二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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神様のノート 一冊目
日時: 2015/05/12 18:40
名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346

始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。

基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。


とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。

それでは、よろしくお願いします。


※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。

昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。

そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。

色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。

昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。



—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。


「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」


5/12 最終更新


『目次』

☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186

〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43

〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123

〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671

〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420

〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848

〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました


☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506


☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585


☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835


☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276


☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589

〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319

〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888


☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649


☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!

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冷酷なる御霊 その五 ( No.550 )
日時: 2015/01/20 21:32
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: fhgz9KYE)

テレビの中に入った一同は、目の前に広がる光景に驚いていた。

「ちょ、ちょっとこれ…! あの場所と同じ場所!?」

いつもテレビに入る際に見ているスタジオのようなエントランス。その光景と同じ風景が飛び込んできたのだ。

「そうクマ。クマも驚いた。スーチャンちのリビングとジュネスのあの場所、入口があんまり離れていなかったみたいなんだクマ。だから、みんなのダンジョンもすぐ行けるクマよ。」
「…あんまりいい思い出ないから、ちょっと行きたくないんだけど…。」

雪子は苦笑いを浮かべながらクマに言う。確かに、自分の衝撃的なシャドウが暴れた記憶が詰まった場所になど、好んで行きたくはない。

「しかし、何故また霧が…。」

眼鏡をかけた直斗は辺りを見回し、苦々しげに呟いた。
ラビリスの事件の時にはなかった深い霧が、再び発生しているのだ。

「そこは、クマにもよくわからんクマ。クマも入ってみてビックリしたクマ。でも、あの時と同じ霧だというのは、なんとなくわかるクマ。」
「本当に何にも見えねぇんだな…。おっと!」

視界が悪いせいで烈はよろけ、出口用のクマテレビにぶつかったようだ。

「あ、そうだ、烈君、眼鏡ないんだっけ。クマ君、眼鏡出してあげて。」
「ホイキタクマ!」

クマはゴソゴソとどこかを漁る。そして取り出したのは、陽介と似たようなフレームの眼鏡だ。
…但し、そのフレームの色は…。

「…おいクマ、これネタか? 俺の担当曲作ったコンポザさんと同じ色なんだけど。」

そう、何故か烈の担当楽曲の生みの親である方と同じ、白縁の眼鏡なのだ。

「急ごしらえだから、それしかなかっただけクマよ。」
「れ、烈君、か、かけて、早くかけて…ブフッ!」
「かける前から何笑ってんだよ雪子先輩! たくっ…。」

烈は笑いが止まらない雪子を見ながら、眼鏡をかける。

「おー、すげ…。ホントに見えるようにn」
「ブッ! アハハッ! や、やばっ、のっ、ノンビリ坊やがっ! PONさんがいるっ! アハハハハハハッ!」
「うるせぇよ雪子先輩! って、何で悠先輩まで笑ってんだよ! おい、直斗にりせ! お前らまで笑うな!」
「すっ、すみませ…プフッ!」

直斗は謝ろうとしてくれているが、笑っているので誠意は伝わっていないだろう。
ただ、他のメンバーは謝罪もせずに笑っているだけなので、直斗より罪は重い。

「…あー、うん。何か分かるっちゃ分かるな。」
「雪子、笑ってる場合じゃないでしょ。」
「クマ吉、他の眼鏡あるか? 流石にウルセェ。」

笑っている場合ではないと悟っているのか、烈からの仕返しが来ると予想したのか、陽介、千枝、完二は溜息を吐きつつ、クマに他のがないか促した。

「他のって言ったら、これしかないクマ。」
「ブフッ!」

そう言ってクマが取り出したのは、パーティーグッズでお馴染みの、あの鼻眼鏡。
取り出した瞬間、雪子と悠は更に腹筋崩壊したようだ。お腹を抱えて笑っている。これには笑っていなかった三人も思わず吹き出してしまった。

「れ、烈君、か、かけ…ブフゥッ!」
「絶対かけねぇよ! もういい! 白縁で行く! おいりせ! 笑ってねぇでさっさとサーチしろ!」
「ケホッ、ゴホッ…。あー、笑った笑った。…そうだね。時間もないし、こっからは真面目に行くよ。ヒミコッ!」

