二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 543章 記憶 ( No.795 )
- 日時: 2013/03/24 00:13
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「戻りなさい、ハッサム」
エレクトロは戦闘不能となったハッサムをボールに戻す。
「……ここは変に意地にならず、素直にこちらのポケモンを出しておくべきでしたね」
と言って、エレクトロは次のポケモンが入ったボールを構えた。
「さあ、行きますよ。飛翔の時間です、トロピウス!」
エレクトロの三番目のポケモンは、フルーツポケモン、トロピウス。
竜脚類のような体つき、背中にはヤシの葉のような一対の翼。長い首元には、黄色い果実が成っている。
「やっぱりトロピウス……!」
トロピウスは、リーフィスにとって非常に相性が悪い。
草と飛行タイプを合わせ持っているので、大成長とハイドロポンプは効果いまひとつ、大地の怒りや宿木の種に至っては完全に無効化されてしまう。
対して向こうは飛行技で弱点を突いてくるため、リーフィスでは厳しい相手と言えるだろう。
「速攻で決めますよ。トロピウス、大成長!」
トロピウスが咆哮を上げると、次の瞬間、地中から大量の根っこが飛び出し、リーフィスに絡みつく。
「もう一度、大成長!」
二度目の咆哮で、新たな植物が飛び出し、今度は積極的にリーフィスを襲う。
「くっ、リーフィス、こっちも大成長!」
リーフィスも同じように植物を呼び出して対抗するが、
「ハリケーン!」
植物同士がせめぎ合っている中、トロピウスは翼を大きく羽ばたかせて突風を巻き起こし、植物諸共リーフィスを吹き飛ばす。
「リーフィス!」
「決めますよトロピウス、大成長です!」
そしてすぐさま地面から植物を呼び出し、リーフィスを襲わせる。うねるように蠢く植物は、リーフィスのガラス鉢の中に侵入して攻撃。リーフィスは甲高い絶叫を上げ、動かなくなった。
「ありがとう、リーフィス。戻って休んで」
リオは戦闘不能となったリーフィスをボールに戻す。
「トロピウスが相手なら……このポケモン」
リオは迷いなく次のボールを掴み、大広間の高い天井目掛けて放り投げる。
「出て来て、ドラドーン!」
リオの三番手は、神龍ポケモン、ドラドーン。
分類通り、胴の長い東洋の龍のような姿をしたポケモン。黄色と青の体色で、蓄えた白い髭が特徴だ。
「やはり、ドラドーンで来ましたか」
「どうせ、私のエース対策はしてるんでしょ? だったら耐久力で勝るドラドーンの方がいいわ」
「エース対策はどのポケモンでも同じですがね……それに、貴女のドラドーンもマークの対象ですよ。トロピウス、ドラゴンビートです!」
トロピウスは飛び上がり、龍の鼓動のような音波を発射。ドラドーンの顔面に直撃させる。
「っ、ドラドーン、炎の牙!」
ドラドーンは効果抜群の攻撃を喰らい、多少は怯んだが、すぐに牙に炎を灯してトロピウスへと突っ込む。
「トロピウス、かわしてドラゴンビート!」
ドラドーンの牙をかわし、今度は背面に龍の音波を直撃させるが、
「凍える風!」
ドラドーンはすぐに身を翻し、トロピウスに向け凍てつく風を放った。
「っ! トロピウス、ハリケーンです!」
ドラドーンに反撃に対するトロピウスの反応も早かった。トロピウスは素早く翼を羽ばたかせると、突風で襲い掛かる凍える風を押し返そうとする。しかし凍える風を押し返すことまではできず、最終的には双方ともに相殺されるに終わった。
「以前よりも威力が増していますね。攻撃力を強化したのでしょうか」
「その通り。でも、それだけじゃないわよ。ドラドーン、炎の牙!」
ドラドーンは牙に炎を灯し、トロピウスへと突っ込む。
「真正面から突っ込んでも当たりませんよ。トロピウス、かわし——」
