二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 短編小説 *BSR Fate*
- 日時: 2014/04/21 17:22
- 名前: ☆Milk☆ (ID: EM3IpZmD)
こんにちは!
題名とか親レスとかが色々変っちゃってごめんなさい(汗)
前は主にバサラとバサラクロスオーバー専用でしたが最近fateが増えてきたためfateも題名に加えちゃいました←
そんな感じに意味が行方を失った短編小説始まります
ごゆっくりどうぞ
※リクエスト受け付けてます。長くなりそうなリクエストや、あまりに抽象的なリクエストはバッサリ無視いたしますので悪しからず。
※荒らし、チェンメ、悪コメはご遠慮ください
※バサラは主に伊達軍、fateは槍兵と弓兵を偏愛してます
※私のオリジナル小説、『僕と家族と愛情と』とリンクしてる時も多々。
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- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.307 )
- 日時: 2014/06/04 22:09
- 名前: ナル姫 (ID: .9bdtmDI)
架空フィオナ騎士団キャラ設定
フィン・マックール
フィオナ騎士団頭領。親指を嘗めるとあらゆることがわかり、彼が水をかけるとどんなに重症な傷でも直るという魔法の力を持つ結構老年の人。騎士団の人たち皆を平等に扱い、家族のように大切にしてくれる。ノリが良い一方で真面目になるべきところでは真面目になるという理想的なトップ。心が広く、大抵のふざけは笑って許すが一度人を恨むと長く、その人が死ぬまで憎むこともある。加齢臭を気にしているらしく、最近風呂の時間が長い(アシーン談)。
呼び方
「親父」「爺ちゃん(オスカー)」「おじさん(ルガイド)」「頭領」「フィンさん」
アシーン
フィンの息子で、何でも自由奔放弟結構てきとうな性格。それ故にふざけるのが好きな若者からは好かれている。家族の絆を大切にし、勿論騎士団の人達も大切にしている。そのてきとうな性格に反して周囲への気配りは団で1番細かい。父親の恥ずかしい話を言い触らす癖があり、良くシメられてる。身体は痩せ型で、どちらかと言えば前に出て戦うよりも指令を出す方が得意。
呼び方
「アシーン(フィン、ルガイド)」「父さん(オスカー)」「アシーンさん」「若頭領」
オスカー
ディルムッドやディアリンの親友。ふざけてちょっとした事件を起こす馬鹿三人の一人で、一時のテンションに身を任せる系の馬鹿。アシーンの息子で、とても親孝行な善人。ディルムッドやディアリンは同い年で、良く三人で行動している。背が少し小さくそれを気にしているのか、ブーツの底が厚め。身体が頑丈で、生まれてからというもの風邪をひいても一日で治るほど。祖父のフィンに溺愛されているが、彼自身かなり困っている。
呼び方
「オスカー」「坊ちゃん(ルガイド)」
ルガイド
フィンの甥でアシーンの従弟。無口な人で近寄りがたいが話せば良い人。また気配も薄く、気付けば後ろにいることも多々。ついたあだ名は『背後霊』という強いのに中々注目されない不憫。アシーンととても仲が良く、彼に振り回されている。また魔術師でもあり、ふざけすぎた人を懲らしめるときに魔術師を使う。茶が好きで、よく一人で飲んでいる。いつも深くフードを被っており、親族以外の騎士は顔を見たことがない。
呼び方
「ルガイド(フィン、アシーン)」「ルガイドさん」
ゴル・マックモーナ