むせていたかと思えば、急に真面目な顔つきになり、ヒミコを呼び出してサーチを始める。

「…うん、やっぱり氷海ちゃん、ここにいる…。微弱だけど、感じるよ。」
「やっぱり本当に…! りせ、場所は!?」
「…大丈夫。気配を辿れるくらいは分かる。」

そしてりせはヒミコを戻し、全員に向き直った。

「案内するよ。着いてきて。」

全員、りせの言葉に頷き、彼女を先頭に歩き始めた。

冷酷なる御霊 その六 ( No.551 )
日時: 2015/01/20 22:16
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: fhgz9KYE)

辿り着いた場所は、全面鏡貼りの、大きな館だった。
まるで氷のように透き通った美しい場所だと、全員同じような第一印象を抱いた。

「綺麗…。」
「こんなに美しい建物、見た事がありません…。」

あまりにも美しいその建物に、千枝と直斗は息を飲む。言葉では言い表せないその建物に、ただただ、綺麗と誉める他なかった。

「ここに、氷海がいるのか?」

烈に問われ、りせは再度ヒミコを呼び出し、サーチをする。

「…うん、この奥にいるよ。間違いない。」
「なら、さっさと助けに行ってやらねぇと…!」
「落ち着け、烈。気持ちは分かるが、約束を破る気か?」
「…だよな。ごめん、悠先輩。」

焦る烈に、悠は冷静になるよう促す。烈はそれにより、落ち着きを見せるも、焦る気持ちは変わらない。

「…あれ?」

そんな中、雪子は入口にあるドアを見て、首を傾げていた。

「どうした? 天城。」
「鳴上君、これ…。」

雪子は悠に入口を指し示す。そこには、女性の絵が描かれたカードがあった。
そのカードを、雪子は見覚えがあった。

「このタロットカード…私のアルカナ…“女教皇”だよね?」
「あ、ああ。」
「何で氷海ちゃんのダンジョンにこれがあるのかな?」

首を傾げる雪子。悠には何故ここにカードがあるか、何となく理解していた。

「それは、俺と氷海が、“女教皇”のコミュニティで結ばれているからだろう。」
「えっ!?」

これには全員驚き、悠を見た。

「アルカナの重複なんてあり得るの?」
「あり得るかと言うか…天城達との絆とは別に、氷海達との絆を結んだんだ。新天地に来て、別の絆を育めと言う事だろうと、マーガレットは言っていた。」
「じゃあ、あたし達と鳴上君、氷海ちゃん達と鳴上君の絆は別物なんだ…。」
「別物ならば、アルカナの重複はあってもおかしくはありませんね。」

千枝と直斗が纏めた言葉に、悠は頷きを返すだけだった。

「鳴上君、ちなみに聞くけど、今現在新しい絆が判明しているのって何人?」
「今判明しているのは氷海を含め、四人だ。氷海、鈴花、昴さん。そして…烈、お前だ。」
「俺も!?」
「ここに来て、初めてコミュニティが発生したのが、お前との“運命”コミュだった。」
「う、運命か…。あ、直斗、一緒だな。」

何故自分が運命かすぐにわかったのか、苦い顔をした後、すぐに同じアルカナの存在に気づき、直斗を見た。

「はい、僕と一緒ですか…。嬉しいような、何か複雑なような…。」
「ツッコミの星は、引かれ合うものなのかな…。」

遠い目をして明後日の方角を見る烈と直斗。

「…お二人さん、気持ちは分からないでもないけどさ、氷海ちゃんの救出、行かないのか?」
「っと、そうだった!」

陽介の言葉に、元に戻ってくる烈。

「相棒、アルカナ談義は後にして、さっさと行こうぜ。」
「ああ、行こう。りせ、警戒は任せた。」
「任せて!」

ヒミコを呼び出し、準備万端な悠達は、中へと入って行った。

冷酷なる御霊 その七 ( No.552 )
日時: 2015/01/20 22:27
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: fhgz9KYE)

