二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 一冊目
- 日時: 2015/05/12 18:40
- 名前: 奏月 昴 (ID: rBo/LDwv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
始めまして、奏月昴と申します。
pixivでも活動していますが、別の所でも活動したくなり、こちらにやってきました。
基本pixivと同じものを載せていく予定なので、お好きな方を閲覧下さい。
とりあえず今は現在進めているシリーズ物を載せますが、ちょこちょことお引越しさせていく予定です。
設定わかんないけど興味がある方、pixivまでお越しいただけるとありがたいです。
何かいい加減ですみません…。
それでは、よろしくお願いします。
※ざっくばらんなあらすじ
会社から帰宅途中に何故か宙に浮いている少年、MZDと出会った私こと、創造者。
彼から貰った創世ノートを使い、世界と創造者の分身、奏月昴を生み出し、この世界の神様として中からの管理を命じる。
その際、昴と約束し、私の事は他言無用とすることになった。
昴は生まれたその日に、この世界で烈達つぎドカ!メンバーと出会い、仲良くなる。
ある日、創造者から教えられた創世ノートの機能である『召喚』を用い、烈達の記憶と姿、力を基にして鏡達を生み出す。
そして二学期が始まる頃、八十稲羽から悠達ペルソナメンバーが、ペルソナが現実でも呼べるようになり、流石に稲羽にはいられないという事で、烈達が通う学校に転校して来て、仲良くなった。
色々あり、十二月。烈達つぎドカ!メンバーがバトルしてから一年後、パステルくんはワンダークロックと呼ばれる巨大時計をジョーカー一味に壊されている事を思い出し、一人立ち向かおうとするも、それをつけていた烈達つぎドカ!メンバー。
彼等の力を借り、ジョーカーを倒し、ワンダークロックを無事直すことが出来た。
ジョーカー達とは和解し、現在はつぎドカ!メンバーの家に、ジョーカーは昴のいる神殿に住むことに。
ワンダークロックが壊れた影響なのか、全ての人々の体の時間が戻ろうとしており、現在、年齢はそのままで一年をやり直している。
昴の管理と私の監視、それに限界を感じた私は、MZDの提案で、戦い慣れた人をノートの世界に永住させる事を決意。
その時、私が高校時代に考えた理乃達が適任という事になり、彼女等の世界をノートの中に作り出し、全てを話した上で永住してもらう事に。現在は悠達と同じ学年で生活している。
私
—とまぁ、見て分かるかわからないけど、主要となる人物は、つぎドカ!、ペルソナ4、ジョーカー達、それからオリジナルキャラとして理乃ちゃん達になるかな。
昴
「あ、簡易的なキャラ紹介は、もう一個の“ノートに刻まれた一頁”に移したので、そちらを見てくれよな。URLからも飛べるぞ。」
5/12 最終更新
『目次』
☆料理対決シリーズ
〔第一回・可憐な乙女の料理対決〕
・栗拾いからの料理対決へ&華の乙女の料理対決! >>154-160
・実食 完二&烈&鏡&悠 >>164-168
・実食 凪&陽介&クマ&風雅 >>173-177
・結果発表からのO・SHI・O・KI・DEATH☆ >>180-186
〔第二回・続・可憐な乙女の料理対決〕
・料理対決・再び >>1-7
・実食 ローズ&鏡 >>8-11
・実食 完二&リリィ >>12-15
・実食 悠&風雅 >>16-19
・実食 凪&セシル >>20-23
・実食 陽介&クマ >>24-28
・実食 フランシス&烈 >>29-34
・結果発表と例のアレ >>35-43
〔第三回・豪傑な男の料理対決〕
・何でどうしてこうなった(By昴) >>44-49
・実食 氷海&雪花 >>50-53
・実食 七海&由梨 >>56-59
・実食 鈴花&直斗 >>60-63
・実食 葉月&雪子 >>64-67
・実食 千枝&牡丹 >>68-71
・実食 理乃&りせ >>72-76
・結果発表! >>77-86 ※募集は締め切りました
・O・SHI・O・KI☆前半戦 >>94-101
・O・SHI・O・KI☆後半戦 >>110-123
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・戦いをもう一度 >>203-209
