二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 305章 苦言 ( No.359 )
- 日時: 2011/10/21 20:19
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ユキナ対アシドのバトル。
この戦いは、アシドが解放したことにより、一気にユキナが劣勢になっている。
「オンネット、サイコバレット!」
「マンムー、吹雪!」
オンネットが放つ念動力の銃弾を、マンムーは猛烈な吹雪で吹き飛ばす。
「冷凍ビーム!」
そしてすぐさま凍てつく光線を放ち、オンネットを攻撃。
しかしマンムーの特攻はそこまで高くない。なのでオンネットは戦闘不能にはならず、結構平然としている。
「まだまだ行くぜ、サイコバレット!」
「何度来たって同じだよ☆吹雪!」
オンネットは再度サイコバレットを放つが、マンムーの吹雪に吹き飛ばされてしまう。
いや、それだけではない。サイコバレットを放ったオンネットは、突如として炎に包まれた。
「あーあ、火傷しちゃったね♪」
サイコバレットは使用後、自身を火傷状態にすることがある技。オンネットは今、その副作用を受けたわけだ。
だがその副作用も、アシドの前には作用に変換される。
「そのマンムー、今から焼き豚にしてやんよ。オンネット、燐火!」
オンネットは火傷の炎を一点に集め、それを増幅してどんどん大きくし、一つの火の玉を創り出す。そしてその火の玉を、マンムーに向けて放つ。
「マンムー、冷凍ビーム!」
マンムーは凍てつく光線を放って相殺しようとするが、燐火は火傷状態の時に使うと威力が倍増する技。しかも相性の悪い氷技では相殺できず、マンムーは痛みの火の玉に焼かれてしまう。
「続けて行くぞ、気合球!」
さらにオンネットは気合を凝縮した球を放ち、マンムーに追い討ちを掛ける。
効果抜群の攻撃を二連発で喰らい、流石のマンムーも大ダメージだが、まだ倒れてはいない。
「マンムー、地震!」
「オンネット、サイコバレット!」
マンムーは地面を踏み鳴らして地震を引き起こし、衝撃波でオンネットを攻撃。オンネットは念動力の銃弾を連射して、マンムーを攻撃。
「まだまだ行くよ、岩雪崩!」
さらにマンムーは虚空より無数の岩石をオンネットへと降り注ぐが
「無駄無駄、そんなの効かないよ。シャドークロー!」
オンネットは影の爪を作り出し、降り注ぐ岩石を切り裂く。
「さあ喰らいな、気合球!」
そして気合を凝縮した球を、マンムーへと放つ。
「ライボルト、雷☆」
「プリン、かわして地球投げ!」
リオ対ウズメのバトルは、ウズメのラクライがライボルトに進化してウズメが優勢なったかと思えば、実はそうではない。
リオのプリンは予想だにしないほど強く、むしろライボルトに進化して的が大きくなった分、プリンの攻撃を喰らいやすくなっている。
「だったら充電で溜めとけ♪」
「ベルカント!」
ライボルトが充電する中、プリンは透き通るような歌声でライボルトを攻撃。
「もう一度、雷☆」
「かわして地球投げ!」
ライボルトが超高電圧の落雷を落とすが、プリンはそれを軽く回避、ライボルトを引っ掴んで飛び上がり、落下しながら地面へと叩き落す。
「ベルカント!」
「光の壁だ♪」
ライボルトは光の壁を作り出し、プリンの歌声による攻撃を減衰させる。
「ライボルト、充電☆」
ライボルトは体に電気を充填し、電気技の威力、そして特殊防御力を高める。
「プリン、地球投げ!」
だがその時、プリンがライボルトに接近。その青い体を掴み、天井付近まで飛び上がる。そしてそのまま落下しながら、地面に叩き落そうとするが
「十万ボルトだ♪」
まだ滞空している時に、ライボルトは激しい電撃を放ち、プリンを攻撃。
プリンは空気の逆噴射でとにかく動きが読めないので、攻撃を確実に当てたいならこういう風に相手と密着している状態がベストなのだ。
「プリン!」
不意討ちのような電撃を喰らい、着地したライボルトの足元に落ちる。まだ戦闘不能ではないようだが、かなりのダメージを受けた。
「おお? これは行けちゃうパターンじゃね? よし、ライボルト、これで止めだ☆ 雷——」
「プリン、がむしゃら!」
ライボルトが雷を放つその瞬間、プリンはライボルトの真正面まで来て、ただひたすら、強引に攻撃しまくってライボルトを攻撃する。
あまりのプリンの形相にウズメは声が出ず、攻撃が終わる頃にはライボルトの体力は、プリンと同程度となっていた。
「これで止め、地球投げ!」
そしてプリンはふらふらになったライボルトを掴んで天井まで飛び、落下の勢いをつけて地面へと叩き落す。