館の中は、どこか冷たい空気が漂う、至る所鏡だらけな空間だった。

—初めは、生意気な生徒だと思っていた。
「…! 氷海ッ!?」

中に足を踏み入れた瞬間、氷海の声が聞こえた。

—学校へは遅刻ばかりで、授業中は寝てばかり。何度ノートを写させてくれって頼まれたか、分からない。
「…。」

氷海の言葉に、烈は顔を覆って踞る。そんな彼を、同情の視線で見る一同。言葉はかけられない。何だか分からないが、かけられなかった。

—バトルして、あんな生意気な生徒に負けたと思うと、腹立たしかった。あんな中途覚醒の子に、生まれ持った私の力が及ばなかったのが、悔しかった。

イライラしたような、強い口調。だが、次の瞬間、

—けど…いつからだったかは分からない。いつの間にか、私の中で烈は、大きな存在になっていた。

戸惑いが混じったかのような言葉。だが、その言葉に混じり、どこか優しいトーンを含んでいた。

—烈を見る度に、胸が高鳴ってしまう…。これが…“恋心”というものなのかしらね…。

その言葉の後、氷海の声は聞こえなくなった。

「氷海さんも、初恋だったんですね。」
「戸惑ったろうな、氷海ちゃん…。あんなに悔しい思いをした相手が…いつの間にか、大きく膨らんでいったんだもん…。」
「…何で、そんな思いを抱いていながら、俺を好きになったんだ…?」

りせの言葉の後、烈は戸惑いの色を隠さずに、誰かに問いかけるように聞いた。

「何で、って言う程の大きなきっかけはないと思う。色々な小さな事が重なって、いつしか、氷海ちゃんが気が付かない内に、心の中で烈君が大きくなっていったんだと思う。」
「雪子先輩、何でそう思うんだ? 好きって言うのにも、きっときっかけとか、必要じゃないのか? いつの間に、って言うのも、おかしくないか?」

雪子の話に、烈は再び戸惑いの色を見せながら訪ねる。

「きっかけなんかない、いつの間にか芽生えてる恋心って言うのもあると思うよ? だって、そこにいる千枝と花村君だってそうじゃない。」
「何でこっちを引き合いに出す!?」

突然自分達に振られ、陽介と千枝は思わず顔を赤くしながら驚いて雪子を見る。

「事実でしょ? 千枝だって、あの事件が終わった辺りから、花村君を思い始めていたんでしょ?」
「え、何で知って」
「バレバレだったよ? 気づいたら花村君を目で追ってたし、花村君が休みだと、溜息ついてたよね?」
「さ、里中、そうだったのか…?」
「わーっ! わーっ! ちっ、ちがっ、違うのーっ!!」

顔を真っ赤にして訳も分からず喚き立てる千枝。かなり慌ただしく動いている。

「直斗君や完二君だって、凪君や鈴花ちゃんの事をいつのm」
「天城先輩、それ以上言うと引き金を引きますよ?」
「女だからって容赦しねぇぜ?」

あまり触れられたくないのか、顔を赤くしながらも鋭い視線で拳銃をスタンバイさせる直斗と、指をポキポキ鳴らし始める完二。

「…とにかく、恋心にきっかけ何か必要ないよ。むしろ、何故と問いかけられても、わからないって答える恋心の方が多いんじゃないかな? ネタ集めに人間観察していると、そう思うよ?」
「最後の一文で何か聞いて損した気分になるんだけど、雪子先輩。」

確かに最後の一文はいらないだろう。と千枝は心の中で思うも、烈が既にツッコミを入れていたので、もう何も言わなかった。

「と、とにかくっ、実際、そんな恋心が多いと思うのは私も同…!」

りせが烈に何かを言おうとした時、何か強い気配を感じ、ヒミコを呼び出した。

冷酷なる御霊 その八 ( No.553 )
日時: 2015/01/20 22:42
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: fhgz9KYE)