元々は仇敵であったが忠実で信義に厚い隻眼の騎士。見た目に加え「〜じゃのぅ」という口調と低い声、更には数々の死闘をくぐり抜けてきたというその雰囲気からなんか凄く怖い。更に若者に甘くせずスパルタ指導だが、訓練をクリアするとチョコレートをくれる。頭を使うのが苦手で、昔は後先考えずに敵に突っ込んでいたらしいが、今は随分落ち着いたらしい。薄毛を気にしているのか、若者の頭を見ては溜息をつく毎日。
呼び方
「ゴル」「ゴルさん」「ゴルちゃん」
コナン・マックリア
大切なものを何でも一つの袋に詰め込む癖がある。水晶や宝石など透明な石が好きで、普段は大人しいのにその話になると目の色が変わる。語りはじめたら止まらないタイプの人間なため、全員極力石の話を避けている。普段は頼れる大人で、町を歩くと子供達が沢山寄って来るが、自身は子供の扱い方を知らないのでいつもアタフタしている。因みにこのコナンはいつもツッコミをしているコナンではない。
呼び方
「コナンさん」「マックリアの方」
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.308 )
- 日時: 2014/06/04 22:10
- 名前: ナル姫 (ID: .9bdtmDI)
コナン・マウル
いつもツッコミに回っているのはこっちのコナン。肥満体で毛深く、お世辞にも綺麗とは言えないが騎士団の中ではかなりの常識人。大体馬鹿三人にツッコンでて忙しい。しかもツッコミが間に合わず大体最終的に振り回せれてるあたりお人よし。うまくツッコミをすると拍手されるが正直やめてほしい。馬鹿三人に振り回されるせいかツッコミの種類は数多く、ノリツッコミなどのスキルも申し分ない(笑)とか言われる不憫。馬鹿三人より少し年上で三人のお世話係的なポジションとして見られている。
呼び方
「コナン」「マウルの方」
キールタ・マックローナン
歌が超絶うまい俊足の騎士。何でもかんでも歌うように話す癖があるが、それを周りに指摘されても直そうとする気配すら見えずに皆手を焼いている。だが騎士団の人達に歌が下手な人がいないので、皆(特に馬鹿三人やマウルの方のコナン)で一緒に楽しく歌っている事も多々。馬鹿三人ほどではないが彼も良い歳した大人でありながら馬鹿で、自分より一回り年下の人を振り回す事が多い。
呼び方
「キーちゃん」「キールタ」
リガン・ルミナ
騎士団随一の美脚の持ち主で、ジャンプ力はぴか一。というか見た目の褒め所は足しかなく、その代わり本当に足は綺麗なので女子にそれだけはモテる。女子に足をちやほやされるところを馬鹿三人に発見されると、その馬鹿共に「うわー!りっちゃんマジ美脚ー!びーきゃーく!あそーれびーきゃーく!」とかなりウザく囃し立てられる。それが彼の1番のストレスであり、馬鹿共を黙らせるため尽力するも骨折り損のくたびれ儲け。明日は良いことありますように。
呼び方
「リガン」「りっちゃん」
ファーガス・フィンヴェル
騎士団で1番の常識人且つ物知り。フィンからの信用が厚く、若くして頼れる相談役になっている。コイツもツッコミだがコナンと違い彼のツッコミは絶対零度。白い目で溜息をつかれると皆無意識に謝る。年齢はマウルの方のコナンより少し上。常に冷静沈着ではあるが、流石に馬鹿三人には手を焼いており、彼らを大人しくさせるべく色々な手を使うが今のところどれも効果無し。
呼び方
「ファーガス」「ファーガス先生」
ディアリン・マクドバ
子守が好きなお調子者の若武者。馬鹿三人のひとりで、トラブルを巻き起こす系の馬鹿。人の感情の変化に敏感で、重い空気が苦手なため、皆を笑わせようとしてくれるいい人。予知能力と千里眼的な力を持っており、彼の力とファーガスの脳を持ってすれば敵などあっという間に蹴散らせる(オスカー談)。ロリコン疑惑をもたれる一方でカマ疑惑、更には熟女好き疑惑などよくわからない疑惑を多くもたれているが、その殆どはただの噂に過ぎず、彼の好みは普通である。