ラボ内部を捜索するキリハは、途中でアキラと出会い、行動を共にする事にした。
特に会話もなく黙々と進んでいた二人だったが、突然横の扉が独りでに開いた。
「……誘ってるんですかね?」
「さあ……でも、どちらにせよ確認するに越した事はないだろう。行くよ」
二人は扉を潜り、部屋の中へと入る。
部屋の中には、二人の人影があった。
一人は高級そうな装飾品にチャイナドレスの女性、マオ。
もう一人は黒い短髪に紫色の鉢巻が特徴の男性、ザンバ。
マオが前の方に立ち、ザンバはその後ろで控えるように佇んでいる。
「……なんだか、異色の組み合わせだね」
キリハはボソリと言う。
「……それに関しては、しょうがないのですよ」
キリハの独り言染みた発言に対し、ザンバは律儀にも言葉を返す。
「この方は性格に難がありまして、誰か付き人がいなくてはならないのです」
「誰が正確に難ありよ、黙ってなさい」
マオが苦言を呈するのも無視し、ザンバは話し続ける。
「本当なら7Pを動員したところですが、生憎皆様はそれぞれ重大な任務がありまして、たまたま手の空いていた私が、監視役に任命されてしまったのですよ」
本当はアシドが無理矢理押し付けただけなのだが、まあここでは関係ない。
「一応言っておきますと、私の役目はこの人の監視。あなた方と戦う事ではありませんので」
「つまりそれは、君は傍観するだけってことかな?」
「まあ、そんなところです」
キリハはその言葉を受けて一歩後ろに下がった。
「それじゃあアキラ君、頑張ってくれ」
「頑張ってくれって、流石に無責任でしょう……」
アキラはそう言いつつも、前に出てボールを取り出す。
プラズマ団とのバトル、弟九戦の対戦カードは、アキラ対マオとなった。
さて、今回はアシドとユキナのバトル、リオとウズメのバトル。そしてアキラとマオのバトルフラグくらいですか。なんだかこの戦い、かなり長くなりそうな予感が……まあ別にいいですけど。こっちも楽しいですし。ではアシドとユキなのバトルはそろそろ終わりそうですし、ミキの状況も書かなくては。というわけで、次回もお楽しみに。
- Re: 306章 待機中 ( No.360 )
- 日時: 2011/11/04 16:15
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「…………」
P2ラボに囚われているミキ。イリス達は拷問か何かを受けているとでも思っているのだろうが、その待遇は思いのほかよかったりする。
「あれあれー? さっきから黙りこくってるけど、大丈夫ー?」
フレイがミキの頬をペチペチと叩きながら言う。
ミキは今、やけに綺麗に片付いている部屋にいる。
手には枷がはめられ、モンスターボールも没収されているが、一日三食(これがかなり美味)、風呂もあって、監視が三人つくが、ミキは基本的に不自由ない生活を送っていた。
ちなみに監視役とは、フレイ、レイ、サーシャの三人だ。
全員女性(フレイは少女と言うべきか)を選んでいる辺りも、気遣いを感じてしまう。
「……私を拘束するのは分かるけど、なんでこんなまどろっこしいことを……」
ミキは思わず一人ごちる。
「捕まえたら、すぐにでも人体実験でもされるのかと思って覚悟してたのに……」
「あーそれかー。それはねー……」
フレイが間延びした口調で説明を始める。
「アシドが君——正確には英雄君だけど——の捕縛に失敗した途端、用意してた実験プランとかを詰め込んだデータを全部消しちゃったんだよねー。だから今は、新しく準備が整うまで待機中ー」
とは言っても、データを消した張本人は現在、怒りの心頭でバトルをしているが。
「……まあですが、安心などしないでくださいね。わたくし個人としては、今すぐにでもあなたを地下の拷問部屋に連れて行きたい気分なのですから」
レイは、氷柱のような冷たく鋭い声で言い放った。
「レイ様……」
「レイは前と変わってちょっと怖くなったねー」
フレイが言う。
「英雄は周りに影響を及ぼすって、エレクトロは言ってたけどさ、それってあたし達にも言えることなんだよねー。アシドは最近欲求不満だし、レイは怖くなるし、ドランは故郷がどうのとか言い出すし、エレクトロとガイアは……まあ変わんないけど、フォレスは悟った風な男前になるしで、あたし達も英雄君の影響を受けてるんだねー」
フレイは気が抜けていて、能天気なキャラだと思われがち……というかまるっきりそうなのだが、稀にこういう真理を突く発言をすることがある。
「もしかしたら英雄君って、本当は——」
とそこで、フレイの言葉は中断される。何故なら
バガァン!
