二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 一冊目
- 日時: 2015/05/12 18:40
- 名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。
基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。
とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。
それでは、よろしくお願いします。
※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。
昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。
そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。
色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。
昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。
私
—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。
昴
「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」
5/12 最終更新
『目次』
☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186
〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43
〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671
〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848
〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました
☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506
☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585
☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835
☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276
☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589
〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319
〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888
☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649
☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!
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- 氷雪の女王 その三 ( No.565 )
- 日時: 2015/01/22 21:47
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: F1jZpOj6)
シャドウと戦いながらも、一同は奥へと進む。
「…! 待って!」
大きな扉の前に辿り着いた時、りせがヒミコを呼び出し、サーチを始めた。
「この先、強い力を感じる。もしかしたら、氷海ちゃんのシャドウかも…!」
「…みんな、心してかかれ。」
取っ手を握った悠の言葉に、全員頷く。
そして、悠は勢いよく扉を開いた。
『あらあら、またいらして下さったのですか?』
「好きで来た訳ではありません。…烈君を連れていないようですが、彼をどうしたんですか?」
直斗が問いかけると、氷海はクスッ、と笑った。
『烈なら、奥で眠っているわ。…邪魔も入らなさそうだし、寝込みを襲って、烈とここじゃ言えないような大人の行為をしてもよかったのだけれど…。するなら起きている状態でゆっくり、って考えて…やめたわ。』
想像しているのか、ウットリとした様子で語る氷海。その色っぽい仕草に、男性陣はまたも生唾を飲み、完二は鼻を押さえる。
「(あたしと言うのがいながら…アイツーっ!)…花村、後でどーん!一回追加。」
「ひぃっ!? ゴメンナサイ!」
流石に千枝の怒りを感じ取ったのか、陽介は元に戻り、彼女に全力で謝罪した。
「烈君が奥にいるのはわかりました。では、すぐにそこを退いていただけませんか?」
『焦らないの、直斗。私の鑑定は、終わっていないわ。』
そう言って直斗の目の前に、鏡を出し、眺めた。
「!?」
直斗は思わず胸を庇うように体を抱える。
『心を隠そうとしても無駄よ。…あら、やはり凪の事を好きなのね。素直になれないのは意地かしら。』
「っ、意地なんかじゃ…!」
『それに…ウフフ、直斗もやはり女なのね…。凪と結婚して、楽しい生活を思い描いているわ…。あら、今すぐにでも凪と』
「あっ…! う、うわあぁぁっ! それ以上は見ないでっ!」
顔を赤くし、踞った直斗を、氷海はクスクスと笑う。
『探偵王子も、本当は女の子。それくらい欲望があっても構わないじゃない。何を躊躇い、遠慮するの?』
「氷海さんだってわかっているはずですよっ! そんな欲望を持っているって知られたら、嫌われてしまうかも知れない…それがっ、怖いんですよっ!」
直斗の言葉に、氷海は先程までの笑顔から一転、氷のような表情を浮かべ、直斗を蔑むように見た。
『確かにそれは怖い。だけど、言わないと何も始まらないわ。怖いから、今自分が抱えている思いを、相手に告げずに逃げるだけ。…それじゃ、何も変わらないわ。変わる訳がない。告げていいじゃない。打ち明けていいじゃない。何かが変わってしまうのは当たり前よ。だって、ただの“友達”や“仲間”から、特別な“恋人”になるのだから。』
「あ…。」
『凪には、貴方と“恋人”になる覚悟はあると思うわ。だけど、何も変わらないのは…今の貴方に、思いを告げる勇気がないからよ。』
そう、冷たく言い放った後、鏡を手元に戻し、笑顔を浮かべた。
『さぁ、次は誰を占おうかしら…。』
じぃっ、と一同を見回し、目を付けたのは…。
『…特に興味もないし、結果は何となく予測が付くけれど…悠先輩にしましょうか。』
「何か酷い言い草じゃないか!?」
興味なさそうに、渋々鏡を悠の前に出し、眺める氷海に、思わず言い放つ悠。
『…あらあら、これは、その…酷い、わ…。』
「えっ、どれどれ?」
興味を持ったのか、氷海の横から覗き込むりせ。覗き込んだ後、何と言い表していいか分からない表情を浮かべた。アイドルとしては浮かべていけない顔だ。
「うわぁ…あい先輩に綾音ちゃんと二股かけてるくせに、まだ狙うの?」
『昴さんに私に鈴花に雪花に…。転校して来たばかりの葉月先輩に由梨先輩に理乃先輩まで…。あら、セシルにまだ幼そうなリリィまで狙っているわ。盛んねー。まぁ、誰もフラグを立てようとはしていないみたいだけれど。』
「いや、いつかきっと俺の魅力に気がついてハーレム状態になるはずだ!」
「…。」
直斗に寄り添っていた千枝はゆっくりと立ち上がり、そして…。
「女の敵いぃぃぃっ!」
「ぎゃあぁぁぁぁっ!」
悠の背中から、どーん!をかました。哀れ、悠は屋敷の壁まで吹き飛ばされ、そのままずるずると落ちた。
『ちょっと、流石にこれは粛清しないと気がすまないわ。』
そう言って氷海は指を鳴らした。
すると、椅子に座った紫色のシャドウ、解放のマリアが現れた。
いつもなら悠達より少し大きいサイズなのだが…。
「な、何これ…! 何か、変だよ!? 大きさもそうだけど…。」
遥かに、大きかった。自分達が知るサイズよりも、遥かに。この部屋を埋め尽くす程はないが、それぐらい大きい。
だが、りせによれば、それ以外にも変なところがあるらしい。
「アナライズ情報が消えてる! もしかしたら、私達が戦った解放のマリアとは別物なのかも!」
『さぁ、どうかしらね…。』
氷海はクスクス笑いながら、消えていった。
「くそっ! ここに来て強敵登場ってか!?」
「花村センパイ! 右に避けてっ!」
「!」
りせの指示に従い、陽介はすぐに右に避ける。
直後、陽介のいる地面が凍りついた。
「うえ…! おい、りせ! あいつ確か…!」
「うん、ブフ系はない筈…!」
「とにかく、みんな、構えろ! とっとと切り抜けて烈と氷海ちゃんの所に急ぐぞ!」
「おう!」
全員、陽介の指示で戦闘体勢をとった。
- 氷雪の女王 その四 ( No.566 )