呼び方
「ディアリン」「ディア君」
ディルムッド・オディナ
見た目が色々反則の超美形騎士だが、単に脳が足らない系の馬鹿三人の一人。純粋愚直、正直で単純と言えば可愛く思えるが悪く言えば単細胞。養父に溺愛されている。因みにこんなんでも騎士団最強で、心が広く皆に慕われて馬鹿とは言われるが友達がとても多い。また無意識に女性に紳士的に接しているので余計モテてしまう。またかなり不運だがあまり自覚はない。
呼び方
「ディル」「ディルムッド」「輝く貌」
リア・ルケア
寡黙な巨体の戦士。身体は鉛色で、見るのも悍ましい容姿をしている。寡黙でありながら乱暴もので、フィンの1番の悩みの種であるため、フィンも「いざとなったらこの手を汚す」という覚悟を見せるほど。小動物に懐かれやすい。乱暴ものだからぼっちと思いきやディルムッドが話しかけたのが切っ掛けで今ではすっかり騎士団に打ち解けている。でもやっぱり乱暴。
「リア」「リアリア」「リア様」
現パロのバスケ部も大体こんな感じのノリ。
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.309 )
- 日時: 2014/06/07 23:10
- 名前: ナル姫 (ID: MKBom4Aq)
ある日の馬鹿達の(どうしようもない)LINE
ディル≪りっちゃーん≫
ディル≪りっちゃんどこー?≫
ディア≪いたか?≫
ディル≪いない≫
ディア≪お前どこにいるの?≫
ディル≪教室ww≫
ディア≪お前探せしww≫
ディル≪めんどくさい(≧ω≦)≫
オスカ≪おーす≫
ディル≪オスカー、どこにいんの?≫
オスカ≪俺今講義25≫
ディア≪2階か≫
ディル≪つかオスカーって今補習講義中じゃないの?≫
オスカ≪テヘペロ☆≫
ディル≪テヘペロじゃないww≫
オスカ≪だって数学嫌い!だから!≫
オスカ≪ディルが日本史の補習受けてるときと同じキモチ≫
ディル≪OKOK、オスカーのキモチは100%理解した≫
ディア≪お前らダメだな≫
オスカ≪ディアリンが化学の補習受けてるときと同じキモチ≫
ディア≪了解したww≫
ディル≪ww≫
ディル≪何だこの会話ww≫
ディア≪どうせ理解できねぇよ≫
オスカ≪つーかホントりっちゃんだよ≫
オスカ≪マジでいないの?≫
ディア≪帰った?まさかの?≫
ディル≪MAJIKA≫
オスカ≪えぇー!おちょくれないじゃん!≫
ディル≪りっちゃんりっちゃん、どこにいるの≫
ディア≪…………………≫
オスカ≪…………………≫
ディル≪…………………≫
ディル≪暇だな≫
オスカ≪有無≫
ディア≪超ひま≫
ディル≪……≫
ディル≪りっちゃんはね≫
オスカ≪リガンって言うんだ≫
ディア≪ホントはね≫
ディル≪だけど美脚だから≫
オスカ≪自分のこと≫
ディア≪りっちゃんって≫
ディル≪呼ぶんだよ≫
オスカ≪おかしいね≫
ディア≪りっちゃん≫
ディル≪ww≫
ディル≪君ら最高だわww≫
オスカ≪任せろ☆≫
ディア≪美脚だからww≫
ディル≪美脚故にりっちゃん≫
ディア≪りっちゃん≫
オスカ≪りっちゃんなう≫
ディア≪りっちゃんなう≫
ディル≪りっちゃん≫
オスカ≪りっちゃん≫
ディア≪りっちゃんなう≫
ディル≪おっおっおっおっ≫
オスカ≪…………りっちゃん来ないな≫
ディル≪りっちゃん来ない≫
ディア≪りぃぃぃっちゃぁぁぁぁぁぁん!≫
ディル≪えるしってるか、既読3ついてるんだぜ≫
オスカ≪誰が読んでいるんだ俺達以外で!出てこい!≫
ディア≪会話に入ってこないしファーガスかな?≫
ディル≪ファーガス?なう?≫
オスカ≪ファーガスなう≫
ディア≪リンちゃんなうはもう良いよww≫
オスカ≪えー≫
ディル≪じゃー……何が良いかなー≫
ディル≪……ポーニーテールー≫
