二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 一冊目
- 日時: 2015/05/12 18:40
- 名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。
基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。
とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。
それでは、よろしくお願いします。
※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。
昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。
そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。
色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。
昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。
私
—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。
昴
「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」
5/12 最終更新
『目次』
☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186
〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43
〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671
〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848
〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました
☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506
☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585
☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835
☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276
☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589
〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319
〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888
☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649
☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!
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- 実食 裏回 鏡 ( No.330 )
- 日時: 2014/12/29 23:15
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
「次はオレかぁ…。」
ランプが光り、鏡はお弁当をエレベーターの中にいれ、待った。
恐怖もあるが、ワクワクしていた。誰の料理が来るのか、楽しみだった。
やがて、次なる料理が到着する。ゲテモノでない事を祈りながら、机においた。
「うぅ、開けるの怖いな…。」
「みんな同じだって。開けてやろうか?」
完二がそう訊ねると、鏡は頷いて「お願い。」と言った。
それを聞き届けた完二は、蓋を開けた。
「…なんか大丈夫みてぇだな。」
そこにあったのは、何の変哲もないお弁当箱とスープジャー。
お弁当の中身は、塩むすびに炒り卵、それから茹でた野菜と鳥ササミのサラダと焼き鮭、そして、豚肉のしょうが焼き。
スープジャーはワカメの味噌汁。恐らく即席タイプのものだろう。鏡はアワーグラスβで時間を動かし、食べ始めた。
特別美味しいと言うわけではないが、普通に美味しく食べられる。
「美味しー! でも、これ一体誰のかな?」
「さぁ…検討もつかねぇな…。」
「…あ。」
食べながら鏡が聞くと、全員首を傾げるが、直斗だけ豚のしょうが焼きを見て反応を示した。
「直斗君、わかったの?」
「! か、確証はないですが…。」
直斗の顔が、何故か赤くなっていく。それを見た鈴花は、ぽんっ、と手を打った。
「鏡君、それ、多分凪君じゃない?」
「なあっ!? なっ、ななな何を根拠に言って!」
「直斗、動揺してるって事はお前も凪のだって考えたっつってるぞ。」
「花村先輩は黙って下さい!」
顔を真っ赤にしたままの状態で凄い剣幕で怒られたので、陽介は萎縮してしまった。
「あ、そう言えば凪、しょうが焼きの練習してた! オレ、何個か食べさせてもらったの思い出した! 確かその時、直斗も横にいて二人で一緒にレシピ見ながら作って」
「うわあぁぁぁぁぁっ!」
「ふむぎゅっ!」
鏡がドデカイ爆弾を落とそうとしたので、直斗はすかさずしょうが焼きを鏡の口に突っ込んで封じた。
だが、この慌てようで十分わかった。これは凪のお弁当であり、そして、直斗は一目見ただけで凪のだと確信したのだと。
「らーぶらーぶ。」
「らーぶらーぶ。」
「らーぶらーぶ。」
「おちょくらないで下さいよ! 鈴花さん、リリィさん、クマ君!」
「うふふっ、原稿が進みますわねー♪」
「牡丹さんは描かないで下さーいっ!」
暫くこの状態が続いたので、完二と陽介が何とか宥めている間に、風雅は鏡に評価用紙へと記入するよう言った…。
☆
鏡:評価…三+
お弁当、美味しかったよ! ジョーカーや直斗と一緒に頑張ってたもんね! 凄い上達速度で憧れるなぁ…。
普通に作れてるから、次はアレンジだね! 一緒に頑張ろ!
