二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 一冊目
- 日時: 2015/05/12 18:40
- 名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。
基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。
とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。
それでは、よろしくお願いします。
※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。
昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。
そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。
色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。
昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。
私
—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。
昴
「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」
5/12 最終更新
『目次』
☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186
〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43
〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671
〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848
〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました
☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506
☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585
☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835
☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276
☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589
〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319
〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888
☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649
☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!
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- 実食 一番 ( No.225 )
- 日時: 2014/11/27 20:29
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
昴は部屋へと戻り、パステルくん達に救援が来た事を伝えた。
「ついにボク達の料理対決にも回復スキル持ちの救援がくるようになったんだねー…。」
「救援物資は第二回からあったが…寄越し損で済んでほしいよ…。」
「それは誰しも思う事だ。昴殿。」
審査員全員死んだ魚のような目を浮かべる。…だが、今回は昴達も楽しみで仕方がなかった。
「…まさか氷海がやりたいって言い出すとは思わなかったよな。」
「うん。でも、何だか今回は、ボクも心からあの時承諾してよかったって思えるなー。」
「前回まではりせの口車に乗せられていたが、今回は違うからな。成長を望む声での承諾だ。だから、快く開始できるのだろう。」
成長する為の対決。故に、だろうか。昴達は第一回から第三回まで抱いた怒りの気持ちはない。
『昴さん、一番目の子の準備が出来たようです。今、そちらの扉前にいます。』
「分かった。一番目、来い。」
昴がそう呼びかけると、おずおずと入ってきた人物がいた。
「…成長を望むお前が来るとはな。…葉月。」
それは、葉月だった。
「うん…。でも、私の料理を食べてもらわなくて正解だと思ったよ…。」
「ちゃんと食ったんだな。どうだった?」
「…この口の怪我見れば分かると思う。」
今、葉月は口周りを怪我していた。軽い切り傷のようなので、審査に支障はないだろう。だが、それでも血の味等してもらったら困るので、昴は理乃のスキルを使い、葉月の傷を癒した。
「…また、キッチン爆破か?」
「ううん、まな板破壊…。調理室は誰が何作ったかわからないように仕切りで区切られてたんだけどね、その仕切りを破壊していないから、爆破はしてないよ。」
「…取り合えず、壊した備品の弁償をMZDにする事。授業に困るだろ…。」
「はい…。」
昴の言葉に、葉月は反省したように項垂れつつ頷いた。
「さて、風花、挑戦者の準備は?」
『大丈夫です。出来ています。今、エレベーターにお弁当を入れたそうです。』
「了解。じゃあ、取ってくるな。」
そう言って昴はエレベーター前に向かっていった。
「…。」
『葉月、元気出せ。まな板を破壊はしたが、壁の爆発はさせていないのだろう? ならば、お前は立派に成長している。』
「…うん、ありがと、紅さん。」
「まぁ、葉月は爆発さえしなければ味は普通なんだ。物を壊さなくなったら充分評価は高くなると思うけどな。」
紅が励ましている最中に、昴がお盆を手に持ってやってきた。今回も蓋付きた。
「さぁ、葉月。」
「…大丈夫。用意なら出来てるよ。」
葉月はポケットから胃薬を取り出した。もう準備は万端だ。
「開けるぞ。それっ!」
昴は全員を見渡してから、蓋を開けた。
中にあったのは、アワーグラスβとお弁当箱にスープジャーが各五つ。お弁当箱の蓋を開けると、中身は…。
「のっけからこれは…当たりクラスだな。」
少し茶色い焦げ目のついた黄色い卵焼き、根菜の煮物、鮭の塩焼き、味噌の俵焼きおにぎりが三つ、そして、可愛らしい魚の醤油差しとコロッケが入っていた。
もうひとつ注目すべきは、箸の他に木のスプーンが五つ。更に、おにぎりの横に味噌が少し、カップの中に入っている。これは…?