と、扉が勢いよく吹っ飛ばされたからだ。
フレイは地面に寝そべったままだが、レイとサーシャは素早く立ち上がり、扉の方を見据える。
そしてそこにいたのは、ザキとシルラだった。
「マンムー、戻って!」
ユキナは今正に気合球を喰らう直前だったマンムーをボールに戻す。
「はぁ? なんだよ、交代かよ。ここに来てビビッたか?」
「べっつにー? ただ、勇敢と無謀は違うってね☆」
そんなことを言いつつ、ユキナは違うボールを取り出す。
「よし、じゃあ次はこのポケモン、バクーダ!」
ユキナが交代で出すポケモンは、噴火ポケモンのバクーダだ。赤く、足が短いラクダのようなポケモンで、背中の二つのコブは火山のようになっている。
「そんじゃ行っくよ♪ バクーダ、日本晴れ!」
バクーダは背中の火山から燃え盛る球体を天空に打ち上げ、辺り一帯の気候を、『日差しが強い』状態にする。
「さて、それじゃあ攻めるよ☆バクーダ、火炎放射!」
バクーダは日本晴れで威力が増大した火炎を放つ。
「オンネット、気合球だ!」
オンネットも気合を凝縮した球を放ち、火炎放射を相殺する。
「サイコバレット!」
そしてすぐさま銃弾のような念動力を無数に放ち、バクーダを攻撃。
「くぅ、バクーダ、噴火!」
バクーダはサイコバレットを耐え切り、背中の火山を、文字通り噴火させる。
それによりオンネットは降り注ぐ溶岩の直撃を受け、大ダメージを受けた。
「チッ、オンネット、シャドークロー!」
「バクーダ、火炎放射!」
オンネットが影の爪を構えて突っ込んでくるのに対し、バクーダは口から火炎を放射して、オンネットを迎撃する。
「もう一度火炎放射!」
そして再度、火炎放射を放つ。
「そんなに何度も喰らうかよ!オンネット、シャドークロー!」
オンネットは両手に影の爪を作り出し、襲い掛かる火炎放射を切り裂く。そしてバクーダに接近し、バクーダを引き裂く。
「おまけだ、気合球!」
さらに気合を凝縮した球を至近距離からバクーダにぶつける。バクーダは数歩後ずさっただけだが、結構なダメージだろう。
「……さあて、そろそろ決めるとするかな。オンネット、シャドークロー!」
オンネットは再度影の爪を作り出し、腕を大きく振りかぶる。
そして
「バクーダ、オーバーヒート!」
バクーダは全身から膨大な炎を放ち、オンネットを包み込む。
「な……オンネット!」
炎が消える頃には、オンネットは黒焦げになって倒れていた。
「くっそ……僕のオンネットがやられるとは……!」
アシドはオンネットをボールに戻し、次のボールを構える——
ピリリリリ
——前に、アシドの白衣のポケットから電子音が鳴った。
「通信か……」
アシドは苛立ちながら白衣から小型の通信機を取り出す。
「何だ、誰だ、何の用だ?」
相手も分からないのに、随分な第一声だった。まあ、その辺はアシドらしいが。
「ん、ガイアか? ……ああ、あれか。今んとこ6割方完成してるけど……ああ? カートリッジ? 英雄のポケモンを使うって? ……しゃーねえ、分かったよ。今はあのブラック野郎が相手してんだろ。だったら次はフォレスにでもやらせる。あと足りないのは、13のタイプだからな……あ? 多すぎだって? うっせえよ!あいつを製造すんのがどんだけ大変か分かってんのか!」
アシドはどうやらガイアと通信しているようだが、最後の方はキレながらの通信で、終わるとブチ切るという表現がよく合う切り方をした。
「おい、僕は所用でもう帰る。今更ながら思うと、お前なんかの相手をして時間を喰う方がよっぽど無駄だ。つーわけだ、じゃあな」
アシドは、ジバコイルに乗ってP2ラボへと帰還していく。
「……んーまあ、多少なりとも楽しめたし、よしとするかな☆」
そしてユキナも、どこかへと去っていく。
