二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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神様のノート 一冊目
日時: 2015/05/12 18:40
名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346

始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。

基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。


とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。

それでは、よろしくお願いします。


※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。

昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。

そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。

色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。

昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。



—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。


「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」


5/12 最終更新


『目次』

☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186

〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43

〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123

〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671

〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420

〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848

〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました


☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506


☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585


☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835


☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276


☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589

〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319

〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888


☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649


☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!

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前書き:偶然というのは時に恐ろしい。 ( No.840 )
日時: 2015/04/23 17:06
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 68ht.95d)

前書き de 雑談


セルシウス
『残るは私達か…。なぁ、何だかツッコミ属性の犠牲率高くないか? 気のせいか?』

ラフィー
『気のせいじゃないと思う。カオスクラッシャー的存在の被害率は高いよ。見てみる? 評価一以下のを並べると…。』


我が家のカオスクラッシャー:昴、紅、烈、陽介、千枝、直斗、由梨、ジョーカー、フランシス

昴…固定審査員として何度もあるので割愛。異世界でもあるので一番被害に遭っている。

紅…りゅーとさんの第四回時に彼女の氷海のを食らって沈んだ経験あり。

烈…第一回で雪子の味なしスープ、第二回で七海のクトゥルフ。りゅーとさんの第四回で別世界の自分が作った炭のスコーン。最初の遺言回経験者。

直斗…第三回で風雅の調味料全部入れ、第四回で雪子の奇跡料理。没案第六回では七海のクトゥルフ。

由梨…第四回で牡丹の毒キノコ弁当。二人目の遺言回経験者。

ジョーカー…昴同様固定審査員として何度もあるので割愛。

フランシス…りゅーとさんの第三回で悠達裸族の裸イスバーガー。これで米にトラウマを…。

陽介&千枝…唯一被害なし。むしろ恋人に当たって幸せな奴等。


ラフィー
『とまぁ、こんな感じで、陽介と千枝だけ被害なし。残りは何かしらトラウマ食らったり死に掛けたりとかしてる。で、僕もセルシウスもカオスクラッシャー枠だから、ここにまた一人追加されるね。』

セルシウス
『…うわぁ…。というか、由梨と弟子の烈が遺言回経験者っておい。何という偶然なんだ。怖いんだが、この偶然。』

ラフィー
『怖いねー。さて、次から本編だよー。』

実食 七番&八番 ( No.841 )
日時: 2015/04/23 17:13
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mSRzWlsB)

採点方法
六段階評価を下す。内訳は以下の通り。

五、メニューに拘らず、遊び(アレンジ)を加えており、なおかつ美味しい。

四、メニューに依りすぎな所はあるが、程よく遊びを加えており、美味しい。

三、メニュー通りの品。遊びなどはないが、メニュー通りなので普通に美味しい。

二、メニューに沿ったのだろうが、ミスが目立ちすぎて美味しくない。が、まだ改善の余地がある不味さ。

一、まだまだ花開くには時間がかかるも、改善しようとしているのはわかるレベル。キッチンに立つなとは言わないので、貴方達は簡単なお手伝いから始めましょう。

零、あの、五番並みに被害が甚大なんですけど。何故こうなった。貴様もキッチンに立つな。


±要素
・+…あともう一歩で上位のレベルに上がれるくらいにおしい品。五+は五段階評価じゃ足りませんレベル。

・無印…妥当なレベル。惜しい部分もなければ、マイナス要素も特になし。

・−…ミスが多いのでお情けでこの評価に。零−はいい加減自 覚 し や が れ 。


お題「ご飯物」
・ご飯を使った一品を提供。
・おにぎり、オムライス、チャーハン等々、ご飯を使えば何でもよし。最悪ご飯を炊いてレトルトカレーをぶっかけただけの物でも許す。
・評価はいつものように六段階評価とプラスマイナス。
・評価五を取った者にはスバルから望む品物を渡される。
・ただし、スバルとMZD、精霊達を医務室送りにした者は、スバルからきつーいお仕置きが…。


役割分担
審査員
固定:スバル、MZD
変動:セフィー、ユーティス、フィアレス、ラフィー、ウンディーネ、セルシウス、イフリート、ノーム
医療班:影、ルナ、アスカ(+α)
救援係:紅、シャドウ、ヴォルト
挑戦者:昴、鏡、りせ、風花、理乃、由梨、葉月、七海


スバル
「まぁ、わかってたけど…。」

MZD
「何が起こるんだよ、おい。つか、溶解の危機以上の何かがあるのかよ!?」

本日の救援 ( No.842 )
日時: 2015/04/23 17:32
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)

次の試食に行く前に、ひとつ、言わなければならない事があったスバルは、マイクを手に持った。

「えー、残り二人の精霊達にお伝えします。」

残るは二つ。だがこの二つに、とんでもない事があった。

「たった今をもって、当たり以上が消えましたー☆」

そう、残る二つは、普通評価以下の物! あろう事か、まだボスがいるのに当たり以上がここで完全にログアウトしてしまったのだ!