- 日時: 2015/01/22 22:15
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: F1jZpOj6)
先制したのは、素早さの高い陽介だった。
「スサノオ! 試しに【ガルダイン】だ!」
陽介はスサノオを召喚し、【ガルダイン】を放つよう命じる。すぐにスサノオはそれを実行し、風を放った。
「花村センパイ! 普通に効いてるだけ! 無効化とか反射とかもしないみたい!」
「了解! ガル系は駄目か…! 確かこいつの本来の弱点って…!」
「アギ系だけど、雪子センパイは耐性までだから、ちょっと賭けになるかも…! 悠センパ…いやいや、あの女の敵が起きていれば、何とかなったけど…!」
「でも、恐れていちゃ始まらないよ!」
りせの言い直しを無視し、雪子は臆する事無く、コノハナサクヤを召喚し、【アギダイン】を放った。
すると、解放のマリアは怯んだ。
「うん! 効いた! 火炎の弱点は変わってない!」
「よしっ、総攻撃チャンス! さぁ、行くよ! 花村君!」
悠が先程の千枝の一撃で倒れてしまった為、総攻撃の許可を陽介に取った。
「ああ、行くぜ! みんな!」
「おう!」
全員、解放のマリアに向かって走っていく。
『!』
「あ、うわっ!」
だが、解放のマリアは怯んでいても体力はまだ残っており、全員弾き飛ばされてしまった。
「くそっ! りせんとこのダンジョンで出てきたのとは桁違いかよ!」
「でも、弱点はあんまり変わってないと思う! あ…だけど、ボスクラスの強さを持つなら、光属性の弱点は消えてるかも…!」
「でも、試しに放ってみても損はないですよね。」
直斗は舞い降りてきた運命のカードに、ブラックホールの銃口を当てた。
「直斗君!? だ、大丈夫なの!?」
「僕には耐性があるので、跳ね返っても恐らく平気です。スクナヒコナ! 試しに【マハンマオン】だ!」
スクナヒコナは直斗の声に答え、すぐに辺りに光を展開させ、お札を散らせた。
だが、解放のマリアは悠然と佇んでいる。特に効いていないみたいだ。
「光、まったく効いてない! 他のボスシャドウと同じく、無効みたい!」
「よしっ、それだけ分かれば十分だ! 天城は【アギダイン】でダウンを狙え! 里中と完二は物理スキル! クマは補助と回復を頼む! 直斗はちとコストわりぃが、【コンセントレイト】からの【メギドラオン】で攻撃しろ! ダウンが取れたら、全員総攻撃だ!」
「了解!」
陽介の指示に、全員頷いて従う。まるでリーダーのような振る舞いに、りせは少し、驚いていた。
(花村センパイ、何だか頼もしい…。色々相談に乗ってくれた烈が攫われて、どっかふっ切れてしっかりしたのかな? …正直、女の敵よりも指示は的確かも。もうリーダー交代しちゃってもいいんじゃないかな。)
などと考えながら、注意深くサーチを続けた。
そんな折、【チャージ】からの千枝が【アグネヤストラ】、完二が【イノセントタック】を放つ。解放のマリアはよろけたが、ダウンをとるまでは行かなかったようだ。
「千枝センパイ、完二! 物理、特になしだよ! そのまま続けちゃって!」
「了解!」
「おうよ!」
千枝と完二が返したすぐ後、解放のマリアは完二を見つめていた事にりせは気がつく。
すると、冷たい冷気が高まるのを感じた。
「完二! そっちに【ブフダイン】が来る!」
「何ぃっ!?」
「完二君、あたしの後ろに!」
スズカゴンゲンになってから、自分は氷結属性を無効化する事が出来るようになった千枝は、完二を後ろに庇った。
直後、特大の【ブフダイン】がやってきた。
「氷結なら効かな」
千枝の言葉を遮るかのように、彼女の体が凍りついた。
「(えっ…!?)うあっ、きゃっ!」
氷はすぐに割れ、その衝撃で完二の元まで飛ばされた。
「千枝!?」
「里中!?」
「うおっと! 里中センパイ!? だっ、大丈夫ッスか!?」
千枝を受け止めた完二は、すぐに彼女を心配する。少し凍傷が出来ているが、何とか無事のようだ。
「いったー…! 何で…!? スズカになってから、氷結が無効になった筈なのに…! それに、【氷結ガードキル】なんかも使われてなかった筈!」
氷結属性が無効であり、尚且つその無効を打ち消す魔法も放たれなかった筈なのに、こうしてダメージを受けている事に疑問を持った千枝は、痛みに呻きながらも考えを巡らせた。
「…! わかった、それだよ、千枝センパイ!」
「へ?」
「更にサーチしてみて分かったんだけど、こいつ、常に【氷結ガードキル】をみんなにしてるみたいなの!」
「ど、どういう事だよ、りせ!」
りせの放った一言に、完二は首を傾げてしまった。