・実食 一番&二番 >>222-227
・実食 三番&四番 >>233-237
・実食 五番&六番 >>247-253
・実食 七番&八番 >>260-264
・実食 九番&十番 >>286-290
・実食 十一番&十二番 >>301-306
・実食 裏回 >>326-342
・結果発表! >>384-398 ※募集は締め切りました
・賢者に慈愛を、愚者には罰を 賢者編 >>662-671
〔第五回・料理対決・頂上決戦!〕
・評価五のための頂上決戦! >>415-420
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・死亡フラグ立たせた奴。前出ろ。前だ。 >>716-723
・実食 一番&二番 >>728-733
・実食 三番&四番 >>738-743
・実食 五番 >>751-756
・対決 五番の料理 >>784-794
・大団円と実食 六番 >>814-822
・実食 七番&八番 >>840-848
〔番外編・挑戦者=変動審査員!? ゲストもありな料理対決!〕
・概要と募集要項 >>856※募集は終了しました
☆言葉泥棒とワンダークロックシリーズ
・言葉が消えた理由 >>435-441
・異次元に突入! >>442-446
・激突! 鈴花VSローズ >>451-455
・激突! 風雅VSフランシス >>456-460
・激突! 烈VSリリィ >>464-469
・激突! 氷海VSセシル >>470-474
・激突! つぎドカ!VSジョーカー >>478-484
・揺蕩いから、覚醒めの時へ >>485-488
・激突! パステルくんVSジョーカー >>491-497
・おかえりの味とただいまの涙 >>498-506
☆マヨナカテレビ事件シリーズ
〔氷海編〕
・虚ろな映身は現身を打つ >>523-532
・穿たれた水器(みずうつわ) >>533-537
・囚われの氷硝 >>540-545
・冷酷なる御霊 >>546-553
・氷雪の女王 >>563-568
・悪夢の終わり >>569-578
・雲の向こうに捧ぐ向日葵の花 >>582-585
☆神様・悪夢相談室シリーズ
・悪夢:ケース「赤羽 烈」>>805-808
・悪夢:ケース「青柳 氷海」 >>831-835
☆もしももしものちいさなおはなしシリーズ
・カラオケネタ >>192-195 ※募集は締め切りました
・どっちの料理ショー >>274-276
☆ノートの世界のTwitter事情シリーズ
・アカウント一覧 >>589
〔本編〕
・その一 >>590-594
・その二 >>595-598
・その三 >>606-609
・その四 >>614-616
・その五 >>622-623
・その六 >>630-632
・その七 >>633-634
・その八 >>317-319
〔番外編〕
・Let's Twitter with JOMANDA >>602-605
・Let's Twitter with JOMANDA2 >>617
・Let's Twitter with JOMANDA3 >>776-778
・異世界の料理対決 その一 >>880-888
☆新・ワイルド能力者のコミュ事情シリーズ
・烈&氷海 ランク1 >>644-649
☆短編
・はんぶんこ >>128-129
・リミットブレイクと暴走娘 >>133-135
・フラワーギフト >>140-147
・年末恒例巫女さんバイト >>349-359
・玉より食物 >>365-371
・「リンちゃんなう!-Try to Sing Ver.-」 rejected by 相方の皆さん >>510-515
・没案「第四回料理対決六番の料理」 >>516
・思いつくままに書いてみた料理対決案 >>558
・没案「第四回料理対決・その後」 >>624 答え+α >>629
・バレンタインデー☆パニック! >>681-689
・猫の猫による猫のためのお花見 >>699-704
・お知らせと次々回予告(!?) >>708-709
・ほのぼの日和 >>770-772
・小ネタつめつめ >>863
・前奏曲・異世界の第六回目 >>866-868
・お知らせと紹介と >>891-893 new!