- 実食 裏回 クマ ( No.331 )
- 日時: 2014/12/29 23:20
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
何とか宥め終わった頃に、準備完了の合図であるランプが光った。
「次はクマ吉か?」
「そうクマ! クマ、入れてくるクマー!」
キグルミを脱ぎ、人型になったクマがとたとたとトレイを持って走っていった。
そして中に入れ、暫く待つ。すると、例の如く蓋付きのお盆がやってきた。
「来たクマ来たクマー! んじゃー早速、ほいっと!」
楽しみにしていたのか、クマはすぐに蓋を開けた。
中身はごく普通なお弁当箱にスープジャーとアワーグラスβ。そして…謎のスマホ。
「…スマホ?」
首を傾げる一同。何故ここにスマホがある。
「…桜坂先輩、鏡君、ちょっと来て頂いてもいいですか?」
「ローズ、リリィちゃん、ちょっと来て貰っていい?」
何か嫌な予感を察知したのか、直斗と鈴花がそう促した。
「えっ? 構いませんけど…。」
「うん、でも、何するのー?」
「行く。」
「え、どうしたの、鈴花。」
純粋組が避難したと同時に、クマはアワーグラスβで時間を動かす。
中身は五目御飯のおにぎりに肉じゃが、卵焼きに野菜炒め、鮭の塩焼きがあった。スープジャーは塩味が効いているであろう卵スープのようだ。
そして、一口食べた。
「…しょっぱいクマ…。クソマズイクマ。」
「お、おい、この展開って…。」
「恐らく…そうでしょうね。鈴花と直斗の判断は正しいでしょう…。」
陽介と牡丹が互いに顔を見合わせ、これから起こる事を予測し始めた。
嫌な予感をこの場にいる全員で共有していると、スマホがピリリと鳴った。メールの着信だ。
「…。」
嫌な予感はするが、そのメールを開く陽介。そこにある件名は、『これを食べた人達へ』と書かれており、本文は何もない。
「…クマ、多分それ…。」
「映像は後でスーチャンと一緒に見た方がいいクマ。いっぺんスーチャンにスキル食らうといいクマ。ナオチャン、リンチャン、入って来ていいクマ。こんな映像は後で見るクマ。今はこれだけで十分感想が書けるクマ。」
クマはそう言って直斗達を呼び戻し、一人評価用紙に向かった。
「…うぷ…映像見てないのに何か気持ち悪くなって来たクマ…。」
「クマ吉、今そこに凪いたから、休ませるよう頼んどくぞ…。」
評価を書き終えたところで、クマは気分が悪くなり、陽介から凪に頼んで休ませる事になった。
☆
クマ:評価…零−
センセイ、クマは生まれた姿を曝せる裸族はスキクマ。楽しいし、スキクマ。けど、エーセー的にアウトな塩とクソマズイこの裸族料理はダイキライクマ! エーセー的にアウトじゃないのを考えてるみたいだケド、クソマズイんじゃダイキライクマ!
ヨースケ、チョット、後で一緒にジュネス・ボンバー(P4Gにて追加された陽介とクマの合体技)やってほしいクマ。
これをスーチャン達が食べなくてよかったクマ…。下手するとまた胃痛が…。
- 実食 裏回 ローズ ( No.332 )
- 日時: 2014/12/29 23:25
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
「…花村先輩、映像、どんなのだったのですか?」
「どうせロクなのじゃないだろうから、後で見る事になった。所謂公開処刑。あ、凪と雪花ちゃんと葉月ちゃんには後で俺から頼むよ。避難。」
「…クマ君の判断は賢明な判断だと思います。」
映像は後で全員で見るようだ。ちなみにスマホは陽介が預かる事になった。
「おっ、ランプ点いたな。次は誰だ?」
「ボクだよ! じゃ、行ってくるね!」
ローズは四次元バッグからお弁当とスープジャーを取り出し、トレイに並べた。
「ローズ、私が入れるよ。」
「ありがと、鈴花!」
全て並べ終えた後、流石にこれをもってエレベーター前にまで浮くのは可哀想なので、鈴花が持っていく。入れて程なくして、蓋付きのお盆が帰ってきた。鈴花はそれをすぐに持ってわくわくしながら待つローズの前に置いた。
「じゃ、開けるね?」
「うん!」
カパッ、と開けられた蓋から出てきたのは、お弁当箱とスープジャー。鈴花はアワーグラスβで時間を動かし、お弁当箱の蓋を開けた。
