彼女が消えた理由。
作者/朝倉疾風

ごあいさつ
よろしくお願いします。
始まり 『誰かの心に傷をつけた後』
後悔した。
酷いことを言ってしまったと、今さら思う。
とても泣きそうな顔でこちらを見ていた。 あの顔がものすごく鮮明に浮かんできて、恐ろしい。
どうしてあんなことを言ったのかわからない。
よりにもよって、この人に。
「あー後悔。 もう本当に後悔」
目の前に転がっているのは、死体。
ついさっきまで、生きていた。
この人にとって地雷となる言葉を言ったら、襲いかかってきた。
だから、思わず。 バコーンと、花瓶で叩いて。
幸いなことに、ここはこの死体の家。 玄関だ。
目撃者は誰もいない。 花瓶の指紋を拭き取って、靴を履いてアパートから出る。
うん、これでいい。
後悔はしているけれど、反省はぶっちゃけしてない。
むこうが襲ってきたんだし。
んじゃまあ、バイバイ。
死体さん。

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