二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 短編小説 *BSR Fate*
- 日時: 2014/04/21 17:22
- 名前: ☆Milk☆ (ID: EM3IpZmD)
こんにちは!
題名とか親レスとかが色々変っちゃってごめんなさい(汗)
前は主にバサラとバサラクロスオーバー専用でしたが最近fateが増えてきたためfateも題名に加えちゃいました←
そんな感じに意味が行方を失った短編小説始まります
ごゆっくりどうぞ
※リクエスト受け付けてます。長くなりそうなリクエストや、あまりに抽象的なリクエストはバッサリ無視いたしますので悪しからず。
※荒らし、チェンメ、悪コメはご遠慮ください
※バサラは主に伊達軍、fateは槍兵と弓兵を偏愛してます
※私のオリジナル小説、『僕と家族と愛情と』とリンクしてる時も多々。
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- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.452 )
- 日時: 2015/07/27 23:07
- 名前: ナル姫 (ID: KJrPtGNF)
一年前−−。
「ただいまー! おかあさーん! おやつはー?」
「お帰りなさいレオン。おやつの前に手を洗っておいで」
「はぁい!」
フローリングの床を走る音が聞こえる。きっと保育園から帰ってきた少年は、リビングに来て唖然とすることだろう。少年の反応を想像し、キッチンに立つ母親と、ソファーに座っている男性はクスクスと笑った。
「おかあさん、て、あらって……! おとうさん!?」
「お帰りレオン。大きくなったね」
「おとうさんおかえり! いつかえってきたの!?」
「ついさっきだよ」
少年はかけてきて、父の隣に座った。父が帰ってくるのは半年ぶりのことだった。
「ねぇおとうさん、いつまでおうちにいるの?」
「暫くの間はここにいるよ」
「やった! じゃぁいーっぱいあそんでね!」
「あぁ、勿論」
22歳で結婚し、翌年生まれた長男は四歳になっていた。幸せだった。妻であるグラニアには新しい生命が宿っているし、息子はすくすくと育っている。このまま幸せな日々が続くのだと−−
信じて疑わなかった。
*
一週間後−−。
「あら、なぁに、それ」
「……郵便だ……祖父から」
ぴくり、とグラニアの眉が動いた。ディルムッドの家の事情は把握している。だが、父がほんの少しでも魔術が使えることは、息子には話していない。父はとっくに、その道を捨てたのだから。
「……何て?」
「……至急、来いと……それだけだ」
「行くの?」
「行きたくないが行くしかない。あの老人は何をするかわかったものじゃないからな」
ブライト家当主リンガルは、80歳にして未だ健在だった。人生を狂わせたあの老人のことが、ディルムッドは苦手で大嫌いだった。
「……何の用かにも寄るが、多分すぐに戻って来る。家を頼んだよ、グラニア」
「えぇ、気をつけて、ディルムッド」
そしてディルムッドは、タブリンから実の父親の実家−−アイルランドの山奥にある、ブライト家へ向かったのだった。
*
「クックック、随分早かったの。貴様のことだから手紙など破り捨てるかと思ったが」
「…………」
「ふん、相変わらず可愛いげのない奴め」
リンガルの言葉を無視し、屋敷の奥へ進んでいく。そして、とある部屋に入ると。
「……お兄ちゃん……」
「久しいな、リーゼ……健在だったか?」
「うん、お兄ちゃんはどう? 最近無理はしてない?」
「あぁ、問題ないよ」
「よかった……」
ふっと、安心した笑みを見せた妹……エステリーゼの頭を撫でる。その時、リンガルが気味の悪い声を出した。
「リーゼ、あれを見せよ」
「! は、はい、お爺様」
はっとし、リーゼは頷いた。そしてディルムッドに見せたのは。
「……こ、れは……?」
雫のようなものの下から針が出ているような模様に、それを取り囲むような波紋が二つ、エステリーゼの左手に描かれている。
「ディルムッドよ、貴様の妹は聖杯戦争への参加を許可された」
「!!」
驚いてリンガルへ振り向けば、彼はにやりと口角をあげた。声を出せずにいると、だが、と再びリンガルが口を開く。
「知っての通り、我がブライト家の子供で一番魔術ができるのはリーゼでなぁ、ブライト家の再興はリーゼに託してある。リーヴも勿論のことではあるが、リーゼに死なれても困るでなぁ。そこでだ、ディルムッドよ。貴様、代わりに聖杯戦争へ参加せよ」
「………、……な……」
橙の瞳が、見開かれる。