オスカ≪ゆーらしーながらー≫
ディア≪かーぜのーなかー≫
ディル≪きーみのーえがおー≫
オスカ≪ぼーくのーなつがー≫
ディア≪はじーまるー♪≫
ディル≪らーららーらららー≫
オスカ≪らーららーらららー≫
ディア≪らーららーららー≫
ディル≪らーららーらららー≫
オスカ≪らーららーらららー≫
ディア≪ららーらららー≫
ディル≪次はー…≫
オスカ≪俺が振っていい?≫
ディア≪どぞどぞー≫
ディル≪いいよー≫
オスカ≪ちじょうーにあるーほーしーを≫
ディア≪だれもーおぼえーていなーい≫
ディル≪ひとはーそーらーばーかーりーみーてるー≫
オスカ≪つーばーめよー≫
ディア≪たーかーいそーらかーらー≫
ディル≪おしーえーてーよー≫
オスカ≪ちーじょうのーほしーをー≫
ディア≪つーばーめよー≫
ディル≪ちーじょうのーほしーはー≫
オスカ≪いまーどーこーにー≫
ディア≪あるーのーだろーう≫
ディル≪何でこれセレクトしたしww≫
オスカ≪ノリとテンション≫
ディア≪キタコレww≫
ディル≪なんか乙女な曲をやってみたい≫
オスカ≪何だ急にww≫
ディア≪りっちゃんの乙女趣味を突くために≫
オスカ≪りっちゃん乙女趣味ww?≫
ディル≪乙女趣味美脚りっちゃん≫
オスカ≪もっとーあいのことーばーをー≫
ディル≪きかせてよわたーしーだーけに≫
ディア≪あいまいなせりーふーじゃーもう たーりーないかーらー≫
オスカ≪もっとーきみのここーろーのー≫
ディル≪なかにいたいよー≫
ディア≪どんなときでもー≫
オスカ≪はーなさなーいでー≫
ディル≪もっとちかくにかんじーたーい≫
ディア≪からたしかめたいFeelings≫
オスカ≪もしきづかないーふりーなーら≫
ディル≪give me a sign≫
ディア≪しらなすぎるよーmy heart≫
オスカ≪もっともっとほしいよyour love≫
ディル≪いますーぐーにあいーにーきてー≫
ディル≪いいねノッてきたね≫
オスカ≪どんどん来い!補習終了なう≫
ディア≪次何ー?≫
ディル≪つかりっちゃんいない≫
オスカ≪あ、忘れてた≫
ディア≪wwおいこらww≫
ディル≪帰ったんだよーいないもん≫
ディア≪会いたかったー≫
オスカ≪会いたかったー≫
ディル≪会いたかったーYes!≫
ディア≪きーみーにー!≫
リガン≪乙女趣味じゃないとかりっちゃんってそれお前らが勝手に呼んでるだけとか≫
リガン≪言いたいことは沢山あるけど≫
リガン≪何なのお前ら≫
ディル≪りっちゃんきたーーーーーーッ!!≫
ディア≪りっちゃんどこにいるの?≫
リガン≪旧校舎≫
リガン≪文化委員だから荷物運ぶのやってた≫
オスカ≪終わった?≫
リガン≪終わった≫
ディル≪今から行くー≫
リガン≪来るな馬鹿≫
ディア≪りっちゃん酷い≫
ディル≪誰が何と言おうと!行く!≫
オスカ≪俺も行くー≫
リガン≪えー……お前らおちょくりたいだけだろ…≫
※その後予想通り弄られるリガン
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.310 )
- 日時: 2014/07/02 21:31
- 名前: ナル姫 (ID: Upyg7XTf)
「七夕だねぇ」
俺達を召喚した軍司の言葉に、俺を含め四体のサーヴァントは首を傾げたのだった。
「タナバタとは何ですか半兵衛様」
「美味しいものを食べる祭ですか?」
「この我を敬う儀式か?」
「おいお前ら……」
「全く……よく聞きたまえ」
勝手な推測を始めた騎士王と英雄王に御子殿が脱力気味につっこみ、エミヤがタナバタの説明をしてくれた。
「早い話、梶の葉に願いを書いて燃やせば願いが叶うんだな!」
「そういうことだが……言い伝えだ。あまり当てにするな」
「どんな願いでも良いのか?」