「女の敵のペルソナが覚える【マハ〜オート】とかと性能は一緒のものが、永続的に展開されてるみたいなの! 敢えて名づけるなら【マハ氷結ガードキルオート】みたいな感じかな。」
「どんだけチートスキルだよ! とにかく、クマ、里中! お前らもブフ系の魔法に気をつけておけ! 天城は言わずもがなだ! 天城が危なさそうだったら…そうだな、クマ、お前が庇え! そこそこ魔法の方の耐性があっからな!」
「了解クマ!」
「作戦は変えねぇ! さっきの指示通り動いてくれ!」
作戦の変更をせずに、再び立ち向かう陽介達。
「ダウン狙い行くよ! コノハナサクヤ!」
再びコノハナサクヤを呼び出し、【アギダイン】を頼む。
そして再びダウンを取り、陽介を見た。
「このチャンス、逃がさない!」
「行くぞ、総攻撃だ!」
「ダメージは減ってるけど、まだまだ元気っぽいよ! 油断しないでね! みんな、準備オッケー?」
「おう!」
りせの掛け声と共に、全員再び解放のマリアへと向かっていく。
「いっけー! ボコボコにしちゃえーっ!」
アイドルの声援が力になったのか、先程よりもダメージを多く与えられた気がした。
だが、まだ立ち上がる力はあるようだ。
「多分、後一回くらいで倒れるかも!」
「それなら、僕が!」
直斗はスクナヒコナを召喚し、解放のマリアを睨み付けた。
「【メギドラオン】!」
いつもより強めの力が、解放のマリアを襲った。どうやら【メギドラオン】を放つ前に、前もって【コンセントレイト】をかけていたようだ。
直斗の攻撃で、解放のマリアは消失した。
「力付くはあんまり好きじゃないんだけど…氷海さんと烈君の為に、そこを退いてもらいます。」
拳銃をクルリと回し、ホルスターに収めながら、直斗は一息ついた。
「よし、行こう、みんな。きっともうすぐ最深部だ。」
「おう!」
陽介の号令に、全員頷いた。
■
「…ところで、センセイ、あのままでいいクマか?」
「あ。」
…途中、悠を忘れていた事に気が付き、戻ったのは内密に…。
- 氷雪の女王 その五 ( No.567 )
- 日時: 2015/01/22 22:21
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: F1jZpOj6)
シャドウを倒しながら階段を上がっていくと、やがて、一際開けた場所に出る。
そこは、屋敷の屋上なのか、青空が見える。もっとも、霧が濃くて、綺麗な青空かどうかは分からなかったが。
そして視線を移すと、美しい氷の橋があり、その先に塔のような建物が見える。
「綺麗…。」
「菜々子ちゃんとこと、どっこいぐらいな綺麗さだな…。」
あまりにも美しいその場所に、息を呑む一同。
「…! みんな、この先、ヒーチャンとレツがいるクマ!」
そんな折、鼻をヒクつかせてこの辺りをサーチしていたクマが、一同にそう言った。
「何だって!?」
「クマの言う通りだよ。この先…この橋を渡った先にある部屋に、烈達はいる。多分、氷海ちゃんのシャドウもそこにいる。」
りせのサーチも加わり、信憑性が増した一同は、橋の先にある塔に向き直った。
「行くぞ、みんな!」
「…。」
悠の号令には、誰も答えない。
「…行こうぜ、みんな。烈と氷海ちゃんを助け出して、理乃ちゃん達が待つあの寮に帰って、うんまい飯をたらふく食おうぜ!」
「おう!」
だが、その後に放たれた陽介の言葉には、全員答えた。
哀れ、悠はその場でがっくりとうなだれてしまった。
「相棒ー! 置いてくぞー!」
「待ってくれ陽介ー!」
だがそんな暇を陽介から貰えず、泣く泣く先へと急ぐ事になった。
そして氷の橋を渡りきり、扉を潜る。
部屋の中は美しい氷のような傷一つない壁があり、先の方には赤い絨毯の敷かれた階段が見え、その上部にベッドが見える。
「…! 氷海ちゃん! 烈!」
「烈君! 氷海ちゃん!」
階段の下に氷海が寝転んでおり、ベッドの上では寝息を立てる烈に氷海のシャドウ…影氷海が寄り添い、膝枕をしている様子が見えた。
陽介はすぐに普段着姿の氷海に駆け寄り、容態を見る。
「おい、氷海ちゃん! しっかりしろ!」
外傷はない。ただ、気を失っているだけのようだ。
「…う…。」
陽介が揺さぶった事で、意識を取り戻したらしい氷海は、ゆっくりと目を開け、陽介を認識した。
「よう…すけ、せんぱい…? わたし…。」
「よかった、気がついたんだな…。」
氷海は陽介の助けを借り、起き上がる。そして、辺りを見回し、自分そっくりの人間に膝枕をされて眠っている烈を見付けた。
「烈!? それにあれは…誰!?」
『誰とは心外ね。』
