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短編小説 *BSR Fate*
日時: 2014/04/21 17:22
名前: ☆Milk☆ (ID: EM3IpZmD)

こんにちは!
題名とか親レスとかが色々変っちゃってごめんなさい(汗)

前は主にバサラとバサラクロスオーバー専用でしたが最近fateが増えてきたためfateも題名に加えちゃいました←
そんな感じに意味が行方を失った短編小説始まります

ごゆっくりどうぞ


※リクエスト受け付けてます。長くなりそうなリクエストや、あまりに抽象的なリクエストはバッサリ無視いたしますので悪しからず。
※荒らし、チェンメ、悪コメはご遠慮ください
※バサラは主に伊達軍、fateは槍兵と弓兵を偏愛してます
※私のオリジナル小説、『僕と家族と愛情と』とリンクしてる時も多々。

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Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.302 )
日時: 2014/05/24 23:24
名前: ナル姫 (ID: ohlIx/rn)

あてんしょん
・とっても仲良しな豊臣と前田
・秀吉様がボケ
・ツッコミにしか回れない半兵衛様
・豊臣のディルの扱いがひどい
・世界観が何これ
・面倒なことは余りよく考えてません


「えぇっ!?また京へ出かけるおつもりですか慶次殿!」
「いやだってさぁ、京では祭があるんだよ?逃すなんてもったいないよ!」
「だからってまつ様に知られたら…ヒッ!?」
「けーいーじー!?」
「ゲェェまつ姉ちゃん!」
「貴方と言うものは一体何度注意されれば気が済むのです!ディルムッド!貴方も止めなさいっ!」
「あ、あの、止めたんですが慶次殿聞かなくて…」
「ええー!ディルムッド乗り気だったじゃん!」
「何ですッてぇ!?」
「ちがっ!慶次殿!?違います!誤解!誤解ですまつ様ァ!」

……ディルムッド君の様子が気になって久々に前田に来たけど何これ。収集が来い。
こんにちは、僕は竹中半兵衛。あの緑色の猪武者……基ディルムッド・オディナを召喚しちゃった張本人です。ことの発端は南蛮から輸入された本で、そこに悪魔の召喚がうんたらかんたら書いてあって、悪魔を軍に入れたら強いんじゃない?となって、さらに聖遺物と呼ばれる物を媒介に悪魔を召喚したらなんか召喚出来ちゃったので、とりあえず軍に入れて戦力にしてた状況です。
でまぁ秀吉が、誼ということで慶次君の家……つまり前田に召喚された内の一人、槍の英霊ディルムッド君を与えたわけだけど、いやぁ酷い理由だったね、お腹よじれた。

『慶次、お前に半兵衛が召喚した英霊のうちの一人、ディルムッドをやろう。家でこの猪武者……いや強い騎士をしっかり躾…いやいや戦力として扱ってくれ』
『待ってください主っ!なんか所々酷いです!』
『気のせいだ』

ちょ、気のせいじゃないよ秀吉!ディルムッド君の顔が切ないよとても!
と、まぁそんなふうに半ば世話が面倒だからという理由で追い出さた感じにディルムッド君は前田家でご厄介になっているのさ。最初戸惑ってた慶次君達も今はすっかり仲良くお説教を……うん、はい。

「まぁまぁ、それくらいにしたらどうだい?二人だってもう反省しただろうし、そもそもディルムッド君完全に巻き添えだし」
「そうだぞ、まつ。説教はその辺にして飯にしようではないか」
「犬千代様と半兵衛様は二人に甘いのです!しっかり叱らないと!」
「猪武者に説教は無駄さ」
「半兵衛様っ!だから猪と呼ばないように何度もっ!」

そうそう、ディルムッド君は猪と呼ばれるのが嫌いなんだよね、まぁ確かに顔は綺麗だし結構な文化人だし、そのせいかなぁと思ってたんだけど、理由を聞いたら全く違った。まぁ詩が上手いと言われてきたからその誇りもあるんだけど、それ以上の理由があった。