「あまりスケールの大きいことや過去のことは願っても無意味だろうな」
「……とはいえなぁ」
こんな時代に何の間違いか召喚されてしまったのだ、この時代に聖杯はないのだし、何を願えというんだ。
「ということは故国の復活はなしですか……」
「あー……まぁ元気出せよ……」
非常に残念そうなアルトリアを御子殿が慰める。と、そこでふと横を見ると英雄王は書き終わったようで。
「何て書いたんだ?」
「うわぁ!?みみみみ見るな雑種!見るなぁぁぁぁぁぁぁ!」
唐突過ぎる拒絶反応。どうして……。
「へぇ、ここまで君が慌てるなんて珍しいねぇ、何て書いたのか見てみたいなぁ?」
「み、見せるわけなかろう!」
「貴様ギルガメッシュ!半兵衛様に逆らうなぁぁぁぁぁぁぁ!」
と、今まで黙っていた英雄王によく声が似た銀色が声をあげた。
「ヒヒッ!ヤレ、恥ずかしいことでも書いたのであろ」
「煩いぞ貴様ら!我はこれを早く燃やして来る!」
ずんずんと燃え上がる炎に近づき、梶の葉は投げられた。と、ここでアルトリアが。
「書けました!」
「何て書いた?」
「美味しいご飯を食べたいと!」
「あー……いや、良いんじゃねぇの?いや織り姫と彦星とやらが叶えてくれるのかは知らねぇけど」
「何人たりとも私の願いは邪魔できません!」
「……そうか」
呆れ気味にエミヤ。気持ちは分かるけど。
「っし!俺も書けたぜ」
「半兵衛様!私も書きました!」
「ヒヒヒ、我もな」
「僕もできた」
「小生も書けたぞ!」
「我もだ」
いつの間にか混ざっていた主や官兵衛まで書き終わった様子。まぁ官兵衛の願いは何となく想像できるのだが。
「な、何故これほどまでに早いのですか…」
「さてなぁ、なんかアルトリアみたいな感じで良いんだろうなぁって思ったら、案外パッと思いついてよ」
「何て書いたんだ?」
「そりゃぁ、可愛い女の子にチヤホヤされたいって」
一瞬の沈黙。
「……冗談だよ。折角、こんな戦だらけの時代に喚ばれたんだから思いっきり戦って武功をあげたいって書いたよ」
「あぁ、なるほど……」
さて参った。書くことが思いつかない。嫉妬深い男がいなくなりますように……はスケールが大きいよな。恋する乙女が俺に寄りませんようにそれはそれで人間の存続に問題が起きてしまう……あ、黒子の魔法が消えますようにとか……いやいや叶いそうにない。
「私も書いたが」
「そんなエミヤまで!」
「さて、そろそろ良いかなぁ?火、消しちゃうよ?」
「ええっ!?半兵衛様!?」
「だって願い事ないみたいだしねぇ」
「え、ち、違っ……!」
「止めたまえ半兵衛。あまりからかってやるな」
「俺の後輩いじめるんじゃねぇよ」
あぁ……エミヤと御子殿から後光が見える……。
「焦らなくて良いぞディルムッド。そんなに悩まずに思いついた事を書けば良い」
「そうそう、小さなことでもいいんだろ?つかエミヤは何て書いたんだよ?」
「え……」
エミヤの頬が紅潮する。そこでギルガメッシュが愉悦を感じるのは最早当然のことで。
「ほーぅ?興味深いではないか、聞かせてもらおうか?」
「だ、だったら君も願ったことを言いたまえ」
「何!?」
「僕は二人とも聞きたいけどな」
「貴様っ……!」
「そういや三成は?」
「な、何故私まで!」
「やっぱりご飯についてですか?」
「アルトリアは黙れ!」
「ヒヒヒッ!アルトリアは大食漢よなァ」
「ぎょ、刑部私を庇え!」
「恥ずかしがらずに言えば良かろ」
「……なぁ、誰も小生を構ってくれんのか……?」
「あ、悪い官兵衛」
「だが雑種、貴様の願いは大方その手錠についてだろう」
「見抜かれているだとぉっ!」
「それか脱幸運最低」
「あ、私もそれを書くべきだった」
「ハッ、貴様ららしいわ。ということは貴様の願いは脱幸運最低ではないのだな」
「盲点だったよ」