「みんなっ、構えて! シャドウが来るよ!」
「!?」

その言葉に、全員武器を取りだし、構える。
程なくして、頭に布のようなものを被り、あぐらをかいて白い椅子に座った女性のようなシャドウが三体現れる。

「敵、狂乱のマリア三体! 大丈夫、慎重に行けば勝てるよ!」
「よしっ、行くぞ!」

悠は先制攻撃とでも言うように、十握剣を振るう。
狂乱のマリアはもがき苦しむも、まだ平気なようだ。

「センパイ、普通に効いてるだけみたい! 確かこいつの弱点は…!」

過去に出会った事がある敵のデータを引き出し、りせは頷く。

「火炎と闇が弱点だよ! だから雪子センパイ、【アギダイン】か【ムドオン】をお願いっ! 直斗君も【マハムドオン】をっ!」
「む、【ムドオン】覚えてたんっすか、雪子先輩…。」
「きっちりMAXまで絆を深めたからな。」

いい顔をして答える悠。その辺りは抜かりないようだ。

「直斗君、取り逃がした奴を私がやる!」
「わかりました、お願いします! スクナヒコナ、【マハムドオン】!」

スクナヒコナが身構えると同時に、辺りが深い闇に包まれた。
その闇に当てられた狂乱のマリアは、もがき苦しみながら消えていった。

「雪子センパイ、一体残った!」
「了解! 後は私が…!」
「! 先輩、あぶねぇっ!」

残った狂乱のマリアが雪子目掛けて襲いかかってきたのだ。

「なっ!?(やばっ、コノハナサクヤを呼び出す前に来る!)」
「先輩、伏せろ!」

烈が後ろから焔を飛ばし、狂乱のマリアに当てた。
だが、一瞬の間、怯んだだけだ。

「ダメっ、烈の攻撃、まったく効いてない!」
「やっぱペルソナないと駄目か…!」
「でも、怯ませてくれただけでも感謝だよ! コノハナサクヤ!」

一瞬の隙、その隙に、雪子は原初の海でカードを叩き壊し、コノハナサクヤを召喚する。

「ダウン狙いで行くよ! コノハナサクヤ、【アギダイン】!」

大きな炎が狂乱のマリアを襲い、そのまま消滅させた。

「あ、あれ、倒しちゃった。ま、いっか。」

ダウン狙いの筈が、倒してしまい、戸惑う雪子だが、結果オーライなのでよしとしたようだ。

『あらあら、お客様がいらっしゃったようですね。それも大人数。』
「!」

戦いを終え、一息ついている間に、クスクスと笑い声を上げながら現れたのは、胸元に雪の結晶をあしらったブローチを付け、ピンクと白を基調としたフリフリのドレスに身を纏い、髪型をポニーテールにした氷海だった。
肩と胸元は大きく出ており、氷海の豊満な胸が露になっている為、烈以外の男性陣は生唾を飲み、完二は鼻を押さえていた。
その烈はと言うと、千枝の影に隠れており、見えなかった。

(花村、あとでどーん!してやる。)
「ち、千枝先輩、何で俺を隠すんだ?」
「マヨナカテレビでは、烈君の事を呼んでたし…それに、何となくあんな氷海ちゃんを烈君には見せたくない。」

氷海の狙いは烈であり、それに、流石にあんならしからぬ氷海を見て、烈が答えを悪い方に導かないとも限らない為、千枝は小声で烈に理由を説明する。

『それでは、そろそろ始めましょうか。“咲かせて見せよう恋の花! 真実を映す鏡と私のマヨナカ恋愛相談室!”を!』

氷海がそう宣言すると同時に、周りから歓声が聞こえる。

「私達の時と、まったく同じ…!」
「本当にあの事件はまだ終わっていなかったみたいだね…! ほらそろそろ鼻の下伸ばしてないで元に戻んなさいよ! 男子!」

雪子と千枝は警戒し、鼻の下を伸ばしている男性陣をひっぱたき、元に戻す。

『最初の相談者は、そうね…。貴方にしようかしら。』
「お、オレ!?」
『そう、貴方よ、完二。』

そう言って狙いを定めたのは、完二。氷海は完二を上空から降りてきた大きな鏡に映し出し、見る。

『…あら、鈴花の事を口ではライバルだと言っていたけれど、本当は普通に一人の女性としてみていたのね。』
「あ、うわあぁぁぁぁっ! やめろ! オレの心を覗くんじゃねぇ!」