影氷海は氷海の様子に、クスクスと笑い声を漏らす。
「烈を離して!」
『嫌よ。ようやく、烈が私の側に来てくれたんですもの。離さないわ、絶対に。』
「眠らせて、側において、それで満足なの!?」
『起きてから色々するわ。…色々、ね。』
雪子の怒声にも臆する事無く、影氷海は烈を抱きしめ、その頬に一つキスを落とした。
「…! 烈から離れて!」
それを見た氷海は、カッとなる感情を爆発させ、影氷海に向けて氷の礫を放った。
影氷海は烈を離してベッドから降り、階段を半分くらいまで素早く降り、能力を発動させて氷海の礫を相殺させた
『危ないじゃない。烈に当たったらどうするの?』
「当てないように狙ったわ。貴方だけを。」
『まぁ怖い。冷酷生徒会長のお出ましね。フフフフフッ!』
まるで氷海を嘲笑うかのように言葉を繋ぐ影氷海。
- 氷雪の女王 その六 ( No.568 )
- 日時: 2015/01/22 22:41
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: F1jZpOj6)
「…ん…。」
その高めの笑い声で目を覚ましたのか、烈はゆっくりと起き上がった。
「…!? え、ちょ、俺、何でこんな所に!? てか、そもそもここどこだ!?」
「烈、気がついたか!」
「! 陽介先輩! みんなも…!」
陽介の姿を見付け、今自分が置かれた状況を思い出せたのか、すぐにベッドから降りようと体を動かそうとするが…。
「…!? なっ…!」
足が、まったく動かなかった。原因が分からず見てみると、そこには冷たい氷に足を包まれていた。大方、影氷海がやったのだろう。
「烈! 何やってんだ! 早く降りて来い!」
「無理だ! 足が氷で包まれて動かねぇ!」
『起きたらどうせ逃げようとするだろうから、先手を打たせて貰ったわ。』
「くそっ!」
烈は焔を宿し、氷に触れた。
だが、氷は砕けるどころか、溶けもしない。
「っ、氷海の能力の方が上かよ!」
『そうよ。いくら貴方でも割る事の出来ない氷を張らせて貰ったわ。…そうしないと、ゆっくりお話も出来そうにないもの。』
影氷海は烈に近付こうと、階段を上っていった。
同時に、後ろから礫が掠めるように飛んでくる。
「烈に近付かないでって言ったでしょう!?」
『あらあら、ヤキモチ?』
クスクス笑う影氷海。彼女は烈から視線を外し、氷海を見た。
『大好きな男が誰とも知らぬ女と寝るのは嫌なのね。例えそれが自分自身でも。』
「なっ、何を言っているの!? 貴方が、私とでも言いたいの!?」
『ええ、そうよ。私は貴方。貴方は私。…烈の事を深く深く愛して、誰にも渡したくない、誰にも触れさせたくないと考えている、貴方よ。』
「冗談はやめて頂戴!」
氷海は何度も礫を飛ばし、影氷海に当てようとするが、彼女も負けじと相殺させる。
『冗談なんかじゃないわ。烈の事を深く愛し、心の奥深いところまで知ろうとし、そして…彼を独占し、烈と二人、一緒に過ごす事しか考えていない。』
「!?」
『烈がいれば、何もいらない。本当に愛した烈だけいれば、私の世界は保たれる…。答えを待つのなんか嫌。今すぐこの場所で、二人だけで…。』
影氷海が烈を見ると、途端に冷気が辺りに漂う。
「何だ、急激に寒く…!?」
烈は足元を見て驚いた。なんと、氷が急成長し、烈の体を徐々に凍らせていたのだ。
「なっ…!」
「烈!」
『私の烈に寄り付かないで!』
「きゃっ!」
影氷海は烈に近付こうとする氷海を、階段から突き飛ばした。氷海はうまく受身を取り、大した怪我はないようだ。
「氷海ちゃん!」
心配した雪子が駆け寄り、【ディアラハン】をかけてやる。
『邪魔をしないで。ようやく、烈と二人きりになれるの! 烈と二人でしたかった事がようやくできるの! 烈の“恋人”でいる事が、ようやくできるのよ!』
「烈が望まぬうちに、心の底からの“恋人”になれるわけなんかないわ!」
『なれなくてもいい。私は烈に、私を壊してほしいの! 深く深く愛して、烈の欲望のままに私を壊してほしいの! そして…! 烈に、私色に染まってほしいの! 私だけを深く愛して、私だけを見てほしいの!』
「! もうやめて!」
ずっと心に秘めた感情。恋心以上に抱いた、欲望。烈を独占したいという欲望。烈と交わりたいという欲望。邪な愛情。
それを影氷海に暴露され、氷海の中で何かが外れた。
「私はそんな事まで考えていないわ! 出鱈目な事言わないで!」
『出鱈目なんかじゃないわ!』
「出鱈目よ! それに、何が貴方は私よ! 私は、私!」
(…! やばい、このままじゃ、氷海ちゃんは自分のシャドウを否定しちまう!)