中身は、肉巻きおにぎりに鳥そぼろの卵とじに白身魚のフライ、豚肉と野菜の炒め物に、ビフテキ串があった。スープジャーの中身は、豚汁だ。野菜は恐らく専用のキットを使っただろう。
「これ絶対里中だろ。」
「え、陽介もう誰が作ったかわかったの?」
ローズは首を傾げながら、答えた陽介に聞いた。その当の本人は無意識に口から出ていたのだろう、指摘されて気がつき、顔を真っ赤にした。
「流石夫婦ッスねー。」
「奥さんの手料理はすぐに分かっちゃうんだね!」
「やべぇ花千枝キぶぎゃっ!」
「うるせえよ!! あと牡丹は描くな!」
顔を真っ赤にさせながら、牡丹を蹴りつつ完二と鈴花に怒鳴り散らす陽介。
「つか、お前等だっていつか夫婦にな」
「だからっ! 俺と鈴花はライバルッスよ!!」
「だからっ! 私と完二はライバルだって!!」
「」
あまりにも息ぴったりなのに、未だに互いをライバルと言い放つ二人。そろそろ素直になれよ…と、陽介は思った。
「ねーねー、食べていい?」
「構いませんよ、ローズ君。あっちは放っておいて、食べてください。」
「うん! 頂きまーす!!」
そんな後ろの光景を無視するよう直斗が言うと、ローズは手を合わせ、食べ始めた。
「肉巻きおにぎりはお醤油が効いてて美味しい! 野菜炒めも…あ、これ塩で味付けたのかな? 美味しいや! 卵とじもそぼろの甘さが効いてて美味しいし、フライも醤油にちょっと漬けたんだ! サクサクじゃないけど美味しいよ! ビフテキ串も美味しい! そう言えば、千枝はこれが好きなんだっけ?」
「ああ。ビフテキ串も肉丼も好きだぞ。つか、肉が好きだぞ。」
「やっぱ奥さんの事は分かってるねー!」
「だあぁぁっ! お前も言うかローズ!」
顔を真っ赤にさせる陽介を無視し、ローズは評価用紙に向かっていった。
☆
ローズ:評価…四−
お肉、全部美味しかった! だけどこれじゃぷよぷよになるよ…。もう少し野菜入れてもよかったかも…。
陽介が大人になったらもう一回式挙げるんだよね? その時はボクにブーケを作らせてほしいな!
- 実食 裏回 牡丹 ( No.333 )
- 日時: 2014/12/29 23:32
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
顔を真っ赤にさせる陽介を直斗と氷海が何とか宥めて、次なるランプを待った。
「ねぇ、牡丹。今回はそんなに薬草を毒草に変える程いじってないんだよね?」
「…ええ、変えていませんわ。今回は由梨さんが用意してくれた薬草で挑みました。」
「そうなの?」
「ええ、由梨も牡丹さんの為にノームと協力して用意したそうです。」
どうやら本当に変わったようだ。だが、何故…?
「…ねぇ、牡丹。何でそんなに変わったの?」
「…勿論、私だって昴さん達が元気になるようもっと効果の高いものを使いたかったのですが…今の昴さんだと、それはもしかしたら強すぎる毒になると思いまして。だから、今回はしないようにしたのですわ。」
「今の昴さんだと? どう言う事?」
「…きっと、語ってほしくないと思います。だから、私からは言いませんわ。」
話は終わりだ、と言うように牡丹は身を翻し、歩き出した。次なるランプはもう点いていたのだ。
牡丹はお弁当箱を入れ、待つ。暫くすると、蓋付きのお盆が戻ってくる。牡丹は席まで行き、蓋を開けて…喜んだ。
「まぁ! ホイル焼ですわ!」
「ホイル焼…? 由梨かな? 何だかいいキノコが手に入ったからそれを使ったって…。」
「私がピーチさんに頼んで分けてもらったんですわ。由梨さんにも、教えていただいたお礼に一緒に。私も同じキノコを使いましたの。ピーチさん曰く、これはホイル焼にすると絶品なのだそうですわ! 勿論、他のものでも美味しいそうですわ。」
お弁当の中身は牡丹の言ったようにホイル焼と、ちらし寿司風の混ぜご飯をおにぎりにしたもの、出汁巻き卵、さばの煮付け、蕪と大根の漬物があった。和風の物が多いから、これは恐らく由梨で間違いないだろう。
牡丹は嬉しそうな顔をしてアワーグラスβで時間を進めた。
「んー、美味しいですわ! やっぱり由梨さんの料理は凄く美味しいです!」
「きっと由梨も喜びますよ。」
喜びも一塩に、牡丹は評価用紙を取り出した。
☆
牡丹:評価…五+
とても美味しかったですわ! 蕪と大根の漬物は前もって漬けていたものを使ったんですのね。ホイル焼も美味しくいただきました!
