二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 一冊目
- 日時: 2015/05/12 18:40
- 名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。
基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。
とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。
それでは、よろしくお願いします。
※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。
昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。
そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。
色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。
昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。
私
—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。
昴
「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」
5/12 最終更新
『目次』
☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186
〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43
〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671
〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848
〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました
☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506
☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585
☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835
☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276
☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589
〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319
〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888
☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649
☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!
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- 結果発表と例のアレ その一 ( No.35 )
- 日時: 2014/09/05 21:29
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
昴達が集中治療室(ただの空き部屋)に入ってから、数時間が経とうとしていた。
しかし昴達の目は覚める気配がなく、余談を許さない状態が続いていた。
「早くりゅーとさんからのネクタルと石を! YUMAさんからの回復薬も! 理音さんからの物資も口に突っ込んで飲ませて! 理乃ちゃん、回復魔法は」
「もうみんな魔力精神力底をつきそうな勢いでやってます! あぁーっ、もうっ! ほんとどんな危険物作ってんのよあの馬鹿!」
『皆さんの意識レベル、低下と上昇を繰り返しています!』
「効いてるのか効いてねぇのかわかんねぇなおい!」
氷海の父親と理乃が慌ただしく叫ぶ中、風花の通信に由梨がぼやく。
「あ、こら、パステルくん、だめだろー…人の石持ってっちゃー…。」
「あー、せっかくつんだのにー…。」
「こらこら、なかよくいしをピラミッドのかたちにせんかー…。」
「へへーん…はやいものがちだよー…。」
「にゃぐー…。」
何かをぶつぶつ、寝言のように言う昴達。
「あれ、コレもしかして…。」
『さっ、賽の河原まで行ってますうぅぅぅっ!』
「しかも何でいつぞやのBE生みたく積んでんだよ! あと栗箱さんみたいに奪うなパステルくん!」
由梨のツッコミは届いていないだろうが、言わなければ気がすまない。
「あ、そだ。りゅーとさんからもう一個届いてた。」
「何だ、雪子!」
「えっとね、紙によると、鎌鼬の毒だって。何か、注射すると抗体を作るって。毒も分解してくれるみたいだけど…。」
「あの毒に効くのかな…?」
不安そうな理乃だが、使ってみるしか手がない。
「あ、暫く無気力状態になっちゃうらしいけど…。」
「死ぬよりマシだーっ!」
食あたり専門チームは素早く注射器をどこからか取りだし、毒を昴達に入れた。
…毒を以て毒を制す…。あ、うまい事言った気がする。
「なんかね、その抗体を今後の研究に使ってって書いてある。」
「理乃、あとでコレをマッドサイエンティスト共に届けろ。ついでにあの馬鹿が作ったモノも。」
「了解よ。あと、私とルートさんで解析もするわ。」
次々にその後の対応をとる理乃達に、もう誰も何も言わなかった。
■
所変わって、神殿のリビング。ここに全員集まっていた。
「…昴さん達がああだと難しそうですね。審査結果の発表は後日にする事を提案します。」
「ああ、それがいいかも知れねぇな…。」
「今日はオレら帰った方がいいだろうな…。夜も遅くなってきたし…。」
ちらりと、完二が外を見ると、もう日が落ちそうで、寮組は早く帰らないと閉め出されそうだ。
「…まぁ、昴さん達ならきっと大丈夫だよー。僕らも見てるしー。由梨さん達はここに泊めるねー。あ、アイギスさんと風花さんもー。」
「となると、先輩達の外泊届けを書いた方がいいでしょうね。」
「えーっと、外泊届けを書くのは雪子と理乃ちゃんと由梨ちゃんとクマ君か。花村、クマ君の頼んでいい?」
「おう、クマ吉のは書いとくわ。」
さらっと悠がいないものにされているが、誰も気に留めない。
昴達の容態は心配だが、ひとまずこの場は解散となった。
- 結果発表と例のアレ その二 ( No.36 )
- 日時: 2014/09/05 21:34
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
そして翌日…。
「」
昴、ジョーカー、パステルくん、にゃぐわが机に突っ伏してぐったりしていた。
今頃烈も別室でぐったりしているだろう。
「なんとか助かってよかったねー…。」
『十時間にも及ぶ大手術だったようだ。みんなほぼ徹夜で頑張っていた。…一命は取り留めたが、鎌鼬の毒の効果で神は進行するのが難しい。鏡、凪。お前達が進めてくれ。』
「りょーかーい。」
「わかった。じゃあまずは五の人からだね!」
鏡は進行表を取りだし、パラパラとめくった。
「えーっと、三番と六番と七番だね! 紅、完二と風雅呼んできて。」
『分かった。』
紅は羽ばたき、男子が待機する場所に向かう。
「じゃー、三番、六番、七番。上がってきてー。」
凪の声が、スピーカーを通じて響き渡った。
■
上がってきたのは、理乃、鈴花、由梨だった。
「うーん、やっぱりって人達ばっかだねー。完二は理乃さんにー。風雅は鈴花に渡してー。」
「りょーかい。」
「分かった。」
そして言われた通りに完二は理乃に、風雅は鈴花に結果を手渡した。
「センパイ、スゲー美味かったッス!」
「ふふっ、ありがとうございます、巽さん。」
「今度オレにもあのマーボカレーのレシピ、譲ってほしいッス!」
「…レシピを渡すのは簡単ですが、作るのは結構難しいのです。…厳しくなりますよ?」
「覚悟の上ッスよ!」
理乃は怪しげに笑みを浮かべる。完二はそれに一瞬怯むも、やる気を見せた。
「はい、鈴花。美味しかったよ。」
「…。」
鈴花は風雅から黙って用紙を受けとる。どこか不満そうな表情で。
(風雅君より完二に食べてもらいたかったなぁ…。まぁ、完二がゲテモノ食べなくてよかったって思うし、理乃センパイの食べられて羨ましいけど…。)
「…鈴花? 鈴花ー。」
「…完二に食べてもらいたかったな…。私の渾身の力作…。」
(…僕は、こういう意味で運が悪かったのかな…?)