今回は前半にミキが登場、フレイ達との会話シーンで、最後にはザキとシルラが突入してきました。後半はアシドとユキナのバトル、決着でした。いや、終結というべきですか、決着は着いてないですからね。ちなみにアシドのガイアとの通信内容は、勘の良い人なら何の事を言っているのか分かるかもしれません。ヒントはカートリッジとP2ラボです。ここまで言えば、分かる人は分かるでしょう。では次回はイリス辺りのバトルにして……いや、他の人のバトルもしないとな。まあともかく、次回もお楽しみに。
- Re: 307章 眠り ( No.361 )
- 日時: 2011/10/22 00:00
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来い、ブーピッグ!」
「行くぜ、ネンドール!」
ザクラが繰り出すのは、直立した紫色の豚のようなポケモン。操りポケモンのブーピッグ。
そしてイリゼのポケモンは、目が八つある土偶のようなポケモン、ネンドール。
「じゃ、俺から行かせて貰うぜ。ネンドール、大地の力!」
ネンドールは地面に何かを念じ、地面から噴火のように大量の土砂を噴出する。
「効かねえよ。ブーピッグ、サイコキネシス!」
ブーピッグも不思議なステップを踏みながら念動力を放ち、降り掛かる土砂を止める。
そのまま押し返す事もできたが、ネンドールの特性は浮遊なので返しても意味がない。なのでとめた土砂はそのまま地面に戻す。
「ブーピッグ、思念の頭突き!」
ブーピッグは頭に思念を集め、ネンドールに向かって突っ込んでいく。
「ネンドール、リフレクター!」
ネンドールは自分の正面に透明の壁を作り出し、ブーピッグの思念の頭突きを防御する。
「シグナルビーム!」
そして黒い球体に突起ができたような小さな手を体から離し、ネンドールの左右に移動させる。
次の瞬間、その手の先端から、色彩を束ねたカラフルな光線が発射され、ブーピッグを攻撃する。
「ブーピッグ!」
シグナルビームは虫タイプの技で、エスパータイプのブーピッグには効果抜群。なので相当なダメージだろう。
「この程度でリタイアすんなよ。ネンドール、シャドーボール!」
次にネンドールは黒い影の球を放ち、ブーピックに直撃させて吹っ飛ばす。
この技もブーピッグには効果抜群。ブーピッグの残り体力ももう僅かだろう。
「決めるぜ、大地の力!」
ネンドールは地面に思念を送り込み、地面から大領の土砂を噴き上げてブーピッグを攻撃する。
ブーピッグは宙を舞い、そして地面に落下した。だが奇跡的に、まだ戦闘不能ではない。
「ほう、まだ耐えるのか。結構しぶといな」
「当たり前だ。そう簡単にやられる俺じゃねえ」
そう言うも、ブーピッグはもう瀕死寸前。
だがまだ、ザクラには手が残されている。
「ブーピッグ、眠る!」
突然、ブーピッグは目を瞑り、その場で眠りだした。
「眠る……成程な。体力を回復させて、粘る気か」
「まあ、そんなとこだ」
そう言いながら、ザクラはブーピッグに何かを投げつける。
それは、緑色の小さな丸い木の実だ。
「ラムの実で状態異状回復とは、手が込んでるな……バトルは、こっからってことか」
「行け、ソルロック」
バルタはトネールがポケモンを出す前に、先に自分がポケモンを出した。
そのポケモンとは、隕石ポケモンのソルロック。ザンバのルナトーンと対を成すポケモンで、こちらは太陽のような形をしている。
「ハンデのつもりかよ、舐められたもんだ。だが、だからって遠慮はなしだ。出て来い、ジーランス!」
トネールが繰り出すのは、シーラカンスのような長寿ポケモン、ジーランス。
ジーランスは魚型のポケモンなので、しかし器用にヒレを使って床の上に直立(?)していた。
「確かに岩タイプのソルロックに、水タイプのジーランスは有利だが、ここは陸上だ。むしろジーランスにとっては戦いにくいのではないか?」
「黙ってろよ、無能が。そんな目先のタイプだけで動くほど俺も馬鹿じゃない。ちゃんと考えはある……ジーランス、波乗り!」
まず初めにジーランスは、どこからか大波を起こしてソルロックを飲み込んだ。