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- 対決 五番の料理 ( No.790 )
- 日時: 2015/04/02 22:02
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 68ht.95d)
ペルソナメンバーが増えた事で、隙のない大きな攻撃ができるようになり、少しだが、希望が見えてきた。
「敵の気配が減少しています! そのまま皆さんで一気に押し返してください!」
「ようやっと希望が見えてきたな!」
由梨はその身に似合わぬ大きな剣を振るい、なるべく広範囲の技を出して一気に数を減らす。
その横には、威筑がいた。イザナギノオオカミで【メギドラ】を放ちつつ、その手に握られた両手剣を振るって近づいてきたクトゥルベビーを斬り倒す。
「へぇ、お前も両手剣の心得はあるのか。」
「我流だけどな。後でよかったら教えてくれないか? 由梨は剣術道場の娘だって聞いたが。」
「まぁ、後で、があったらな。」
そんな軽い話をしつつ、二人で敵に特攻していく。
「…。」
「…何か相棒とられた気分?」
「なっ、ち、ちげーって!」
陽介はそんな二人を微妙な顔で見ていると、横から碧がそう話しかけてくる。
「武器、似たようなものだから意気投合したんだろうね。」
「だろうな。後で鍛練とかしそうだなぁ…。」
何か微妙な表情でそんな二人を眺めつつ、敵を倒していく碧と陽介だった。
そんな二人から離れた所では、匠と真次郎が背中合わせに戦っていた。
「…。」
互いに、何も語らずに、ただ黙々と敵を薙ぎ倒す二人。
「…格闘術か何かを習ってんのか?」
「まぁな。」
粗方敵を倒した後、少しだけ会話する二人。だが、それを最後に、二人は何も話さない。どこか、似ている、そんな気さえした。
「善! 右から来るよ!」
「見えていた。」
神殿、玄関口。ここでは玲を庇いながら、善がそのボウガンのトリガーを引く。弾に貫かれたクトゥルベビーは四散した。
が、そこでクトゥルベビーの反撃が終わったわけではなかった。
「! 善、後ろ!」
善の死角から、クトゥルベビーが迫ってきたのだ。善は不意打ちを受け、咄嗟の対応が出来なかった。だが…。
「【凍牙】!」
寸分違わぬ狙いで飛んできた氷の矢にクトゥルベビーは貫かれ、消えた。
「油断大敵だよ、善君。」
「すまない。助かった。」
葉月と善は、背中合わせに立つ。互いに同じような武器で、彼等も何かが芽生えたようだ。
「ね、善君。後で時間があったら的当てゲームとかやらない? 善君とならいい勝負できそうな気がするんだ。」
「…考えておこう。」
「私もやりたーい!」
善に話を振ったはずなのに、玲も乗り気だ。面白そうだと思ったのだろうか。
「あはは、この戦いが終わったらみんなでやろうね。」
葉月はそう言いながら、氷の矢を生み出し、弓に乗せた。
所変わって、真ん中辺りで戦うロッシュと明は、背中合わせで息ぴったりに戦っている。
「なかなかやるな、お前。」
「お互い様!」
二人共、大きな槍を振り回し、一匹、また一匹と消していく。初めて出会った二人なのに、武器が同じと言うだけで、何だか長年一緒に戦ってきた戦士のように、息がぴったりだ。
「明とロッシュ、仲いいね。息ぴったり!」
『同一の敵に、同一の武器を持って立ち向かっているのだ。何か親しいものを感じていてもおかしくはないだろう。』
「この危機的状況も、お二人を何かが強く結びつけるような状況であってもおかしくはないかと思います。」
出会いがまた違ったら、どうなっていたかはわからない。けど、この出会いには感謝しないといけない気がした。…こんな危機的状況でなければ、どれ程よかった事かとも、思ったが。
- 対決 五番の料理 ( No.791 )
- 日時: 2015/04/02 22:07
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