空気の読めない運に、風雅は鈴花に申し訳無くなった。美味しい料理を食べられたはずなのに、何だか自分の凶運を呪いたくなった。
「風雅、結局は運がなかったんだねー。」
「みたいだな…。」
横にいた凪と由梨は思わず風雅に同情してしまった。
「あ、そうだ。はい、由梨さん、美味しかったよー。」
「さんきゅ。本当は出汁を一から取って美味いものを食わせてやりたかったが…。」
「じゅーぶんおいしかったー。今度また作ってよー。」
「お望みとありゃいくらでも。」
横は険悪な感じなのに、こちらはすんなりと会話が終わった。
「鈴花ー、そろそろ機嫌直してー。完二には後で作ってあげなー?」
「…。」
「なーんだ、オレに当たらなかったからって不機嫌になってたのか。鈴花、後で美味いものを期待するから、機嫌直せよ、なっ?」
「…うん。」
完二が鈴花の頭をポンポンと撫でた事で、鈴花の機嫌は少し直ったようだ。
「ありがと、完二…。」
「いいって事よ。」
風雅の礼に、完二は何とでもない風に答えた。
「次はー…四の評価はいないから、三だねー。」
「三の評価は四番だけだね。紅、リリィを呼んできて。後でクーから貰ったお豆あげるから。」
『行ってくる。』
紅は素早く飛んでいく。恋猫の料理に釣られるとは…。
「あははー、紅ったらー。じゃー、四番、もとい直斗ー。上がってきてー。」
「ちょっとこら凪、名前で呼ぶなよ。」
番号ではなく名前を呼び、思わずツッコミをいれたくなった由梨だった。
- 結果発表と例のアレ その三 ( No.37 )
- 日時: 2014/09/05 21:38
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
二階に上がってきたのは、やはりというか案の定というか、直斗だった。
「な、何で僕が四番だって分かったんですか、凪君…。」
「えー? …愛の力ー?」
「あ、愛!?」
直斗の顔が一瞬で真っ赤になった。茹で蛸状態だ。
「…。」
リリィはじっと、直斗を見る。
「あ、す、すみません、リリィさん。結果を…。」
「らーぶらーぶ。」
「…えっ?」
ポツリと呟かれたリリィの言葉に、直斗はちょっとだけ驚いた。
「らーぶらーぶ。らーぶらーぶ。直斗さん、凪君とらーぶらーぶ。」
「あ、あの、リリィさん!?」
「…愛の力。らーぶらーぶの力。…凪君と直斗さん、らーぶらーぶ。」
リリィがらーぶらーぶと言う度に、直斗の顔が赤くなり、後ずさる。リリィも追撃し、らーぶらーぶと言いながら迫る。
「…リリィ、いい標的見つけちまったようだな…。」
「もっ、もう止めて下さいリリィさん!」
「らーぶらーぶ。」
「らーぶらーぶ。」
「何で鈴花さんまで加わっているんですか! アレですか!? 僕の周りは敵だらけですかぁっ!?」
追撃に鈴花も加わり、暫くらーぶらーぶ合戦が続いた…。
■
数分後、埒が明かないので由梨が止め、結果を渡す事に。
「はい、直斗さん。美味しかった。」
「ありがとうございます。…また、三ですか…。」
前回と同じ結果に、溜息をつく直斗。成長していないとでも思ったのだろうか。
「あんまり気を落とすなよ、直斗。オメーはまだ自信が持ててないだけだろ?」
「巽君…。」
「そうだよ直斗君! 私が見た感じだけど、前回よりもアレンジを加えようとしているの、分かったよ!」
「でも、僕が出来たのは野菜炒めを盛るくらいでした…。」
「…それでも、立派な前進だ。誇っていいと思うけどな、直斗…。」
のっそりと起きながら、昴がそう言う。
「そうだよ…。あと…直斗はもっと、失敗していいと思う…。」
パステルくんも、のっそりと起き上がってそう笑顔で言った。
「失敗を…? リリィさんの個人評価にも書かれていますが…。」
「そうだな。失敗から生まれる料理もあるし。」
「失敗は成功の元とも言いますからね。誰しも、最初から成功する訳ありません。失敗を生かし、工夫をする事で、成功が生まれますから。料理も、何もかも。」
由梨や理乃の言葉に説得力を感じたのか、直斗は頷いた。
「…僕、沢山失敗します。失敗して失敗して…いつか成功させて、凪君に美味しいって言って貰うんだ!」
力説する直斗。その目は決意に満ち溢れていた。愛する人に美味しい自分の手料理を食べてほしい。そう思っていた。
「…。」
だが…それは、
「らーぶらーぶ。」
「らーぶらーぶ。」
「うわあぁんっ!」
先程の繰り返しを生む言葉だった…。
- 結果発表と例のアレ その四 ( No.38 )
- 日時: 2014/09/05 21:45