エレクトロが指示を言い切る前に、トロピウスは既に回避行動を起こしていた。が、それよりも早く、ドラドーンの牙はトロピウスの翼を掠めていた。
「っ? 速い……!」
最初の炎の牙は余裕を持ってかわせたのだが、今度の牙は直撃を避けるのが精一杯だった。初撃を手を抜いていたということは流石にないのだろうが、急に速くなったドラドーンに、エレクトロは疑念を抱く。
「ドラドーン、もう一度炎の牙!」
空中で折り返し、ドラドーンは牙に炎を灯して三度突っ込んで来る。そのスピードは、やはり先ほどよりも速い。
「くっ、ダイヤブラストです!」
回避は難しいと考え、トロピウスは宝石のように煌めく爆風を放ち、迎撃しようとする。しかし巨体ゆえにドラドーンの攻撃力は相当なもので、ドラドーンは爆風を突き破ってトロピウスに牙を剥く。
「ドラゴンビート!」
牙がトロピウスに突き刺さる直前、トロピウスは龍の音波を発射し、ドラドーンの軌道を僅かに逸らす。それにより牙はトロピウスの首を掠めるに終わり、トロピウスは九死に一生を得た。
「スピードもパワーも段違いに上がっている……これは……!」
エレクトロの脳裏に浮かぶのは、アシドの言葉。トレーナーが秘める能力についてだが、確証はない。リオのそれはアシドが言うものとは違うかもしれない。
だが、能力にしろなんにしろ、ドラドーンのパワーとスピードが上がっているのは事実だ。前回は手数で攻めたトロピウスだが、今回はスピードでもドラドーンに後れを取ってしまいそうである。
「ドラドーン、ドレゴンプレス!」
ドラドーンは急上昇し、天井付近まで高度を上げると、そこから一気にトロピウス目掛けて急降下——落下してくる。
「トロピウス、全速力で回避です!」
迎撃など不可能だ。エレクトロは一瞬でその答えを導き出し、トロピウスもそれに合わせて羽ばたき、ドラドーンから逃れようと全速力で飛行する。
即決即断、反応が早かったのが良かったのか、トロピウスはドラドーンの一撃をギリギリ回避。広間の床が軋み、テーブルも押し潰されたが、そのまま反撃に出る。
「大成長です!」
地面から数多の植物を呼び出し、ドラドーンを拘束する。リーフィスとのバトルで三回使用しているため、今のトロピウスの特攻は二倍以上だ。束縛もそう簡単には抜け出せないほど硬いはず。
だがその時、エレクトロは見た。ドラドーンに起こった異変を。
「っ! 赤い……!」
ドラドーンの体が、赤く輝いていた。それに合わせ、ドラドーンからは激しい威圧感が伝わってくる。
「ドラドーン、炎の牙!」
ドラドーンは襲い掛かる植物に炎を灯した牙を突き刺し、そこを起点に炎を拡大させる。炎は別の植物に移り、その植物の炎もまた別の植物に移る。それを繰り返し、やがてドラドーンを拘束していた植物は全て燃え尽きてしまった。
「攻めるよ、ドラドーン! ハリケーン!」
ドラドーンは大きく息を吸い、災害レベルの突風を放つ。広範囲に放つものではなく、標的をトロピウスに定めた、一点突破の破壊力を持つハリケーンだ。
「ぐっ、トロピウス、ハリケーンです!」
トロピウスも翼を羽ばたかせて突風を放つが、力の差は歴然としている。多少は競り合ったものの、トロピウスのハリケーンはドラドーンのハリケーンに押し負けてしまい、トロピウスは吹っ飛ばされ、壁に叩き付けられた。
「凍える風!」
「かわしてドラゴンビートです!」
追撃に放たれる吹雪のような凍える風を、トロピウスは旋回するように回避。そして、ドラドーンに龍の鼓動の如き音波を浴びせる。
「ダイヤブラスト!」
トロピウスはドラドーンに接近すると、白く煌めく爆風を放ち衝撃波を起こす。衝撃波はドラドーンに直撃し、ドラドーンは少しだけ体を揺らした。
「反撃よ! ドラドーン、凍える風!」
ドラドーンは素早く身を捻って凍える風を放つ。
「回避です! ドラゴンビート!」
