、テレビの中に現れたクマ。あの時、ヤソガミコウコウの中にあったダンジョンがテレビの中にあったのを、フーチャンと確認したクマ。」

とにかく、映像に戻ろう。いつの間にか中に入っていたようだ。しかも、一番熱気のある第四夜だ。そこで、ズビシッ! とかビシィッ! といった殴り合っている音が聞こえる。

「うおぉぉぉぉっ!」
『うおぉぉぉぉっ!』

次の瞬間、全裸の悠と、紅い体をした筋肉質の男が映った瞬間、由梨がずっこけ、ノームが笑い出した。

『な、何だあれ! アハハハハハッ! 何やってんだよイフリート! アハハハハハハッ!!』
「うるせぇ笑うなノーム!! ったくっ、何やってんだよアイツ!!」
「い、イフリートって、由梨先輩の契約した精霊の一体だよな…。」
「ああそうだよ! アレがアタシの精霊だよ畜生!!」

あ、やばい、男…イフリートが出た瞬間由梨がブチ切れた。
ちなみに誰の影響かわかりませんが、由梨の契約する炎の精霊イフリートはなんと裸族であり、ここにいる七海の契約する精霊ノームはギャグカオス組なのである。

「」
「ちょ、ピーチさん!? キノじいさんも気絶してますわ!」
「あー、流石にあの映像にはショッキングだったな…。氷海の親父さん、ちとすまねぇけど、運んでくれ…。」
「わ、わかった…。気分が悪くなったらいつでも来てくれ…。」

気絶したピーチとキノじいを、氷海の父親がそっと運んだ。

『やるじゃねぇか裸友! だがまだまだだ!』
「ああ、俺もまだまだだと感じているからな!」

しばし、殴り合いが続く。段々と映像がフレームアウトしながら。
舞台は変わり、星空の元、狭いドラム缶風呂に悠とイフリートが入っていた。

「ふぅ…殴りあった後の風呂は最高だな、裸友…。」
『おう、そうだな、裸友…。』
「うわー、見たくなかったこんな絵図。筋肉質の男が窮屈に詰められているこの図は見たくなかった。」
「酷くないか里中!」

千枝が思わず呟く。悠は反論するけど、流石に誰だってこの図は見たくない。こんな男が二人窮屈に敷き詰められている図なんて見たくない。

「さて、そろそろいいだろうか。」
『ああ、そろそろ頃合だろう、裸友…。』

そう言って二人は、月を前に立ち、空へとフレームアウトしていった。
次に映ったのは、BEMANI学園の調理室だ。

「あれ? 調理室だね。」
「次は調理工程ですね。」

アイギスの言葉通り、どうやら次はようやく調理工程に入るようだ。ん? 傍らにあるのはさっきのドラム缶…?

「まずは俺と裸友、イフリートの汗と涙の結晶! それを卵や色々なものに投入する!」
「え。」
「」

なんと、今まで幾度となく様々なところで使われ、読者にトラウマを与えてきており、フランシスの大のトラウマである裸塩を卵と鮭に振りかけた!
すみません、フランシスが固まり出したのですが。

「そして…この俺とイフリートの汗と涙の結晶である裸汁を炊飯器と鍋にイン☆ ちなみに米は裸汁で前もってといであるぞ!」
「え。」

って、さっき風呂のように入っていたドラム缶の中身を炊飯器と二つの鍋に投入したではないか! しかも米をそれで洗ったと言っていなかったか!? これには全員「え。」と固まるしか出来ない。

「卵スープにも出汁と裸汁と裸塩を入れて、っと。よし、裸汁卵スープの完成だ!」
「」

全員、ツッコミを放棄しました。もうこの後は嫌な予感しかしない…。

「裸汁で煮た肉じゃがも完成、更に裸汁で炊いた五目御飯のおにぎりを加えれば…はい、これで特性の裸汁弁当、完成だ!」
「おぼろしゃあぁぁぁぁっ!!」

ドヤ顔で言う悠の映像の前で、クマとフランシスが虹色エフェクトのものを吐き出してしまったー!
そう、クマが食べたあのお弁当は、イフリートと悠の汗や垢を流した残り湯と、あの裸塩で作られていたのだ! 流石にこれにはクマも嘔吐し、トラウマを再度掘り起こされたフランシスも吐いてしまった…。他のみんなは吐きはしなかったが、引いていた。完全に引いていた。風花なんか口元押さえてるし…。

「風雅、完二、クマ'sを医務室につれてってやれ…。」
「ウッス…。クマ、立てっか?」
「フランシス、大丈夫…?」

ふらふらとしているクマ達を、風雅と完二が連れて行ってあげた…。


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