「ディルムッドそれ書けば良いんじゃね?」
「……俺達が幸運最低から脱することができると?」
「……願うだけ無駄なんだな、知ってた」
「にしても本当によく悩んでるね。てきとうで良いんだよ?」
「うー……」
そして俺は、ふと思い浮かんだことを書き込んだ。そして誰にも見られないようにして、炎の中へ放り込む。
「お、何て書いたんだ?」
「秘密です」
「え、俺は言ったのに!?」
「だ、だって恥ずかしいではないですか……」
「よく出来た後輩だな駄狗」
「……狗言うな」
「はいはいそこまで。ご覧よ、綺麗な夜空だ」
見上げると、綺麗な星の河が流れていた。
「うわ、すげぇ!」
「素晴らしいですね……」
「うむ、称賛してやろう」
「見ていたらお腹が空いてきました」
「おい……」
馬鹿みたいな会話を聞きながら、俺は先ほど書いた願い事を思い出す。
【どうか】
【少しでもこの時が】
【長く続きますように】
The star of the night sky of summer knows my wishーー夏の夜空の星に願いを
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.311 )
- 日時: 2014/07/08 14:37
- 名前: ナル姫 (ID: khvYzXY.)
金属音が引っ切りなしに鳴り響く。二人の槍使いは獲物を狙う肉食獣のような瞳で相手に隙が出来るその瞬間を観察していた。
まるで猛獣だな、と小さく口に出したのは政宗だっただろうか。翡翠の衣を纏う蜜色の瞳の騎士が扱うそれより長く太い大きな槍を、黒い鎧に橙の陣羽織を着た茶色い髪の武士は振り回していた。確かに、自分の体よりずっと大きな槍を使うその姿は獣に違いなかった。ただ、翡翠の美男子も短い黄槍と長い紅槍、その二本を器用に扱うにはそれなりの技術がいるだろうに、扱えるのが当然であるかのように黒髪の騎士は槍を自由自在に操っていた。
美しいーーそして、その中に確かに恐ろしさを感じながら、青い髪の騎士におもしろ半分に肩車をされた少年は、こうなったいきさつを思い出していた。
事の発端は数日前だった。豊臣で面白いことが起こったーーという話が奥州にも届き、政宗は何人かの家臣を派遣した。報告によると、ずっと前、それこそ神話などの時代に活躍したという英雄ーー例外もいるようだがーーが召喚されたという。と、政宗や成実がこれは見に行くしかないなと悪戯が好きな子供のように言い合い、前田家を通じて豊臣へ来たのだが……そこで、『武士であること』に大きな誇りを持つ成実と、『騎士であること』にとても誇りを持つとある騎士との間で少々揉め事が起きたのだ。騎士の名はディルムッド・オディナ。半兵衛の話によると、いつもは温厚で優しい人であると言う。それに、自ら敵を作ることは決してしないらしい。ならば成実がディルムッドに喧嘩を売ったとしか考えられず、政宗が何か言ったのかと成実に聞いたところーー。
「あいつが生前所属してた……フィオナ騎士団だっけ? それに入団試験があるらしいんだけど、武士なら誰でも入れるんじゃないかって言ってやった」
「……何故そんなことを貴様……」
「……なーんか、気にくわねぇんだよな、あいつ」
成実が目を細める。成実だって普段は温厚な人間だ。それがあの人が良さそうな騎士を嫌うとは一体どういった見解だろうと政宗は聞く姿勢を持った。
「良い奴ではないか。貴様があれを嫌うとは意外だが」
「『良い奴過ぎる』んだよ……梵天、お前自分の母親に殺されかけたこと、まさか忘れたなんて言わねぇよな?」
「言うか、そんなこと」
