二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 短編小説 *BSR Fate*
- 日時: 2014/04/21 17:22
- 名前: ☆Milk☆ (ID: EM3IpZmD)
こんにちは!
題名とか親レスとかが色々変っちゃってごめんなさい(汗)
前は主にバサラとバサラクロスオーバー専用でしたが最近fateが増えてきたためfateも題名に加えちゃいました←
そんな感じに意味が行方を失った短編小説始まります
ごゆっくりどうぞ
※リクエスト受け付けてます。長くなりそうなリクエストや、あまりに抽象的なリクエストはバッサリ無視いたしますので悪しからず。
※荒らし、チェンメ、悪コメはご遠慮ください
※バサラは主に伊達軍、fateは槍兵と弓兵を偏愛してます
※私のオリジナル小説、『僕と家族と愛情と』とリンクしてる時も多々。
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- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.457 )
- 日時: 2015/08/04 16:13
- 名前: ナル姫 (ID: ib99WOwr)
「皆さ、君が生きることに関して悲観的過ぎない?」
「仕方ないだろう、俺が生き残れると思うか? 魔術師同士の殺し合に混ざって」
「さぁ? 君の魔術師としての器量は知らないからさぁ」
けらけらと笑いながらあとをついて来るサーヴァントに溜息。まぁ、何の口出しもして来ないで黙っているよりは気が楽なのかもしれないが。
その後、二人は電車に乗ってタブリンへ行った。勿論旅費節約のためにガーディアンは霊体化しているのだが。日本へ向かうのは明日。では今夜はどうするのだとガーディアンは聞いた。ホテルでは高いし、霊体化していても男一人と同室は如何せん……と思うのは当然だろう。
「……泊まる宛てがない分けないだろう」
彼は苦笑した。
*
「おおディルムッド! 長旅ご苦労だったな」
「……ただいま、父さん」
あぁ、なるほど、とガーディアンは頷いた。父さんと呼ぶということは、この優しそうな男性がディルムッドの養父なのだろうと判断することは非常に容易だ。
二人が来たのは、タブリンの外れにある少々大きな家だった。この家が、ディルムッドが12歳から高校に入るまで住んでいた家らしい。年数にすると非常に少ないが、12歳まで住んでいた家は彼にとって虐待の思い出しかない忌まわしい場所であるため、実家と示されるのはここしかないのだろう。
「まぁ座りなさい。今ご飯にしよう」
「じゃぁ、遠慮なく」
「手伝うよ父さん。あとガーディアン、何が遠慮なくだ、お前も手伝え」
「マスターのおにちくー」
言いながらもソファーに下ろした腰を上げ、ガーディアンはキッチンへ向かった。数分もすれば準備は整い、夕食となった。非常に食事は美味しく、魔力が十分足りているはずのガーディアンが一気に平らげたのをみてオェングスが笑っていた。
片付けが終りシャワーも済ませ、疲れていたのかディルムッドは早めに布団へ入ったが、基本的に睡眠の必要ないガーディアンは、そのままオェングスと話していた。
「あの子から聞いてると思うが、あの子は16年前に私の養子になってね……ずっと、妹のために生きてきた子なんだ」
「はぁ……」
「普通の人生を歩ませようと、魔術と両親のことをひたすら隠しつづけて……リーゼがブライトの養子になったあとも、定期的に小遣いやら手紙やらを送ってね。その一方で、刑務所の父と病院の母にも会いに行っていた。血だけでも、子供だからってね。あの子は、本当に良く頑張っているんだよ。……今回の願い事も……そんなことでいいのかいって言いたくなるようなことでね……リーゼに聞かれたら怒られるから、誰にも言わないでくれと言われたんだが」
「マスターの願い……って?」
「……リーゼのために、母親の精神病を治したいそうだ」
「…………」
「止めたかったんだけどねぇ……あの子も頑固だから」
「…………なるほど」