「よし、もう一押し!」
「もうすぐ本体につけそう…!」
昴と影は、もうすぐ本体であるクトゥルフモドキの元につきそうだった。
二人の体力は既に限界が近く、倒れそうな気配もしたが、倒れるわけにはいかない。その思いが二人を動かしていた。
その視線の先には、互いが大切に思う存在、スバルとMZDの姿が映っていた。
「影、もう一踏ん張り、いけるか!?」
「大丈夫!」
昴も影も、残った気力を振り絞り、走り出した。
その前を、クトゥルベビーが立ち塞がる。
「邪魔だ!」
二人は同時に叫び、互いの力をクトゥルベビーに当てた。その力が当たったベビー達は、四散した。
だが、敵意を感じたクトゥルフモドキは、クトゥルベビーを二人の前に多く寄せる。
「あともう少しなのに…!」
「くそっ…! もう、体力が…。」
あともう一歩、その位置まで来ているのに、何もできない…。諦めかけた、そんな時…。
『ぎゃぴ?』
「えっ…?」
いきなり、クトゥルフモドキの体が真っ二つに切れたのだ。
これには昴達も、何がどうなったかわからず、混乱するしか出来ない。
その間にも、クトゥルフモドキは三つ、四つと切れていく。
「無様に消えな。」
「消えろ。」
その声が聞こえた時、クトゥルフモドキは、四散した。指揮系統を失ったベビー達も、あっさりと消え去った。
「目が…覚めてたのかよ。」
「…。」
クトゥルフモドキに声をかけたのは、MZDとスバル。その手には二人共いつの間にか、大きな鎌が握られていた。どうやらこの鎌でクトゥルフモドキを切り刻んだようだ。
「…。」
二人はゆっくりと、地上に降り立った。
「MZDー!」
影は感極まって、MZDに向かっていく。昴も安心して、スバルに近付いた。
「起きてたなら言えよ、まったく…。」
「…。」
呆れながら声をかけるも、スバルは黙ったまま。ゆっくりと目を開け、昴を見る。
その目は、どこか…虚ろだった。
「? どうし」
「離れちゃ…ダメ…!」
何かあったのかと思い、昴が声をかけると、いきなりスバルが飛び付いてきた。
「私から離れちゃダメ! 絶対にお母さんの側にいなさい!」
「は? な、何だよいきなり!? 痛いって!」
突然訳のわからない事を言いながら、昴をしっかりと掴んで離さないスバル。丁度露出した肩を掴まれ、爪が食い込み、血が出てきた。
「もう、一人にはさせない…! 貴方は私が守るから、絶対にお母さんの側にいて!」
(な、何だよ、こいつ…! 様子が、変すぎるだろ…!?)
普段は見ない錯乱状態のスバルに、流石に昴は怖くなる。
「まさか…!」
遠くでそのやり取りを見ていた理乃は、何かに思い至って影を見た。
「影さん、駄目! MZDさんから離れて!!」
「えっ?」
理乃の言葉に耳を傾けようと、後ろを振り向いた影。
- 対決 五番の料理 ( No.792 )
- 日時: 2015/04/02 22:13
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mSRzWlsB)
その時、だった。急に、誰かに突き飛ばされた感覚がしたのは。
同時に、ガキン、と、何かがぶつかり合う音が、した。
『ふぃー。ギリギリ、ってとこかな!』
「え、フィアレス!?」
いつの間にか影とMZDの間に割って入ったのは、フィアレス。彼女の持つ盾と、MZDの持つ鎌がぶつかり、音を立てていたのだ。
もしフィアレスが間に入ってくれなかったら、影は今頃、グサリとやられていただろう。
「MZD、何で…!?」
何故、彼がこんな事をしたのかが分からなかった。確かにいつも鉄拳制裁とかをしているが、ここまで恨まれる覚えはない。
影が問いかけると、MZDは鎌を背負い直した。
「何で? …それは…。」
サングラス越しで、顔が見えなかったが…その目は、スバルと同じ…虚ろな、目だった。
「お前がオレに飛び付く振りをして、殺そうと目論んでいるからだろ?」
「えっ…!?」
殺す? 影が、MZDを?