それと同時に狭い通路がジーランスの顔が出る程度まで水に浸かり、陸上のフィールドが一変、水のフィールドとなった。
「成程な。しかしこれは、閉所でしかできないような戦法だ。……まあ、それも想定してのことだろうが。では、反撃行くぞ。ソルロック、日本晴れ」
ソルロックは天井付近に小型の太陽を打ち上げ、このフィールドを『日差しが強い』状態にする。
「熱風」
そしてすぐさま高音の熱風を放ち、ジーランスを攻撃。
「いくら日差しがあっても、効果いまひとつじゃ大したダメージにはならない。ジーランス、諸刃の頭突き!」
ジーランスは自分が傷つくほどの莫大なエネルギーを頭に纏い、ソルロックに強烈な頭突きを叩き込む。
「くっ、なかなかの威力だが、諸刃の頭突きは自分にも反動が返ってくる技。そう多用はできまい。ソルロック、岩雪崩!」
ソルロックは虚空より無数の岩石を降り注ぎ、ジーランスに叩きつける。
「熱風!」
そして高音の熱風を放ち、追撃する。
「ジーランス、地震だ!」
ジーランスは尾びれを床に叩きつけて地震を引き起こす。だがソルロックの特性は浮遊なため、地震は当たらない。
しかしトネールの狙いはソルロックを攻撃することではなく、地震を起こして波を立てること。地震によって水面は大きく揺れ、小規模だが大波ができ、ソルロックの熱風を防御する。
「よし、そのまま行くぞ。諸刃の頭突き!」
ジーランスはそのまま波を突っ切るようにソルロックに突撃していく。
しかし
「ソルロック、ソーラービーム!」
その時ソルロックは、太陽の光を吸収した光線を発射し、ジーランスを吹き飛ばした。
ソーラービームは日差しが強い時、溜め時間なしで撃てる。さらにジーランスはタイプ上、草タイプの技に滅法弱い。なので相当なダメージだろう。
だがしかし、諸刃の頭突きのエネルギーがソーラービームの直撃を防いでくれたため、戦闘不能を免れただけでもめっけものか。
「やばいな……こうなれば、ジーランス、眠る」
ジーランスは浅い水中に全身を沈め、眠りについた。
「眠って体力を回復し、戦いを継続させる気か。随分と熱心だな」
「当たり前だ。お前らみたいなのは、駆逐されるべき存在だからな」
バルタはトネールのその言葉に少々考え込む仕種をした。
「……まあ、いいだろう。しかしながら、今までのダメージがリセットされるとなれば、本当のバトルはここからという事だな」
うーむ……終わりが微妙だ……まあ、別段だからどうこうというわけではないのですが。今回は二つの戦い、どちらとも眠るエンドです。……眠るエンドってなんだろう……。さて次回辺りはイリスとソンブラのバトルや他多数のバトルを進めつつ、まだフラグが立っていない人のフラグを立てなくては。まあぶっちゃけ忙しいですが、忙しくないと楽しみもないですからね。というわけで、次回もお楽しみに。
- Re: 308章 分身 ( No.362 )
- 日時: 2011/10/22 00:51
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「カミギリー、辻斬り!」
「くっ、ボーマンダ!」
P2ラボに入ろうとしたルースは、何かの罠に掛かったらしく、どこからか大量の下っ端が現れ、さらにその下っ端達を従えているプラズマ団、ハンゾウが襲ってきた。
初めはあまりの敵の多さに逃げつつ向かって来る雑魚を蹴散らしていったルースだが、下っ端を全滅させた辺りでハンゾウが本格的に攻めだした。
「ボーマンダ、雷の牙!」
「カミギリー、影分身」
ボーマンダは牙に電気を帯びさせてカミギリーに噛み付くが、カミギリーは直前で数多の分身を生み出してボーマンダを惑わす。ちなみに雷の牙は分身を喰い千切っただけに終わった。
「シザークロス!」
カミギリーは分身とともにボーマンダへと一斉に飛び掛かり、交差させた腕でボーマンダを切り裂く。
「クロスポイズン!」
