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短編小説 *BSR Fate*
日時: 2014/04/21 17:22
名前: ☆Milk☆ (ID: EM3IpZmD)

こんにちは!
題名とか親レスとかが色々変っちゃってごめんなさい(汗)

前は主にバサラとバサラクロスオーバー専用でしたが最近fateが増えてきたためfateも題名に加えちゃいました←
そんな感じに意味が行方を失った短編小説始まります

ごゆっくりどうぞ


※リクエスト受け付けてます。長くなりそうなリクエストや、あまりに抽象的なリクエストはバッサリ無視いたしますので悪しからず。
※荒らし、チェンメ、悪コメはご遠慮ください
※バサラは主に伊達軍、fateは槍兵と弓兵を偏愛してます
※私のオリジナル小説、『僕と家族と愛情と』とリンクしてる時も多々。

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Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.462 )
日時: 2016/01/12 21:52
名前: ナル姫 (ID: yxDSzo5A)

FGOにうちの子投下してみる


真名 エステリーゼ・オディナ
Class セイバー
Rare 3
Cost 6
コマンドカード Arts 1/Quick 2/Bastar 2
成長スタイル 平均
スキル
心眼(真)B
騎士の武略B
宝具 大なる激情モラルタ Baster
敵単体に大ダメージ+自身の攻撃力アップ
キャラクター詳細
ケルト神話。フィオナ騎士団麗しの紅一点。兄の死後に朱槍と長剣を受け取るが、それは決して彼女の望んだ兄妹の結末ではなかった。
>召喚時
「フィオナ騎士団が紅一点、エステリーゼ・オディナ! よろしくお願いするわ」
>レベルアップ
「ふふ、力が増したみたい!」
>再臨
 1「まだまだ、強くなれるわよ!」
 2「ふふふ、ありがとう!」
 3「やった、また強くなれるわね!」
 4「もう怖いものなんかないわ!」
>戦闘開始
「戦闘開始よ、覚悟はいいかしら?」
「さぁ、行きましょう!」
>カード選択
「了解!」
「わかったわ」
「いざ!」
>攻撃
「はっ!」
「やぁ!」
「ふっ!」
>EXアタック
「まだまだ、これからよ!」
>スキル使用
「えぇ」
「はい!」
>宝具選択
「さぁ、覚悟なさい!」
>宝具解放
「この刃は怒りの象徴——この私の届かない夢——……!
貫け、大なる激情モラルタッ!」
>ダメージ(小)
「くっ」
>ダメージ(大)
「うあっ!」
>消滅
「こんな…ところで…」
「ごめん、なさい……みんな…」
>戦闘終了
「ふふん、出直すことね!」
「楽勝よ!」
>マイルーム
絆レベル0
 「体を動かしたいなぁ」
 「好きなもの? そうねぇ…あ、勿論マスターは好きよ!」
 「女だからって甘く見られるのは嫌い。失礼だと思わない?」
 「家事とか何一切できないのよ…女の子らしくない」
 「許せない人がいるけど…復讐なんて望んでないもの」
 「槍じゃなきゃ特殊跳躍使えないのよね」
絆レベル1
 「マスター、お茶を淹れたわ。飲みましょう?」
絆レベル2
 「ふふ、私今、結構幸せよ。理由は何となくだけどね」
絆レベル3
 「お兄様、お父様…うーん、お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃなきゃだめね」
絆レベル4
 「ねぇねぇ、私マスターのお話聞きたいわ。今度教えて?」
絆レベル5
「泣きたい時は泣きなさいって教えてくれた人がいるの。マスターもそうするべきよ、私が聞いてあげる」
誕生日
 「ハッピーバースデーマスター!お料理とかはできないけれど、気持ちで勘弁して頂戴?」
イベント開催中
 「何だかわくわくするわねー!」
>ディルムッド所有時
 「お兄ちゃんがいるのね!兄弟共闘憧れてたのよ!」


