二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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神様のノート 一冊目
日時: 2015/05/12 18:40
名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346

始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。

基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。


とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。

それでは、よろしくお願いします。


※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。

昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。

そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。

色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。

昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。



—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。


「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」


5/12 最終更新


『目次』

☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186

〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43

〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123

〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671

〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420

〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848

〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました


☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506


☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585


☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835


☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276


☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589

〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319

〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888


☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649


☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!

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O・SHI・O・KI☆後半戦 その一 ( No.110 )
日時: 2014/10/27 18:57
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: QLqt9zto)

オシオキ執行、一週間前。
昴達が男子+ジョーカー一味の料理対決を終え、出張してから帰ってきた時の、数日後の事。

「〜♪」

水鏡を鼻唄で歌いながら玄関を掃除する昴。ちなみに、下ではただいま絶賛パステルくんが作業中であったりする。

「おーい、昴さーん!」
「ん? おー、メルじゃないか。」

大量の手紙を入れた鞄を持ってキックボードでやって来た郵便局員の少女、メルが昴の元にやって来たので、昴は掃除の手を止め、彼女を見た。

「配達か? いつもごくろうさん。何か茶でも…って、まだ配達が残ってるな。」
「お構い無くっ! これが私のお仕事だから、気にしないで! それはそうと、昴さんに手紙…うん、手紙、だよ。」
「何だよ歯切れ悪いな。」

いつもはすぐに渡してくれる筈なのに、何だか今日はぎこちないメルに、昴は首をかしげた。

「最近、異世界からも手紙が届くようになったけど、正直これは受け取りたくなかった。」
「どんな手紙だよ。」
「…渡す前に聞いていい? 昴さん、何したの?」
「は?」

何をしたか訊ねられ、昴は更に訳がわからなくなった。

「別に何もしてないけど…。」
「じゃあ、この請求書、何?」

そう言ってメルが差し出したのは、請求書。慰謝料と器物損壊による賠償金だ。
しかもこれ、宛先が昴だけじゃなくてジョーカーも混じっている。

「なっ、なっ、なっ…なんじゃこりゃあぁぁぁぁっ!?」

流石にこれには昴も叫ぶ。

「どっ、どうした昴殿!」

その悲鳴を聞き付け、裏庭で洗濯物を干していたジョーカーがやって来た。

「ジョーカー、これは一体どういう事だ?」
「は?」

訳がわからぬまま、ジョーカーは昴から渡された請求書を見た。

「なっ、なっ、なっ…何だこれはあぁぁぁっ!?」

ある程度見た後、昴と同じように叫び声をあげた。これにはメルも「あー…。」と呟きを放った。

「二人共、知らなかったんだね…。じゃあ、その請求書って何?」
「…ごめん、全然知らない。多分ジョーカーも分かってないな、あの様子じゃ。」

メルは訊ねたが、昴は首をかしげ、ジョーカーは固まってしまっている。

「ど、どしたのすーさん!」
「あ、鏡君。」
「鏡。」

二連続で聞こえた叫び声に、部屋の中で遊んでいた鏡がやって来たようだ。

「メル姉、すーさん、どうしたの? ジョーカー、固まってるけど…。」
「うん、謎の請求書が届いたからちょっと固まってるの。」
「謎の請求書?」
「ああ、これだ。」

昴はジョーカーの手から請求書を取り上げ、鏡に渡した。

「うわ…。すーさん、こんな金額を払うような事したの?」
「したと思うか?」
「全然。…あれ? これ、りゅーさんの世界から?」
「あ、そっちまで見てなかったな。…メル、そうなのか?」
「うん、りゅーとさんって人の世界からみたい。」

どうやら数日前まで自分が出張していた世界からの請求書のようだ。

「…あ。」
「どうした? 鏡。」
「んとね、この請求書が届けられた店の一つでちょっと…。」

鏡は昴にゆっくりと話し始めた。

O・SHI・O・KI☆後半戦 その二 ( No.111 )
日時: 2014/10/27 19:03
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: QLqt9zto)


「…。」
「うーわー…。やっちゃったねー、あの子…。」

鏡の証言を聞いた昴は、その顔に青筋を立て、メルは死んだ目を浮かべていた。

「鏡、そん時に一緒に行った奴とかっているか?」
「えっと…そのお店には月姉と一緒に行ったよ? オレ、途中で目をふさがれちゃったからわかんないけど、周りの人達が言ってた。」
「葉月だな。後であいつにも事情を説明願わないとな。」
「何だか他にも知っている人いそうだね…。私、配達ついでに色々と聞いてみようか?」