トロピウスも必死で翼を羽ばたかせ、なんとか凍える風を回避。そのままドラゴンビートを直撃させる。だが、ドラドーンは怯まない。
「効いてはいるのでしょうが、これは……」
トロピウスの攻撃は確実に通っている。だがしかし、ドラドーンは攻撃を受けても、それで怯むような素振りは見せず、すぐさま反撃に転じる。
「ドラドーン、炎の牙!」
「っ、トロピウス、ハリケーン!」
ドラドーンが牙を剥き、トロピウスに突っ込む。トロピウスは咄嗟に突風を放ってドラドーンを止めようとするが、その程度ではドラドーンは止まらない。
「降下です! ドラドーンの上を取りなさい!」
トロピウスは指示通り、急降下してドラドーンから逃れる。ドラドーンも同じく下降し、炎の牙でガリガリと床を削りながら炎上させ、トロピウスを追った。
追われるトロピウスは途中で急激に進路を変え、ドラドーンの上を取ろうとする。
が、しかし、
「ドラドーン、ドラゴンプレス!」
刹那、トロピウスに巨大な影が差す。ドラドーンだ。
戦闘中に上がっていく力。それは遂に、トロピウスを遥かに上回るスピードとなった。
「なっ……!」
体を真っ赤に染めたドラドーンは凄まじい勢いで急降下。トロピウスを炎上した地面へと突き落とし、押し潰す。
「トロピウス!」
炎とドラドーンの板挟みとなり、トロピウスは戦闘不能。ドラドーンも、静かにトロピウスから離れていく。
「…………」
エレクトロは呆然とその光景を見つめる。どこかで見た光景。しかし、それがどこなのか思い出せない。
残りのポケモンはあと一体。エレクトロは遂に追い詰められたが、しかし彼は追想などしない。なぜなら、そもそも彼には、思い出すべき記憶などないのだから——
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.796 )
- 日時: 2013/03/24 01:00
- 名前: プツ男 (ID: DN0pvQeX)
どうも、自分の特性が防音だった事に今更気づいたプツ男です。
要約:第一志望、受かりました。
遂に・・・・・遂に!ガイアがかいほ・・・・・・アレ?
ザートさんですか。
・・・・・・アレ?
「負けないで♪」って歌っていた方ではなく、ザートさんですか。
・・・・・・・アレ?ガイアの解放は・・・・・・?
ガイア=ザート?
うん?ガイア(ザート)は二重人格っていうことですか?それとも、人格は一緒だけど、体がミラクルチェンジしちゃう人なのですか?
あれ?
ガイアとザートが別々だとしたら、まさかの7P人数詐欺ですね。8P?
▼プツ男は混乱している!
うーむ・・・ますます、キュレムの刻印についての情報が頭の中で
錯綜してきちゃいました・・・・・その人物の核となる情報を縛るということは・・・・私のお粗末な知能では理解しきれません・・・・・
そして、物凄く今更なアシド株の上昇。
個人的にアシドの過去は色々な意味で一番気になっていたのですが、ずっと孤独に研究を続けていたのですね・・・・・・
散々ネタ(?)にされて来ましたが、アシドを見直しました。
最後、地味にアシドがデレていますね。
アシドがイリゼに渡した物って・・・・・ああ、シリーズおなじみのアレですね。
シルフカンパニーってありましたし・・・・ファイアーレッドをプレイ中の僕に死角はありませんでした!
ウツボット欲しい。
ロキの残りの手持ちはランターン、キングドラ、クレセリア・・・・・・婚約者、女王、妃・・・・・・あ、ハーレムか(え
正直、ロキの最後のポケモンはマナフィかと思っていましたが、クイーンエンプレスという肩書きが判明した時点で、マナフィは似合わないなぁ、と思いました。
その後、ストレンジャーハウス繋がりで新月か三日月かまでは絞っていましたが・・・・ってん?ロキの口ぶりから察するに、あのクレセリアはユキのポケモンということでしょうか?