「…ごめん、こんな放送して…。次の試食者は、落ち着いたら来て…。」

スバルは最後にそう締め括ると、マイクのスイッチを切った。

「当たり以上がログアウトって何だし。」
「こっちが聞きたい。」
『半分で大当たりとゲテモノ処理班のノームが消え、今、最後の当たり枠が消えた…。これは久方ぶりに来るかもな、最後の毒が…。』

あろう事か、ラストポイズンフラグが立ってしまった。次で出て、純粋組の彼の料理で終われればよいが…。

『…?』

ふと、ヴォルトが長老樹の方を見た。

『ヴォルト、ドウシタ…?』
『…。』
『…? 物音…? 長老樹カラカ?』
『誰か来たのかもしれんな。創造神、行くぞ。』
「へいへい。」

紅とMZDは長老樹まで行き、扉を開けた。

「お、お前らは…。」
「久しぶりだな、MZD!」

そこには、第四回で救援に来てくれたユリカさんのリックと、少女がいた。手には段ボールを持っている。救援物資だろうか。

「おー、こっちの第四回ぶり? あ、そっちの第三回ぶりかな?」
『創造神、話し込むのは後でゆっくりとでよかろう。して、そちらの少女は…。』
「紅さんとは始めましてですね。私はフレドリカです。リッキィと呼んでください。」

少女はリックと同じ職業でロッシュの仲間、リッキィことフレドリカだ。彼女も同じくユリカさんの救援だ。

『よろしくな、フレドリカ。して、その箱は?』
「えっと、追加の救援物資です。」

フレドリカはリックが持ってきた段ボール箱を開けた。
中身は氷石と火傷に効果のあるハーブティーとアイスノンと業務用のアイスクリームが入っていた。

「おい、その物資って…。」
「はい、恐らく残ったあの料理を危惧してです…。」

三人と一羽に、静寂が訪れた。

「俺達も、一応回復量は心許ないかもしれないけど、扱えるから戦力にはなると思う…。」
「ああ…。うん、頼む…。」

そんなこんなで、リックとフレドリカには神殿で待機してもらう事になった…。

実食 七番 ( No.843 )
日時: 2015/04/23 17:41
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 68ht.95d)

そして、次の精霊がやって来たので、試食の時間となった。
七番の試食であるセルシウスは、珍しく震えていた。
シャドウと紅に次の料理を取ってきてもらっている間に、スバルはセルシウスに話しかけた。

「…セルシウスさん、大丈夫…?」
『不安しかない。』

無理もない、だって、まだ中ボスが残っているのだから。しかもその中ボスは自分が溶ける可能性のある炎属性の凶悪な代物。
同じ炎属性を扱う存在の代物がもう一つあるのだが、出来ればそっちに当たりたい。

「残る一人の当たりが出てくればいいけどな…。」
『もう当たりとかどうでもいい。今はただ死なない料理が食べたい。』
「ですよねー。」

もう、死ななければいい。その思いだけだ。

「お願い、マジでセルシウスさんに激辛は来ないで…!」
「こればかりは祈るのみだ…!」
『頼む…! 私はまだ溶けたくない…!』

運命の刻限だ、とでも言うかのように、紅とシャドウがカートを押してやってきた。

『セルシウス…覚悟ハ、イイカ…!?』
『ああ、私は逃げも隠れもしない!』

料理一つでそんな会話をするか、と言いたい所だが、そこはスルーする事にした。
シャドウは丁重にテーブルまで運び、全員を見渡したところで、蓋を開けた。
中は…!

「あっ…!」
『こ、これは…!』

少し形の崩れたハンバーグと、カレー。そして、白いご飯。紅いものは…一切無い!
そう、これは残る一つのまともに食べられる当たり枠…!

