二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 一冊目
- 日時: 2015/05/12 18:40
- 名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。
基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。
とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。
それでは、よろしくお願いします。
※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。
昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。
そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。
色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。
昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。
私
—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。
昴
「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」
5/12 最終更新
『目次』
☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186
〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43
〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671
〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848
〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました
☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506
☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585
☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835
☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276
☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589
〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319
〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888
☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649
☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!
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- 少しの幕間と新たな機能 ( No.435 )
- 日時: 2015/01/13 14:12
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /zhdonb0)
某日、神殿・昴の執務室…。
「悪いな、理乃。変な事で呼んでよ。」
「いえ、構いませんよ。私もみんなと出会う前の物語、気になっていましたから。」
昴は今、理乃に創世ノートを預け、彼女の持つパソコンに今までの足跡を残している。いわば、バックアップのようなものだろうか。
ちなみにこの部屋には今、理乃、昴の他に、鏡、りせ、風花、由梨と、創世手帳所持者が集まっていた。
「(それに…丁度私も気になっていたからね。第一回の料理対決とか色々…。あ、つぎドカ!のみんながネクロニカした時のかな、これ。後で風雅さんからログ貰おうかな…。)それにしても、量が多いですね…。」
「そりゃ、一年以上経ったからな。この世界が生まれてから。」
「私達の世界を生み出してからはまだそんなに時間は経っていませんが…この世界はもうそんなに経っているんですね…。」
創世ノートに書かれた足跡を見ながら、理乃は感慨深く頷いた。
そんな事を話している間にも、手を休めないで作業をしていた理乃が、ぴたりと動きを止めた。
「あら? 昴さん、一昨年の十二月辺りの、烈さん達つぎドカ!1Pメンバーの記述がないのですが…。」
「一昨年の十二月?」
「それって…ワンダークロック事件の辺りじゃない?」
理乃の言った辺りの日に何かあったのを知っているりせが、そう言った。
「ワンダークロック事件? んだそりゃ?」
「ああ、風花と由梨は知らないか。…そっか、もうジョーカー達がここに住むようになってから一年経つのか…。」
「ワンダークロック事件は、烈達がリリィ達と出会った切欠なんだ。丁度烈達のつぎドカ!バトルが終わって一年後に起こった出来事で…オレ達がこうして時間の繰り返しをしている最大の理由なんだ。あ、パステルくんが喋れるようになったのも、ここからだよね。」
「あぁ…スバルさんから聞いた事があります。…そっか、これが切欠なんだ…。」
感心したように呟く理乃。…実際は作者都合なんだけどね。
「(それ言うな。)記述が抜けているって事は…あ、そうだ。その時誰も所持者いなかったんだっけ。」
「紅がついてったけど、紅も手帳所持者じゃないから、その時の話は烈達しか知らないんだよね…。」
—私もなんか忘れてると思ったら、それか…。うーん、困ったな…。
「そういや、お前干渉したんじゃないのかよ。そん時にノートに描かれなかったのか? この時の物語。」
そう、創造者はこの事件の際一度、パステルくんに干渉している。
—いや、したけどさ…この時はパステルくんの夢を介して干渉したから、ノートは無反応。パステルくんと私の会話は記述されてるけど…それ以外は駄目ね。
「みんなに当時の話を聞くしかないのかな…。」
—…あ、あるにはある。ね、私、ちょっとみんなを…この事件に関わったみんなを集めてくれない? お茶会がてら、当時の話を振り返っても面白いしね。
「わかった。」
そして、創造者の命により、急遽お茶会が開かれる事になったとか…。
■
「悪いな、急に呼び集めて。」
神殿のリビングに、つぎドカ!1Pメンバーとジョーカー一味、そしてパステルくんと紅が勢ぞろいした。
—じゃ、理乃ちゃん、頼んだ。
「(はい。)では、皆さん、この手帳に触れていただけますか? …ワンダークロック事件の事を思い出しながら。」
「へ? 何で?」
「ちょっと必要なんです。お願いします。」
理乃は首を傾げる一同に構わず、彼らの中心に自分の創世手帳を置いた。
(おい、理乃は何か策があるのか?)
—理乃ちゃんがこんな事もあろうかと、宝珠の機能の一つ、録画機能を応用して手帳を改造したのよ。で、何故か成功して…過去の出来事を抽出して物語とする事ができるようになった。いわば、氷海ちゃんの時に付け加えたのをその時だけじゃなく、更に過去に遡れるようになったって感じね。
(おい、理乃って何もんだっけ? 俺の前に生み出されたお前の分身みたいなもんじゃなかったっけ?)