『………俺の死因………猪なんです…………』

あの時は大爆笑してゴメンね。反省はしているでも後悔はしてない。

「どうだい?前田家は」
「とても良い所です。慶次殿の放浪癖には苦労いたしますが」
「はは、でも馴染んでるじゃないか」
「いやまぁ…説教に巻き込まれるのはなれましたし…」

あぁ、うん、そうだね、頑張れ。

「ディルムッド、手伝って」
「はいまつ様!」

……忠犬にしか見えないなぁ。良いのか悪いのか。てゆうか当主利家さんだよね?まつさんの方がディルムッドの中での階級上じゃない?

「こら!箸の持ち方が違う!」
「は、はいっ!」
「まぁまぁまつ。ディルムッドは異国の人間だ、叱ったって仕方ないだろう」
「いえ、郷に入っては郷に従え!しっかり学んで頂きます!」
「でも最初と比べれば進歩したじゃん」
「初めて箸を見たときは箸を右手と左手で一本ずつ持っていたからね」
「掘り起こさないでください折角忘れてたのに!」

とまぁこんな感じで、あまり躾の効果は見られないか……仕方ないかなぁ、猪っぽいとは言え人間、しかも文化とか何もかも違うところで育った人だし、そもそも人じゃないし英霊だし。
あ、そうそう、この人の黒子の魅了は今効果が消えている。何て言っても僕の優秀な部下で武田家臣の息子さんの妹さんが魅力封じ(物理)をしてくれたからね、ディルムッド君が出る前に。涙目だったけどディルムッド君。てゆうか物理の必要はあったのかすらよくわからないんだけど。
……まぁ、とても楽しそうで少し安心したよ、流石に前世の境遇には腹がよじれつつも同情したからね。え?また笑ったのかって?そりゃぁ笑うでしょう。酷いって?だって僕だもん。

「ディルムッド、これ食べたらトシの風呂に氷入れに行こうよ!」
「な、なぁっ!?何を言って……」
「へぇぇ、お風呂に氷入れに行くんだ二人とも」
「慶次…ディルムッド…!」
「何で言うのさ半兵衛!」
「違いますまつ様これは俺まだ何もっ!」
「問答無用!!」
「「っでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

げんこつが脳天にちょくげーき!うわぁ痛いだろうなあれ。

「ん、そうだ慶次。今のツボが割れていたんだが何か知らないか?」
「えぇっ…し、知らないなぁ…」
「けーいーじーっ!ハッキリと申しなさい!いや、いいわ!ディルムッド!」
「は、はい…」
「誰がツボを割ったのですか!?」
「もっ…申し訳ございません!私です!」
「えっ!?」
「じ、実はその、次郎丸がツボに何故か突進してて、それを阻止しようとして失敗して割りました……」

うーむ、雨に濡れた子犬の瞳だ。これは強いぞ。
だがしかしこの奥さんには効かない。

「問答無用です!覚悟は良いですねディルムッド!」
「も、もう勘弁してくださいぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!」


ディルムッドin前田家

まぁ、楽しそうでよかったけどね。

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.303 )
日時: 2014/05/27 18:32
名前: ナル姫 (ID: ohlIx/rn)