雲行きが怪しくなってきたのを感じ取ったのか、陽介は動いた。
「花村君、動かないで。」
「!? 天城!?」
それを止めたのは、雪子だった。
「天城、止めるな! このままじゃ氷海ちゃんはシャドウを」
「…いいんだよ。否定、させよう?」
「何で!?」
「完二君が言っていたじゃない。否定させて、すっきりさせてあげよう? そうじゃなきゃ、氷海ちゃんはいつまでも、シャドウを…ううん、烈君に対する深い愛情を受け入れられないと思う。」
凛とした雪子の言葉に、陽介は黙り込んだ。心のどこかで、雪子の言う通りだと、考えたのだ。
「完二君じゃないけど、私達は暴走したシャドウを倒して、氷海ちゃんを持ち上げてあげればいい。…でしょ? 完二君。」
「おう! その通りッス!」
「…わーったよ。全員、戦闘準備だ!」
「おう!」
陽介の号令で、全員武器を取り出した。
「貴方なんか、私じゃない!」
氷海の辛辣な言葉が、影氷海に刺さる。彼女が自身を否定した瞬間、影氷海は歪んだ笑みを見せ、辺りに黒い粒子が巻き起こった。
『アハハハハッ! これで私は、私よ!』
影氷海は黒い粒子を取り込み、形を変えていく。
「…! センパイ、やばい! 烈の氷が…!」
「えっ、あっ!!」
なんと、いつの間にか烈を凍らせている氷が厚くなるスピードが増し、彼を分厚い氷に閉じ込めてしまっていた。
体を動かせる程の空洞はあるのか、氷を叩いて何事かを言っているようだが、まったく聞こえない。
「烈!」
「きっと、ヒーチャンのシャドウが暴走して、力を得ちゃったから、氷も早く固まったんだクマ!」
「あんなに厚ければ、下手をすると烈君の力が通用しませんよ!?」
「…。」
雪子は原初の海を取り出し、現れていた女教皇のカードを叩き割った。すると、背後にコノハナサクヤが現れる。
「烈君の氷は、私が溶かす! みんなは氷海ちゃんのシャドウをお願い!」
「了解! 天城、烈を頼んだ!」
全員、雪子を残し、影氷海に向き直る。
『我は影…真なる我…。ようやく、烈と二人でいられるの。邪魔をするなら、本体諸共、殺してあげるわ!』
黒い粒子が晴れ、そこには影氷海が纏っていたドレスを着た、美しい氷細工の人形がいた。
その氷は分厚く、なかなか攻撃が通らなさそうだ、と陽介は思う。
「…氷海ちゃん、辛かったな。けど、烈も頑張って答えを模索してんだ。…俺達は、それを絶対に聞かせてやる。だから、絶対帰るぞ! みんなでな!」
『まぁ、生意気。…さぁ、粛清してあげるわ!』
全員、影氷海の元へと駆けていった。
戦いの火蓋は、今、切って落とされた…。
■
「…。」
ここまでを振り返り、全員黙り込んでしまった。あまりにも深すぎる、烈への恋慕。彼を閉じ込めた分厚い氷は、まさに堅牢…。誰にも渡したくない、その思いの強さゆえに、烈を閉じ込めたのだろう。
「ここまで、深かったんだな。氷海の、烈に対する思い。」
「…烈を閉じ込めておきたい、自分だけの手元においておきたい。その思いが…強すぎたんだな。だから、あんなふうに歪んでしまった。」
昴の言葉の後、全員再び沈黙した。
「次、行くぞ。」
沈黙を破った昴は、次なるページをめくった。
- 悪夢の終わり その一 ( No.569 )
- 日時: 2015/01/22 22:39
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: F1jZpOj6)
「先手必勝! スルト!」
悠は魔術師のカードを砕き、燃え盛る炎を纏った剣を持つ男、スルトを召喚した。
「【ラグナロク】!」
命令を聞き届けたスルトは、紅蓮の炎を氷海の影に浴びせた。
「りせ! 耐性は」
「花村センパイ! 火炎が弱点…みたいだけど…様子がおかしいよ! ダウンしない!」
「何で陽介に声かける!?」
完全に無視を決め込むりせに、悠は泣きかけた。