あの、昴さんはお弁当、喜んでくれました? 今回はちょっと頑張ったんです。喜んでくれるといいのですが…。
牡丹は嬉しそうな顔を解かずに、評価用紙をしまって由梨のお弁当を完食した。
『ローズ、フランシス、セシル、リリィ、烈、氷海、鈴花、完二、葉月、理乃。それから、鏡、凪、雪花。悪いけど、今から審査部屋に来い。』
そんな時だった。この放送が聞こえたのは。
「えっ? どうしたんだろ…。」
「…?」
呼ばれたローズとリリィは首を傾げているも、その横にいる理乃の表情は、硬い。
「(変な放送ね…。でも今の声、少し弱ってた…。え、弱ってた? ちょっと待ってよ!)まさか…!」
嫌な予感がして、理乃は急いで審査部屋に向かった。
「あ、りー姉!!」
「待ってー!」
放送で呼ばれた一同は、すぐに理乃を追いかけるように部屋を出た。
「おい、まさか…! 牡丹ちゃん! 本当はお前…!」
「そ、そんな事していませんわ! 何で…!?」
「理由は分かりませんが、僕達も準備しておいた方がいいでしょう。牡丹さんの件は、後回しです!」
「嫌な予感がする…! 先輩、直斗、行こう!」
直斗と陽介と風雅も、部屋を出て行った。
「そんな…なんで…!?」
牡丹はその場で呆然と佇むだけだった…。
- 実食 裏回 理乃 ( No.334 )
- 日時: 2014/12/29 23:37
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: f2zlL8Mb)
翌日、昴達が何とか回復したと知らされた挑戦者一同は、再び待機部屋に戻ってきた。
だが、そこには牡丹はいない。昨日の内に雪花により氷室に括りつけられたのだ。クマはまだ体調が優れないので、引き続き休んでいる。
「つ、疲れました…。あんなに解毒に時間がかかるとは…。」
「おつかれ、理乃ちゃん…。」
ぐったりしている理乃を、陽介が労う。
「…あの馬鹿みたいな料理人がこれ以上増えないでほしいですよ…。(それにしても、どうしてああなったのかしら。牡丹さんの発言に嘘偽りはなさそうだったけど…。由梨、あの後毒キノコがどうとかとも言っていた。…誤って混入するとは思えないわ。…待って。その毒キノコと由梨が使ったキノコが似ているなら、もしかして、ティトレイがやらかしたアレと同じように…!?)」
「それ、みんな思ってるよ、りー姉。あ、ランプついたよ。」
「あ、みたいですね。(…後でちょっと由梨に確認を取らなきゃ。)」
どうやら昴達側の準備ができたようだ。理乃は考えを中断して、鏡に答えた。
「次って、理乃センパイか?」
「ええ。…巽さん、すみませんが料理を持っていっていただけませんか? あ、あとこれも…。」
仮眠を取ったとは言え、休まず回復魔法を放ち続けていたので体力が限界に来ていたのか、理乃は完二に野菜が入った瓶を手渡し、お弁当等が乗せられたトレイを持っていくよう頼んだ。
「ジャーサラダッスか? これ。」
「はい。仮眠を取った後、急いで寮に取りに行きました。ドレッシングにエリクシールを混ぜ込んだので少しは回復するかと思いまして…。あ、山岸さんには連絡は済んでいます。」
「きっとすーさん達喜ぶよ! ありがと、りー姉!」
昴達の体調を心配していた鏡が、理乃にお礼を言う。彼女は微笑みながら手を振った。