「天国だ。お前も天国」

死者達は生前の行いに準じて、言峰神父により天国か地獄かを振り分けられる。


天国の死闘 
  〜友を尋ねて〜


「えーと、アーチャーどうぞ」
「アーチャーアーチャー……あ、こいつ悪人だな。慢心の上傲慢、地獄」
「地獄だとっ!?」
(こわっ!)
(ごめんなさいっ!)
「雑種風情が我を地獄へ送るつもりか貴様ぁぁぁぁぁぁッ!」
「ぐわぁぁっ!ちょ、コトミネ助けっ…!」
「てゆうか…見なかったことにしていいか…?」
「はぁっ!?ダメだろ助けろー!」
「てゆうか帰る…」
「ダメだーーーっ!」
「てゆうか…てゆうか…」
「助けろコトミネー!」
「てゆうかフォーエバー」
「何緊急脱出してんだアンタ!!この腰抜けがーっ!」
「天国はこっちだな」
「や、やべぇ!アーチャーに天国に行かれる!」
「こっちも大変だ」
「うわ本当だコトミネーっ!でもなんか面白いから放っておいて良いか!?」
「やめろ」
「ったく神父が悪人にびびってどうすんだよ!アーチャーをと止めろこの腑抜けが!」
「全く辛辣だなランサー私に向かって腰抜けだの腑抜けだの…自害でもしたいのか」
「したくねぇよ!そしてお前に相応しいツッコミだよ!」
「そうだがお前私のサーヴァントだし…」
「ん?コトミネ何だそれ」
「ん?これか、ひ・み・つ。ふふふ」
「刺すぞテメェ」
「…これは神父七つ道具だ」

神父七つ道具
言峰神父のケースには七つ道具と呼ばれる七つの不思議アイテムが入っている。その他にビニール袋に入れられた麻婆豆腐なども入っており開けると刺激臭がする。

「神父七つ道具その一、変身コンパクトだ」
「なるほど、何か強い動物とかに変身してアーチャーを倒すんだな!考えたな腰抜け!」
「何がいいか…ライオン…あ、鹿?鹿はどうだ?」
「ライオンでいいだろ!鹿ってお前…弱いぞ!?何で鹿思い付いた!?」
「ぬぅ、では非常に不本意だがライオンで…」
「そんなに鹿が良いのか!」
「結膜マヤコン結膜マヤコンライオンにな〜れ〜い」
「………………」
(誰だ、お前)
「む?コンパクト調子が悪いな、ライオンと違うが……強そう」
「弱そうだろ!」
「ある意味ライオン」
「どこがだ!妙に滑稽な生き物じゃねぇか!上着着ろ馬鹿!」
「行くぞ、アーチャーッ!死ねーーーッ!」
「うわっ挑みやがった……えっと…後髪長男!後髪長男果敢にも挑みやがった!」
「あーんやられた〜」
「どこまで滑稽なんだアンタ!もーいーよ引っ込め!家帰れ!ってやべぇ!天国に入られる!」
「おお、ここが天国か」
(暫くぶりに会えるだろうが…朋友に…)
「天国に入られてしまったな」
「どうすんだコトミネ不祥事だぞ」
「しらん」
「知っとけよ!ぶっ殺すぞ!」
(遂にぶっ殺すまで…)
「ランサーお前もう少し柔らかい言葉でツッコめないのか…」
「ほざけ!とにかくアーチャーが天国で悪いことをする前に捕らえねぇと!くそーアーチャーめ…」
「…ん、呼んだか?」
「へ?」
「今アーチャーと…私もアーチャーだが」
「あぁいやお前じゃなくて、あっちの悪人のアーチャーのことで…」
「めしとったり!」
「お前何してんだー!!」
「てこずらせるな馬鹿が!さっさと地獄へいけ!」
「な、何でさ…」
「だからそいつ関係ねぇから!殴んな!」
「えー、こいつでいいだろう、アーチャーだし」
「アーチャーだから何だよ!?別のアーチャーじゃねぇか!」
「あ、アーチャーって何種類もあるのか!?」
「馬鹿かお前は!ほんにぶっ殺すぞ外道神父っ!」
「げ、外道神父…!?」
「早くアーチャーを止めろよ、何かねぇのか変身コンパクト以外で」
「ではこのセーラー服なんかどうだろう」
七つ道具その二、セーラー服
「どうだろうってお前という人間がどうなんだよ!お前変態だろ!」
「ち、違うぞ!勘違いするな!別に着たりはしないぞ!売ってたから買っただけだ!」
「何で買うんだよ!買うなよ!」
「どうしても欲しくて…」
「この変態外道神父!」
「くっ…なんて奴だ…外道神父と変態をくっつけやがった…」
「他に何かねぇのか、武器になるものとか」
「毒の吹き矢ならあるが」
七つ道具その三、毒の吹き矢
「それをもっと早く出せよセーラー服を出す前に!このセーラー野郎!俺がアーチャーを引き止めるから、その隙に頼むぜコトミネ」
(せ、セーラー野郎……?)
「うおおおおアーチャーッ!待てーッ!」
「雑種風情が我に勝てると思うなッ!」王の財宝開帳
「ぐわぁぁ何これ!?畜生何こいつ強い!」
(だが今がチャンスだ!コトミネ!この隙に毒の吹き矢で奴を…毒の吹き矢で悪アーチャーを…毒の吹き矢で…)
「私の方が少し大きいな」
「同じくらいだろう」
「何で手の大きさ比べっこしてんだお前は」
「ごめんなさい。やることがなかったからな…」
「何でだ!あるだろやること!吹き矢を!吹き矢を吹くんだよお前は!」
「ええい!吹き矢なんか最低だ!」
バーン!
「何で逆ギレしてんだお前は!」