—天才設定付け加えたのが間違いだったかしら。
余談だが、理乃達司組は創造者の高校時代の吹奏楽部の仲間で、自分を含めた同じパートのメンバーをモチーフに生み出された存在であり、その中でも理乃は創造者を元に生み出された存在である。まぁ、今となっては数と名前だけ名残を残して当時考えていたキャラクター像の面影はまったくといっていい程ないが。
「ふーん、まぁ、いいけど…。」
全員、首を傾げながらそっと理乃の手帳に触れる。暫く触っていると、理乃が「もういいですよ。」と合図を出す。それを聞いた一同は手を離し、理乃は手帳を持って昴の元にやってきた。
「はい、どうぞ、昴さん。」
「本当に上手く…。」
半信半疑の昴は、創世手帳を創世ノートに乗せ、同期を開始した。
「…いってら。」
そこにはしっかりと、昴の知らなかった物語が…烈達が異次元にいっている間の出来事が書かれていた。
「ねーねー昴ー。何が上手く行ったの?」
「ん、いや…お前等が無茶した原因を調べられたから、上手く言ったって感じ。」
「げ。」
ローズの言葉に答えた昴の言葉に、全員表情が固まる。
『そうか…我も所持者ではないし、神も万能ではないからな。その当時の記述が抜けていたのか。』
「だからお前に前もって事情を聞いたんだ。さーって、プレイバックをしながら洗いざらいあの怪我の理由を語ってもらおうか。特にそこの赤髪。」
「…。」
あの中で一番の大怪我を負っていたのは、烈だ。
彼は昴から顔を背け、その原因であるリリィも、烈の膝で昴からそっぽを向いてしまった。怒られると思ったのだろう。
「…みんな、とりあえず、振り返ろう? 一年前の事だし、覚えてるでしょ?」
「そ、そうだな…。しかし、もうあの事件から一年か…。」
「当時、どうなっていたのか私も気になります。よければお話願えませんか? 当時の事。」
その時にいなかった風花が、興味津々といった表情でジョーカー達に尋ねた。
「まぁまぁ、物語を見ながら紐解こうぜ。」
昴は創世ノートを全員の前においた。そこには既に、ワンダークロック事件辺りの物語が同期されていた…。
- 言葉が消えた理由 その一 ( No.436 )
- 日時: 2015/01/13 14:21
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /zhdonb0)
「…一年、か。」
「何が?」
とある日の放課後、烈が教室で呟いた言葉に反応した氷海が聞く。
「あのバトルからだよ。…俺と氷海が最後まで残って戦った、あの。」
「ああ、あれね。…もう、一年も経つのね…。」
「時間が経つのは早ぇよな…。あ、そうだ、氷海。これから暇か?」
「えっ? ええ、特に用はないけれど…。」
何か妙案を浮かべた烈の顔。氷海は少し嫌な予感がして、聞くのを少し躊躇いたくなった。
(まさか、また…。)
「鈴花と風雅を誘ってさ、どっかでお茶でも飲みにいかねぇ? 美味いケーキを出す店、昴さんから教えて貰ったんだ。」
「そ、そっち!?」
氷海は予想と違った答えに、素で驚く。
「そっちって…何考えてたんだよ。」
「…てっきりまたバトルでもするのかと思ったわ…。」
「ひでぇな! 俺は年がら年中バトルの事ばっか考えてるわけじゃねぇよ!」
「ご、ごめんなさい…。」
多大な誤解をされ、烈はふくれ面を浮かべながら反論すると、氷海は申し訳無さそうに俯いた。
二人の間に、微妙な空気が流れる。
「ぼにゅっ!」
そんな中、パステルくんが氷海の肩から机に降り立ち、烈を見た。
「パステルくん?」
「ぼにゅっ、ぼにゅぼにゅっ!」
パステルくんは適当な紙に栗の絵を描く。
最初、何が言いたいかわからなかった烈だが、ぽんと手を打ち、納得したように頷いた。
「心配すんな。パステルくんの好きなモンブランもちゃんとあるぞ。」
「ぼにゅーっ!」
(パステルくん、可愛い…。)
烈の言葉に、喜びを露にするパステルくん。そのパステルくんを、氷海は恍惚とした表情で見つめる。
「ははは、嬉しそうだな! …あれ?」
「ぼにゅ?」
急に黙り込んで考え込む烈を、パステルくんは首を傾げながら見つめる。
「なぁ、氷海。パステルくんって前…俺達が出会ってバトルしてる頃には、普通に喋れてなかったか?」
烈の記憶が確かなら、パステルくんは黒のようにテレパシーみたいなものではなく、普通に喋る凄いネズミだったはずだ。
だが、いつからこうなったのだろうか。疑問に思った烈は一番近くで長い間パステルくんを見ている氷海に聞こうと声をかけるも…。
「…首を傾げるパステルくん…可愛い…。」
「…聞いちゃいねぇや。」
まだ、パステルくんを見つめながら恍惚としていた。
「なぁ、パステルくん。お前、俺達が出会った頃はまだ話せてたよな?」