『…私は…私は助かったのだな!? 助かったあぁぁぁぁっ!!』
『…。』
『セルシウス…落チ着ケ…。取リ得ノ冷静サハドウシタ…。嬉シイノハ分カルガ…。』
『はっ! す、すまない…。』

あまりにも嬉しすぎて、キャラ崩壊を起こしかけていたようで、ヴォルトとシャドウに諌められ、冷静さを取り戻す。

「あはは…まぁ、嬉しいのは伝わったよ。」

スバルは苦笑しつつも、アワーグラスβのスイッチを押して時間を動かす。
危険そうな香りは一切しない。普通に食べられる当たりクラスの典型だ。

『スバル殿、伝言だ。“カレーはまだちょっと作るのに自信ないからレトルトで済ませてごめんね。ハンバーグも形が崩れちゃったけど、一生懸命作ったよ! あんまり美味しくないかもしれないけど…頑張って作ったから食べて!”と。』
「何で当たり枠の君がレトルトを使ってゲテモノ系がレトルトを使わないんだし。私、それでオッケーって言ったよね?」
「ああ、言った。」

とにもかくにも、一人目のレトルト使用者が現れた。が、今回はレトルトを許可しているので、勿論ルールには違反していない。最悪レトルトだけで許すと言ったが、この料理を作った人物は自分なりのアレンジを加えたようだ。ハンバーグはようやく自信を持って作ったが、今回は少し失敗してしまったようだ。だが全然許容範囲だ。

「いただきます。」

スバル達はスプーンを持ち、食べ始めた。
レトルトなので当然美味しい。作った本人が辛いものが苦手なので甘口のカレーだが、とても美味しかった。

『…紅、こいつは最初はゲテモノしか作れなかったと聞いた。』
『ああ。神に対して最初に出した料理は、見るも耐えぬものだった。』
『だが、今はきちんと作れている。…いつか葉月もこんな風に作れるようになるだろうか。』
「それは当人次第だね。私はあくまで、最初の設定として料理下手を与えただけ。そこから変わるかは、当人次第だよ。私は基本干渉しないし。」

セルシウスは一口、また一口とカレーを口に含む。
その脳裏には、この料理を作った人物と同じような属性を持つ自身のマスターを思い浮かべているのか。

「なんか、セルシウスさんってお母さんみたいだね。マスターである葉月ちゃんを、親みたいな存在として見守ってる感じ?」
『…我が子の成長を願う親の気持ち…。そう、かもな…。』

胸の辺りが、暖かくなる。親のような心境を指摘された事で、どこかむず痒い何かを感じたのだろうか。

『…見守っていきたいという気持ちは…悪くないな。』
「そうだね。それはわかる…って、セルシウスさん、溶けてない!?」

なんと、なぜかは分からないが、セルシウスの体が溶け始めていたのだ!
別に辛いものは入ってはいないはずだが、若干溶けている。

『…きっと、心が暖かくなったからだろう。だが…この溶け方なら、悪くない。』

セルシウスは自身の周りに冷気を漂わせながら、またカレーを一口ほおばった。











総評:三+


セルシウス:評価…三+
フフ、とても美味しかった。暖かい気持ちにさせてくれてありがとう。精霊でも、親のような心境を持つ事が出来ると思わせてくれてありがとう。マスターの成長と共に、お前の成長を見守りたいと思う。困った事があるならば言ってくれ。

スバル:評価…三+
あらあら、セルシウスさん、幸せそう。ハンバーグはちょっと形が崩れていたけど、美味しかった。料理下手設定をしたのに、二年近くでここまで成長したのは凄いよ。これからも昴の事を宜しくね。もちろん、困った事があったら何でもお姉ちゃんに相談なさい。出来る限り、力になるよ。

MZD:評価…三+
オレ達を死なせないように配慮してくれてサンキューな。他の奴等もこれだったら料理対決で死にかけたりしないっつーのにマジで茨の道を歩くんだから困ったもんだぜ…。レトルトは甘口のカレーだったが、これなら辛さを調節できる粉とかがあればよかったかもしれないな。辛いのが割と好きな奴はちょっと物足りないかも。そういう心配りは昴や理乃から学んでみろ。お前の美味い飯も楽しみにしてっかんな!