『そんな攻撃、効かないわ。』
「…マジで効いてないっぽいな、確かに。」
余裕の表情でいる氷海の影に、陽介は乾いた笑いを漏らす。
「恐らく、あの厚い氷がシャドウを守っているのでしょう。確か、僕が加入する前に似たようなシャドウと戦っていませんでしたか?」
「ああ、久保ん時か。確かにあん時は本体を守るドット勇者を倒さないと、ダウンは奪えなかったな。」
「シャドウの本体は、氷に包まれて守られてるって事?」
千枝が尋ね、りせがサーチをする。
「…うん、そうかも! 中心部から強い力を感じる。氷海ちゃんのシャドウの本体はきっとそこだね!」
『それがわかったところで何になるの? 気付いているんでしょう? この氷は…そう簡単には破壊できないと言う事を!』
氷海の影は力を溜める。りせはそれを察知し、陽介を見た。
「氷結系の大技が来るよ! 千枝センパイ以外は防御した方がいいかも! クマも耐性までだし、防御した方がいいよ!」
「みんな、身を守れ! 里中、お前はりせの側でりせと氷海ちゃんを守りつつ、次に備えて【チャージ】だ!」
「わかった!」
陽介の指示で千枝以外は守りに徹し、千枝は力を溜めた。
『食らいなさい!』
氷海の影は手を前に翳すと、無数の氷が現れて落下し、ガラスが割れるように辺り一面に弾け飛んだ。
「うわぁっ!」
その氷で体を切り、痛みが走る。思わず悲鳴をあげるも、何とか踏ん張った。
「っ、ぐっ、くうぅ…っ!」
「千枝センパイ! 体が…!(まさか…!)」
氷結属性が効かない千枝の体が傷付いている事にりせは気が付き、千枝の影でサーチを始める。
「…! やっぱり、氷海ちゃんのシャドウも【マハ氷結ガードキルオート】を持ってる!」
「それ、もーちょっと早く言って欲しかったなー…。」
千枝は切り傷だらけになりながらも、りせにそう返した。
「ご、ごめん、千枝センパイ…。」
「いーよいーよ、痛いだけだし、後でクマ君に回復してもらうから。」
りせはただ、謝るしか出来なかった。
千枝はそんなりせを、気にしていない風に笑って頭を撫でつつ、防御に徹した。
「! みんな!」
悲鳴に気がついたのか、雪子が振り替える。
遠く離れていた為、ダメージは受けていないようだ。彼女はみんなを心配し、駆け寄ろうとする。
「ユキチャン! こっちはダイジョブクマ!」
それを止めたのは、クマだった。
「でっ、でもクマさん!」
「ユキチャンはレツを助けるクマ! こっちの回復はクマに任せるクマ!」
寒さで震える体を守りながら、クマは雪子に訴える。
「レツの氷はきっと一筋縄じゃイカンクマ! ユキチャンみたいな熱い炎じゃないと無理クマ! クマ、ハナセンサーなくても何となくわかるクマ!」
「クマの言う通りだ、天城! こん中で火炎を使うのは、天城のコノハナサクヤだけだ! 回復ならクマでも、威力は弱いが俺でも完二でも出来る! だから、頼む、天城! 烈を助けてくれ!」
クマだけでなく、陽介の説得も加わり、雪子は頷いた。
「烈君助けたら、絶対そっちに行くから!」
雪子は再び烈の方へと向かう。
その眼差しはどこか熱く燃えており、陽介はどこか、頼もしく感じた。
(普段の天城とは違うな…。何か、いつもより熱ぃや。今の天城なら、アイツを助けてくれっかな。)
そんな事を思っていると、いつの間にか氷の嵐は止んでいた。
「うしっ、止んだ! クマ、回復だ!」
「了解クマ! キントキドウジ! ズバッと【メディアラハン】クマ!」
クマはキントキドウジを呼び出し、全員を癒した。
「よしっ、反撃開始だ!」
「おう!」
陽介の士気をあげる言葉に、全員気を引き締める。
「…俺の存在って、何だろうな…。」
悠の問いかけは、誰も答える事無く、虚しく響いた。
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