「……何を……言ってるんだアンタ……? そんなの、そんなの無理に決まってるだろ! 俺に才能がないのも、魔術回路が少ないのも知ってる癖に!」
「それを可能にするのが、貴様の父だ。昨日、ドゥンを保釈した」
「なっ……」
「貴様の父の魔術回路を、貴様へ移植する」
ディルムッドは、身体が弱い。父とは言えクローンとは違う。別人のDNAを、体内に取り込めとこの老人は言っている。そんなことをしたら、たとえ生き残っても、もう大好きなバスケへは打ち込めない。
「い、やだ……嫌、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だッ! そんなっ……絶対に嫌だッ!!」
「大人気ないのう、おい、アルステア」
「は」
いつの間にそこにいたのか、ディルムッドの叔父に当たるアルステアが現れ、遣い魔を使ってディルムッドを壁へ追い詰めた。ディルムッドの頭を右手で強く掴むと、彼は痛みに顔を歪ませた。ディルムッドの瞳が、恐怖と絶望に染まる。
「おじ、うえ……」
「……許せ、ディルムッド」
熱いものが、脳内を支配する。ディルムッドは、意識を手放した。
*
「……魔術回路の移植、終わったってよ」
「……そう」
エステリーゼは、無気力そうに令呪のなくなった左手を見つめていた。従兄のリーヴが、溜息を吐き出す。彼は、魔術回路のなくなった伯父−−ディルムッドとエステリーゼの父親の処分を父のアルステアと共に行っていた。
「……仕方ねぇだろ、お爺様の決定なんだ」
「そんなこと……そんなことわかってるわ……でも、何でお兄ちゃんなのよ……だったら、ドゥンがそのまま参加すれば良いじゃない!」
「……二人一緒に排除したいんだろ。……ディルムッドは、有名で良く活躍してる……それが許せないだけでな」
「……お兄ちゃん……」
『ダメだリーゼッ!! 魔術師にだけはなるな!!』
−−私が魔術を選べば、お兄ちゃんは『普通の人』の人生を選ぶことができる。幸せになれる。そう思って、この道を選んだのに……。
魔術が大嫌いな兄が、聖杯戦争への参加を強いられる……彼女には、堪えがたい苦痛だった。
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.453 )
- 日時: 2015/07/27 23:19
- 名前: ナル姫 (ID: KJrPtGNF)
『次のニュースです。あの大人気バスケットボールプレイヤーのディルムッド・オディナ選手が、突然休業を発表しました。監督や仲間の選手にも事前に告げておらず、バスケットボール協会に波紋が広がっています』
『理由は重い病ということですが、病名は発表されておらず、ディルムッド・オディナ選手本人がどこの病院にいるのかも明らかになっていません』
翌日、メディアは大騒ぎになっていた。ディルムッドの突然の休業−−元々身体が弱く試合もワンクォーターくらいしか出ないことは公然の事実だったため、病気と言われても納得はできるが、仲間の選手と監督にさえ何も告げずに休むというのは余りにも不自然だった。ディルムッドの過去はドキュメントなどによって公開されてはいないが、父親が養父で、実父と実母とはもう殆ど縁を切っているとファンは知っている。早い話、複雑な家系だ。およそ、そのことも関係しているのだろうと、世間は噂していた。
*
「う、ぐっ……! あぁ、ぁ……っ」
「クックック、痛いかディルムッドよ、まぁ全身に他人の細胞が埋め込まれておるでなぁ、仕方もあるまい」
「う、う……ふぐっ……っ」
「中々に見物じゃのぉ。まぁ堪えよ、儂らは貴様に休む暇など与えはせんからな」
身体を丸め、全身の痛みにガタガタと震えながらうっすら目を開く。憎い老人の顔を捕らえると精一杯睨もうとするが、中々顔の筋肉が動かず、焦点も合わない。
「立て、魔術を捨てた十六年間の埋め合わせを行うぞ、ディルムッドよ」
逆らえば、幼い頃と同じことをされる−−虐待がトラウマとなっていたディルムッドは、素直に従おうとするが、身体は中々動かない。ようやくベッドから降りるが、そのまま膝を床について倒れそうになる。両膝と右手を床につけて身体を支え、壁の前まで来ると、酷く痛む腹部を押さえていた左手を壁につけて何とか立ち上がった。そして、少しずつ、前を歩く老人の後ろをようやくついて行った。
*
ディルムッドに求められた魔術は、まずブライト家に伝わる水の魔術、そして回復の魔術だった。勿論、リンガルはディルムッドに期待などしていないが、どうせ参加するのなら出来るだけ鍛えておこうという魂胆なのだろう。