メルの申し出に、昴は頷いた。

「ああ、頼む。」
「りょーかいっ! 後で昴さんのロールケーキ一本で手を打つよ!」
「無償じゃねぇのかよ。まぁ、いいけど…。」
「わーい! じゃ、また後でねー!」

そう言ってメルはキックボードに乗りながら神殿を後にした。

「…これはパステルくんに報告しないとな。」

昴はその手に請求書を持ってポソリと言った。…その笑顔の裏に、深い憎悪を隠しながら…。











そして、作業中のパステルくんへと報告したその夜。仕事を終えたメルからの報告を聞いた昴は、あるところに電話をかけた。

「…うん、こっちでもその被害状況は掴んでる。…ああ、オシオキは手加減してくれなくていい。じゃあ、オシオキ前日くらいにうちの奴等がそっちにお邪魔するんで、盛大にモフられてくれ。じゃ、よろしく。」

昴はそう言って、通話を切った。

「昴殿、一体誰に…。」
「あっちでうちの烈的立ち位置にいる奴。」
「理解した。」

それだけ言うとジョーカーはすぐに引き下がった。

『まったく、こちらの世界での迷惑行為だけでも許されんのに、他所の世界で散々暴れおって…。』
「クマがアイツに染まらずに生きてほしいよ…。」

イカを食べながら呆れる紅の言葉に、昴は同じように呆れながら、まだ踏みとどまっているクマの事を思った。

「アイツにまだ余罪とかないといいけどな…。」

昴はぽつりと、そう呟いた。
…オシオキ前日、この呟きが現実となるのを、この時の彼女は知らなかった…。





…え、この間に何が起こったか? それはここを辿っていただければ多分分かります。ええ。

O・SHI・O・KI☆後半戦 その三 ( No.112 )
日時: 2014/10/27 19:07
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: QLqt9zto)



時は流れて、オシオキ二日目、今日は悠の命日だ。

「さぁて、と。純粋組は風花や完二に手伝って貰って非難させたし、堂島さんも来たし…そろそろか。」

神殿前にて、昴は傍らに控える人物を見た。

「…何だろうな、うん。俺もこんなナリとか口調をしてるけど、一応女だ。…今のアンタの姿、何かこう、憧れるんだけど。いや、憧れちゃならないって言うのは分かってるけど…。」
「…。」
「ごめんごめん。悪気はないんだ怒らないでくれ。後で鏡にぎゅーするよう頼むから許してくれ。」

鋭い目で睨まれて、昴は思わず身をすくめる。
が、すぐに携帯電話を取り出し、電話をかけた。

「さぁ、徹底的に粛清してやろうぜ。」

今、オシオキが始まろうとしていた。











—おーこーめー、おーこめこめー♪

「…ん?」

BEMANI学園寮。今ここでは悠が絶賛勉強中であった。
…え? 何の勉強かって? …裸族技の。

「(昴さんから?)はい、もしもし。」
『あー、悠。ちょっと悪いんだけど、今から聖域に来てくれないか? お前にしか頼めない事があってさ…。』
「俺にしか頼めない事?」

あからさまに怪しい電話。神殿にいる人物達に頼めばいいのでは、そう思ってもおかしくない内容d

「はい、すぐ行きます!」

うん、そうだった。こいつはこんな奴だった。

『じゃあ、神殿で待ってるから。』

その言葉を最後に、昴からの通話は切れた。

(昴さんからの頼まれ事…これを上手くこなせば、コミュ復活、ひいては恋人フラグを立ててもらえるかもしれない!)

こいつ本当に欲望と煩悩の塊だなおい。そんな事書いている間に彼はいそいそと服を着て外に出て行った。
…おい、服着てなかったのかよ。












「…あの野郎、まだ俺からの着メロお米云々かよ。」

創造者から同期された内容を見て昴は危うく携帯電話を握り潰しそうだったが、そこはぐっと堪えた。

「まぁ、いい。後はあいつ等に任せるか。」

昴はそう言うと、戦闘中でお世話になったハロボットを更に理乃と直斗と風花と凪の工学系メンバーが改良したものを飛ばした。
ハロボット改は、すぐに辺りの景色に溶けて消え去った。

O・SHI・O・KI☆後半戦 その四 ( No.113 )
日時: 2014/10/27 19:13
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: QLqt9zto)



ウキウキ顔で歩く悠の後ろに、先程昴が飛ばしたハロボット改が到着した。
その視点から見える映像が、今、神殿のリビングに届けられた。

「感度良好、ですね。」
「無線カメラに迷彩機能に自動追尾機能…お前等、もうメカニックになったらどうだ?」

高機能の性能が搭載された物を四人で作り上げたその腕を称賛し、昴は思わず機材のチェックをしていた直斗に言った。
今、神殿のリビングには、ツッコミ属性持ちとパステルくんが待機して、オシオキの様子を見ていた。