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.304 )
日時: 2014/05/27 18:35
名前: ナル姫 (ID: ohlIx/rn)

「貴公子足るものやはりタモだろうタモ」
七つ道具その四、スーパータモ
「あんたは間違っても貴公子じゃねぇしタモじゃ無理だろ」
「馬鹿め、これは普通のタモではないぞ。見ろ」
「……」
「観音様開きの中に何とイエス・キリストが…」
「そんな機能いらな…普通のオッサンだったぞ今の!そもそも何で観音様開きの中に!?」
「この機能があればツチノコだって捕れる」
「そのオッサンが何してくれるんだよ!つかツチノコなんかいるわけねぇだろ!」
「いるわけない…?ふ、無理もないな。ランサーにはまだ見せてなかったな、ほら」
「え、何だよその写真…え、まさか…まさか…!」
『言峰神父お誕生日おめでとう』
「お前の誕生日の写真じゃねぇか!」
「ゲフーッスマンランサーっ!ツチノコじゃなくてスマン!」
「ともかくタモじゃ無理だよオラっ!もっと何か良い道具あんだろ出せ!」
「あ、あぁ…」
(折られた……)
「じゃぁ七つ道具その五、セーラー服」
「二着目じゃねぇか!何で七つのうち二つセーラー服!」
「七つ道具その六、思い出のカスタネット」
「でけぇよ!どんな思い出だよ挟まったのか!」
「七つ道具その七、セーラー服」
「とうとう三着目じゃねぇか!お前にはほとほと愛想が尽きたよこの馬鹿!」
(愛想尽かされた……)
「ダメだ阿保神父の七つ道具は持ち主同様使えねぇ!三人で作戦会議だ」
(えぇ…俺はすでにこのパーティーの一員に…!?)
こうして悪アーチャー捕獲のための作戦会議が始まった。次々と意見が飛び出す激しい議論となった。ランサーがアイデアを出したかと思えば善アーチャーがすかさず異議を唱え…言峰神父は独り言を言い…。
「疲れた…生きるのに」
善アーチャーがアイデアを出したかと思えば、今度はランサーが異議を唱え、言峰神父は独り言を言い…。
「麻婆豆腐…」
侃々諤々の議論は果てしなく続くかに見えた。八分で終わった。