とは言え、父の魔術回路は二人の想像以上に素晴らしいものだった。おかげで、リンガルの想定した以上にディルムッドの壊滅的な魔術は上達したのだった。三ヶ月が経つ頃には全身の痛みも殆ど引き、軽い魔術なら身体へ掛かる負担もそれほどのものではなくなっていた。
そんなディルムッドを試すため、ディルムッドは一度エステリーゼと対戦することとなった。勿論、ディルムッドが勝つなど誰も思っていないのだが。
「いざ尋常に−−始めッ!」
水と風がぶつかり合う。五歳から今日までの年月を魔術に費やしたエステリーゼが優位なのは明らかではあったが、想像以上にディルムッドは善戦していた。流石にエステリーゼの魔術に対抗するには身体への負担も大きく、アルステアが適当なところで止めたのだが、エステリーゼも兄の上達ぶりには驚いたようだった。
ディルムッドの礼装は、軽い金属でできた短剣だった。殺傷能力は低いが持ち運びは便利で、中々使い勝手が良い。確かにそうだな、と考えたことろで、自分が魔術師に染まっていることに気付いて溜息を着いたものだが。
……だが、ここまで来たのだ。四度目の戦争からまだ十年しか経っていないが、五度目の戦争はすぐそこまで迫っている。
願いはないのかと聞かれた。特にないと答えた。
「何じゃ、貴様のことじゃから選手への復帰と言うかと思えば」
「……」
復帰したい、それは嘘ではない、だが……。
「……良い、急に休業を発表して、復帰して……マスコミに追われるのは疲れる」
「クックック、賢い奴じゃな」
何なら妹を解放してあげたかった。きっとあの子は将来、好んでもいない人間との結婚を強いられる。だから、この老人から解放してあげたかった。だが、十一年前は切羽詰まっていた状況であったとは言え、今のあの子は自らの意思で魔術を学んでいるのだ。それを無下にはできない。
「リーゼ、何か頼みたいことはあるか?」
「えぇ? お兄ちゃんの聖杯何だから、お兄ちゃんが頼みなよ?」
「だが……俺には願いがないよ」
「そうなの? ……じゃぁ、さ……」
エステリーゼは、困ったように言った。
「……お母さんに、会いたいな……」
沈黙が訪れる。ディルムッドは口を開いた。
「……母上は……」
「う、うん、知ってるの。だから、治して、あげられないかな」
「……」
そんな会話をした後、ディルムッドははじめて妹を連れて母のいる病院へ足を運んだ。ディルムッドの顔はテレビなどでも知れ渡っているが、母のいる病院は養父であるオェングスの息がかかっており、病気を療養していると言われているディルムッドが来たところで、深く詮索はされなかった。
硝子越しの母は、人形のように光のない瞳で天井を見つめていた。瞬きのしない瞼、青白い肌、息をしているのかすらわからない。
「……これが……お母さん……?」
「……そう、お母さん……チレン・マックール」
「……」
冷たい硝子に、触れる。
「……お母さん……エステリーゼだよ……会いに来たよ」
「……」
「……きっとお兄ちゃんが、聖杯を取ってきてくれるよ……そしたら、ここから出て……お話しようね」
「……」
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.454 )
- 日時: 2015/07/28 16:32
- 名前: ナル姫 (ID: YC5nxfFp)
−−どうしても会いたかったんだな、と、痛いほどに実感した。自分は嫌な思い出しかないが、妹はそうではない。自分にとってもそうだが、彼女にとって、この人形のような病人は世界でたった一人の母なのだ。
今日もまたいつも通りだ、そう思い、ディルムッドは妹の手を引いて帰ろうとした−−その時。
「…………、……ちゃん………………わたしの、……ちゃん…………ろくさん、との…………」
母が、口を動かした。ここまでは、珍しくない。大体、父に殺された不倫でできた子供を呼んでいるのだ。声が小さくて聞き取れないことも多いが、自分の名を呼ぶはずもないと、彼はいつも気にしなかった。だからこそ、渋る妹を無理にでも引っ張っていこうとしたのだが。
「……ね…………ごめんね………………ど、……のに……あんなに…………ごめんね…………つらいね…………ディルムッド……」
え、と手を引く力が弱まる。
「…………ぜ、……いきてる……? ……………ちゃんは、…………? げんきなのね…………おにいちゃんと……………………ね……」
「……かあ、さま……?」
思わず、昔の呼び名で。
「お兄ちゃん……聞いた……?」
「……何かしたのか、リーゼ」
「そんなわけないじゃない」
「だったら」
「決まってるでしょ、お母さんは、まだお兄ちゃんと私のことを覚えてる!」
切実な声に、息が詰まる。
「お願いお兄ちゃん……お母さんは、きっと今悪夢を見てるの……助けてあげようよ……私の、私達の、お母さんなの……」