「だったら分かれよ。俺達は正々堂々戦うより前に……そうではない連中に気を配らなきゃ早死にする。だから豊臣に来てからも気を張ってきた。だがあれはどうなんだよ。俺達が護衛を連れていない筈がねぇ、どこの国の忍が自分の体を狙っているとも限らねぇ、なのに……あいつは……人を信用しすぎてる。ディルムッドはきっと、そこに付け込まれて裏切られて死ぬような奴だ」
「……」
だから、と成実は付け加えた。
「人としての俺は気に入ったけど……武士としての俺が気に入らねぇから、喧嘩売った」
「それだけで喧嘩売るってお前は馬鹿か。勝算はあるのか?」
「勝算のあるなしで喧嘩してても意味ねぇだろうがよ」
そんなことで喧嘩を売ってどうこうなるわけでもないだろうに、とは思うものの、政宗はそれ以上言及しなかった。
「お前が不機嫌なんて珍しいな」
「奴は……成実殿は我々を馬鹿にしています。聞いていた話と違いますよ、御子殿!」
「違うって何がだよ」
「半兵衛様からは武士も通常は一対一で敵に正々堂々立ち向かうものと聞きました! ならば騎士も武士も互いを尊重しあうべきです! だから私は主を、半兵衛様を、石田殿も黒田殿も尊重してきました! なのに……!」
「あぁ落ち着け落ち着け。気持ちは分かるからよ。でもな、ディルムッド。お前は確かに典型的な騎士だからそういうの許せないかもしれねぇけど、騎士だから武士だからと言って、お前みたいな奴ばかりじゃねぇんだよ、この世の中は。だからほら……お前には言いづらいけどよ……裏切りとか、策略とか……あいつが言いたかったのは、そういうことだと思うんだよな」
「っ……」
耳と尾のない弟の怨霊と、瀕死の自分に死ぬなと喚く親友の泣き顔、そしてわざとらしく落とされた水が脳裏を過ぎる。
「……それは……わかっています……わかっているつもりです……けれど、だからといってフィオナをけなすのは間違っています。あれは断じて、誰でも入れるような騎士団ではないです」
「それは正論だな。まぁ、何だ。取り合えず喧嘩売りたかったんだろうよ、気に入らないってだけで」
「……卑怯な」
「そういってやるな……取り合えずお前は負けたくねぇんだろ?」
「……当たり前です」
「ならその喧嘩買って、伊達成実っていう若造ぶち負かして来いよ、お前が武士に勝てる方法はそれだけだぜ」
これらの会話を少年は実際に聞いたわけではない。ただ、青髪の騎士と兄からそういう話をした、ということを聞いただけである。総合するとーー虫が好かないから喧嘩をしている、成実からすればそれだけ。ディルムッドからすれば、仲間を馬鹿にされたのが許せないーーそのため。動機の重さはまるで違うが、その勝負は真剣そのものだった。
何て動きづらそうな服を、とディルムッドは思っていたが、英霊である彼も相手が一筋縄では行かないことを理解していた。あそこまで重そうな物を着ている癖に動きが異常に俊敏だ、と。それに一本とは言え、自分の持つ獲物より重そうなそれ。そしてそれに纏う炎。何度かの打ち合いで、炎は紅薔薇で一時的に消せることはわかった。だがそれにしても、炎は厄介なこと極まりない。
二人は一旦さがり、呼吸を整えた。次に動き出したのはディルムッドだった。
「ゲイ・ジャルグッ!」
「竜炎!!」
紅薔薇の先端とぶつかるところだけ炎が消える。だが飛んできた火の粉は彼の頬を霞め、痛みに顔を歪ませた。使う技を考えれば成実が圧倒的に有利であった。彼の炎は遠距離攻撃が可能であるため、それを『打ち消すだけ』のディルムッドの武器で出来るのは、精々自分を守るくらいだ。
ーーならば。
またもディルムッドが動き出す。高速で、成実の周りを。
「っ! ぐっ……!」
最速の脚に、成実がついて行けるわけもなかった。ディルムッドは紅の薔薇で彼に少しずつ傷をつけていく。そろそろ治癒不可能の薔薇を突き出そうとすると突如、金属音が大きく鳴った。
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