心の中に眠らせていた鈴花への思いを言い当てられ、完二は思わず叫ぶ。

「…隠してても、バレッバレだけどね。鈴花ちゃんは気付いているかどうか分からないけど。」
「久慈川さん、それは今言わないでおきましょう。先輩ではありませんが、そっとしておきましょう。」

そんな完二の慌てっぷりを横目に、りせと直斗はこそこそと話し出す。

『案外、鈴花も満更でもないかも知れないわ。思い切って告白してみたら?』
「あ、う…!」

完二は口を閉ざし、どうしたらいいのか分からなくなり、その場で狼狽えてしまった。

「完二、乗せられるな! これはあくまで氷海のシャドウの言葉…!」
『いいえ、私の言葉ではなく、今のは完二の心の叫び。』

氷海は目の前に置かれた鏡を見つめながら、にこりと微笑んだ。

『この鏡は真実を映し出す。この鏡の前では嘘をつけない。…だから、私はこの鏡で、彼を…烈を映し出したいの。』
「!?」

突然、自分の名前が出てきて驚いた烈は、思わず千枝の影から飛び出そうとしたが、

「烈君、駄目!」

雪子に小声で静止された。
烈は渋々、千枝の影に再び隠れる。

「その鏡に烈を映して、どうするつもりだ?」
『決まっているじゃない、陽介先輩。…彼の本心を聞きたいの。』

そう言って、氷海は千枝を指差した。

『千枝先輩、そこに烈がいるのは分かっているわ。退いて頂戴。』
「氷海ちゃん! そんな無理矢理烈君の本心を知っていいの!? 烈君の口から語って貰った方が」
『それは駄目。優しい言葉の裏に、本心を隠している可能性があるもの。だから、知りたいの。烈の本音を…。さぁ、退いて頂戴、千枝先輩。』

氷海は鏡に千枝を映し、微笑んだ。

『でないと…陽介先輩を下の名前で呼びたいのに、恥ずかしくて呼べn』
「わーわーわーわーっ!! ど、退くっ! 退くからそれだけは言わないでえぇぇぇっ!!」
(…おい、千枝先輩と陽介先輩って似た者同士か? 下の名前で呼ばない理由が同じなんだけど。)

烈は心の中でそう思いながら、溜息をついた。結局、自分の姿は露になってしまった。

『あぁ、烈! 逢いたかったわ!』
「氷海、もうやめろ! 人の本心なんか暴露したって、そいつが困るだけだろ!? 人には秘密にしておきたい事だってあるんだ!」
『知っているわ。そんな事くらい。』
「じゃあ何で!」

不意に、体が暖かくなるのを感じた。誰かに抱きしめられていると悟るまで、時間は要らなかった。

『…何で? 決まっているじゃない。好きな人の事は、心の奥底まで…知りたいもの。』

氷海は烈を抱きしめ、にこりと微笑んだ。
そして目の前に鏡を出現させ、覗き込む。

『…不安、戸惑い、迷い…。これは、私への答えを迷わせている原因ね。赤い、炎にまかれた建物が見えるわ。ここは…』
「! やめろっ!! それ以上見るなっ!!」

烈は焔を飛ばし、氷海の目の前にあった鏡に当てる。
鏡は大きな音を立て、粉々に割れた。

『…烈、貴方は…』
「それ以上、言うなっ!」

烈は何度も、氷海に向けて焔を飛ばす。

「烈、やめろ! 落ち着けよっ!」

陽介は必死に止めようとするが、焔の勢いが強すぎて、迂闊に近づけない。
そんな中、氷海はまるで焔なんてないかのように、優雅に烈に近づき、そして…。

「…!?」

烈を抱き締め、その唇に自らの唇を重ね合わせたのだ。
突然の事に、烈の頭は真っ白になり、焔が消える。周りのみんなも、驚いて二人を見ていた。

『そんな迷いを、私が断ち切ってあげる…。さぁ、私と一緒に行きましょう、烈。』
「あ…。」

烈の腕から、力が抜ける。そしてそのまま氷海に寄りかかり、目を閉じた。

「烈君!?」
「睡眠状態になってる…! 多分、さっきのチュウで薬を…!?」
『当たりよ、りせ。こうでもしないと、烈を連れて行けないわ。大人しく連れて行かれるような子じゃないもの。』