完二は頼まれた通り、お弁当をエレベーターの中に入れた。そして、すぐに蓋付きお盆が帰ってくる。完二はそれを理乃まで届けた。
「さて、仕切り直しは誰からで…は?」
「」
かぱっ、と蓋を開けた時、この場にいる全員から言葉が消えた。
「…。」
理乃は蓋を戻す。そして、また開ける。だが、見える光景は変わらない。
「…あの馬鹿は私を殺す気なのかしら。」
そこにあったのは…いや、いたのは、お弁当箱を突き破って制止する、青や緑や黄色や黒と言った混沌とした生物のような何か。スープジャーからも何かがはみ出している。今にも出てきそうだ。
「り、理乃センパイ、これ…!」
「間違いありません。あの馬鹿です。…チッ。」
(理乃センパイが舌打ちしたあぁぁぁっ!!)
こんなのを作れる人物は一人しかいない。そう、理乃とは親友同士である七海のだ。つか黒理乃光臨してません!? 舌打ちとかする子じゃないでしょ!?
理乃は観念し、アワーグラスβを持って動かした。
と、同時に、
「みゃんみゃんみゃんみゃんみゃんみゃんみ(繰り返し)」
「ギャアァァァァッ!」
「シャベッタアァァァァァッ!」
喋りだしたではないか! これには理乃以外の全員が壁までダッシュ!
「命が宿ったよ! 食材に命が宿ったよおぉぉっ!」
「ふえぇ…!」
「怖いよー!」
「ローズ! リリィちゃん! 鏡君! 見ちゃダメ! 見ないでえぇぇっ!」
あまりの恐怖に、純粋組が泣き出してしまった。いや無理もない。鈴花が必死であやしつつ、壁になる。
この混乱の中、直斗がある事に気付く。
「あ、あの、あの物体…大きくなっていってません!?」
「へ? 嘘でしょ!?」
直斗に言われ、風雅は目をぐしぐしと擦り、また見る。
その一瞬で、机の四分の一サイズくらいだったのが…。
「」
机からはみ出るくらいになってました。当たり前だが、これには全員絶句するしかない。
「…。」
理乃は風の欠片で杖を精製し、そして…。
「…【グランドクロス】。」
無詠唱で上級光属性魔法を放った! この現象は普段はあり得ない(低級呪文ならば詠唱無しでも発動できるが、上級は無理。)のにしっかりとみゃんみゃん五月蝿いクトゥルフ料理の真下に魔方陣が現れ、クトゥルフ料理を粉々に砕いた。怒りのせいでそれが可能になったのだろうか…。
そして彼女は微笑みながら、クトゥルフ料理の残骸を手に取った。
「…七海。————————♪」
理乃は何かを呟き、クトゥルフ料理を食べて…ドサリと倒れた。
…その時にはっきりと、彼女から放たれた言葉が全員、耳について離れない。
「…七海ちゃん、死んだな。」
「うん、あんなにガチで切れた先輩、見た事ない。…聞いた? みんな。今の。」
「うん、聞いた。『アトデブ・チ・コ・ロ・ス♪』って…。」
全員、理乃から距離をおいたまま、暫く誰も動かなかった。
後に、鈴花が正気に戻り、全員で慌てたのは言うまでもなかった…。
☆
理乃:評価…零−
貴方は私を殺す気なの? ねぇ、私だって本気で怒るわよ?
…貴方の事だから絶対に味を感じてなくて適当な評価にしているでしょうね。もし評価用紙に零−とか書かれてたら貴方と相性最悪な魔法をぶっぱなしてあげる。貴方が嫌だと嘆いてもやっていいよね? ねっ?
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