二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 一冊目
- 日時: 2015/05/12 18:40
- 名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。
基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。
とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。
それでは、よろしくお願いします。
※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。
昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。
そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。
色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。
昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。
私
—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。
昴
「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」
5/12 最終更新
『目次』
☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186
〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43
〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671
〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848
〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました
☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506
☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585
☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835
☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276
☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589
〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319
〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888
☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649
☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!
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- Re:エイヴさん ( No.490 )
- 日時: 2015/01/17 20:41
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: CqswN94u)
エイヴさん:
ええ、長かった(?)パステルくんとジョーカーの因縁もこの次で決着します。
パステルくん「氷海達がやられたって聞いた時はビックリしたけど…ボクの力と昴さんの力でなんとかなってよかった!」
昴(あれを渡したのは俺じゃないんだけどな。)
ちなみに、ヴァリスは楽曲名がキャラ名になったタイプです。リフレクが既出でボルテ、指、弐寺、ダガッキに移植されてます。FLOWERでお馴染みのよしたかさん作曲+ジャケット絵のモデルです。パステルくんは一度イベントで、彼のコスプレをしました。あ、ちなみにその時のがぬいぐるみで出てますよ。パステルくんの。
もちろん、そちらのネリアさんとは一切関係がありません。
昴「フレイ達は明が名付け親か。属性関連で名付けたのはいいな。ネリアは大分組み合わせてるな。」
鏡「オレは担当曲だけど、他のみんなは属性なんだよね。」※ポップンにおいて水鏡を担当
雪花「私は若干曲名も入るのかしらね。」
つけられた名前が気に入っているなら、名付け親としては嬉しいだろうね、明君。
ええ、烈君には更なる試練が待っていますし、そして…恐れていた事態が起きます。