真名 伊達政哉
Class セイバー
Rare 4
Cost 7
コマンドカード Arts 2/Quick 2/Bastar 1
成長スタイル 大器晩成型
スキル
戦略B
宝具 心軸 Arts
味方全体の攻撃力、防御力アップ+味方全体のNPチャージ
キャラクター詳細
独眼竜の末弟。常に兄の背を追いかけ続けた彼の目に曇りはなく、何事も最後まで諦めることはなかった。
>召喚時
「セイバー伊達政哉! 召喚に応じ馳せ参じました!」
>レベルアップ
「力が増しました、感謝です!」
>再臨
 1「何だか強くなった気がします!」
 2「まだまだ! 上を目指しますよ!」
 3「あともうちょっとですね!」
 4「とても強くなった気分です!」
>戦闘開始
「行きますよ!」
「とっとと蹴りをつけます!」
>カード選択
「はっ!」
「畏まりました!」
「了解です」
>攻撃
「やぁっ!」
「そこ!」
「いくぞ!」
>EXアタック
「これが竜の…弟だ!」
>スキル使用
「スキル、展開!」
「は!」
>宝具選択
「行きます!」
>宝具解放
「名も無き兵達の加護が、僕らにあらん事を——!」
>ダメージ(小)
「うっ!」
>ダメージ(大)
「ぐあっ!」
>消滅
「ここまで……か……」
「いや、だ…僕は、まだ……」
>戦闘終了
「ふぅ、なんとか終わりました、ね」
「このぐらい余裕ですね!」
>マイルーム
絆レベル0
 「ま、また戦いに行くんですか?」
 「好きなもの…うーん…」
 「里芋食べられないです! あれはダメです!」
 「聖杯に願いですか…特に何も考えてないなぁ」
 「僕についてお答えすることなんてほとんど無いですよ?」
 「鍛錬積んで、マスターのお役に立ちたいんです!」
絆レベル1
 「あっ……運動もできないって、バレちゃいましたか…!?」
絆レベル2
 「勉強なら得意なんですよ…なんで僕がセイバーなんだか」
絆レベル3
 「マスター、僕なんかで良いんですか? ううん、何でもないんです」
絆レベル4
 「僕があなたに召喚されてよかった、貴方に会えて良かったです!」
絆レベル5
「兄上のもとで役に立てたかわからないんですけど…今の主に精一杯お仕えできて、僕は嬉しいです」
誕生日
 「お誕生日おめでとうございます、マスター! えっええ、誕生日の歌!? 僕音痴なので無理ですよ!」
イベント開催中
 「波乱の予感です…何が起こるのでしょうか」


真名 木野定行
Class キャスター
Rare 3
Cost 6
コマンドカード Arts 2/Quick 1/Bastar 2
成長スタイル 大器晩成型
スキル
戦略B
魔力放出A
宝具 一族に捧ぐ裏切りの弓矢 Bastar
敵全体に大ダメージ+高確率で火傷
キャラクター詳細
血に濡れた一族、木野家の末裔。炎の中に一族を殺めた鬼才の主は、その頭脳を恐れた者達によって、血に染まって最期を迎えた。
ボイス
>召喚時
「キャスター木野定行、推参いたしました。思うままご命令を」
>レベルアップ
「私なんかに手を割いて良いのですか? …感謝いたします」
>再臨
 1「…ふむ、力が増しましたか」
 2「育てて期待はずれでも、知りませんよ?」
 3「懲りない方ですね」
 4「やれやれ、随分と物好きな方だ」
>戦闘開始
「跡形もなく燃やして差し上げましょう」
「やれやれ、面倒なことが始まりましたか」
>カード選択
「は」
「参ります」
「いざ」
>攻撃
「ふっ!」
「そこです」
「はっ!」
>EXアタック
「燃やしつくせ!」
>スキル使用
「承りました」
「スキル展開致します」
>宝具選択
「全て、焼き払え」
>宝具解放
「我々の赤は裏切りの色…血流を絶つ地獄の炎…
燃やせ、一族に捧ぐ裏切りの弓矢!」
>ダメージ(小)
「くっ…」
>ダメージ(大)
「何ッ!?」
>消滅
「馬鹿な…私は…また…」
「…ふふ、わかって、いましたが、ね…」
>戦闘終了
「何事もなく終了、ですね」
「灰になるまで、やりましたか」
>マイルーム
絆レベル0
 「…………、何か?」
 「好きなものなんて早々ございませんよ」
 「赤は大嫌いです、私自身赤でありながら」
 「聖杯? 興味ありませんね、目標は勝利なので」
 「私について、知ってどうするのですか?」
 「……お世辞など聞きませんよ」
絆レベル1
 「……何です、何か求められても何も出せませんよ」
絆レベル2
 「あなたは、お人好しですね……前の主人にそっくりだ」
絆レベル3
 「彼は綺麗な蒼でした。私には勿体無いくらいの、澄んだ、蒼」
絆レベル4
 「幼名、ですか……松。若松、です。……呼びたいって……お好きになさい」
絆レベル5
「……どうも敵わないようですね、貴方も赤には染まらない。二度目の生涯、貴方に尽くしましょう、我がマスターよ」
誕生日
 「ほう、誕生日とは…おめでとうございます、マスター。これからも健康を祈願して」
イベント開催中
 「……何です、面倒ごとに巻き込まれるのは御免ですよ?」