氷海はその腕に烈を抱き締めながら、指を鳴らした。
すると、ペーシェ系、マリア系のシャドウが沢山現れる。いずれも、女教皇のアルカナを持つシャドウだ。

『貴方達はこの子達と遊んでいて。私は烈と一緒に過ごすわ。…永遠に。』

その言葉を残し、氷海は溶けるように消えていった。その腕に抱かれた、烈と共に。

「烈!」
「センパイ! 今は烈よりもこっち! これを切り抜けなきゃ、烈を助けるどころか、私達が死体になっちゃう!」
「…くそっ!」

悠は悪態をつきながらも、十握剣を握り締めた。

「みんな、構えろ! 一気に倒して、切り抜ける!」
「おう!」

リーダーの士気を高める言葉に、全員武器を手に取り、りせはサーチの準備を始める。

(烈、無事でいてくれ…!)

そして、大量のシャドウ達へと、それぞれ向かっていった…。











「烈君が…!」
「アタシ達は中の事はさっぱりだったが…こんな事が起こってたとはな…。」
「あの時は本当に焦った。氷海ちゃんばかりか、烈まで危険な目に…!」

りせは真剣な表情を浮かべながらも、どこか苦しげだ。恐らく、当時の事を思い出したのだろう。

「…アイツがあんな状態だったのも納得。」
「流石に、強すぎる氷の前では烈さんの焔も歯が立たなかったのですね…。」
「…次、行くぞ。」

昴はそっと、ノートのページをめくった。






私—関係ない事を言うけどね。第六回料理対決は、りゅーとさんのくれた案で行こうと思うの。
昴「ああ、スミス氏が来るアレか。」
私—で、今ちょっとくじ引きアプリで出場者決めをやってみたんだけど…。波 乱 が 起 き た 。
昴「」
私—言っておくね。ス ミ ス 氏 死 亡 フ ラ グ 立 っ た 。あ、勿論、ア ン タ 等 も 。
昴「」※気絶
私—…あ、感想どうぞ。

Re: 神様のノート ( No.554 )
日時: 2015/01/21 00:03
名前: りゅーと (ID: W8wXq41i)

氷海のマヨナカテレビ事件が来たか・・・。恋愛関係はデリケートだし、この時の氷海にとっては・・・。


烈「氷は人を傷つける凍てつく刃にもなるし、少しの事で脆くて壊れる繊細の心にもなる・・・」
茜「高貴故の試練に悶えながら、絶えずに思いを馳せる・・・」
烈「これ、マヨナカテレビは最初に氷海もあるし、いずれかはあっちの俺や理乃、昴も落とされるんじゃ・・・」
茜「分からぬ・・・解決策があればいいのじゃが・・・」


料理対決は大波乱になりましたけど、無事に終わりましたね。こっちの次回は修羅場フラグです。第4回目は平和的なのにどういう事?旦那がブチ切れるのは相当だと思います・・・;試食にクマとフランシスは外した方がいいです。裸族が何かしでかすフラグはありますし、他の奴らも・・・。
って、マジか。スミス氏、死ぬのか・・・;つか、何があったし。





風雅「ガリガリガリガリ」
パステルくん(・ω・)ガリガリガリガリ
七海「ガリガリガリガリ」
ノーム「ガリガリガリガリ」
氷海「ドーナツを作ったけど、どう?」
風雅&パステルくん「うん、相変わらず味はカオスだな」


上の四人は氷海作のドーナツ(銀色の頭蓋骨(大きさは一般男性サイズ&作った時はたまたま爆発した)を食べてます。ちなみにホットケーキミックスから作ったんですが・・・;


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