難しい言葉
侃々諤々……率直な意見を遠慮なく交わす議論の様子
康康ガクガク……1972年に上野動物園に来た康康がガクガク

「じゃぁ悪アーチャーを説得するのが言いと思う人。はい」
「はい」
悪アーチャーを説得する 2
素敵な愉悦がしたい 1
「多数決で説得するに決まったぜ」
「それ一番平和的だな。ところでその悪アーチャーは?」
「あっ、やべ…作戦会議に夢中で見失った!どこ行った悪アーチャー!」
「慌てるなランサー」
「何くぐってんだテメェ!」
「悪アーチャーならいる」
「は…ど、どこに?」
「それはな、私達の…心の中に…」
グサッ!
「だってカッコイイ台詞言いたかったから…」
「あ、いたぞ。あそこに座っている」
「本当だ。早速説得するか」

「…なぁアーチャー」
「何だ雑種。地獄なら行かぬぞ」
「そこを何とかよぉ…ん?何だその写真」
「これか…これは我の朋友、エルキドゥの写真だ。我と違って良い奴故この天国に来ているはずなのだが…」
「これは私の誕生日の写真だ」
「なるほど…それでお前無理矢理天国に…どうやらアーチャーを説得できんのはその友人だけみてぇだな、よし、考えがあるぜ」

「結膜マヤコン結膜マヤコン悪アーチャーの友人にな〜れ〜。うむ、成功だ」
「本当にいるのか」
「あぁ、本当だ。あの林の中で外道神父…じゃねぇお前の友人が待ってる」
(また後髪長男になってなきゃいいけど…)
「ギルガメッシュ」
「っ!」
(え…え…エルキ……)
「……」
(グリーンジャイアントかお前は!)
「うわー悪アーチャーが泡吹いてぶっ倒れた!」
「む、本当だ。何故だか知らんがチャンスだな」
アーチャーは捕まった。
「くっ…雑種風情が!」
「ざまぁみろアーチャー。麻婆豆腐食え肩から食え。そして気絶しろバーカ」
「何するか雑種ぅぅぅ!」
「プギーッごめんなさい!てゆうか足を縛れランサー!」
「頭来たぞ雑種!我はエルキドゥに会えるまで断じて地獄など行かぬわ!」
「ぎゃー強烈!わかった止めろ靴ナメるから!あと本当の友人も探して来るから!」
「わかったらさっさと行ってこぬか!」
「どうしてそう容赦なく人を蹴れるんだ……」

かくして言峰神父の激しい旅が始まった。天国ははてしなく広くアーチャーの友人探しは難航した。

30分後。
「待たせたな、アーチャーの友人を連れてきたぞ」
「漸くか!」
「アーチャー」
「あ、凜」
「 」ガーン


おまけ
「今月は地獄の見回りに行くぞ」
「わかった」

「久しいなアーチャー。血の池地獄の湯加減はどうだ?」
「いいわけあるか鉄臭いわ。貴様も入れ雑種!」
「うわっ…血…血だああああああああ!」
「そんなビックリするなよ!」

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.305 )
日時: 2014/06/03 08:13
名前: ナル姫 (ID: nsETnIj1)

ディルの妹溺愛ネタ

※フィオナ騎士団が馬鹿しかいなくて超仲良し
※普通に現代で使う言葉とかネタとか出てくる
※会話多し
※わりと真面目


ディルムット・オディナ15歳。とても信じられない事実に直面なう。俺の目の前にいるのは少し癖のある黒髪ショートヘアーの少女なわけだが。

「まぁそういうわけで……頼んだ」
「いや…父さん…そんな……頼んだって言われても……」
「ねー、おとーさんこのひとだれー?」

ほら!この子俺のこと知らないじゃない!