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.463 )
日時: 2016/01/12 22:00
名前: ナル姫 (ID: yxDSzo5A)

真名 伊達成実
Class ランサー
Rare 5
Cost 9
コマンドカード Arts 1/Quick 1/Bastar 3
成長スタイル 早熟
スキル
戦闘続行A
勇猛B
宝具 名刀・宇佐美長光 Bastar
敵全体に大ダメージ+中確率で即死効果+自身の攻撃力アップ
キャラクター詳細
東北の猛将。武将として優秀であった彼は常に前線で戦い続け、また従弟である主にも忠実であったが、報われるような人生ではなかった。
ボイス
>召喚時
「よぉ、俺は竜の刃伊達成実。目当てかどうかはわからねぇけど、宜しくしてくれよマスター」
>レベルアップ
「へっへー! どうだい、強くなったと思わねぇか?」
>再臨
 1「んー? 何だよ、見惚れちまったか?」
 2「はっはっは! よく育ててくれるじゃねぇの!」
 3「こんな姿、戦場でも見せたかったもんだ」
 4「最強になった俺がマスターを守るぜ、不安がるなよ」
>戦闘開始
「さーて、その首頂戴するぜ!」
「待ちに待った戦場! 一暴れするか!」
>カード選択
「了解っと!」
「おう!」
「行くぜ!」
>攻撃
「おりゃぁっ!」
「ふんっ!」
「あーらよっと!」
>EXアタック
「甘く見てんじゃねぇぞ、俺をな!」
>スキル使用
「いいぜ」
「はいよ!」
>宝具選択
「おう、本気出して行こうか」
>宝具解放
「独眼の竜の刃となりし、竹に雀の紋を見よ——!
断ち切れ、名刀・宇佐美長光!」
>ダメージ(小)
「くっ!」
>ダメージ(大)
「くそっ!」
>消滅
「嘘、だろ……まだ、俺は…」
「くそ…後は、頼んだぜ……」
>戦闘終了
「へっ、楽勝だったな!」
「あー腹減った、帰って飯にしようぜ」
>マイルーム
絆レベル0
 「ふぁ〜ぁ、暇だなぁ」
 「好き、ねぇ…やっぱ嫁さんだな! 嘘嘘、そんな目すんなよ」
 「嫌い、か…色々とありすぎて覚えてねぇな」
 「聖杯? 夢は自分で叶えるもんだろ!」
 「俺について? 何でも答えるけどよ、面白くはないぜ?」
 「俺が強いって? 当然のこと言うなって!」
絆レベル1
 「全くよぉ、因果って面倒くせぇと思わねぇ? …悪い、こっちの話だ、忘れてくれよ」
絆レベル2
 「おいおいマスター、勝手にウロチョロすんなって、あぶねぇだろ?」
絆レベル3
 「昔はよ、時って呼ばれてたんだぜ。マスターもそう呼んでくれて構わねぇぞ」
絆レベル4
 「友達ねぇ、いい響きだな、うん。え? 友達? 俺と? ははは、馬鹿言えよ」
絆レベル5
「おうマスター、どうしたんだ? 友達にそんな顔すんなよ。ん? だってそっちが言ったんだろ、友達って」
誕生日
 「おっ、マスターの誕生日か! いいねぇ、今日は良い日になりそうだぜ」
イベント開催中
 「おっ、何か楽しそうなことしてるな? マスター、行かなくていいのかい?」