鏡「しかも、最悪な形で…。あれには氷海もぶちギレてた…。怖かった…。」
続きは…すみません、待っていてください。何とか船の事件を終わらせないと…。
筆が乗ってくれれば早いのですが、お仕置きとか書かないと…。
それでは、この辺りで失礼します。
■
私—さぁ、ラストまで突っ走るぞー!
- 激突! パステルくんVSジョーカー その一 ( No.491 )
- 日時: 2015/01/17 20:46
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: OR22W8s.)
「…。」
ワンダークロック前、風雅は辺りの様子を伺っていた。
(隙あらば攻撃しようと思うけど…烈達が気絶している以上、迂闊な事ができない…。)
何とか隙を見つけて、一撃かましてやろうと考えるが、上空にフランシスの刃があり、烈達が気絶している以上、難しい。
何も出来ない自分に、悔しくて思わず拳を握りしめる。
だが、その目から諦めの色は見えない。
「…そんな状況でも…諦めないの…?」
「えっ…?」
じっと、自分を見るリリィに気が付いた風雅は、思わずそちらを見る。
暫く、見ていたかと思うと、急ににこりと笑った。
「…やっぱり、面白い。」
「リリィ、何話してるんだよ!」
風雅と会話している事がバレたらしく、ローズがプンプンとふくれ面を浮かべながら怒る。
「…内緒…。ただ、面白いだけ。」
「ワケわかんないよー! もー、リリィの行動は予測しづらいんだから!」
「…。」
ローズの言葉に、リリィは黙る。どうやら興味を失ってしまったらしい。
「…何か、話してよ。」
「…。」
ふい、とそっぽを向くリリィ。どうやら、会話は終わりのようだ。
「貴方達! 話をしてないで辺りを警戒し…! 危ない!」
前方から何かが接近してくるのが見えたセシルは、ローズ達に注意を促す。
すると、青い光が集まり、矢のようになった物が飛んできて、風雅を縛り付けていた刃と、烈達の上空で待機していた刃が貫かれたかと思うと、粉々に砕け散った。
「なっ…!?」
突然の攻撃に、フランシスは動揺を隠せずに辺りを見回す。
「…また打ち倒されに来たか、小鼠よ。」
ワンダークロックから視線をそらし、風雅達のいる場所を見るジョーカー。
ふわりと、白い羽が舞い落ち、羽と共に何かが降りてくる。全員、その降りてきたものに注目した。
そこにいたのは、白いスーツを着て白い片翼を生やし、包帯が巻かれている見覚えのある丸い耳を持つ鼠…パステルくんだった。
「ぱ、パステルくん!」
「ぼにゅっ!」
風雅はその姿に安堵し、同時に体から力が抜けるのを感じた。
パステルくんもまた、風雅の無事を喜んでいるようだ。が、すぐに氷海達に視線を移し、心配そうな表情を浮かべる。
「大丈夫。みんなは気を失ってるだけ…あっ…!」
ふと、呻き声が聞こえた気がして、風雅は烈達を見る。
すると、ゆっくりと起き上がる一同の姿が見え、風雅は思わず駆け寄る。
「み、みんなぁっ!」
「風雅、無事だあぎゃあっ!」
嬉しさのあまり、風雅は烈に飛び付く。
…くどいようだが、烈の左手は折れている。それを忘れているのだろうか。
「ぐっ…! ぐおぉ…!」
「あ、ご、ごめん…忘れてた…。」
痛みに呻いている烈と心配する風雅の横で、パステルくんは氷海に飛び付いていた。
「ぼにゅーっ!」
「パステルくん! 良かったわ! 無事だったのね! でもその格好…?」
「ぼにゅっ!」
『神に貰った…?(今回、神は干渉するつもりはないと言っていた筈なのに…。)』
昴が言っていた事と目の前の事実が全く食い違う事に、紅は首を傾げた。
「ぼにゅぼにゅっ!」
『…!? い、イメチェン!? 眼鏡にサイドテール!? 神らしくもな…!(待て。…眼鏡…? りせから聞いた特徴と似ているが…まさか!)』
紅は何かに気がついたが、すぐに沈黙する。
もし彼が知っている存在ならば、これから先は他言無用だからだ。
- 激突! パステルくんVSジョーカー その二 ( No.492 )
- 日時: 2015/01/17 20:52
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: OR22W8s.)
「…束の間の再会は終わったか?」
「…!」
ジョーカーの言葉に、烈達は身構える。同時に、セシル達も構える。
が、そんな烈達を制したのは、パステルくんだった。
「ぱ、パステルくん!?」
「ぼにゅっ!」
『…! 一人で戦うと!? 無茶だ!』
紅が訳したパステルくんの言葉に、全員驚いた。
「なっ、何でなの!? パステルくん!」
「ぼにゅっ!」
『…これ以上、皆を傷付けたくないそうだ。』
「! …。」
パステルくんの優しい思いに、烈達は二の句が継げない。
そしてパステルくんはジョーカー達の方を見た。
「ぼにゅぼにゅっ!」
「…何て言っているんだ? パステルくん。」
『…ジョーカーとの一対一の勝負を望んでいるようだ。…これ以上傷つけたくないのは…あの者達に対しても同じだから、だそうだ。そしてジョーカー。お前も、彼等が傷つくのを望んでいない。そうだろう?』