「私としては、あの子が帰ってきてくれれば……それだけで十分なんだ。だから……ディルムッドを守ってやってくれ」
「……御意だよ、お父君」
*
「……じゃぁ、ね……父さん」
「あぁ……いってらっしゃい、ディルムッド」
翌日、オェングスの家を去った二人は飛行場へ向かった。勿論ガーディアンは霊体化し、大人しくさせて置いたのだが。
暫く飛行場に乗り、日本へ着く。
「おー日本! ここが舞台なわけだ!」
「ここはフユキではないがな」
「何だよマスター、この黄色人種に興味はないのかい?」
「日本人とは何度もバスケで対戦している」
「やだクール。もっと熱くなれよォッ!」
「何だお前急に……」
「ノリ悪いわぁ」
「誰かの物真似か何かか?」
「ふふふ、よくぞ聞いてくれた! これからジャパニズムにそめてやんよ!」
「うわぁ」
ビシッとポーズを決めたサーヴァントの隣で、ディルムッドはふかぁく溜息をついたのだった。
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.458 )
- 日時: 2015/08/07 15:49
- 名前: ナル姫 (ID: rLJ4eDXw)
「良く来た、青年。ディルムッド・オディナ……いや、この場合においてはディルムッド・ブライトが正しいのかな? まぁどちらでも構わないが、君が六人目の参加者となる」
「……オディナは一般人である俺の姓だ……ブライトで」
「ふむ、了解した」
深く、闇の神父は口角を歪めた。まだ時刻は早朝の筈だが、外は妙に底冷えし、教会の中は暗い気がした。
「では、改めて−−ディルムッド・ブライト、君の聖杯への願いを聞かせて貰おうか」
「……母を……」
蜜の瞳は、神父を射抜くように鋭く。
「精神を病んだ実母を治して欲しい」
くつり、と神父は口角を上げた。良い願いだ、と言うと、両手を仰々しく広げる。
「君の聖杯戦争への参加を歓迎しよう……君に、神の御加護のあらんことを」
その瞳の奥に黒く渦巻く欲望のような物を感じながら、ディルムッドは視線を少し横へずらす。それに気づいた神父が、ディルムッドの斜め後ろを見た。
「さて、そこにいるのがガーディアンで良いのかな? 姿は見せてはくれぬようだが……まぁ、よろしく頼もう」
*
……何だか、酷く疲れてしまった。時差ぼけだろうか、長時間座ったせいだろうか、それとも、あの監督役に何かおかしなものを感じたからか、それは判断がつかなかったけれど。
「ひっでぇ面」
スッ、と教会では姿を見せなかったガーディアンが、急に目の前に姿を現した。
「何が言いたい」
「そのまんまだっての。疲れ果ててんじゃん、精神的に」
そんなにはっきりわかるほど顔には出ていないだろう、と思っていると、拠点にしている廃工場に落ちている硝子の破片に顔が映った。−−確かに、言われた通り酷い顔である。本当に俺の顔か、と思い指先で頬をなぞれば、硝子の中の顔にはしっかり指先がついていて溜息をついた。
「まだ日高いんだし、遊びにいこうぜマスター? こんなところにいたら気が滅入る」
「そんな金は……」
「あの爺名義で領収書切っとけよ」
「……だが」
「どうせろくな暗示使えないだろうし、僕が後で暗示くらいしてやるからさぁ」
「……」
暫く俯いて考える。どうせ死ぬ身だ。妹の代わりに死にに来ただけだ……ならば、と、ふにゃりと口角が上がる。
「……そうだな」
「よし、思い切って遊園地でも行こうか! 浦安って知ってるかいマスター? まぁそこがわからなくても東京ディズニーランドくらいは知ってるよな?」
「あ、あぁ……」
「僕そこに行きたい。よし行こう。服用意して!」
言われるがままに町へ赴き、早くから開いている店を探して似合いそうな服をあれこれ探す。まぁガーディアンの趣味的な問題もあり、非常にシンプルな服装になったのだが。駅へ行って、切符を買って、電車に揺られて、行列に並んで−−とはいえ、今日は平日のためか、クリスマスイベントは始まっていたが、そこまで人は多くなかったのだが。
ディルムッドは顔が良く目立つため、意識疎外の魔術をかけていた。ガーディアンが実体化してる分と、魔術を使っている分で結構魔力は削られるが、父の魔術回路ではそんなに問題ではない。