真名 風水
Class アサシン
Rare 3
Cost 5
コマンドカード Arts 1/Quick 3/Bastar 1
成長スタイル 平均
スキル
人間観察C
変化B
宝具 秘術・氷柱 Quick
敵全体に中ダメージ+中確率で防御力ダウン
キャラクター詳細
蛇の遣い。優秀な忍であった彼だが感情を捨てることは生涯を通じて無く、最期は想い人の記憶に己が残るよう、自害して果てた。
ボイス
>召喚時
「俺こそが大蛇の使い、氷の風水さ! まぁ何だ、気楽に行こうぜ」
>レベルアップ
「おっ、力が増したな」
>再臨
 1「おおっ! いい感じいい感じ!」
 2「もっと育ててくれていいんだぜ?」
 3「よっしゃ、また強くなれたな!」
 4「どうだ? 最強っぽくね?」
>戦闘開始
「俺の氷に凍えっちまえ!」
「さーて、さくっとやってくるぜ!」
>カード選択
「おうよ!」
「まかせろ!」
「はいよ!」
>攻撃
「おらっ!」
「よっと!」
「はっ!」
>EXアタック
「俺の氷は溶けねぇぜ!」
>スキル使用
「了解だ!」
「わかった!」
>宝具選択
「氷忍術の本気だぜ!」
>宝具解放
「蛇の巣窟に眠る冷たい刃の鋭さを知れ——!
秘術・氷柱!」
>ダメージ(小)
「くっ!」
>ダメージ(大)
「うおっ!」
>消滅
「く、そ……こんなんじゃ、ダメだ…」
「届かなかった…のかよ……」
>戦闘終了
「さーて、早く帰ろうぜ、もう疲れたよ」
「ふぅー、無事に終了!」
>マイルーム
絆レベル0
 「おっ、出陣準備かい?」
 「風を纏って出てくるあいつが大好きだったな」
 「嫌いはどこぞの黒い奴。割り込む隙間もなかったがな」
 「聖杯ねぇ、願わくばあいつに会いたいねぇ…冗談だよ引くな」
 「俺? じゃなくて大蛇の方かよ! さて、誰でしょう?」
 「未練たらしいのはわかってるから頼む言うな」
絆レベル1
 「暑そうだな。氷なら作ってやるぜ?」
絆レベル2
 「俺って実験体の生き残りなんだぜ、すげぇだろ?」
絆レベル3
 「臨む也って描いてなんて読むと思う? …わかんねぇよな、やっぱ変な名前」
絆レベル4
 「マスターァァァァァァァッ! すまん、叫びたかっただけだ」
絆レベル5
「お前も立派な俺のマスターだもんな、認めてやるよ。ありがたく思えよ?」
誕生日
 「へぇ、マスターの誕生日ねぇ。…何だその目? 何てさ、悪い悪い、おめでとうだな、マスター」
イベント開催中
 「お祭り騒ぎは好きだぞ? 忍びのくせにとか言わないでくれよ!」

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.464 )
日時: 2016/05/10 13:05
名前: ナル姫 (ID: PduCEO2V)