「さて、そろそろか。」
「うん! 商店街に入った所で、あの子が動き出したよ!」
「よし、俺らは見守ろうか。」

昴達は、目の前に映る悠の姿を見ながら、ニヤリと笑みを浮かべた。
パステルくんはそっと、看板を持ち上げる。そこには、

『変態裸族への社会的制裁〜鳴上悠へのオシオキ〜』

と書かれていた…。











これから何が起こるか何も知らない悠は、呑気に鼻唄を歌いながら歩いていた。
その後をつけるように、赤いキャップをかぶった青と黄色のボーダーシャツの少年が歩く。そう、昨日もオシオキを見守りつつ由梨の作った大学芋をもきゅもきゅと食べていたりゅーとさんの所の悪戯天使☆ネスサンだった。

(あららー、完全に油断してるねー♪)

ネスはしめしめ、と言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべ、徐々に悠との距離を積めていく。

(ピーチとの合流地点まであと少し…。)

どうやらピーチもこの悪戯…いやいや、オシオキに関わっているようで、計算しながら距離を積める。
一方その頃、ピーチは聖域の入り口近くにある、烈の住む酒屋の軒下で待機をしていた。
その手が添えられたお盆には、赤い、いや、紅いスープが乗せられていた。

「ご免なさいね、聖域付近が軽く異臭騒ぎになりそうだけれど…。」
「構わんよ。孫に…鏡とリリィに変なものを見せた報いじゃ。徹底的にやっておくれ。」

徐々に近づいてくる悠を見ながら、桃色のドレスを纏ったお姫様、ピーチが傍らにいたオレンジ色の髪をした赤い目の少女、茜に謝罪をするも、茜はいい笑顔で親指を立てた。ちなみにこのピーチもりゅーとさんの所のピーチである。
茜さん、相当プッツン来てるのね。いや、今名前の出てない、唯一の血の繋がった孫から色々聞いていてもおかしくないけど。

「…じゃあ、遠慮なくやらせてもらうわね。」

遠くに見えたネスからの合図に、ピーチはタッ、と駆け出した。
ピーチが来たのを確認したネスは、素早く悠の後ろに回り、そして指を君で人差し指を立て…。

「そぉいっ!」
「ふぐおっ!!」

悠の尻に思いきり突き刺した。そう、カンチョーである。
突然の攻撃に悠は悶絶。その隙にネスはテレポートで素早く逃げる。

「るんたらったら〜♪」

悶絶している悠目掛け、ピーチがスキップをしながらやって来た。悠はまだ尻の痛みに集中し、気づいていないようだ。

「あっ。」

ピーチは悠の近くまで来た時、何かに躓いて転んでしまう。
お忘れではないはずですよね? ピーチは、紅いスープが器に盛られたお盆を持っていた事。当然、今こうして転んだピーチの手にはない。
…その器は…。

「ぎゃあぁぁぁぁっ!!」

案の定、目の前にいた悠へと放物線を描いてかかりました。
ちなみにあのスープだが、この時の為に昴がりせを騙して作らせました。

(ウフフ、大成功ね♪)

ピーチは笑みを浮かべながら素早く起き上がり、酒屋に向かって走っていった。酒屋で待っていた茜とハイタッチをした後、そのまま中に入っていった。

「う、痛た…。って、辛あぁぁぁいっ!」

起き上がった拍子に口の中にスープが入ったようで、暫く悶絶する悠。だがすぐにそうやっている場合じゃないと気づいたのか、神殿の方には行かず、別の場所に向かう。











「…烈。」
「ん?」
「お前のばーさん…怖いな。」
「ばーちゃん、ノリノリだったなー。って、悠の奴、どっか行くぞ? あの方角だと…風雅ん家か?」

悠の行動に疑問を持った烈が、ハロボット改の映す先を見て呟いた。

「恐らく、このままでは昴さんに会えないと悟ったのでしょう。…久慈川さんのスープまみれですからね。」
「ああ、そんな奴に会いたかないわ。じゃあ、風雅ん家でシャワーを借りるのか?」
「後は多分服もだろうな。鳴上、クマ吉に頼んで風雅ん家に出しに行って貰ってたみたいだから。」
「じゃあ、服を引き取るついでにシャワーを借りるって感じかな?」
「多分な。…そういや、フランシスがさっき寮から帰ってきてたな。」

フランシスは純粋組の避難誘導をしていたが、あちらを風花と葉月に任せ、自分は帰ってきたようである。

「まぁ、あいつが変な事をしでかすようならあいつが止めるか。」

取り合えず、成り行きに任せる事にしたようだ。

O・SHI・O・KI☆後半戦 その五 ( No.114 )
日時: 2014/10/27 19:18
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: QLqt9zto)