さらにもう一対の腕も交差させ、さらに毒も帯びさせてボーマンダを切り裂く。
「くっそ、ボーマンダ、ドラゴンクローだ!」
ボーマンダは龍の力を込めた爪でカミギリーを引き裂くが、それは分身だった。
「カミギリー、辻斬り!」
無数のカミギリーはそれぞれ絶妙な時間差をつけてボーマンダに突っ込み、四本の腕を素早く振るってボーマンダを切り裂く。
無論、攻撃を受けるのは本物のカミギリーによる攻撃だけだが、これだけの数が往復しながら何度も切り裂きに掛かると、もっと多く切り裂かれているような気がしてしまう。
「ボーマンダの巨体が裏目に出たか……いや、待てよ。分身を一気に消すなら、あの技が有効だな。ボーマンダ、地震!」
ボーマンダは地面を踏み鳴らして地震を引き起こし、地に足を着けている全てのカミギリーを攻撃する。
地震は地面を伝っての攻撃、つまり複数のポケモンに当たるわけで、カミギリーの分身は面白いくらい次々と消えていき、最後には本物だけが残った。
「そこだボーマンダ、大文字!」
ボーマンダは口から大の字の火炎を放ち、カミギリーを燃やし尽くす。
「カミギリー!」
炎が消えると、そこには黒焦げになって倒れているカミギリーの姿が。
「……よくやったカミギリー、戻るがよい」
ハンゾウはカミギリーをボールに戻す。
「やるではないか。拙者のカミギリーはそういった巨大なポケモンに対しては強いのだがな」
「だからって、ポケモンバトルは決まらないだろ。要するに、諦めるか諦めないかだよ」
ハンゾウは目を閉じてその言葉を聞き、次のボールを袖口から取り出した。
「さあ出て来てくれ、ラプラス!」
ソンブラの二番手は、いつか見たレイカのプレシオンの進化系、ラプラス。首長竜のような姿の乗り物ポケモンだ。
ラプラスは実験場のプールに浮かんでいる。
「飛行タイプのウォーグルに有利な氷タイプか……でも、僕のウォーグルだってタイプ相性くらいじゃ負けないさ。ウォーグル、ビルドアップからブレイククロー!」
ウォーグルはビルドアップで筋肉を増強し、続け様に爪に力を込めてラプラスに突っ込む。
「ラプラス、十万ボルトだ」
ラプラスは水タイプの癖に強力な電撃を放つ。しかしウォーグルは体を左右に動かしてその電撃をかわし、ラプラスを鋭い爪で引き裂く。
「ハイドロポンプ!」
だがラプラスはウォーグルのブレイククローを喰らっても怯まなかった。ラプラスは口から大量の水を発射し、ウォーグルを吹っ飛ばす。
ラプラスは元々、耐久力の高いポケモンだ。さらにソンブラはその耐久力をさらに磨いたので、たとえ効果抜群の技と同等くらいの威力を持つブレイククローを喰らっても平然と反撃できたのだ。
「追撃だ、冷凍ビーム!」
ラプラスはさらに凍てつく光線を放ち、ウォーグルを追撃。ウォーグルは地面を這うようにして冷凍ビームの直撃を避けたが、代わりに羽が凍ってしまい、飛べなくなってしまった。
「凍てつく風!」
そこにラプラスは、途轍もなく冷たい風を吹きつけ、ウォーグルを攻撃。その風はだんだんとウォーグルの体を凍りつかせていき、終いにはウォーグルの全身は凍りに覆われ……氷状態となった。
「くっ、ウォーグル!」
ウォーグルは完全に凍ってしまい、動けない。というか、よく効果抜群の凍てつく風を耐えられたものだ。
「凍てつく風は相手を必ず氷状態にする技だ、そのウォーグルはしばらく動けないだろう。さて、これで止めだよ。冷凍ビーム!」
ラプラスは氷の光線を発射し、氷結したウォーグルに直撃させる。
ウォーグルを覆っていた氷は砕け散ったが、解放されたウォーグルは目を回していた。
「戻れ、ウォーグル。よくやってくれたよ」
イリスはウォーグルをボールに戻し、次のボールを構えようとした、その時
ラプラスが吹っ飛び、宙を舞った。
「!? な、何だ!?」
流石のソンブラも、いきなり自分のポケモンが吹っ飛ばされれば動揺する。そしてイリスも困惑していた。
「一体、何が……?」