※診断メーカーさんより


 それの命はとっくに果てた。胃を喰らい喉を引きちぎり腕を骨までむしゃぶったぼくの口元はもう血塗れ。これがぼくの生きる術。当たり前に人間よりは強いけど同じ種族ではずっと弱いから、自分より弱いものを食らうしかない。
 つ、と何かを感じてほぼ反射的に爪で掻こうと振り返るも、ぼくの爪は硬い何かにガチッと当たって。
「……、……」
「……そんな目で見るな。何もお前を殺しに来たわけじゃない。そのヒトの魂の回収に来ただけだ」
 やれやれと言いたそうな声色で、灰色のぼろぼろなローブを纏ったそれは、ぼくの爪をガードした大きな鎌を退かした。そのまま、少し高い位置でふわふわと浮いている白い何かを鎌で切る。これで彼——声からして女とは思えない——の用は終了か、と思ったら、どこか興味深そうに彼はぼくを見つめてくる。雲に隠れた月がちらりと光を見せて、それに照らされて彼の顔が一瞬見えた。ローブが影になって、赤い瞳くらいしか見えなかったけど。
「お前は食人鬼……では、ないのか。あぁ、ただの妖怪か」
「よくわかったね、死神サン。何、そういうのって魂回収してりゃわかるモンなの」
「まさか。俺は読心能力を持っているだけだ。それにしてもお前、人を食べて生きているのだな」
「それは悪いことかい?」
 ぼくを殺してくれるのかい。死神はゆるゆると首を横に振る。
「答えはどちらもNOだ」
 それは残念、ざんねんだ。だが人の生命を奪うのは悪くないのかい。
「生きるためなら仕方ないこととてあるものだ。お前は特別強いわけでもないらしいしな」
 髄分弁が立つんだね、まるで沢山見てきたみたいだ。見た感じまだまだ若そうじゃないか。
「我が種族は不老不死の死神でな。死神として鎌を持ったその瞬間に成長及び老化が止まる。俺は実質1500年は生きているぞ?」
 不便な体だなぁ。どれだけ弱くても死ねないなんて。
「ふん、確かに飽き飽きするな。だが仕事は忙しいし、出生という過去は変えられない」
 ……君の名は?
「名乗るつもりはないな。きっと貴様とはこれきりの仲だ」
 何だよ、それ。
「当然だろう? この世に人を貪って生きる弱者はごまんといる。そうでなくとも多くの人がこの世では死ぬのだ、俺は魂の回収に忙しい」
 ……そっか。またいつか。
「あぁ、ではな、■■■」

***

 最悪だなぁ、よりにもよって、どうしてぼくは人間に何か生まれ変わって、ぼくを数人がかりで、火縄銃で殺したヒトに生まれ変わって、よりにもよって人を食べる妖怪に殺されるんだろう。
 意識が遠のく。ぼくは死ぬ。誰も迎えに来ないのか、誰も回収しないのか、ぼくが地縛霊にでもなっていいと?
 ……何もできないチキンだけどさ。



「何だ、お前死んだのか」

 ……あ、れ。

「また会ったな、■■■」
 君は。
「覚えているか、大体500年くらい前に会った死神だ」
 あぁ覚えている、憶えているよ。
「それは良かった。というかなんだ、人となって随分と早死したな?」
 運悪いからね。……ところで、回収しに来てくれたのかい?
「まぁそういうことだ」
 妖怪の魂は回収してくれなかったのに。
「すまんが管轄外でな。そういったものを回収する奴は他にいるが……全て回収しきれるものでもないからな」
 そういうもんなんだね。
 まぁいいや、さっさと切っておくれよ、この魂が輪廻へ回る前に、天国でも地獄でもいいから送っておくれ。
「何だ、二度と合うことはないと思っていた奴と運命の再会をしたというのに」
 はは、何言ってんだ、君も。
「……■■■」
 なんだい?
「お前はこのまま次の輪廻へ回らぬつもりか?」
 そのつもりだよ、もう妖怪も家畜もヒトも懲り懲りさ。
「なんなら一緒に来ないか、俺とて一人は退屈なものだ」
 何を言い出すかと思えば。
 だったら先に、君の名前を教えてよ。それから僕は君の顔もろくに見れちゃいない。
「良いだろう。我が名は******だ」
 で、お顔は?
 ……へぇ、超美男子。まさか君がこんなに美しいとはぼく思ってなかったよ。
「ふふん、惚れるなよ?」
 まさか。
 おかしいね、ぼくたちが逢うのは二度目のはずなのに、君をもうぼくは受け入れている。ぼくを君は受け入れている。遠い昔で相棒でもしていたかのようだ。
「まさか、俺はもう2000年も生きているのに」
「だがその感覚、否定しない」
 何だ、君もか。
「ふん」

「さぁ行こうか相棒、死神業は忙しい」
「上等さ相棒、どこへなりともついてってやるよ」


人食い妖怪と不死の死神

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.465 )
日時: 2016/05/13 18:04
名前: ナル姫 (ID: xJkvVriN)