「…。」
ジョーカーは黙り込んだかと思うと…頷いた。
「ジョーカー様!?」
「小鼠の言う通りだ…。我とて、お前達が傷付くのは、もう見たくない…。」
「…。」
リリィは何を考えたのか、ふわりと浮き、ワンダークロックの針の元へと向かう。
「…? リリィ、何を…!?」
そして、持っていたオレンジ色の玉をそっとはめた。すると、息を吹き返したかのように、針は再び時を刻む。
突然の事に、セシルとフランシスは動揺する。
「リリィ! 何をしてっ…!」
「私は、戦えない。…戦うより…見ていく方が、面白いから…。」
そう言った後、リリィは烈の側に寄った。
そして、持っていた烈のマフラーでその折れた腕の応急手当をした。
「お前…。」
「私は…貴方に、興味を持った。戦って傷付けるより…側で、見ていたい。その方が、面白そう。」
「!?」
リリィの一言に、ジョーカーやセシル達は、驚きを隠せない。
「…何事にも興味を示さぬお前が、一人の人間に興味を持つとは。珍しい事もあるものだ。」
フランシスはそう言いながらリリィを見る。
リリィはただ、烈の側でそっぽを向くだけだった。
「…。」
そんなフランシス達の横で、ローズはじっと、鈴花のマフラーを見ながら、考え込んでいた。
「…ローズ…迷うなら、動いた方がいい…。」
「…!」
迷いを見透かすようなリリィの言葉に、ローズは鈴花のマフラーを握り締めながら、ワンダークロックの針の前にやってきた。
「ローズ!?」
「…ごめん、セシル、フランシス、ジョーカー様…。ボク、分かんないんだ…。」
そしてローズはピンク色の玉を取り出し、針に取り付けた。針は生気を取り戻したかのように、再びカチリ、カチリと時を刻み始めた。
「ローズ…!」
「人間に、あんなに優しくされたの、初めてで…。その、ジョーカー様の役に立ちたいけど、これ以上、あいつを傷つけるのも、嫌だって思う…。」
ローズはそのまま鈴花の元まで飛んできて、彼女にマフラーを差し出した。
「ローズ…。」
「勘違いするなよ? お前だけは傷付けたくない。そう思うだけだから。…これ、ありがと…。その…暖かかったぞ。」
「えへへ、どういたしまして!」
照れ臭そうにお礼を言うローズに、鈴花は満面の笑みで返す。
- 激突! パステルくんVSジョーカー その三 ( No.493 )
- 日時: 2015/01/17 20:58
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: OR22W8s.)
「…これでローズも不戦敗か…。」
フランシスは苦々しげにローズとリリィを見た。まさかこうして裏切られるとは思わなかったのだ。
「…フランシス、セシル。お前達は下がれ。」
「えっ!? じ、ジョーカー様!?」
「本気で一人で戦うおつもりですか!?」
心配するセシルとフランシスを余所に、ジョーカーは一人前へと出た。
「この、小鼠から放たれる、先程とは違う、強い力…。その服が影響しているのか?」
「ぼにゅ?」
ジョーカーの問いに、パステルくんは首を傾げるだけ。どうやらそれはパステルくん自身にも分からないようだ。
「…まぁいい。再び叩き潰すまでだ!」
そう言ってジョーカーはパステルくんに向かって突っ込んでいった。
「ぼにゅっ!」
パステルくんは避けようとせず、目の前に赤く輝く光を生み出した。
(何をする気だ…!?)
「ぼっ、にゅーっ!」
そしてその光を、ジョーカー目掛けて弾いたのだ。
カァン! と、いい音を鳴らしながら、ジョーカーへと一直線に飛んでいく光。その光は更なる光を纏って加速し、ジョーカーに直撃した。
「ぐあっ…!」
突然の攻撃に避けきれず、当たった腹部を押さえる。どうやら効いているようだ。
「すげぇ…!」
「あんな技、初めて見るわ…! あの服の影響なの…!?」
長い時間一緒にいる氷海でさえ初めて見るパステルくんの技に、烈達は感嘆の息を漏らすしか出来ない。
「ぼにゅっ!」
先程同様に、赤い光を生み出すパステルくん。そしてまた、光を弾いた。
「同じ手は通用せんぞ!」
しかし、ジョーカーは立ち止まり、ローブの下で腕を振るった。
すると、見えない力が光の色を青く変え、一直線にパステルくん目掛けて飛んでいく。
「!? ぼにゃあっ!」
「パステルくん!」
まさかの反撃に、パステルくんは反応できずに直撃を食らう。
烈達が心配するが、パステルくんは服についた埃を払い、にこりと笑って手を振った。どうやら大丈夫そうだ。
パステルくんは再びジョーカーに向かいつつ、小さな拳を握った。
(凄い…。あの時は…最初に対峙した時も、今までも、全然ダメージを与えられなかったのに…。)
そして、スッ、と右に避ける。
「何っ!?」
同時にジョーカーは驚く。
パステルくんがいた場所に、見えない力の塊を落とした筈なのだが、それを簡単に避けられた事に驚いているようだ。
(ダメージを与えたばかりか…ジョーカーの力まで見える! 凄い、凄いよ昴さん!)