ラプラスは水面に叩きつけられながらも浮上し、辺りを見回す。
するとそれは、特に焦らすこともなく現れた。そしてそれの正体とは——
「フローゼル……!」
——だったのだ。
ちなみにフローゼルは、このプールの無駄に大きい排水口から出て来て、それまでの道程は過酷なものだったが……まあ、それはひとまず置いておこう。
「フローゼル、このタイミングで来てくれるなんて……流石は僕のポケモンだな!」
自画自賛なのか、フローゼルを褒めているのか、イリスはそう言い放った。
「……まあ別に、どんなポケモンが来ようと構わないよ。次はそのフローゼルが相手かい?」
「ああ、その通りだ。行くぞフローゼル」
フローゼルは一旦陸上に上がり、そして、ラプラスを睨み付けるように見据える。
今回は前半がルースとハンゾウのバトルなのですが……意外と行けるものですね。ちなみにすぐにバトルパートに突入させたのは手抜きではありません。手抜きではないです、手抜きなどしていません。大事な事なので、三回言いました。まあでも、それでも結構行けるものでした。後半はイリスのフローゼルが帰ってきた。ウォーグルはやられてしまいましたが、今度はフローゼルが大活躍。……でもラプラスには十万ボルトがあるんですよねぇ……でもま、フローゼルなら大丈夫でしょう。ではでは、次回もお楽しみに。
- Re: 309章 酷評 ( No.363 )
- 日時: 2011/10/22 01:43
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「テペトラー、マグナムパンチ!」
ザキは力ずくで扉をぶち破り、部屋の内部に侵入。中には今まで13箇所も探してようやく発見できた、ミキがいた。
しかし中には他にも三人。レイ、フレイ、サーシャもいた。
「……扉を蹴破って来るとは、些か乱暴ですね。しかし、それでわたくし達が止まると思えば——」
「邪魔だぁ!」
ザキは一直線にミキに向かって走り出し、それを遮るレイを……殴った。
殴り飛ばした。
それはもう、全体重が乗った渾身の拳で、殴った。
ザキは結構腕力や握力はある方なので、そうでなくとも男の拳を喰らって、レイは大きく吹っ飛ばされた。
「レイ様!」
サーシャはホルスターから咄嗟に拳銃を抜き、ザキに標準を合わせる——自分の上司が殴られたのだ、間違った判断ではないだろう——が、その間に黄色く大きな蜘蛛が割り込む。
「銃なんて物騒だなぁ……やるならポケモンでやろうよ」
そのポケモンはデンチュラで、持ち主はザキとともに部屋に乗り込んできたシルラだった。
「ミキ!」
ザキはミキのもとまで駆け寄ると、手枷の鎖をナイフで切り裂く。というか危ない。下手したらミキごと切り裂いていた。
「兄さん……」
ミキはジッとザキを見つめ、そして
「……いくら敵でも女の人を殴ったらダメだよ」
「確かにねー。流石のあたしもその展開にはびっくりしたなー」
「もはや獣と同じですね」
「暴君復活かな? いやでもちょっとやりすぎだよね」
部屋を飛び交うザキに対する酷評。ザキ、完全にアウェーだった。
「……よいのですよ、サーシャ、フレイちゃん」
レイはゆっくりと起き上がりながら言う。
「確かに少々乱暴ではあります。しかしこの程度の痛み、わたくしにとってはなんてことのない……傷にもならない痛みですよ」
とは言いつつも、レイの右頬(殴られた所)は真っ赤に腫れ上がっていて、レイの端正な顔立ちは大変な事になっていた。
「……まあですが、宣戦布告は受け取っておきましょう。あなたは、わたくしがお相手いたします」
言ってレイのワンピースの中から、濁った水色の光が漏れ出す。
「うへー……レイ、また解放すんのー?」
フレイは珍しく不機嫌そうな顔をする。
「ええ。何か問題でも?」
「あたし個人としてはないけどさー……フォレスがうるさいんだよなー……」
だがしかしフレイは愚痴るだけで簡単に引き下がった。