「美味しそう! 凄く美味しそう!」
「焼おにぎりとか美味しそうだよ! 俵型なのはやっぱりお弁当箱に入れるからかな?」
「恐らくそうだろう。にゃぐわの涎が凄い事に…。」
「にゃ、にゃぐ、にゃぐうぅぅぅっ!」
『神、早く動かせ! にゃぐわが飛び付きそうだ!』
にゃぐわが今にも飛び付きそうなので、昴は素早くアワーグラスβを使って時間を動かした。
辺りには味噌と醤油のいい香りが漂う。食欲がそそられ、お腹がきゅうと鳴く。
「いただきます。」
「いっただっきまーす!」
全員、箸を持って食べ始めた。
味噌の塗られた焼おにぎりは、表面が香ばしく、少しピリッと辛い。辛味噌だろうか。卵は適度にふんわりとしている。味付けは塩だろう。煮物は昔懐かしい優しい味わいで、お袋の味と言うような感じ。鮭は丁寧に骨が除かれ、塩を使っているのか、こちらも優しい味わいだ。そしてコロッケは芋と挽き肉の一般的なコロッケ。衣がサクサクで美味しい。
「美味しーいっ! 辛味噌のちょっとピリッとした味わいが全体にあるし、中にも混ぜ混んだのかな!?」
「にゃぐー!」
『鮭も程よく塩味が効いてるし、骨も完全に取り除かれているから、かぶりついても安全だし食べやすいそうだ。』
どうやらこれは当たりどころか大当りクラスのようだ。
しかし、これは誰が作ったのだろうか。それに、木のスプーンも気になる。
「…。」
昴とジョーカーは、作った人物に心当たりがあるのか、顔を見合わせて頷く。
「昴殿も、同じ人物を描いているのだろうな。」
「前、がめ煮食わせてもらったしな。あの味と似てるから、多分…。」
「え? 昴さん達、誰作ったかわかったの?」
「ああ、多分だけどな。…これ、茶色率が高いから、女子じゃない。鉄板系の料理でもないから、アイツじゃない。」
「じゃあ…!」
「ああ。」
家事スキルが高い男子は、二人。が、鉄板系の料理ではないので、一人に絞られる。
そう、家事スキル男子トップの、彼が全員の頭の中に出てきた。
「今、ボクもわかった! 確かに彼が作ったのなら納得!」
「にゃぐー!」
『確かに前にくれた煮物の味と煮ていると言っている。成程、それならコロッケも納得だ。』
「確か、えっと…刑死者コミュの奴に前に振る舞ったんだっけか。」
とにもかくにも、これはのっけから大当りクラスなのは間違いない。
だが、スプーンと味噌の謎が解けない。おにぎりには十分味がついている筈だが…。
『皆さん、一番の子から連絡です。…ふふっ、伝え忘れて慌ててきたのかな?』
風花の声がし、一同は食べ進めるのをやめる。
「あいつ、意外に抜けてっからなぁ…。で? 何だ? 風花。」
『スープジャーの中におにぎりを入れて木のスプーンで食べて下さい。だそうです。』
「スープジャー!?」
「あ、忘れてたね、そっちの事。」
昴達はスープジャーの蓋を開け、中を見る。
三つ葉や水菜などが入っているが、液は透明に近い。少し救って飲んでみると、出汁の味がした。
「ははーん、成程な。これは面白いな!」
焼おにぎりを中に入れ、軽く解すようにかき混ぜる。すると、混ぜ込んでいた味噌が溶け、色を染めた。
そして、木のスプーンの理由がわかった。金物のスプーンだとスープジャーに傷をつけるし、何より音が不快だから、木のスプーンを選んだのだろう。
「こっちの味噌は味が薄い時用だね! このまま味噌だけ入れて溶かして、味噌汁にするのもアリだよ!」
「ああ。考えたな、あいつ。」
全員、残りも完食し、早々に評価用紙に向かった。
☆
総評:五
昴:個人評価…五
遊びが効いてて面白いな! ちょっと店で出すには茶色すぎだけど、味は十分店でも通用するぞ。煮物、あれお前のお袋さん直伝だっけ? んで、コロッケは前に近所の酒屋の奴に振る舞ったって話、ホントか?