振り返り ( No.844 )
日時: 2015/04/23 17:48
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)

残る一つとなった所で、スバル達は試しに振り返りをしてみる事にした。

「一番は葉月。お肉が上質なものだったのに焦がしたのは勿体無かったな…。しかし、それを何故にあのラゾリートに当たったのかが謎だ。」
『二番目、理乃…。完璧ナ作品…。ユーティスモ、嬉シソウダッタ…。』
『三番は風花。リベンジしたかったのは分かるが、簡単なものから始めればよいものを…。ノームが当たって正解かも知れんな。』
『…。』
『四番ハ、由梨…。時間配分ノミスハ、ヴォルトモ驚イタソウダ…。ダガ、ウンディーネガ幸セソウダッタカラヨシトスルソウダ…。』

四番まで振り返ったところで、全員肩を落とす。あのクトゥルフの惨事を思い出したのだろう。

「五番は…うん、語る価値なし。セフィーちゃんが生きてたのが奇跡だよ。その後で六番で私の娘! …けど、何であんな真似したか後で聞きださないとね。フィアレスも調子乗って更に嫌いなものを入れさせようとすんなし。」
「で、七番はその息子の鏡だな。セルシウスも嬉しそうだった…な…。」

そこまで振り返ると、全員顔面を蒼白にさせた。
そう、まだある危険人物が出ていない。その人物の料理が…あろう事かラストの八番。











同じ頃、中で精霊達も自分達が食べた料理を振り返っていた。

『一番はあのラゾリートから聞いた所、葉月の可能性が高い。それを何故あの馬鹿は改悪した。頭に来たから股間に【アイスニードル】プレゼントした。』
『ナイスだセルシウス。二番は理乃。馴染み深い味でホッとしたが…本当に何故前半で消えるんだ。』
『それは籤が悪いと思うぞユーティスー。三番は風花だなー。温度の上がるおにぎりって初めてだからびっくりだー。』
『ノーム、誰だって驚きますよそれは…。四番は由梨。力の入れる対象が違ったので、ヴォルトが苦笑してましたね。でも、とても美味しかったですし、楽しかったです。』

現在地下にぶち込まれているイフリートの代わりにセルシウスが振り返り、ユーティス、ノーム、ウンディーネが続けて振り返る。

『ここで大当たりが消えた矢先に七海さんのあのクトゥルフ事件でしたね。後でマスターから恐怖のオシオキがプレゼントされないか心配です。』
『いや、理乃の事だから絶対殺ると思うよ、セフィーお姉ちゃん。六番は分身の方のすーちゃん! 本体の方のスーちゃん喜んでたけどどんでん返しがウケた! アハハハハハッ!』
『フィアレス、お前な…。またスバルから拳骨食らっても知らないぞ。七番が鏡。あいつの成長はこれからも葉月共々見ていきたい。…ん? まだ出ていないのは…。』

セフィー、フィアレス、セルシウスが振り返ったところで、ノーム以外の精霊達が固まる。
そう、彼女等も思い至った。最後の料理に。

『…はぁ、こうなっちゃたか…。』

どこか覚悟していたのか、最後の試食者であるラフィーが溜息をついた。

『最後って聞いてこうなる事は若干予測してたから覚悟はしといたけど、やっぱ怖いなー。』
『私は何故こう私達の被害率が高いか聞きたい。』

ラフィーが溜息をつくと、ユーティスがガックリと肩を落とした。

『そりゃ、僕らの人数が一番多いからじゃないの?』

そう、ラフィーの言う通り、今回シルフ四姉妹は全員出席しているが、他のメンバーは最大で葉月の二体、由梨と七海の精霊は一体ずつしか出ていないので、こうなる事は予期していた。

『しかし、何故長女と末子が犠牲になる。』
『どっちかって言うなら三女が犠牲になってほしかったけどね。』
『酷くないラフィー!』

フィアレスは妹の言葉にプンプンとむくれるも、

(ラフィーの気持ち、少しわかる気がする…。どうせなら一番のにぶち当たった奴がラストになってくれればよかったのにな。)

同じくカオスクラッシャー枠に該当するセルシウスも、気持ちがわかったようだ。しかも次に例にあげたのは相反する属性の精霊。本当に何でまともではない精霊が助かってるんだし。

『はぁ…。でも、食べないと終わらないから行ってくるよ。』
『本当はふんじばってでも貴方を止めたいけれど、スバルさん達も覚悟はしていると思うし…。気を付けてね、ラフィー。』
『出来る事なら逃げたいけどね。じゃ、行ってくる。』

ラフィーは溜息をつきつつ、セフィーに答えてから出ていった。

『神様、どうか妹が助かりますように…。』

妹の姿を見送った長女と次女は、祈るように手を組んで、願った。


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