「っ…………」
解答に迷っていると、はっとしたようにエステリーゼは俯いた。
「……ごめん……そりゃ、嫌だよね……聖杯、命懸けだもんね」
「……」
「……使うなら、魔術回路を消してほしいとか、だよね……」
「…………そうだな」
「……帰ろう、お兄ちゃん」
「……うん」
*
そして半年後−−。
「……ディルムッド」
「……グラニア……恐らく俺は、たとえ聖杯を手にしたところで、長らくは生きられない。……レオンとお腹の子を、幸せにしてくれ」
「……父親がいなければ、この子達は不幸だわ」
「……そうか……そうだな…………」
グラニアが涙を零しそうになるが、息子の前で泣くわけにもいかないと思ったのか、零れる前に拭った。
「……魔術のことは、教えないで……お父さんは、事故か何かで死んだんだって教えておいてくれ……全て俺のミスだ。誰も悪くない、俺の責任だと教えてあげてくれ」
「……っ、えぇ……」
「おとうさん、どこかいっちゃうの?」
「……お父さんはね、レオン……ニッポンっていう、遠くの国に行くんだよ……戦うために」
「あ、またバスケのしあいなんだ! おとうさん、またかつやくするんだよね!」
「……あぁ、そうだね……テレビには、出ないけど……お父さんを応援してくれ」
「うん! はやくかえってきてね!」
息子を強く抱きしめ、グラニアに別れのキスをすると、二人に背を向けて祖父の後をついていく。時々名残惜しそうな顔をするも、振り向くことは決して無かった。
*
「素に銀と鉄」
あれから、何度か母を訪れた。
「礎に石と契約の大公」
相変わらず、だった。
「祖には我が大師シュバインオーグ」
名前を、呼んでいた。
「降り立つ風には壁を」
俺に、ごめんと繰り返した。
「四方の門は閉じ王冠より出で」
きっと、覚えている。
「王国に至る三叉路を循環せよ」
−−だから。
「−−閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ」
何の自由も与えられなかった妹のために。
「繰り返すつどに五度」
家族を知らない妹のために。
「ただ満たされる刻を破却する」
せめて、彼女の思い通りに、母親を−−……。
出来上がった魔方陣は、中々上手く書けていると思う。妹から貰った令呪を優しく撫で、深く深く息をする。
「−−−−告げる
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に
聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよッ……」
心臓への負担が重い。咳をすると、血が混ざっていた。
「っ……、誓いを此処に!
我は常世全ての善と成る者、我は常世全ての悪を敷く者!
汝三大の言霊を纏う七天−−ッ」
苦しくて苦しくて、仕方がない。
「っ、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ−−ッ!!」
爆風、そして、現界。
「ハァッ……はっ……」
ぼたぼたと、口から血が足れる。
にぃ、と、それの口角が上がる。
−−勝ってやる、妹のために−−!
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.455 )
- 日時: 2015/07/30 16:29
- 名前: ナル姫 (ID: dHuJp/ow)
ポケモン
ジムリーダー
1 シロウ(ノーマル)
2 メディア(エスパー)
3 ディルムッド(くさ)
4 エミヤ(はがね)
5 クー(かくとう)
6 リン(ほのお)
7 アルトリア(みず)
8 ギルガメッシュ(でんき)
シロウ
ポケモン
ゴニョニョ Lv14
ジグザグマ Lv15
技マシン
ほえる
レブランバッジ
メディア
ポケモン
ユンゲラー Lv18
ラルトス Lv19
技マシン
ひかりのかべ
ウィッチバッジ
ディルムッド
ポケモン
キノガッサ Lv22
コノハナ Lv20
キレイハナ Lv23
技マシン
ギガドレイン
フィニアンバッジ
エミヤ
ポケモン
ココドラ Lv26
ココドラ Lv26
エアムード Lv28
技マシン
アイアンテール
リブクスバッジ
クー
ポケモン
ハリテヤマ Lv28
カイリキー Lv30
チャーレム Lv31
技マシン
かわらわり
アレイスバッジ
リン
ポケモン
マグマッグ Lv31
ドンメル Lv31
コータス Lv32
キュウコン Lv33
技マシン
オーバーヒート
デアビルバッジ
アルトリア
ポケモン
トドグラー Lv42
ハンテール Lv42
技マシン
みずのはどう