訳がわからなかった。だが、分かるのは…一つ。
『影ちん、今の彼、正気じゃないよ。ついでに言うと、スバちゃんもね。』
フィアレスの言う通り、今の二人は、狂ったようにおかしくなっている。彼女は理乃の持つ風の宝珠を通じ、理乃がその事を感じ取ったのを悟り、近くにいた自分が影をかばったのだ。
「えっと、つまり、どう言う事?」
嫌な予感を感じ取った碧は後退し、理乃に訊ねた。
「長期戦を見込んだのが間違いだった…! 長い時間クトゥルフモドキに絡まれて、知らず知らずの内に恐怖を溜めて、心が壊れて狂ったんです!」
「つまりは、恐怖でパニックになって壊れたと言った所か。」
「はい、小賀さんの言う通り、かと思います。」
匠の纏めに、理乃は頷く。
「あの狂い方は、私の知っているTRPGの狂い方に似ています。まさかリアルで見る事になるとは思いませんでしたが…。MZDさんが影さんに対して疑心暗鬼に陥り、スバルさんは昴さんに常時密着をしようとしています。」
「え、りー姉、それって…!」
「ええ、分かりやすく言うなら、信頼と保護の発狂が起こっているのです!(でも、友情じゃなくてよかった…!)」
ネクロニカを知る鏡が何かを言う前に、理乃はその答えを出すと同時に、ホッと安堵の溜息をついた。友情を抱いていたら、更なる悲劇が襲っていたかもしれない…!
ここで、少しネクロニカについて説明を。ネクロニカには、プレイヤーキャラクター毎に互いに未練というものがあり、ひとつの未練に狂気点というポイントが四点分まで入るのだが、その狂気点が四点分溜められてしまうと、そのキャラクターは狂気に侵されてしまい、発狂状態となり、様々なペナルティを受ける。ペナルティは未練毎に違うが、共通して厄介な物しかない。
「このままで終わればいいけどな。」
ロッシュは槍を構え、次の展開を待った。確かにこのままならば、スバルはただ昴にくっついているだけなので、MZDを何とか正気に戻せれば解決する。
だが、運命の神様はそれを許してくれなかったようだ。
「MZD…何、してるの…?」
スバルが、動いた。昴から離れ、その虚ろな目を、MZDに向けた。
「別に。ただ、オレは自分の身に振りかかりかけた脅威を切ろうとしただけだ。庇われちまったけどな。」
「…私の大切な子達を…殺そうとしたの!?」
嫌な雰囲気が、彼等を包む。嫌な汗が、背筋を伝う。
そんな彼等の気持ちを余所に、MZDはフン、と鼻を鳴らした。
「お前こそ、そいつ等を使ってオレを殺そうとしたんじゃないか? 子供だ何だ言いながらも、やっぱり内心じゃこいつらを道具のように思ってるんじゃねぇのか?」
「! そんな事ないわよ! 貴方こそ、みんなを殺してこの世界を乗っとるつもりなんじゃないの!?」
「おい…まずくないか…!?」
嫌な予感が的中しそうで、全員後退していく。
暫く一触即発の状態だったスバルとMZDだが、二人は同時に、鎌を構えた。嫌な予感が、当たった。そう思った、瞬間だった。
「死なせはしない! 死なせてたまるか! 私の子達は、私が守る!」
「死なない…! オレは、死ぬわけにはいかない!」
スバルとMZD、互いに、神様として、この世界に君臨する存在。その存在が互いにぶつかり合ったら…!