「……わぁ」
沢山の人、空へ飛んでいく風船、立ち並ぶ店の中に、所狭しと並べられたぬいぐるみに人形、キャンディにクッキーに文房具、キラキラ輝くキーホルダーに小さな扇風機に硝子細工、本物の宝石まで。
「……凄い」
「土産で圧倒されて場合じゃないぜ、マスター」
「?」
言われて振り向くと、立ち並ぶ土産屋を覆う大きな透明の屋根が無くなった空の下には、沢山の人々に、クリスマスの装飾に、着ぐるみのディズニーキャラクター達がいた。恐る恐る、その場へ一歩を踏み出すと、日光が目に入って眩しい。
「さぁ、早く遊ぼう! 時間は待ってくれないぜ? 絶叫系はいけ……ないなんて言わないよな、『ディルムッド』?」
「む……臨むところだ、『七紙時雨』」
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.459 )
- 日時: 2015/08/07 16:17
- 名前: ナル姫 (ID: rLJ4eDXw)
「はぁ……全く……」
「仕方ないじゃーん、何も食べてないんだから」
「食べなくたって大丈夫だろう、ほら」
「サンキュー。チュロス好き」
「不健康極まりない朝飯だな……ジェットコースターが落ちる前に腹減ったって言うか普通」
苦笑しつつもどこか楽しそうなディルムッドに、勿体ないなぁ、なんて思った。確かにこの人は、魔術とは関係ない、普通の人生を歩んだ方がずっと幸せだっただろう。しかも若くして結婚してしまって、まだまだデートらしいデートもできたであろうに。
「いるかい、ディルムッド?」
「? 良いのか?」
「間接キスとかするわけないだろ」
言いながら、チュロスの下の方をちぎって渡した。ディルムッドは受けとると口へ放り込み、口元をだらし無く緩めたあと砂糖のついた指を嘗める。ガーディアンは食べ終わるとチュロスの入っていた袋を丸めて、ごみ箱へ棄てた。
「さて、次行こうか?」
*
いくつか乗って、昼食を済ませ、パレードを眺めて、また少し乗って−−。
缶コーヒーを片手に、夜のパレードを眺めていた。
「……綺麗だな……」
その声は特に、同意の言葉を求めている訳ではないようだったので、無言で頷いて返す。
「……空から見たらちっぽけな光なんだろう……けれどそれは、こんなにも眩しい」
「何悟ってのさ、ディル」
ふん、と小馬鹿にしている訳ではないが、そのような態度を見せるも、ディルムッドから返答がない。見入っているのか、と隣を見てみれば、彼の視線はパレードではなくそれより少し下へ向いていた。−−小さな子供と、その両親。
その子供を自分の子供に、母を妻に、父を自分に重ねて、家族でここに来たかったと思っているのか、それとも、その子供を自分に、父を実父に、母を実母に重ねて、こんな家族だったらどんなに幸せだったことか、と思っているのか−−そればっかりは区別がつかない。
そのうち、サーヴァントが自分を見ていることに気付いたのか、寂しそうな笑顔を見せて、持っている缶コーヒーを飲み干した。
「ここは何時に閉まるんだ?」
「まだ時間はあるはず。何か土産買ってくなら今のうちが良いと思うけど」
「そうか……何か欲しいものあるか?」
「キャンディくらいは買っていきたいかな」
「了解した、糞爺名義で買っておこう」
「それくらい自分で買ってやれよ」
ははは、と笑うその顔は、初めて出会った頃とはまるで違う。普段見せているあの気難しそうで、悲しそうで、辛そうな顔は、『ディルムッド・ブライト』の顔であり、こうして朗らかに笑う顔は、『ディルムッド・オディナ』の顔なのだな、とガーディアンは理解した。
キャンディを入れた袋を持って、二人は人の少ないゲートへ繋がる道を歩く。
「……なぁディル?」
「んー?」
「君はディルムッド・オディナでいなよ」
「何だ、急に?」
「あんな気難しそうな顔されてたらぁ、僕の方が参っちゃうよ」
「ほう?」
「魔術師である限り、君はブライトを使いたがるんだろうけど、君の本質はオディナであるべきだよ、君のためにも、きっと」