「ぼにゅ…。」
「『ぼにゅ』しか喋らなくなったのには、理由があるのか?」
烈が問うと、パステルくんは頷いた。
だが、これ以上聞く事は、通訳となる黒か紅がいないと難しそうだった。
「…仕方ねぇな。どっかで紅と出会えないかな…。」
…おい、黒は宛にしてないのか。そんなツッコミを誰もせずに、烈は氷海を元に戻し、風雅と鈴花を誘う為に隣の教室へと向かった。
- 言葉が消えた理由 その二 ( No.437 )
- 日時: 2015/01/13 14:26
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /zhdonb0)
風雅達と合流した烈達は、喫茶店への道を歩いていた。
「でさー、そこのゴマと豆乳のモンブランが甘さ控えめで美味いんだよ。」
「昴さんからフレンチトーストもお勧めされたよ! ふわふわで甘くて美味しいんだって!」
「あの理音さんも、昴さんに連れられて行ってみたら、たまに通ってる程惚れ込んだみたいだし…。」
「それは楽しみね! ねっ、パステルくん。」
「ぼにゅっ!」
他愛もない話をしながら歩く四人。
そんな四人の前に、見慣れた紅色と黒色が映った。
「…おっ、丁度よかった! おーい、紅ーっ! ついでに黒ー!」
『…む? 烈達か。』
『何故我の方がついでなのだ!』
そう、探していた紅とついでに黒だ。紅も黒も烈達に気がつき、翼を羽ばたかせて烈の肩に乗った。
『ふむ。やはり鏡の肩も落ち着くが、烈の肩も落ち着くな。』
「ははっ、やっぱお前、黒の分身だわ。おんなじ事言ってる。」
『黒の経験だが、長年乗りなれてるからな。ところで、我に用か?』
「あ、とと…。ああ。なぁ、紅。黒の記憶にさ、パステルくんが話している時の記憶、ないあでっ!」
紅にそう質問しようとすると、黒が烈の耳を突き刺した。
『何故それを我に聞かぬ?』
「いてて…。お前はどうせ覚えてねぇだろ。どうだ? 紅。」
烈に問われ、考え込む紅。
『…ふむ。済まぬが、お前の母親が凄い形相で我をフライパンで叩く光景しか浮かんでこない。』
『そんなに強烈だったか、アレ。』
「ごめん。この馬鹿黒のせいで…。」
『あの母親が笑いながらフライパンを持ってこちらに来る光景が…うぅ…!』
目を虚ろにさせ、半分死んだような表情を浮かべて体を震わせながら言う紅。かなりトラウマらしい。
「紅は本当に、黒の分身なのかなって疑うよ、僕…。」
「しっかりしているから、確かに疑うわ…。」
「…大人の話し合いをされているのが黒だと納得しちゃうけど…紅だと違和感あるよね。物凄く。」
『お前達本当に失礼だな!』
他の三人も、紅に対して哀れな視線を送り、黒はそれに対し憤慨していた。
「まぁ、そこのところは、うん。後でにしようぜ。今は…。」
烈は氷海を見る。
「なぁ、氷海。さっき聞こうとした事だが…俺達が出会ってバトルしてる時くらいには、普通に言葉を喋れていたよな?」
「ええ。話せなくなったのは確か…バトルが終わって少ししてから、かしら。」
「やっぱりそうか…。なぁ、パステルくん、話せなくなった原因に、心当たりあるか?」
「ぼにゅ…。」
『…ふむ。あるとは思うが、覚えていないそうだ。』
紅がパステルくんの言葉を訳すと、全員、困ったような顔をした。
「覚えてないのか…。」
「うーん、誰かに何かをされたか、あるいは強いショックを受けたとか…。」
パステルくんの言葉が話せなくなった原因を考える一同だが、心当たりが見つからない。
「考えても仕方ないさ。まずは、お茶でも飲んでゆっくりしようぜ。」
「それもそうだね。」
「後で昴さんに相談してみようかしら…。」
「それも良いかもしれないね。あ、でも忙しいから大丈夫かな…。」
烈達はこれからの事を話しながら、喫茶店への道を歩いていった。
- 言葉が消えた理由 その三 ( No.438 )
- 日時: 2015/01/13 14:31
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /zhdonb0)
お茶会も終わり、パステルくんは氷海の家に間借りしている倉庫の中で掃除をしていた。長い間掃除を怠っていた為か、埃だらけだ。その為、パステルくんはしょっちゅうクシャミをしてしまう。
パステルくんが掃除をしていると、パステルくんが手に持つのに丁度良い大きさの、小さな時計が見付かった。パステルくんの肩から下げられるような紐もついている。時計を見たパステルくんは、首を傾げた。
(あれ? ボク、大切な事を忘れている気がする…。)
パステルくんは時計を肩に下げ、考え込んだ。そして、何かを思い出したのか、倉庫の中を引っかき回した。
(あった〜!)