『何故人は生きると思う?』

 遠い昔、昔の話。
 3月のはじめ、まだ肌寒い昼下がり、幼なじみの俺と彼女は池の辺りに腰を下ろして、妖精たちが水面に踊る姿を眺めていた。

「……」
 投げかけられた問に思わず顔を顰めれば、ん?と何事もないかのように俺を見つめてくる相棒。色々と聞きたいことが脳内を巡る、巡る、最終的に出たのは問いかけでも何でもなく小さな溜息だった。
「またか」
「いいじゃん、別に」
「良いものか」
 彼女は、俺と養父の住む宮殿に使えるドルイドの義妹だった。義父はずっと前に亡くなっている。……実の家族関係は、知らない。
 恋愛感情はない。彼女は俺の相棒だった。所謂、共依存と言うものだったのかもしれない。俺と彼女の間柄は、一口には言えないような複雑なものだっただろう。恐らく、それぞれの出生の関係で。
 俺より一つか二つ若い瞳を緩めて、彼女は俺の愛称を口にする。
「君はどう思う?」
「何故生きるのか?」
「うん」
「……」
 さて、何故だろうか。
 父の仕事を継ぎたいと思ったことはない。俺の死因を作った父の仕事などどうでもいい。俺は騎士になりたい。だがそれは果たして、俺の生きる理由となり得るのか。
「……生きる意味は……わからない。……ただ……」
 池に雫が落ちて、ぴちゃんと波紋ができた。妖精たちは飽くことを知らずに踊り続ける。
「こういう、暇な……どうでもいい時間と、お前や、オェングス様が生きていて、妖精が踊る、この世界は……好きかな」
 これは紛れもない本心。俺はこの世界が好き。
「……そっか」
 彼女は満足そうに頬を緩めて、
「うんうん、非常に君らしい答えだな相棒、合格、そんな君が好きだよ」
「……ふ、何だ急に、おかしな奴だな」
「やっぱり君はさぁ、騎士になるべきじゃないと思うよ、ぼく」
「は?」
「だって、騎士になった君の未来が報われるとは思えないし?」
「お前、普通に酷いな?」
「仕方ないじゃん、出生の過去は変えられないよ」
「はいはい、猪のことを言ってるんだな?」
「それにぼくは、君は君のままでいて欲しい。そのままの魂で、ずっと君のままでいて欲しい。……そして、ぼくが死んだら、君が実父から引き継いだ鎌で、君の手で切り裂いてほしい。ぼくは、輪廻に回るつもりないし」
「残念ながら死神になるつもりはない」
「猪に殺されるつもり?」
「その前に戦場で散るつもりだな」
 でもやっぱり、裂かれるなら君がいいなぁ、遠い目で呟く彼女の瞳は、光の角度で萌黄色に見えた。
「んー、でもやっぱりだめだ、君は死ぬべきじゃない、と言うか、輪廻とか回るべきじゃない。ずっと、そのままでいてよ」
「……」
 なぜこうも彼女は押してくるのか俺にはわからなかった。この頃はまだ死神の鎌も持ってなければ読心能力も持ってない。彼女の本心が安安と読めるわけもなく。それでもやはり、好きだと言ってもらえるのは満更でもない。これが恋愛でないことは俺が誰よりわかっているから。
「……わかったよ」


 父から死神の力と大きな鎌を授かったのは二年後、俺は二十歳になる前だった。 
 ……その数日後、彼女は命を落とした。俺はその頃アイルランドから離れていて、彼女が死んだと知ったのは結構経ってからだった。
 ……ましてや、その死因など。

「……どういう、ことですか」
「……伝えた通りだ」
 俺に言いたいことがある、そう言って養父は俺を呼んだ。伝えられたのは彼女の死因。俺を殺すはずだったアレが、彼女を殺したという事実。
「何で……あいつが……」
「お前が、死神と……不老不死となったからだ」
 騎士になりたかった、人でありたかった俺に死神になるよう言ったのはあいつ。あいつの言葉によって俺は確かに死神になった。
 ……それが原因だと、養父は言った。
 俺がアレに殺される運命から逃がしたから。アイツがアレの怒りを買った。
 ……当然のことだった、その程度、少し考えればわかるはずのことだった。彼女は分かっていたんだ。だから、あんなにも推してきたんだ。
 ……あいつは、たった十七の命を、俺のために捨てたと?
「……は、」
 涙も怒りも呆れすら通り越して、笑い声が出てきた。だがこれは確かに、自嘲の笑い声だった。