パステルくん:個人評価…五
スープジャーのあれはボクも思わず「どっひゃ〜!」と叫びたくなったよ! ボクも今度やってみよっと! 煮物もコロッケも美味しかった! 君が最初って幸先いいスタートだよ! 美味しいご飯をありがと!
にゃぐわ:個人評価…五
おかわりほしいニャ! もう味の感想は書く事ないニャ! ただおかわりくれニャ! もうそれで伝わってほしいニャ!
ジョーカー:個人評価…五
色合いが少し茶色寄りだな。もう少し緑を添えてほしかったが、美味かった。
特にコロッケが絶品だ。あれは我も教わりたい。作り方を教えてくれないか?
葉月:個人評価…五
美味しい! コロッケもホクホクで美味しいし、野菜の煮物も凄く美味しかった! 辛味噌おにぎりもそのままでも美味しいけど、あったかい出汁の中に入れると味も薄まって美味しい! こんなに上手く作れてて…憧れるな…。
- 実食 二番 ( No.226 )
- 日時: 2014/11/27 20:34
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
満足そうにスキップしながら帰っていく葉月。
「あら、葉月さん。」
「あっ、セシルちゃん! 次だっけ? 確か。」
「ええ。そのお顔は…良い物に当たったのですか?」
「うん!」
そんな彼女とすれ違ったのは、次の試食者であるセシルだった。いつもの犬耳を生やしたローブ姿である。
「セシルもいいのに当たれると良いね!」
「ええ。…もう、あの激辛は御免被りますわ。」
第二回を思い出しているのだろうか、セシルの目が段々濁っていく。
「セシルちゃーん、帰ってきてー。」
葉月はそんなセシルにそう声をかけるしか出来なかった。
やがて、正気に戻ったセシルは、審査室まで向かった。
「おっ、次はセシルか。」
「はい。…うぅ、怖いですわ…。」
どうやらセシルはこの料理対決がトラウマになっているのか、小さく震えていた。
「セシル、大丈夫だって。まだ始まったばかりだし、当たりの率だって高いしさ。」
「そ、そうですわね。二十四人中、三人がゲテモノですから…大丈夫ですわね。」
セシルはそう信じる事に決め、ちょん、とテーブルの上に座った。
「んじゃ、とってくるな。」
昴はそう言って、エレベーター前に向かった。
「…。」
『セシル、大丈夫か?』
「平気ですわ。…うぅ、氷海の成長は見たいのですが、ゲテモノに当たるのは嫌ですわ…。」
「そう言えば、チーム分けされた時に誰と一緒だったか、見なかったのか?」
「ええ。玉を引いた瞬間、わたくしは一人昴さんの寝室に飛ばされましたわ。恐らく、審査員側は誰かわからないようにMZDさんが玉に何らかの細工をし、引いた瞬間にバラバラにテレポートするよう仕向けたのでしょう。後に彼からメールでその場に待機する事と、メールで呼んだら来るよう言われました。」
「徹底してんなあいつ。」
戻ってきた昴が、お盆を置きながらぼやく。確かに凄い徹底ぶりだ。これ、もしかしたらアイツ、楽しそうだからって言う理由で昴をそそのかしたのか?