前を歩くディルムッドは、薄い笑みでガーディアンへ振り返る。
「−−僕が保障する」
「……そうか」
にこり、と笑って、また彼は前を向いて歩きはじめる。
「お前の保障がついたところで不安要素が消えるわけではないが……そういうのならオディナであるように、俺は努力しよう」
「酷いな、全く」
「ははは、そういうなよ、『時雨』」
二人はゲートを抜け、夜の町へ歩き出した。
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.460 )
- 日時: 2015/12/02 03:17
- 名前: ナル姫 (ID: 73BX/oE4)
「何より怪しいのは、やっぱ寺だよねぇ」
「まぁ賛成だがな、時雨よ」
「何か不満?」
「多いに不満だ」
「何が」
「この移動方法だ」
「え? 楽じゃね?」
「いや俺は体は楽だがな?」
「人に見られる心配もないし」
「お前の得意魔術に暗示も入っていた気がするが」
「つべこべ煩いディル」
「だったら姫抱きをやめて俺を地上へ降ろせというかビルの間の空中移動をやめろ!」
ひょいひょいとガーディアンはビルとビルの間を移動していた。がっちりホールドされているとは言え、まさかこんな移動手段を取られるとは思わなかった。まぁ、確かに楽ではある、人間であるディルムッドとしては貯まったもんではないのだが。
やがて柳洞寺へ続く階段へ着き、ガーディアンはディルムッドを下ろす。ディルムッドの、全く……と言う呆れたような声は聞こえたのか聞こえなかったのか、いづれにせよガーディアンから反応はない。
そのサーヴァントの視線は、階段の向こうの門へ向いていた。そして、そこに侍の姿が現れる。
「−−ほう、こんな夜中に何奴かと思えば、このような少女だとはな」
じり、とディルムッドは半歩下がり、ガーディアンは強化と硬化を施した鉄パイプを手にした。
「……それが武器か、面白い」
言った侍−−アサシンは、ヒュンッとその刀を振った。
「−−いざ」
「ひぇーやりづれぇー。どうするよマスター? とりあえずこのアサシンの他にももう一体いるみたいだけど」
アサシンの醸し出す真剣な空気を壊すようにペろりと舌を出すガーディアンに苦笑いを零すディルムッド。アサシンが眉間に皺を寄せたのを見て、更に茶化すようにディルムッドが声を出す。
「礼儀正しい御侍さんが立腹なさったぞ」
「何それ、僕が悪いの?」
「当然だろう−−まぁ」
ディルムッドは短剣を取りだし、軽く握った。
「サポートはしてやるさ」
「……了解」
ひゅう、と微風が吹いて木葉が数枚散る。二体のサーヴァントの間に舞ってきた木葉が、地面に落ちるや否や−−。
ガキンッ、と大きく金属音が響いた。動いたのはほぼ同時か、しかし相手は流石侍、剣術の達人、ガーディアンが押され気味なのは一目瞭然ではあった。
「っ、ぐっ!」
「ふっ、そんなものか……この程度で、我が剣先から逃れることができるなど、考えないで貰おうか!」
徐々に、圧倒されていく。そして。
「あっ」
ガーディアンの持っていた鉄パイプは空高く舞い上がり、ここぞとばかりにアサシンは鷹が獲物を狙うような瞳で、彼女に切っ先を向けた。
「終わりだ!」
口角の上がるアサシン。だが、ガーディアンはそんな彼に対して笑った。
「−−なめんなよ?」
次の瞬間、アサシンの身体は彼が向かっていたのと全く逆の方向に吹き飛ばされた。木にぶつかり、派手な音が立てられる。彼の礼装はずぶ濡れになっていた。
「くっ……」
「悪いねぇ、僕のマスター、魔術のセンスはてんでないけど、魔術回路は良いもの持っててさぁ。君を水で吹き飛ばす程度、わけないぜ?」
「全く、辛口なコメントをしてくれるな」
「はは、事実だろう?」
カランと落ちてきた鉄パイプを拾い、ヒュンヒュンと振り回す。アサシンは立ち上がり、二人を睨みつけた。そして。
「−−ふ、どうやら貴様らは……相当運が悪いようだな」
「あ? −−!! ディルッ!!」
「え」
直後、ディルムッドはガーディアンに突き飛ばされた。階段を転がり落ち、踊り場で漸く止まる。
「あら残念……その坊やはいい魔術回路を持っていて、且つ弱そうだから聖杯の器にはピッタリだと思ったのだけど」
