彼女が消えた理由。

作者 / 朝倉疾風



第3部 第4章 『復讐者』3



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復讐者になろうと、彼女は言った。

赤ん坊であるミユキを抱いて、彼女はうっとりと、幸せそうに。

「何年かかってもいい。 わたしは、あいつらに復讐するの」

「……どうやって?」

自分の声が震えるのがわかった。 とてつもなく大きな、漠然とした不安感。

「陽忍クンと関係を持つのは……どうかな」

「不倫疑惑で仲をこじらせようってか。 いいんじゃねえの」

恋人であるはずの俺の前で、堂々と他の男を寝取る話をするヒロカ。

彼女の考えはあまりにも浅はかで、幼稚で、酷く醜い。

人間の欲望を忠実に性格に表したような彼女。

「ねえ、×××」

彼女が、俺の名前を呼ぶ。

「アンタも、協力してくれるよね」