「(うわぁ、あり得る…。)さて、セシル。」
「ええ、準備は万端ですわ。」
擬人化し、ドレスを纏う女性になった後、ポケットから胃薬を出した。
「開けるぞ。それっ!」
昴は蓋を開け、中を見た。
「」
その瞬間、全員から言葉が消えた。
目の前にあったのは、普通の食材が入ったお弁当箱。ただし、赤い肉じゃがと、茶色い卵焼きが入っているが。
野菜炒めや鮭、白いおにぎりには何の特徴もない。
嫌な予感がして、スープジャーを開ける。中は…茄子の入った…鮮やかな赤い液体だった。
「あの、昴さん、これ、まさか…。」
「大丈夫だ。多分…りせじゃない。りせじゃないが、酷い奴だ。」
「あーあ…また慌てちゃったんだね…。」
「にゃぐー…。」
りせの、ではない。彼女だったら全て赤く、いや、紅くなるから。
セシルを除く全員の頭に、同じ人物が出てきているのだろう。そう、葉月と肩を並べる、トラブルクッキングの達人が。
「みんな、こいつは悪くない。多分、自分が出してる物がどんな物かは知ってる筈だ。」
「うん。みんなそれわかってる。」
「にゃぐー。」
『反省はしているが、上達はまだ難しいようだ。と言っている。…今頃、一番の奴が慰めているだろうか。』
『あの二人は同じクラスの同性だからか、仲が良いからな。』
あからさまに不味そうな雰囲気を醸し出しているが、食べなければならない。昴はアワーグラスβを使い、弁当の時間を進めた。
辺りに、酸味と辛味、強い醤油の刺激臭が漂う。
「…いただきます。」
全員、微妙そうな表情でスープジャーを手に取った。そして、一口飲む。
「…トマト味しかしない…。しかも強いんだけど…。」
「成分分析、完了しました。茄子と味噌汁と、ケチャップの成分を確認。」
「では、これは味噌汁を作ろうとして何かトラブルがあり、ケチャップが丸々一つ分中に入った代物なのですか?」
「多分な。」
どうやらアイギスの成分分析によれば、あの液体はケチャップまみれの茄子の味噌汁のようだ。
次に、パステルくんと昴はおにぎりを手に取り、ジョーカーとセシルは野菜炒めを食べる。にゃぐわは鮭に向かったようだ。
「味がしない。お米の味しかしないよ…。」
「諦めたな。」
「野菜炒めも同じだ…。味がない…。」
「こちらも諦めたのでしょうか…。」
「にゃぐー…。」
『鮭も特別味がしないようだ。…事前に塩が振られていない物を購入したのだろう。』
おにぎりも鮭も野菜炒めも、大して味はない。諦めたのだろうか。
そして、昴とパステルくんとジョーカーは卵焼きを一口大に切り、セシルとにゃぐわは肉じゃがのじゃがいもを箸で摘まんだ。
「しょっぱあぁぁっ!」
「辛いですわぁぁっ!」
「にゃぐうぅぅぅっ!」
あまりにも醤油の味が強すぎる卵焼きと、辛さの引き立つ肉じゃがに、しばらく一同は悶絶した。これ、ここにいる全員、辛い物が苦手だから地獄だろうな、うん。
「肉じゃがには、豆板醤が使われています。この成分だと…丸々一瓶やらかしたかと。それと、卵焼きにも恐らく丸々一瓶やらかした可能性があります。」
「アイギス、分析ありがとうな。…反省して頑張ったのは認めるが、これ食えたもんじゃないな…。」
流石に塩分摂取量が大変な事になるので、昴達は蓋を閉め、評価用紙に向かった。
☆
総評:一
昴:個人評価…一
うん、慌てたのが目に浮かんだ。ご飯と鮭と野菜炒めに味がなかったのは諦めたな。…最後まで作ったのは誉めるけど、お前はもう少し落ち着こうな?