事の発端はついさっきだった……。
養父の元を離れ、フィオナに入団して一年近く。友達も沢山出来たし、戦でも中々活躍出来てるし、俺の騎士団生活は順風満帆だと思っていたのだが……。

「おいディルー!なんかお前に客来てんだけど」
「客?何、誰?」
「さぁ、なんか幼女連れてた」

不思議に思いながら砦の外に出ると……。

「!?と、父、さん…!?」
「あはは……久しぶりだなディルムット……」
「ど、どうしてここに!?てゆうかその子誰!?」
「いや実は……母さん、また生んだんだ…」
「えええ母さんっ…こ、今度は誰の子!?」
「いや不倫じゃないぞディルムット!俺の子だぞ!」
「え……母さんと父さん…離婚してなかったの!?」
「うんしてなかった!てゆうか何!?離婚してると思ってたのお前!?」
「だって母さんとロクさんの子供殺したら誰だってそう思うでしょ…!」
「あー、うん、そうだなー…いやそれはとにかく!つまりこの子はお前の実の妹になるんだ!」
「ええー…止めてよちょっと…やだよ弟とか妹とか…俺異父弟に殺人予告されてるのに…」
「諦めるなお前なら勝てる!!」
※十数年後、主の裏切りで猪にその命を断たれることに。
「でまぁとにかく!母さんがちょっと病気でな…」
「え、病気!?母さん大丈夫なの!?」
「あぁ、無気力症候群の軽いバージョン的なものがな…」
「あ、よかった身体の不調じゃないんだ!?」
「そういうわけだからお前少しの間で良いから育ててくれ…俺母さんの面倒見るから……」
「自分で育てろお前の子供だろッ!!」
「でもお前の妹だぞ」

……冒頭に至る。

「おー何々?ディルの妹?」
「いや、その…」
「うわちっちゃい!十二歳くらい差あるんじゃね!?」
「あー…」
「おにーちゃんたちだぁれ?」
「やべぇー可愛いーーーッ!俺!俺ディアリン!ディアちゃんって呼んでいいよ!?」
「ディアリン!?」
「おいおいお前らさぁ…それディルの妹なんだから、まずディルがお兄ちゃんだって認識させなきゃダメだろ…」
「あ、アシーンさん…」

ほら、とアシーンさんが俺の背を押す。俺は妹……エステリーゼに近付いた。

「えーっと、俺は、ディルムッド。……お前の…エステリーゼの兄だ」
「あに?」
「えっと、お兄ちゃんってこと、だな」
「あーっ!おとーさんいってた!リーゼにおにーちゃんいるっていってたー!」
「そ、そう!それが俺!」

父さんそんなこと言ってたのかおい!?何それ元々俺に預けるつもり満々だっただろ!?

「て、てゆうかアシーンさん、これ頭領に……言うべき…」
「親父には俺から言うさ。お前はディアリンが妹を誘拐しないように見てろ」
「……ディアリンってロリコンなのか…?」
「俺はロリコンじゃねぇよ。ただ最近幼女の身体を見ると興奮することに気付いてだな……」
「やべぇガチだッ!!ガチな犯罪者だこいつッ!!」
「え、コナン酷くね!?」
「いやコナンが正しい」

ぎゃーぎゃーと騒ぎ立てる男達に置いていかれる我が妹はあっちをキョロキョロこっちをキョロキョロ……でーすーよーねー……。
と、何を見つけたのかトテトテとどこかへ歩いて行こうとするのを俺は阻止した。

「まぁ年齢考えると色んなとこ出歩きたいのは分かるけど、勝手に行かないでくれよ」
「そうそうリーゼちゃん!お兄ちゃんとこの俺の言うことを聞いて…」
「お前もう黙れよッ!!ディルの妹だろが!!」
「ギャーごめんなさいっ!いやでも聞いて!!ねぇ!!聞いて!!」

ディアリンの必死の声にコナンが蹴りを止めた。兄の元に預けられて初日、まさか良い歳した男子達の喧嘩を見せられるとは思ってもいなかっただろうに。

「いや、ほらさ、やっぱディルの妹だけあってスゲー美人じゃん?」
『確かに』

俺とエステリーゼとディアリン以外全員の声がハモった。確かに、じゃないだろ、確かに、じゃ。

「おーいディルー!親父がその子許可したぞー!」
「まじすか…」
「テンション低いな」
「そりゃそうでしょ…てゆうか、あれ、オスカーどこですか?」
「お前本当オスカー好きだな。お前の赤薔薇と黄薔薇?」
「…………いやいやいやいや!?俺はそっちじゃないですから!?」
「通じたか。まぁ冗談、オスカーならすぐ帰ってくるだろ。それよりもお前はその子の布団を取りに行ってこい。親父が用意してっから」