現在、クリーニング屋では二つの存在がお尻を押さえて踞っていた。

「…あのガキ、後で刺す。」
「フランシス…落ち着いて…。僕も手伝うから…。」

どうやら、悪戯天使☆ネスサンはテレポートでここにやって来て、悠にやったカンチョーを風雅とフランシスにもやったようだ。まぁ、後でこの二人にもやると言っていたから、有言実行したのだろうな。うん。ドンマイ二人とも。

「…ん? 風雅、客が来る。」
「ほんとだ。何か気配がする。」

野生の勘で何かを感じたのか、フランシスが反応し、気配を探っていた風雅も反応し、痛む尻を押さえながら起き上がった。

「風雅、いるか?」

カラカラと戸を開けて入ってきたのは、悠。
が、先程のりせちー特性スープがかかったままなので、酷い臭いが辺りに広がった。

「臭っ!」
「何て臭いをさせているんだお前は!」

風雅とフランシスは強烈な臭いに思わず鼻を押さえた。

「じ、実は、誰かにかけられて…。俺が預けていた服と、勝負褌を引き取りに来たんだ。あと、シャワーも貸してほしい。」
「今からどこかに行くの?」
「ああ、聖域に。お礼に新しい裸塩吹き矢パンを」

悠が全てを言い終える前に、彼のスレスレに一本の刃が突き立った。

「貴様の作った変な物はいらん。シャワーは貸すし服も用意しておくしその着ているものもクリーニングに出しておいてやるからとっとと浴びてこい。」
「ハイ。」

上空に残り三枚の刃を待機させながら、フランシスが一気に言い放つ。
悠は流石に危険を感じたのか、そそくさと足早に浴室へと向かった。











「裸塩吹き矢パンとか嫌な予感しかしない。」

ちなみに、裸塩吹き矢パンと言うのは、ちくわを裸塩をふんだんに使ったパン生地で包み、時には非常食に、時にはちくわケツ吹き矢用の道具にもなるスグレモノナノダ。
悠ハドウヤラ実際ニ売ラレテイルちくわパンカラヒントヲ得テ編ミ出シタヨウダ。

「(書いている最中にすげー憎悪が芽生えやがったなコイツ。まぁ、ちくわパンは実際に売られてるし…。)烈、陽介、大丈夫か?」
「あの悪ガキ、燃やしてやりたい…。」
「烈、ちょっと二人でシメようか。」

どうやらこちらにも悪戯天使☆ネスサンの被害が出たようだ。この分だとクマもやってるな。あのコ。それと、運命浄化と地雷屋は落ち着け。

「さて、あいつが着替えて…オイ。」

昴が見たもの。それは…“漢と刺繍された褌をつけて仁王立ちしている悠”だった。しかも裏地をよく見るとそこには、“擬人化済みのセシルとリリィが抱き合っているイラスト”が描かれていた。しかも二人とも、服が破れて(これ以降は昴が消しました。)

「…。」
「ジョーカー。落ち着こう、うん。」

二人の大事な愛娘とも呼べる存在の成人未満ご遠慮願うイラストを見て、ジョーカーはブチギレないわけがない。
そんな中で、テレビ画面内ではフランシスが服を持ってやってきた。

『上がったか。服ならそこに…って、オイ。何着ている。お前が履いていた下着はどうした。』
『これが履いてた下着だが?』
『…。』

フランシスは黙って褌をめくり、裏地を見た。見てはいけないものを、見てしまった。

『いやんフランシスのエッチ。』
『貴様、昴の用件が終わったら覚えていろ。セシルやリリィに何をするつもりだ。』
『コミュフラグと恋人フラグ期待。』
『今から俺が死亡フラグを立たせてもいいか? 嫌なら褌を脱いで完二が通販で買ったこの普通の褌を巻け。それは俺が切り刻む。』
『嫌だ! これは昴さんの汗水たらして働いたお金で作って貰った大事な褌だ!』
「てんっめえぇぇぇっ! やっぱりあの請求額の中にお前の痛い褌、縮めて痛褌(いたふん)が入ってやがったのかよ! もう許さねぇ! スキルコンバート、MZD!」

あ、昴が怒った。いや無理もない。自分の汗水たらして働いたお金が痛褌によって消されたのだから。しかも知らないところで。
って、昴の怒りがハンパねぇ! MZDのスキルを使う気だよこの子!

「す、昴さん落ち着いてー!」
「落ち着いてください、昴さん! 気持ちは十分分かりますが!」
「神殿がメチャメチャになっちゃうよー!」

それに気づいたパステルくんと直斗、千枝が慌てて止めた。これにより、昴の暴走は収まったようだ。
話を元に戻して、悠はフランシスが用意していた普通の褌を巻き、外に出て行ったとか。ちなみに痛褌はフランシスの手によって切り刻まれ、昴にちょっとだけ痛褌代を支払ったのは、後の話。


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