「そう……あんなへたれでも僕もマスターだから、連れていかせるわけには行かないなぁ」
「なら、貴方を殺せばいいのよね……? やってしまいなさい、小次郎!」
「そういう訳だ、ガーディアン」
「ッ……クッ!」
ガーディアンはディルムッドに向かって走り出した。決して敏捷は高くないが、幸いなことに二人は追って来ない。ディルムッドを抱えて、寺から彼女は逃げ出した。
「……」
ダメだ、強かった。
自分は『護る』英霊なのだ、その点ではこの逃げる選択は正しかったと言える。だがこのマスターには、願い事があるのだ。
「……ガーディアン」
「……悪いね、負けた」
「……いや」
階段から落ちたときに切れたのだろうか、ディルムッドの腕から血が出ていた。自分で治すことくらいはできるのだろう、す、と魔術をかけていた。
「……歩ける、適当なところで下ろしてくれ」
「了解」
ガーディアンはとん、と地上に降り、ディルムッドを降ろした。ふぅ、とディルムッドは溜息を吐き出す。そしてそのまま、歩けるとは言ったものの気力はないのか、へたりとその場に座り込んだ。
「……ディル?」
「……わからない」
「……」
「……どうすれば……どうすれば聖杯がとれる?」
ガーディアンの中で様々な思いが渦巻いた。自分では不足か不服か、気に入らないのか、だって仕方ないだろう、だって−−だって?続く言葉が思い付かず、ガーディアンは黙ったままだった。
「……母様……」
「……なぁ」
不意に聞こえてきた聞き慣れない声に、ガーディアンとディルムッドは驚いて顔を向けた。
「……こんな夜中にこんな所に座り込んで……大丈夫か? 具合悪いのか?」
「あ……いや、そういうわけでは……心配かけて済まない」
「そうか、なら良いんだけど……」
安心したように、話しかけて来た赤毛の男子学生は笑った。吊られて思わずディルムッドも笑みを零すが、男子学生の、ん?という言葉で、どうしたのだろうかと疑問が起こった。相手は、自分の顔をじっと見つめてくる。
「……あの」
「……どこかで、見たこと……」
そしてガーディアン、ディルムッド、そして男子学生が同時に、何かに気がついたように、あ、と声を出した。
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.461 )
- 日時: 2015/12/08 23:17
- 名前: ナル姫 (ID: jxsNqic9)
ガリレオシリーズパロ
ドラマと原作ごちゃまぜで。
湯川:エミヤ
草薙:クー
内海:アルトリア
間宮:ケイネス
弓削:ギルガメッシュ
岸谷:ディルムッド、エステリーゼ
エミヤ・シロウ 34歳
現帝都大学物理学助教授(准教授)で、理工学部物理学科第十三研究室に所属。帝都大学理工学部卒業。物理学においては天才的な頭脳を持つほか、かなりの雑学的知識を有する。また、洞察力にもたけ、女性の職業を当てたことがある。
その能力を駆使してクーが持ち込む難事件を少ない情報で論理的に解決していくため、捜査一課からは「ガリレオ(先生)」とあがめられるほど。しかし、本人はその呼び名を嫌がっている。
その素顔はベールに包まれていて、生活観を窺うことができない。夜遅くまで研究を続け、夕食も大学内で済ませているようである(ただし、時々自炊することもある)。
性格は偏屈で、事件への興味を惹こうとする草薙の話の揚げ足をよくとる。また、ほかの人物が興奮したり騒いだりしても、常に自分のペースを変えない冷静さを持っていて、滅多に感情を荒らげることはない。
趣味はバドミントン。バドミントン部に属していたころから腕前は高く、現在でも大会で優勝することがある。好きなものはインスタントコーヒーでその歴史を諳んじるほどである。クーが訪れた際には、あまり綺麗に洗っていないマグカップに薄いインスタントコーヒーを入れてもてなす。
苦手なものは子供。理由は「論理的でない相手と付き合うのは疲れる」ため。話し掛けるだけで蕁麻疹ができるほどのアレルギーを持っている。そのため子供と話すのは専らクー任せで、疑問を感じるとクーを通して質問をしていた。女性は論理的な人物もいるため苦手ではないが、付き合っている相手はいない。