アシーンさんが再び俺の背を押した。俺は溜息を一つ、リーゼの手を引いて行った。

   *

「可愛い妹ではないか、ディルムッド」
「なんなら差し上げますよ。俺に世話とか無理なんで」
「はっはっは!まぁそういうな!息子しかいないから羨ましいぞ!……それにな」

頭領は薄く笑う。どこか呟くように、言った。

「お前も含めて、儂ら親子はとにかく、ここにいる連中は皆家族と離れて暮らしている。仲間がいれば寂しい気持ちは紛れてもな、人間、やはり家族が愛しいものだ。お前は妹の存在を知らなくても、紛れもなくその子はお前の妹だろう。大切にしろ」

   *

「今日からここがお前の部屋だ……って言っても、俺と同室だけど」
「おまえじゃないの」
「え?」
「ちゃんとリーゼってよんで!」

そういえばエステリーゼは、自分のことをリーゼと言っていたような。まぁ俺も幼い頃は自分のことをディルと言っていたし、小さい子供にはそれが普通なんだろう。

「きょうからよろしく、おにーちゃん」
「…宜しく、リーゼ」

Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.306 )
日時: 2014/06/03 08:19
名前: ナル姫 (ID: nsETnIj1)

子供というのは存外に育てるのが大変で、我が儘は言うわ駄々はこねるわ周囲は囃し立てるわ……しかも幼女の高い声だから余計に五月蝿い。というか煩わしい。母親ぶって、偉そうな態度で俺にあれこれ言って来る。
確かに煩かった。けれど……気づくことも沢山あった。三歳って、こんな言葉も知ってるんだとか、布団をちゃんと干そうと思うんだ、とか……ごくごく当たり前のことを。
そんな日々を送っていた為か、妙に平和ぼけしていた俺達の元に戦の話が届けられた。……これは……エステリーゼを召使いに預けよう。俺の部屋で大人しく過ごせるとは思えない。

「そういうわけだから、ちゃんと大人の言うこと聞いてお兄ちゃんが帰ってくるの待っててくれよ?」
「はぁーい!」

翌朝、俺達は砦を出発した。まだ日は昇ったばかり。起こさないように支度をしてきた。だからアイツはまだ寝てるはずだと油断した俺が悪いと言うのか。

「おにーちゃんいってらっしゃーーーい!がんばれーーーっ!」

突如俺の部屋から響き渡った声に、一体何人の人が起こされたのだろうか。あぁ叱らなきゃとか叫ぶなとかいつ起きたんだとか色々と言いたいことはあったが。

「…行ってきます!!」

半ばやけに返す。

「すっかり兄ちゃんだな」
「一人っ子のはずだったディルムッドのお兄ちゃん性質…ディルムッド、恐ろしい子…!」
「やめろツッコミが間に合わない」
「これはお前…怪我出来ないな」
「やめろオスカー!プレッシャーかけるな!」

結論から言えば、戦は引き分けだった。頭領が擦り傷を負い、アシーンさんとオスカーは無傷、コナンは何カ所か打撲し、ファーガスは足を矢が掠ったが軽傷で済み、ディアリンは今回の戦で1番の功績をあげた。
俺はというと……結構思いっ切り飛んできた槍に刺さり、正直死ぬかと思った。

『父さん、俺フィオナ騎士団に入るよ!許可貰ったんだ!』
『本当、か…?』
『勿論!嘘なんかつかないよ!』
『凄いじゃないかディルムッド!そうだ、お前の実の両親にも連絡しよう!』