- 対決 五番の料理 ( No.793 )
- 日時: 2015/04/02 22:19
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mSRzWlsB)
「やはり…互いの未練が発狂していましたか…。スバルさんとMZDさんはお互いに、信頼で結ばれていたのですね…。」
「んな事言ってる場合かよ! どうにかして止めねぇとまずいんじゃねぇのか!?」
真次郎が冷静にいる理乃に、武器の斧を構えながら怒鳴り付けた。勿論、理乃にだってここで何とかしなければ全員お陀仏なのはわかっている。というか、料理ひとつでここまで大事になるとは。全員、予想もしなかっただろう。
「なんとか正気に戻さないと…。」
「りのさん。」
「これでなんとかなるかな?」
そう言って、フレイとコールがあるものを物資の中から漁り、持ってきた。
それは、ハンマー。これで殴って正気に戻せというのだろうか。
「だけど、この状態じゃ、スバルさん達に当たるかわからないよ…?」
風花の言う通り、この状態では当たるどころか、寧ろ近づくのでさえも難しいだろう。
何とか隙を作らなければ、とは思うも、その方法は難しそうだった。
『…。由梨、葉月、少し、精霊達を…ヴォルトとウンディーネとセルシウスを我に預けてくれ。できれば、二人も来てくれるとありがたい。鏡、お前も来い。』
「紅さん、何か名案が?」
『ああ。名案という程のものではないが、少し思い付いた案がある。威筑、氷結と電撃系のペルソナを持つ者の力を貸してほしい。』
「分かった。碧、一緒に来てくれ。お前のサブペルソナであるルシフェルには確か【ブフダイン】があったはずだ。俺は俺でメインのイザナギノオオカミに【ジオダイン】があるし…。」
「うん、いいよ。何となく、やりたい事がわかったかも。善、君も【氷槍】と【閃雷】でバックアップはできるよね。」
「可能だ。」
碧はどうやら、紅の案が何となくわかったようだ。
『明、確かお前はフレイ達の補助的な役割を持つはずだな。』
「う、うん。あ、わかったかも。コール、おいで!」
「うん!」
『やれるかわからんが、やるしかない。残りのメンバーは、一瞬でいい。スバル殿と創造神の気をそらせ。』
紅は指示を出すと、昴と影の元に来た。
『神、影。我らが隙を作る。お前達は最後にそれを思いっきり振り下ろせ。』
そう言いながら、紅はハンマーを羽で指した。
「…わかった。」
「隙を作るのは任せたよ。」
昴と影は、来るべき時に向け、待機した。
『…まずは、創造神達の気をそらせ!』
「おう! おりゃあっ!」
「来い、アリス! 殺さない程度の【死んでくれる?】だ!」
「スサノオ! 特大の【ガルダイン】!」
「フレイさん、一緒に!」
「うん!」
紅の合図に、ロッシュは槍を投げ、真次郎はアリスでトランプ兵の雨を降らせ、陽介はスサノオを召喚して風を起こし、ネリアはフレイと一緒に風と炎を飛ばした。
「俺もっ…!」
『オイラもやるぞー! 特大の【グランドダッシャー】!』
『【ブラックホール】…!』
『いっせーの、でっ…【エアスラスト】!』
「切り裂け!【ウィンドカッター】!」
匠も風圧を起こし、ノームとシャドウは地属性・闇属性の上級魔法を放ち、シルフ四姉妹も風属性中級魔法を四人同時に放ち、理乃も風属性低級魔法を二人目掛けて放った。
そのお陰か、互いに離れ、気をそらさせる事に成功した。
『ウンディーネ!』
『読めてきましたよ…! 貴方がしたい事を!【タイダルウェイブ】!』
ウンディーネは紅の指示で察知したのか、すぐに水属性上級魔法を二人目掛けて放つ。
「きゃあっ! びしょびしょ…! きゃあぁぁっ!!」
「うわあぁぁっ!!」