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
とにもかくにも、由梨と理乃でその場を宥めてから、評価二の人々を呼ぶ事に。
「やっと何かぼーっとするのが消えてきたから、俺がやるよ。」
「大丈夫なの? すーさん…。」
進行をこのまま自分達に任せてもいいのに、と思う鏡だが、昴は首を縦に振った。
「体は本調子じゃないけど、本来ならこれ、俺の仕事だしな。鏡と凪はサポート頼む。」
「…うん。」
鏡は昴に撫でられ、満足したのか笑顔で答えた。
「さて…二の評価は、五番、九番、十一番か。紅、悪いが悠と陽介とフランシスを呼んでくれ。」
『ああ、構わない。』
紅は三度、翼を羽ばたかせて飛んでいった。
「何か惜しいってだけだし、こいつらには特別説教とかしなくていいかな。五番、九番、十一番。上がってこい。」
昴はマイクに向け、そう言った。
■
「まぁ、ここも割と当然な奴等の集まりか。」
目の前には、雪花、千枝、氷海。
その三人の前には、悠、陽介、フランシスが並んでいた。
「…花村。また、あたしの食べたの?」
「あー、うん、まぁ…。ほら、紙。」
陽介は少し恥ずかしそうに用紙を渡した。
「…二…。」
「け、けどさ、その…い、今までお前が作ったどんな料理よりも…美味かった。麺、伸びてなきゃ…美味い評価、出てたんじゃねぇの?」
「は、花村…!」
「…あ、あのさ、今度…弁当、作ってくれないかな? 期待、してっから、さ。」
「! う、うん!」
千枝は顔を真っ赤にしながら、だけど笑顔で頷いた。
「フッ…。青春だな。」
「…私もいつか、烈とあんな風になりたい…。」
そんな二人を見た氷海は、ポツリと呟いた。
フランシスは少し笑顔を浮かべ、氷海に評価が書かれた用紙を渡した。
「氷海、お前もいつかきっとなれるさ。だが、まずは料理の腕を磨け。」
「うっ…。」
「烈に養ってもらうつもりではないだろう? だからまずは家事を一通りこなせるようになれ。」
「…が、頑張るわ…。うぅぅ…。くすん…。」
氷海は用紙を持ったまま、しょんぼりと項垂れてしまった。
フランシスは黙って、氷海の肩ににポンッ、と手を置いた。
「…二…。はぁ…。」
「気を落とすな、雪花。」
悠から用紙を受け取り、溜息をついた雪花に彼は励ますように言った。
「でも…こんな腕じゃ、まだまだ昴さんの役に立てないわ…。」
「そんな事ないさ。雪花はもう少し頑張れば上手くなる。良かったら俺が手取り足取り」
悠が何かを言おうとした時、横にいた陽介と千枝が急にどこからか取り出したハンディカラオケを持った。
流れ出した曲は、TAG×PONのPUNISHERだ。何かいきなりサビだし。
「醒めること無い夢ならば ボクの良い様にやらせてよ」
急に何だ? と思う一同だが、次の瞬間、理解できた。
「女誑しの変態に 怒り湛えた制裁をぶちかませ!」
「ヘブゥッ!」
一部、替え歌をし、そしてゴスゥッ! と盛大な音が聞こえた後、悠が沈み、陽介と千枝はマイクを切った。
「相棒、自重しろ。」
「鳴上君、自重して。」
陽介の拳と、千枝の踵落としが悠の頭に直撃したようだ。
「…。」
雪花は黙ってそれを見た。見るしかできなかった。
「さて、三人はこれからに期待できるから、これ以上俺から言う事はない。大切な奴の為にその腕を磨け。」
「うん!」
「はい!」
昴が言うと、三人はいい返事をして頷いた。
氷海は烈の為に、千枝は陽介の為に、雪花は昴達の為に腕を磨けば、きっと美味しくなるだろう。
「…さて、と。次は…ん?」
次に行く前に、ブン、ブンと何かが空を切るような音が聞こえ、昴はそっと音の出所である背後を向き、すぐに視線を戻した。
「…ね、ねぇ、昴さん。今後ろでパステルくんが…。」
「鈴花、言うな。気にするな。何も見なかった事にしろ。」
同じように後ろを見た鈴花が昴に何かを言うも、昴がそう言うので気にしない事にした。勿論、他に見た人も。
「…。」
今、その後ろでは、パステルくんが愛用のスパナをブン、ブンと素振りしていたのだ…。
この時、前回出ていた人と、林間学校の翌日にパステルくんのオシオキを見守った由梨は直感した。
パステルくんは今、“くんさん様モード”である事。そして、“あの、恐怖のオシオキが来る。”と…。
「と、とにかく次呼ぶぞ。残り五人、上がってこい。紅、これでお使いは最後だ。地獄を見た奴等を呼んでこい。烈は…自力で歩く事が無理そうなら、車椅子が男子の待機部屋にあるから、セシルに乗せてもらってクマに引っ張ってきてもらえ。」