「はっ、あは、あははっ、ははははは!」

「何て馬鹿なことを! 魔法もないも使えない、正真正銘人間のあいつが! ははっ! 俺が俺であるためのだけに、命を投げ出したなどと! あはははは!」

「……、はっ、……っ……」

 おかしいことも起こるものだ。
 俺は今確かに笑っていたのに。
 涙どころか呆れることもできないと笑ったのに。
 今更になって、ボロボロと透明な雫が溢れる。

「——っ、ごめん、ごめん、……ごめんなさい、ごめん……」


 相棒は
 俺が死神の鎌を受け取った時に、ひとこと、

『ありがとう』

 なんて呟いて。
 俺はその魂を裂くことが、できなかった。


 俺は、お前に

 もう一度だけ、お前に、あいたかった。

***

「……、……」
 随分と懐かしい夢を見た。
「よ、おはよう相棒。つか死神も寝るんだね」
「魂回収で霊力使うからな」
 ふぁ、と欠伸を一つ零すと、眠気覚まし、と彼女から軽いチョップを食らう。
「早いとこ脳起こしなよ、また死人溜まっても知らないぜ」
「はいはい」
 にっと彼女は目を細めて笑う。
 ……あぁ、やっぱり似てるな、と思った。俺を逃がして、俺の代わりに殺された彼女に、こいつはいっそ酷いほどに似てる。
 ……まさか——。

「ん?」

「……いや」

 ……馬鹿らしいと自嘲した。彼女は、輪廻には回るつもりはないと言っていたではないか。きっと俺以外の誰かにその魂を回収されたはずだ。
 それに、輪廻に回った霊というのは、前世の記憶を持つとしても精々新しい方から3つか4つの人生が限度だ。それに古くなるほどかすれていく。
 ……もしもコイツがアイツだとしても、二千年も前の、たった十七年間の記憶など。
「何でもない。さて、行こうか」
「おう。ねぇ相棒、ぼくインドのあたり行ってみたい」
「遠いし急だし俺にとっても未知の国なんだが」
「二千年も死神やってんのにな」
「黙れ」

 ……まぁ、今はこんな生活も、悪くはないと思ったり。

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.466 )
日時: 2016/05/13 18:07
名前: ナル姫 (ID: xJkvVriN)

せってー

ディルムッド
不老不死の死神。魂の回収のお仕事をヨーロッパを中心に世界中でしている。……が、インドやエジプト、アフリカ大陸は彼にとっても未知らしい。曰く、「そこはそこで死神いるし…足りてるだろうからな…」らしい。
生前の幼なじみに似ている霊、シグレを好き好んで連れて歩いていて、振り回したり振り回されたりで何だかんだと楽しく過ごしている模様。

父は死神で母は人間だが特になんの問題もなく死神やってる。養父はオェングス。
生前は死神になるつもりはなく、騎士になるつもりでいたが、幼なじみの言葉に動かされて二十歳になる前に死神となる。



???/■■■/シグレ
???→ディルムッドの幼なじみ。オェングスの住む王宮に使えるドルイドの義妹。実の家族関係は不明。
ディルムッドを義弟に殺される運命から開放するため、彼を死神になるよう説得し、自らが猪に殺される運命を背負った。その魂がどうなったかは不明だが、時雨とよく似た容姿をしている。

■■■→日本に生まれた人食いの妖怪。日本の江戸時代に、偶然日本に来ていたディルムッドに出逢う。力が弱いため人を食べて生きていたが、火縄銃で殺されることになる。この後輪廻に回って、ヨーロッパに人として生まれる。

シグレ→ヨーロッパ人と日本人のハーフの少女。平凡な日々を過ごしていたが十七歳にして人食い妖怪に襲われ人生を終わらせる。死の直後ディルムッドと再開し、彼に付いて回ることになった。


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