二人共濡れ鼠状態だ。そこにすかさず、雷が落ちた。善のスキルと威筑のスキル、そして、ヴォルトと由梨の魔法だった。
「安心しな、弱い電流を流しただけだ。葉月、セルシウス、鏡!」
「碧、善、頼んだ!」
「崎本、コール、決めろ!」
由梨の、威筑の、匠の呼び掛けに答える葉月とセルシウスと鏡、碧と善、フレイとコールの準備は既に、万端だった。
「セルシウス、行くよ!」
『ああ、合わせろ、葉月!【ブリザード】!』
「オレもっ!」
「来い、ルシフェル!【ブフダイン】!」
「凍りつけ!」
「コール、行くよ!」
「うん、あきら! かちこちにこおってー!」
六人と一匹が放った氷属性スキルにより、スバルとMZDの体は凍りついた。これで暫く動けないだろう。
『準備は整った! 神、影、やれ!』
紅が声をかけるも、答える声はない。
代わりに、ある音楽が流れてきた。そう、スマブラでハンマーを取った時に流れる、あの音楽が。
全員、何事かと思い、昴達のいる後ろを振り向くと、明と理乃は吹き出し、他のメンバーは目を点にさせた。
何故なら、昴達の顔が、今現在進行形で『(ノシ゜▽゜)ノシ』といった状態なのだ。楽しそうです、はい。
「右手でポカポカ 左手でポカポカ」
「右手でポカポカ 左手でポカポカ」
って、おいぃぃぃっ! それ、ハンマーを電波ソングにしちゃったアレじゃないかあぁぁっ!! と、ツッコミたかった由梨と紅だが、何も言わずに見送った。ちなみに、最初に影が歌い、昴が続く。
「右手でポカポカ 左手でポカポカ」
そして二人同時に歌いながら昴はスバルに、影はMZDに接近し、近くに来たところで…目が、キラーンと輝いた。
「みんなをポカポカ ですとろい☆」
「ぎゃあぁぁぁぁっ!!」
ですとろい、の歌詞が出た瞬間、スバルとMZDのド頭に、ハンマーが食い込んだ。ええ、振り下ろしました、あの二人が。
この衝撃で、振り下ろされた二人が気絶したのはいうまでもない。
「よし、中に運んで治療するぞ!」
「由梨、手伝って!」
「あんた等鬼か。」
由梨は思わずそう言ってしまうも、誰も聞いてくれなかったのでそのまま中に運んで、治療をする事になった…。
- 対決 五番の料理 後書き ( No.794 )
- 日時: 2015/04/02 22:25
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 68ht.95d)
後書き de 雑談
昴&影
「あーすっきり。」
紅&由梨
「あんた等鬼か。」
昴
「もっと色々な展開をやりたかったけど、あんまりにも長くなりそうだから色々削らせてもらったぞ。ああ、俺と真次郎のWアリスでのW【死んでくれる?】とか、葉月にもらった酒飲ませて酒乱状態でのクトゥルベビー撃破とか。」
由梨
「ハンマーのは最初から考えてたのかよ。」
昴
「じゃないのか? 数少ないギャグシーンとして。しかし、まさか料理“で”対決する場所なのに料理“と”対決しちまうとは…。」
紅
『彼女が他人の真似を嫌うから、こうなったのではないのか?』
影
「自分の出る時にこれ取り入れるってどんだけの猛者なの昴の本体。」
昴
「聞 く な 。あ、キャラを貸してくださった皆さん、変なところあれば仰ってください。修正します。」
影
「お願いしまーす! さて、ここで終わらせる?」
昴
「だな。じゃ、またなー!」
■
私
—感想、おKですが…お借りしたキャラ達はもう暫くお借りしますね。やりたい展開があるので。特に匠さんと荒垣さんとロッシュ君で。
昴
「何させる気だ。」
私
—軽く土下座? する羽目になるような展開。あ、まったく非道な事はさせないですのでご安心を。では、感想あればどうぞ!
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