「サーシャ、あなたはそちらの方の相手をしていなさい」
「は、はい……分かりました」
プラズマ団とのバトル、第十戦の対戦カードはザキ対レイ。弟十一戦の対戦カードはシルラ対サーシャだ。
ライボルトは地面に叩きつけられ、戦闘不能となっていた。
「あーあ、負けちった……エレクトロ様、サーセン☆」
「サーセンじゃないでしょう」
サクッと
エレクトロの投げたナイフがウズメの背中に(浅く)刺さった。
「まあ元よりあなたに期待などしていませんから、今回あなたはただ時間を稼いだに過ぎません。私のティータイムをね」
床に蹲るウズメにそう言うエレクトロ。だが当のウズメは背中の痛みに悶え、しかも背中の真ん中辺りに刺さっているから抜けないという悲劇に陥っていて、それどころではなかった。
というか、今日のエレクトロはいつもと違う。なんだかボケ過ぎてる気がする。
「それでは、ここから先はこの私、エレクトロがお相手致します」
言ってエレクトロは手袋を外し、両手の甲に刻まれた刻印を露にする。
そして次の瞬間、その刻印から濁った黄色の光が迸る。
「PDOヒウン支部統括、リオさん。貴方の力は私達からしたら相当脅威なものです。なので私も普段は3割しか使わない力を、今日も8割にして臨ませて頂きます」
「……それでも、全力じゃないのね」
リオはプリンをボールに戻しつつ、ツッコミとも取れる発言をする。
「ええ……まあそうですね。私達も時間があまりないので、手早く一対一のシングルバトルで行きましょうか」
言ってエレクトロは、執事服のポケットからボールを取り出す。
「さあ、終焉の時です、ドルマイン!」
エレクトロが繰り出すのは、ボールポケモンのドルマイン。エレクトロの切り札だ。
「……そっちがエースポケモンで来るなら、こっちだってそれ相応のポケモンで相手してあげるわ。出て来て、シャンデラ!」
リオが繰り出すのは、例によってあのシャンデラだ。
「貴方に対してこの台詞を言うのもなんですが、一応言っておきましょうか。では、プラズマ団の境界を、刻みましょう」
通路を走るフォレスは、途中、とある人物と遭遇した。
いや、人かどうか不明なので、人物とは言いがたい。
「ドラン……お前、こんなとこで何してんだよ」
ちなみにフォレスは今までフレイが溜め込んでいた仕事を代わりにやって、そのすぐ後にアシドから連絡が入り、英雄の下へ向かえと指示され、イリスがいるらしい第七実験場(プールのような施設)に向かっているところだった。
【『ガイア』カラノ命ダ。英雄ノ下ヘ向カエト】
「はあん。じゃ、俺と同じなのか」
フォレスはドランとともに、P2ラボの長い通路を歩く。なんだかこの組み合わせは、かなり異色だ。
「なんか俺、カートリッジのタイプを回収するためとか言われたんだが、お前はどうなんだ?」
【『ガイア』ハカートリッジヲ基ニ『カセット』ヲ作ルト言ッテイタ】
「つまり俺達は、材料集めに狩り出されてる訳か……悲しいね」
そう言いながら、フォレスは歩くスピードを少し速める。
「しっかしゲーチス様も凄いこと考えたもんだ……古生代ポケモンを作るなんてな」
さて今回はザキがレイを殴りました。思い切り殴りました。もう、ザキの株価は一気に下落しました。ついでにザキとレイ、シルラとサーシャのバトルフラグも立ちました。そしてその次はリオとエレクトロのバトルフラグ。最後はフォレスとドランの会話です。いやあ、この二人の組み合わせって、なかなかないですよね。そしてそして、今プラズマ団が進めているもう一つの計画も明らかになりつつあるのです。流石にもう、分かる人は分かるはずです。あ、言い忘れてましたが、最初のザキが出て来る場面は、>>360前半のザキ視点(ちょっと違いますが)で続きだと思ってください。では次回もこんな感じで進めまして、次回もお楽しみに。
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