パステルくんが見たジョーカーの力。それはまるで、徳に背き、望みを絶たれ、それを嘆く怨念の塊のようなもの。
そのあまりにも、見ているだけ悲しくなる力に、パステルくんは泣きそうになるも、ぐっと、溢れ出そうな涙を抑え込んだ。
「くっ…!」
ジョーカーはがむしゃらに力を放つも、パステルくんはまるで攻撃が予測出来るかのように、すいすいと避けていく。
(フン、やるな、小鼠よ。だが、これはどうだ!)
このままでは避けられ続けるだけだと気付いたジョーカーは、力の塊を一箇所に仕掛ける。そして、次々と力を放ち、パステルくんは避け続ける。…力の塊がある場所に向かって。
(…! しまった!)
「かかったな。」
パステルくんが気付いた時には、既に力の塊が爆発していた。
「ぼにゅっ…!」
何とか体を抱えて防ぐも、その衝撃で体が吹き飛ばされてしまい、そのまま地面に叩きつけられた。
「…ぼ、にゅ…!」
ふらふらな体で立ち上がるパステルくん。だが、その目の闘志は消えていない。
「まだ、抗うか…。」
「ぼにゅっ、ぼにゅぼにゅっ!!」
「なっ…!?」
『…!? 時間が滅茶苦茶に…!?』
(成程。その事情ならば、彼女が干渉する訳だ。…いや、知らなくてもこの状況ならば干渉するか…。)
パステルくんがジョーカーに何かを訴えている事を聞き取った黒がジョーカーと共に驚き、紅はその黒の横で何故か納得を見せた。
「紅、パステルくんは何て?」
『あのワンダークロックについてだ。パステルくんはあの時計を修復したから、その機能を大体把握していたのだろう。』
紅はオレンジとピンクの針が時を刻む時計を見つめた。
『先程ジョーカーから説明があったように、あのワンダークロックはタイムワープの柱として存在する。だが、それと同時に、全ての世界に流れる、過去、現在、未来…全ての時間を司る機能を持っている。…これが壊れた時、どうなるかはお前達でも予測ができるだろう。』
「…あっ…!」
確かに、完全にその光景が予測出来る訳ではないが、嫌な考えしか過らないのは同じだった。
黒の訳したように、時間が滅茶苦茶になる。それがよい結果を招くとは到底思えない。
「でもさ、紅。前に、このワンダークロックが壊れたんだよね? その時は大丈夫だったのかな?」
鈴花が首を傾げながら聞くと、紅は頷く。
『恐らく、パステルくんがすぐに修復したので、大した影響はなかったのだろう。(…烈達が戦っている間に壊れたと考えると…その時はまだ、この世界は生まれていなかったからな。創造神も、彼女に創世ノートを渡していなかったはずだ。)』
全ては、この世界が生まれる前に起こった、いや、起こっていた記憶の中での出来事。実際に起こった記憶もないのだが、それを知る紅はこれ以上話す事はしなかった。
- 激突! パステルくんVSジョーカー その四 ( No.494 )
- 日時: 2015/01/17 21:03
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: OR22W8s.)