クー・フーリン 34歳
警視庁捜査一課所属、巡査部長。帝都大学社会学部卒業。
エミヤとはかつて帝都大学バドミントン部での同期だった。突然人体が燃え上がるという事件で、マスコミが唱えたプラズマ説を検証するために第十三研究室を訪ねて以来、奇怪な事件が起こるたびに、油を売るついでにエミヤの協力を仰いでいた。
人の話を引き出すのが巧く、エミヤに事件への興味を惹かせるのにも長けている一方、理数系は大の苦手で、しばしばエミヤに突っ込まれていた(ちなみに、エミヤはそれを楽しむ傾向がある)。
アルトリアを冷やかしたり、上司であるケイネスに対し陰でぞんざいな口を聞くなど性格がやや横暴になっている一方、ディルムッドには優しく接している。また、エミヤとの立場も変化し、事件解決後に食事に誘ったり、土産を用意するなど気を使う様子が描かれている。
喫煙者であるが、エミヤの前では何を言われるかわからないため吸わないようにしている。愛車は黒のスカイラインで、車を持っていないエミヤを現場に送ったりもする。独身で恋人もいない日々が続いていた。
アルトリア・ペンドラゴン 25歳
女性刑事。正義感が強く、女性ならではの勘と理論で容疑者を割り出す一方、勝手に突っ走ってしまい一人で悩むことがある。このため、しばしばクーとは意見が対立する。
一方でプライベートでは部屋の掃除もままならない生活を送っている。
良くも悪くも真相究明に全力を注ぐタイプの刑事で、エミヤも一目置いている存在。
「女性」であることで特別扱いされることを嫌っていて、ことあるごとに「私が女だからですか?」と言うことがあった。草薙に代わって、警察に協力しない姿勢をとっている湯川に興味をひかせようとする。
愛車は臙脂色のパジェロ。捜査のために電車などで移動するときにはiPodで曲を聴くこともある。
ゼミ生の間では「湯川と恋愛関係にある」と思われていた。年齢より若く見られることが多いらしく、帝都大学の学生と勘違いされてナンパされている。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト 40歳
クーの上司。捜査一課所属係長。ルックスは刑事というよりは職人。
エミヤの活躍をクーの話を通して聞いており、エミヤの事を「ガリレオ先生」と呼ぶようになる。
ギルガメッシュ 31歳
クーの後輩刑事。
思いつきをあれこれしゃべるムードメーカー的存在。無駄話を嫌う間宮も黙認している。
ディルムッド・オディナ 27歳
クーと同じ班にいる若手刑事で、とんでもない美男子。
人の良い性格。母子家庭で育った。草薙と内海以外の刑事でただ一人、第十三研究室を訪れ、薄汚れたマグカップのもてなしを受けた。
エステリーゼの実兄で、重度のシスコン。何かと生意気な妹を甘やかす一方で、刑事として彼女を厳しく叱ることもある。
エステリーゼ・オディナ 23歳
帝都大学法学部卒。兄同様かなりの美形。
大学時代は薙刀サークルに所属。アルトリアとともにエミヤに協力を頼む。
性格は度を超える程の自信家でプライドが非常に高く、自分より下と思った人間は、年上であろうが、上司であろうが、容赦無く見下しタメ口で会話する。クー曰く帝都大生にありがちな性格だと話しており、ディルムッドの妹とは思えないと言われる。アルトリアがお世辞のつもりで言った「頭がいい」を迷うことなく「はい」と答え、また、そんな自分の性格を分かって行動しているため、同僚や上司からは怪訝に思われている。
しかし、気分が落ち込むと敬語になり、上層部の評価を気にする一面も見られる。歯に衣を着せない物言いをするが、友人曰く「好きな男性の前では別人のようにおとなしくなってしまう」とのこと。
湯川の作るインスタントコーヒーが口に合わないらしく、カフェのコーヒーをテイクアウトして飲んでいる。
兄には辛辣に見えて実はブラコン気味。好みの相手は兄が頭良くなったような相手。
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