『う、うむ。』
紅は頷いてから、羽ばたいて飛んでいった。
「…。」
次は、キュッ、キュッ、と、何かを磨く音が聞こえる。
そろー…っと全員が見ると、パステルくんが、あのモノクマスイッチを磨いていた…。
「…。」
全員、そっと、パステルくんから視線を外した…。
- 結果発表と例のアレ その五 ( No.39 )
- 日時: 2014/09/05 21:50
- 名前: 奏月 昴 (ID: WpxyeKoh)
上がってきたのは、一番の葉月、二番の牡丹、八番のりせ、十番の雪子、そして、トリの七海だった。
「…。」
彼女らの料理を食わされたローズ、鏡、セシル、クマ、そして車椅子に乗ったままの烈が、笑顔を浮かべていた。…え? 目? 笑ってないよ? 特に鏡とセシルと烈。
「うん、まずはそれぞれ食った奴に渡して貰おうか。」
「ああ。」
全員、女子に紙を渡す。
「…やっぱり…。」
「えっ、また一ですの?」
「頑張ったのになー…。」
「私も今回は自信あったのに…。」
「ぶー。」
が、結果の散々さを容易に受け入れてくれなかったようだ。葉月以外は。
「葉月。」
「うん、分かってる…。瓦礫、痛かったでしょ…?」
「作り直すって手もあっただろー? 野菜も焦げてたし。」
「…作り直してもよかったけど、時間がなかったの…。だから、せめて瓦礫を取り除こうとしたんだけど…。」
「…まぁ、自覚がある分まだいい方だよなー。他は…。」
反省している葉月から、ローズは視線を逸らす。見つめる先は、喧騒が起きていた。
「体にいいかと思っていれたのですが、何だか字が読み辛くなっていますわね…。もっと入れた方が宜しかったかしら?」
「…ねぇ、牡丹。漢方も薬なんだよ? 薬は用法用量を正しく使わなきゃダメなんだよ?」
「漢方は副作用のない薬ではありませんの?」
「副作用のない薬なんてないよ。というかさ、薬の知識がないのに薬を使わないでよ。そもそも料理に薬を使わないで。燃やすよ?」
(鏡、抑えろ。ガチで怖い。)
(鏡、焔出てるぞ!?)
きょとんとしている牡丹に、鏡が容赦なく言い放つ。普段は穏和な鏡も、流石に死にかけたらキレる。
鏡、焔出てます。怖いです。昴と紅が怯えてます。
「セシル酷い! 辛(つら)いって何!?」
「は?」
「だから辛いって」
「は?」
(こ、怖い怖い怖い!)
(あんなセシル我も見た事ないんだが!?)
物凄い剣幕で怒鳴り付けるりせを、セシルは擬人化済みの端整な顔立ちに青筋を立て、「は?」の一言で一蹴する。
そんなセシルに、氷海は元より、一緒に長い事いるジョーカーも怯えてしまった。
「クマさん、味がないのはクマさんの味覚がおかしいんじゃないかな?」
「ユキチャン、それ、自分で味見してから言ってほしいクマ。クマだって怒る時は怒るクマ。」
「あ、味見は…うん、してないけど。」
「味見は大事クマ。頼むから味見してほしいクマ。」
(あーあ、クマ吉の奴、珍しく怒ってんなありゃ…。)
(雪子、クマ君に青筋立ってんの気付いてないのかな?)
ちょっと青筋立てているクマに気がついていないのか、雪子は話を続ける。
あ、後ろで陽介が溜息ついてる…。
「ねぇ、烈。零って評価、無いんじゃなかった?」
「誰かさんのせいで増やさざるを得なかったんだよ。」
「誰かって誰よ? 葉月とか破壊魔?」
「お前ぶっ飛ばされてぇか?」
「葉月先輩も由梨先輩も関係ねぇし。テメェのせいだよ馬鹿七海。」
(れ、烈君は決して先輩とか外さないのに…!)
(馬鹿までつけちゃった…! あれは相当怒ってるよ!)
タメ語だが、先輩を呼ぶ時は確かに先輩とつけていた。だがそれを外し、かつ馬鹿とつける程ぶちギレていた。能力を出さないだけまだ偉いが、怖い。
鈴花と風雅も、これには怯えてしまう。
「ローズ、ごめんね…ガリガリなの食べさせちゃって…。」
「葉月はキッチンに入らない方がいいよ。うん。でもゲテモノよりはましかなー…。」
「正しい量以上入れても効果が薄いと思いますわ。」
「死ぬよりましだよ!」
「だから何で痛いし辛いの!?」
「ご自分でお食べになったらいかがですか?」
「味見しておかしかったら、また作り直しは勿体ないよ?」
「だったら普通に作ってほしかったクマ。」
「あれ? そういや烈は何で車椅子?」
「今更? あと誰のせいでこうなったと思うわけ?」
ギャンギャン言い合いになる八人と、しょんぼりする葉月を慰めるローズ。
しばらくそんな状態が続き…。
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