「…。」
ジョーカーは黙って、深く頭を下げていた。ワンダークロックの機能を知って、動揺しているのだろう。
それはセシル達も同じで、驚きを隠せずに狼狽えていた。
「…そ、そんな…。じゃあ、ジョーカー様がしようとしていた事って、時間を滅茶苦茶に…!?」
「…ううん、ジョーカー様も、知らなかった。…知っていたら、起こしてない。」
鈴花の後ろで狼狽えているローズだったが、リリィがきっぱりと答える。
「…! そ、そうだよな…。」
その、確固たるリリィの姿を見て、ローズも落ち着いたようだ。
やはり彼らは本当に知らなかったようだ。ワンダークロックを壊す、その代償を。
「…小鼠…パステルくん、と言ったか。」
「ぼにゅ?」
不意に、ジョーカーは顔を上げ、パステルくんを見据える。その瞳には、迷いが映っていた。
「お前の話が本当なら…ここで止めてくれた事、感謝する。だが…我は、それでも…このワンダークロックは必要のないものだと思っている。」
「…。」
パステルくんはジョーカーの言葉を、黙って聞く。
「これがあるから、タイムワープが容易にできる。…タイムワープを使い、過去へと戻った存在が、過去を意のままに変えようとしたら…誰も望まぬ今に変えられたら…。」
「…そうか…。それが、お前達の本当の目的だったんだな。自分の意のままに過去を改変させない為に、過去を変える要因となる未来を知らせない為に、そのワンダークロックを壊そうとした。ただ、それだけだったんだな。」
今まで黙って聞いていた烈の問いに、ジョーカーは肯定も否定もせずに黙り込んだ。
「…起こらなかった方がよかった事、沢山あるよ。つい最近も、そう思う事、あった。」
烈の横で、鈴花が寂しそうに呟いた。恐らく、その頭の中には、数日前までの昴達が過っているのだろう。
「もし…もし、あの時、聖域にいたら…。昴さん達を逃がす事ができたら…。そんな風に、今でも時々考える。そうすれば、みんなはあんなに傷ついてしまう事はなかったんじゃないかって。今まで通り、普通に過ごせたんじゃないかって。」
「鈴花…。」
『…そうだな。…我も、あんな神や皆を見るのは初めてで…正直、紅とも目を合わせたくなかったくらいだ。…見ていると、こちらまで悲しくなりそうで…。パステルくんも、雪花を見ているのが辛い、そう零した事があったな。』
「ぼにゅ…。」
黒の言葉に頷くパステルくん。それをきっかけに思い出したのか、風雅も烈も沈み込んでしまった。
「…お前達の大切な存在の為に、過去を変えたいと思わないのか…?」
「勿論、思」
『我は思ってほしくはないな。』
だが、そんな一同を、紅はばっさりと切り捨てた。
事件の当事者である紅がまさかそんな事を言うとは思っておらず、烈達は思わず彼を見た。
「紅! 何でっ…!?」
『…確かに、あの事件があったせいで、鏡達は傷付き、神も癒えぬ心の傷を負った。しかし、あの事件があったお陰で、得るものがあったのも事実だからな。』
スマブラ世界での出来事は、何も不幸せな事ばかりではない。楽しい事もあった。新しい仲間もできた。
それを消したいなど、紅には思えなかったのだ。
『お前達だって、あの事件がきっかけで、強くなろうと、強くならねば駄目だと気が付き、暇さえあれば皆と手合わせをしていたのだろう?』
「そ、そうだけど…。」
『あの出来事が起こらなければどうなっていたか、我にも分からぬ。だが、あの出来事が起こらなければ、我はクッパ殿と知り合っておらぬし、ロボット殿とも出会ってなかっただろう。お前達だって、ここでこうしてあの者達と戦ったにも拘らず生きているのも、強くなりたい、そう思い、鍛えたからだと思うがな。』
「うっ…。」
あっさりと言う紅に、烈達は何も言えなかった。確かに、ここまで無事でいられたのは恐らく、自分達が強くなりたいと願い、必死に己を鍛えてきたからであり、今まで通りの生活を過ごしていたのならば、道中でやられていただろう。
(…大切な者が傷ついても、それを糧とし、沢山の幸せを見つけ、今を生きる…。あの者達のような思いが、全ての者達に抱かれていればよかったのだがな…。)
ジョーカーは一度目を伏せ、深く頭を下げた。
その表情は、どこか穏やかな気がした…。
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