目当ての物を見付けたパステルくんは、早速それの埃を払った。それは、パステルくんが丁度乗れるような大きさの、赤い車だった。パステルくんは急いで工具を取りに行き、赤い車の修理を始めた。
■
数日後、パステルくんが行方不明になったと、氷海から連絡を受けた昴達は、必死にパステルくんを探していた。
日がすっかり落ちた頃、氷海の携帯電話の着信音が鳴った。
「もしもし…あっ、お父様! …えっ? パステルくんが見付かった!? 今は病院に? …分かりました。」
氷海は急ぎ、氷海の父のいる病院へと向かった。
- 言葉が消えた理由 その四 ( No.439 )
- 日時: 2015/01/13 14:36
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /zhdonb0)
パステルくんは、病室の小さなベッド(パステルくんサイズ)の上で、スヤスヤと寝息を立てていた。しかし、時折うなされ、苦しげな顔をした。氷海はパステルくんの治療をした医者—氷海の父親から話を聞くと、昴達にメールを送った。内容は、パステルくんが見付かったことと、現在病院にいることだ。
暫くして、昴達は病室にやって来た。
「氷海! パステルくんは!?」
「声が大きいわよ、烈。…衰弱してるけど、暫く休めば良くなるってお父様が言ってたわ。」
氷海がそう言うと、一同はほっとした顔になった。
「一体何があったのかな…?」
『知らん。』
「『(お前/貴様)は速攻で切り捨てるなっ!』」
『ぎゃあっ!』
何故か病室に入ることが許可された黒が即行で鈴花の言葉を切り捨てたので、烈が拳骨を食らわし、同じく許可された紅がくちばしで体を突き刺した。
哀れ、黒はその一撃で伸びてしまった。
『…こほん。とにかく、それは本人に直接訊くしかあるまい。』
「そ、その事だけど…関係あるか分からないけど、お父様から気になる話を聞いたわ。」
紅の疑問に答えられるか分からないものの、氷海は話した。
「実は、黒いローブの人が、パステルくんをこの病院に運んで来たのよ。顔はよく見えなかったけど、大人の方らしいわ。パステルくんをお父様に預けると、そのまま消えたみたい。」
「黒いローブの人って…。」
「鈴花、多分同じ事を考えたと思いますが、とりあえずそれは振り払った方がいいと思いますわ。」
鈴花は心当たりがありそうな顔をしたが、牡丹に言われてすぐにその考えを振り払った。
暫くすると、パステルくんは目を覚ました。
「にゅ…。」
「パステルくん!」
泣きそうな眼で、氷海はパステルくんを抱きしめた。
「おい、パステルくんは病み上がりなんだから、あまり乱暴に扱うなよ!」
「あ…ごめんなさい…。」
氷海は謝りながら、パステルくんをベッドに戻した。
「…! ぼにゅっ!」
パステルくんは慌ててベッドから降りようともがいたが、力が入らないのか、思うように身体が動かない。
「駄目よパステルくん! まだ安静にしなくちゃ!」
「ぼ、にゅっ!」
何かを訴えるように、パステルくんは氷海を見つめた。
「紅、通訳して。」
『分かった。』
鏡の頼みで紅の通訳を介して、一同はパステルくんが何を訴えたいのかを理解した。
■
時空に存在する巨大時計、ワンダークロック。そのワンダークロックを、謎の五人組がバラバラにしてしまったのだ。
時計の針は四つあり、それを四人でそれぞれ奪った。残りの一人、リーダーと思わしき者は、ワンダークロックの本体をバラバラにし、どこかに飛ばしてしまった。
パステルくんはワンダークロックを元通りにする為に、五人組に挑んだ。しかし、パステルくんは敗れ、ワンダークロックと五人組についての記憶を奪われてしまった。記憶だけではなく、言葉も。
その為、パステルくんは今までワンダークロックの事を忘れていたのだが、ふとしたきっかけで思い出し、最近になってようやくワンダークロック奪還の為の行動を取れるようになったのだ。そして、今でも言葉を発することができないのは、以上の経緯があったからなのだ。
記憶を取り戻したパステルくんは、倉庫で見付けた、時空に入れる赤い車を直した。そして、バラバラになったワンダークロックの本体を、時を越える勢いで探し出した。
ワンダークロックの本体を揃えたパステルくんは、時空に入り、五人組と再会した。しかし、またもパステルくんは敗れてしまった。今回はボロボロになるまで戦った為、現在のように衰弱してしまったのだ…。
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