彼女が消えた理由。

作者/朝倉疾風



第2章 『彼女の過去=彼の過去』1



おとうさんがあまり家に帰ってこなくなった。

おかあさんはいつも怒ってて、友だちだっていう、そのまつさんとかいう人にそうだんしていた。

そのまつさんはキレイな人で、よく女の子をつれてくる。

おれと同じ学校だけど、クラスはちがう子。

「わたしさあ、ゆうれい見えるんだよね」

ニヒニヒ笑いながら言われたから、すこしだけうれしくなって、

「うそつき」

って言ってみた。

その子はすごく怒っていたけど、なんでだろう。