パステルくん:個人評価…一
とりあえず、怪我してないか心配だよー…。この評価は気にしないで。頑張ったのは認めるから。泣かないでいいからね。
にゃぐわ:個人評価…一
反省するのはわかってるニャ…。君は悪くないニャ。悪いのは不運のせいにしとくニャ…。
ジョーカー:個人評価…一
…トラブルクッキング、という言葉が容易に出てきたぞ。調理場はハプニングの連続だが、慌てずに対処すれば大丈夫だ。…うん、頑張ったな。うん。
セシル:個人評価…一
大丈夫。りせのアレよりは貴方の方がまともですわ。肉じゃがは確かに辛かったし、卵焼きは塩辛いですし、ケチャップ汁は酸味が強すぎて飲めたものではなかったのですが、食べれない事もない、ですわ。
…よく頑張りました。わたくしは貴方を怒りませんよ。
- 実食 一番&二番 後書き ( No.227 )
- 日時: 2014/11/27 20:40
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 9RGzBqtH)
後書き de 雑談
私
—ハズレが出たけど、ゲテ組よりマシだよね。
風花
「ええ。…トラブルクッキングの子、怪我をしてないといいのですが…。」
私
—今頃一番の子が慰めていそうだね…。
昴
「でもまぁ、アイツは頑張った方だよ。最後まで作っただけでも偉い。ただ、諦めちまったみたいだけどな。」
風花
「私でもきっとああなったら諦めます…。」
私
—私も作り直すね。あ、試食はどうぞご自由に。ただし、ゲテ組の可能性はありますので、自己責任でお願いします。
風花
「それから、救援物資等もお待ちしています。スバルさんも修行がてら、他者のキャラクターを書いてみたいと仰っていましたし。あっ、ユリカさん、変なところがあったら言ってほしいそうです。」
私
—お願いします。
昴
「じゃあ、この辺りにしておくか? …若干気分悪いんだよ…。」
風花
「ゲテモノではありませんが、アレも食べれたものではありませんでしたからね…。」
私
—じゃあ、この辺りで失礼するね。ばいばーい!
■
感想あればお願いします。
- Re: 神様のノート ( No.228 )
- 日時: 2014/11/27 21:09
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: 13OvT5q/)
- 参照: http://www.pixiv.net/member.php?id
なるほど(・ω・) 出だしはまあまあですね(´ω`)
フレイ「……(・ω・)つ」←2番目のお弁当に手を出す
明「こっちの方がおいしいからね(^_^;)」←1番目のお弁当をフレイに向ける
コール「……(・ω・)つ」←2番目のお弁当に手を出す
ネリア「こちらのお弁当がおいしいですよ」←1番目のお弁当に向かせる
巡人「なんで真っ先に2番目のお弁当を食べようとしたの?」
フレイ「……みんながたべないとおもって……(´・ω・`)」
コール「ちゃんとたべないと……つくったみんながかわいそうでしょ?(´・ω・`)」
匠「……」
ネリア「……(・_・;)」
ディクト「言ってる事は間違っていないけど……無理しなくていいよ(^_^;) あ、1番目のお弁当は美味しかったな(´ω`) 朝ご飯を思い出しちゃったよ(´ω`) 2番目は……慌てないように気をつけてね(^_^;) 不運については……一時的にだけど運勢が上がるお守りをどうぞ( 'ω')つ」
巡人「何その怪しい文句('ω')」
ディクト「失礼な!(゜д゜) ちゃんと効くよ!(゜Д゜)……本当に一時的にだけど」
それでは(^∀^)ノ
- Re:エイヴさん ( No.229 )
- 日時: 2014/11/28 00:41
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mb1uU3CQ)
エイヴさん:
二番「ふえぇっ…!」※ブワッ
一番「よしよし、泣くな。オメェは頑張ったから。なっ。よかったじゃねぇか。食おうとした奴がいてよ。」
のっけから友情コント失礼しました。
あ、お守りは後で二番に渡しておきますね。
昴「悪気がないのはわかってる。わかってるんだ。だからこそ怒れないんだよな…。」
風花「最後まで頑張ったもんね。二番の子は。…一部、諦めちゃったみたいだけど…。」
一番の朝御飯はなんかわかるかもです。とにかくほっこりできる一品です。
が、二番は…うん、がんばた。うん。昴達も怒らないでしょう。反省はきちんとする子ですから。
昴「でも、のっけから評価五が出ると怖いな…。審査員も誰が当たったかわからないみたいだし…。評価一のゲテ組が何人審査員にいるかわからないから怖いな…。」
まぁ、それは後々に明かされるよ。人数減ってきゃ自然にね。
では、この辺りで失礼します。
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