父さんは……養父は、俺の入団を喜んでくれた。俺はその後すぐに騎士団の本拠地に行ってしまい、両親が俺の入団にどう反応したのかを知らない。ただ、養父は少し寂しそうな顔をした。その時の俺は、『大丈夫だよ、手紙くらい書くって!』なんて的外れな事を言ったが、今なら分かる。父さんは俺が入団することによって俺が家にいなくなることを寂しがっていたわけではなかった。養父は、俺が自分より先に死ぬことが怖かったんだろう。死にかけた今、やっと理解した。
……両親はどんな顔をしたんだろう。心の底から喜んでくれただろうか。それとも、娘の世話を押し付けるくらいだし、俺のことにはもう興味もないだろうか。……養父のように、少しでも俺の死を考えてくれただろうか……俺は両親のことについてほとんど何も覚えていない。全ては養父から聞いたことだけだ。それなのに、俺の事を案じてくれる血縁なんて……。

「……ちゃん、おにーちゃん!」
「……エステリー……ゼ……?」
「よかった!オスカーさん!ファーガスさん!おにーちゃんおきたー!」
「マジか!ディル!!」
「あぁマジで心配したじゃねぇか馬鹿!」
「もうリーゼちゃんも心配しまくってたぞ!ねぇリーゼちゃん!」
「ほんとだよ!おにーちゃんのばか!」

……いた。俺のことを心配してくれる血縁が。
俺の腕は無意識にエステリーゼを抱き寄せていた。離れないように、強く抱きしめた。

「……ありがとう……リーゼ」
「…おにーちゃん?」
「ごめんな…心配させて…もう大丈夫だから」
「何ディル、お前死ぬの?」
「えぇ…大丈夫って言ったのに何で…」
「だって台詞が死亡フラグだったし」
「そんな馬鹿な…」
「赦さねーぞお前そんな可愛い妹残して死ぬなよー。ディアリンに誘拐されるから」
「てゆうか感傷に浸らせてはくれねぇんだな…」
「はーいお前ら退場」
「ギャーっ!父さん!?」
「うひゃぁアシーンさん!」
「はいはい兄妹水入らずを邪魔しない」
「はーい……」

   *

「ディールっ!リーゼちゃん抱かせろ!」
「だが断る」
「ーー!?なん、だと……!?」
「でぃ、ディアリンが死んだ!」
「この人で無し!」
「おにーちゃんくるしいー」
「苦しがってるじゃないか!リーゼちゃんを渡せ!」
「いやー、ディアリンには抱かれたくないって」
「何をこのシスコン!」
「黙れロリータコンプレックス」
「うわフルで返して来やがった腹立つ」
「ディアリン…お前馬鹿だな」
「ファーガスに言われたぁぁぁぁぁぁ!!何も言えねぇ!!」
「ディアリンうっせぇ」
「ディルさん、妹さんを俺に下さい!」
「何してんだオスカー」
「断る!妹は金輪際貴様にはやらんわッ!!」
「うわディルノッたよ!この間まで起き上がるのが精一杯だった癖に!」
「黙らっしゃい。とにかくリーゼは俺の妹だ誰にもやらんぞ」
「これが十年後くらいに兄をうざがり始めるんだよなー、十六くらいになると」
「認めん!そんな期間認めん!反抗期来させない!」
「お前前まで鬱陶しいとか言ってたのに……」

すっかり溺愛してんな、というファーガスの声に俺達は声をあげて笑っていた。

   *

………………………。
何だ今の夢。ディルムッド・オディナに妹はいなかった。記録にも記載はない。第一あんなに溺愛していたら、グラニアを連れて逃避行なんかしないだろう。俺はそんな妹いたら多分家出してるな。……ディルムッド・オディナは楽しそうだったけど。
あの夢のあと、あのエステリーゼとやらが反抗期かヤンデレになってディルムッド・オディナを苦しめてくれないものかと、わりと本気で願って、苦しめられる前世を想像してざまぁみろと呟いた。


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