カリバーバッジ
ギルガメッシュ
ポケモン
プラスル Lv40
レアコイル Lv42
マイナン Lv40
ライボルト Lv42
ピカチュウ Lv43
技マシン
かみなり
バビロンバッジ
- Re: 短編小説 *BSR Fate* ( No.456 )
- 日時: 2015/08/04 16:11
- 名前: ナル姫 (ID: ib99WOwr)
「取り合えずマスター? 今日の予定は決めてあるのかい?」
「日本へ行くまでにはまだ時間がある……とは言え、タブリンに戻る時間も必要だから、そんなにここに長居はできん」
「ふーん? そういやあの子、君によく似た女の子は誰なの?」
「……リーゼ。エステリーゼ・ブライト……俺の実の妹だ」
ディルムッドはガーディアンに自らの家族構成を説明した。魔術師の家系としては割と異例な部分も多いのだが、ガーディアンはあっさりその家系事情を受け入れる。
「なるほど? じゃぁ君はこの家にとっては一年前まで部外者だったわけだ」
「……そうなるな」
「で、その奥さんと息子さんに別れの挨拶はしなくていいの?」
「二人には既に挨拶をしたし、タブリンに返した……決意が揺らぐから会ってはならん……それより、まずは糞爺のところだ」
*
「英霊召喚が深夜の一時、現在時刻は午後三時」
妙にレトロな時計を見つつ、リンガルは相変わらずのニヤニヤ顔で言い、ディルムッドに目線を移した。
「長いこと寝てたのぅ?」
「……床に放置してくれたお蔭様で全身バッキバキだ」
ふてぶてしく答えるその姿に、少々拍子抜けした。あまりにも仲が悪いようだし、ディルムッドはこの老人に他人行事な態度をとる−−棒読みだろうが何だろうが、何にしろ敬語は使うだろうとガーディアンは思っていたのだ。ディルムッドからすれば、この老人に敬語など一切使って貯まるか、というくらいの気持ちでいるのだけれど。リンガルは、ディルムッドが大人しく聖杯戦争に参加して死んでくれればあとはどうでもいいため、それを正そうとはもとよりしなかった。
「ガーディアンだったか、戦闘能力は引くそうだが……まぁ、良かろう。別に聖杯など欲しておらんしなぁ」
クックックッ、とまた笑うと、形だけの声援をして二人を部屋から出した。やべぇ、仲悪い、と思わず呟いたガーディアンの声を無視し、ディルムッドは次の部屋に向かう。そこにいたのは、何ともまぁそっくり−−まさに瓜二つとも言えるほどディルムッドと酷似した少年だった。
「お爺様には挨拶したのかよ」
「したよ、即座に追い出された」
「だろうな、父上には」
「会っても意味などない」
「それもそうか……リーゼは」
「……今からだ」
「…………生きてやれよ」
「……できたら、な」
部屋を出た二人は、今度はエステリーゼの元へ向かう。
「あの少年とはそんなに仲悪くなさそうだねぇ」
「……そんなことはない。接点がないのと……あいつが大人しいから喧嘩になりにくいだけだ」
「ふーん」
そんなもんかね、と思いつつもそれを口には出さずにいたのは、恐らくさきほどのように無視を決め込まれると判断したからだろう。そして、長い廊下を歩いて、お待ちかね……というわけでもないが、実妹の部屋に着く。こんこん、とディルムッドはドアをノックした。
「入るぞ、リーゼ」
「あ、うん」
ドアノブを回し、ディルムッドはその部屋へ一歩踏み出した。さすが、その妹の顔は愛らしくも美しい。
「ええと……そういえばクラスを聞いていなかったわね」
「ぼくはガーディアンだよ、妹さん」
「ガーディアンね、お兄ちゃんを宜しく頼むわ」
「勿論」
「……お兄ちゃん……」
「何だ?」
「……聖杯は、どうでもいい。……ただ、生きて帰って……もし聖杯を取っても、お母さんの……私のために使っちゃ駄目よ? 帰ってくることを優先してね」
「……あぁ、わかった……保障はできないけど、善処はするよ」
悲しそうな、寂しそうな笑顔で妹の頭を撫でる。
「帰ってきたら金メダル作ってあげるわ」
「……じゃぁお礼に、マックシェイクだな」
……恐らく、幼い頃のやり取り何だろうと思われる会話を見て、ガーディアンは少し眉を下げた。……兄の方からは、生きる気力を感じられないのに、と。妹も、それは感じているはずだろう、その上で、叶わぬ望みを抱いていると考えると−−とても、いたたまれない。
「じゃぁ、行ってくるな」
「行ってらっしゃい……お兄ちゃん」
閉まった扉。きっと『お兄ちゃん』と本人に対して声を掛けるのは、今のが最後だ。ただただ扉を見つめながら、別れ際に見せた微笑を消して、エステリーゼは泣き崩れた。
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