フレイとフォレス、アシド、レイの過去が明らかになりましたね。
・・・・ドランも明らかって言えるほど明らかになっていませんが、確か、自分が元々は龍像だったみたいなこと言っていましたね。
フォレスとフレイが幼馴染というのは前々から判明していましたが、幼馴染の前に(意味深)という文字がついていたとは、思いもよりませんでした。
フレイの方は足の病気の時点で、親に何かしらされているとは予想していましたが、フォレスは本当に平凡に過ごしていたんですね・・・・親はどうしたんでしょうかね、心配すらされてないとなると、流石に可哀想ですね・・・・まあ、ポケモンの世界なら、理由はどうであれ家出しても、「旅」で一蹴されてしまいそうですけどね。
フォレスは本当、昨今の物語に良くある、面倒見の良いツンデレ(?)イケメンキャラですね。
もう、こいつが主人公で良いんじゃないでしょうか・・・・流石に、無理がありますね。
レイは、本当、読んでいて涙が出てきました・・・・・レイがなんで親、特に父親に何かがあるのか気になっていましたが・・・・・母親はまだしも、父親・・・・・・一体、どういう神経しているんでしょうかね・・・・まあ、貧困でまともな思考が出来なかったのが理由でしょうか?それとも、元々、アレな思考していたのか・・・・・
壮絶ですら、形容しきれないような気がします。
これで、人としての人格を保てるレイが凄すぎます・・・・結果として、心を凍りつかせてしまっていますが、あんな仕打ちを受けてまで、まだ壊れ切っていないのが・・・・・いっそ、壊れた方
楽かもしれない程のレパートリーですね・・・・・大きなお友達にあの若さで相手をしなければいけないだなんて・・・・・・
・・・・・?エレクトロに記憶が無い・・・・・?ああ、そういえば、P2ラボの時に、何処かボケているみたいな表現がありましたね。アレも伏線だったのでしょうか?
いつも以上に国語力の無い恥文感想を書いてしまい、申し訳ありません。
僕の表現力ではこれが限界でした。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.797 )
- 日時: 2013/03/24 02:03
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
プツ男さん
白黒の脳みそでは特性、防音と志望校合格がどうしても結びつかないのですが、それはさておいて合格おめでとうございます。
高校生活は非常に楽しいものですが、油断していると白黒のように欠点ギリギリで進級に怯えなくてはならないので、十分注意することをお勧めします。
ガイアは解放しましたが、戦うのはザートです。結局ガイアはガイアとしては大した活躍をせず終わりを迎えそうです。
ガイアとザートはやっぱり一心同体と説明するのが分かりやすいですかね。未解放時はガイアで、解放するとザートに切り替わる感じです。性格は……偶然一致したくらいに思っといても、問題はないと思います。
キュレムの刻印については、恐らく今後さらに困惑することになると思います。ただガイア(ザート)の説明だと分かりにくいので補足すると、キュレムの刻印は刻んだ人にとって重要な物事(ガイア・ザートなら巫女としての自分、レイなら押し留めていた感情)を封じるので、ガイアは解放すると女体のザートに、レイは感情が溢れやすくなる、ということです。
しかし、感想の返信で説明しなきゃいけないほどややこしくしてしまい、申し訳ない限りです。反省します……
アシドはここに来ていい奴っぽくなりましたが、ちょっと遅かったですね。
アシドの過去はかなり悩みましたが、結局は性格の悪さが祟って一人ぼっち、その後仲間に囲まれて成長という、こちらもある意味主人公らしいことになってます。
ちなみにネタにしてたのはほとんど白黒です。
アシドが渡したのは、シリーズ恒例のアレです。白黒はポリゴンゲットのためのコイン枚数がファイアレッドだと9999枚なのが納得いかないです。
ロキの手持ちは全て♀にしたかったので、最後のポケモンはクレセリアとなりました。ただ雨パと関係ない部分をどう解消したものかと悩んだ結果、ユキのポケモンということになりました。
ちなみにエンプレスは女帝という意味で白黒は使っています。でもクレセリアだと妃の方が合ってるような気が今更ながらしています。
もう一つちなみに、キングドラがクイーンと呼ばれているのは半分ネタです。
ドランの過去が明かされるのはエレクトロの後ですね。恐らくもうすぐです。
幼馴染というより、やっぱり家族って感じでしょうかね。もっと言うと相棒とか……?
フォレスは本当に昨今の主人公っぽくなってしまい、イリスの立場がないです。とはいえ、キャラ立ちしてないキャラだからこそ、イリスはポケモンの主人公らしいとも言えますが。
レイの過去は真っ先に決定したのですが、自分でも書いていて若干鬱になります。
父親はあれですね、分かりやすい自己中心的な性格の持ち主ですね。私利私欲のために娘を犠牲に……ある意味、凄く人間らしいのですけれど。
一応この作品はポケモンなので、あまり直接的な表現はしないよう避けているのですが、かなり大変でした。というかあの描写でも際どいような気がします。削除依頼とか来なければいいな……
まあ、直接的に表現すると今度は文章が安っぽくなりそうなので、このくらいベールをかぶせた方がいいのかもしれませんが。
というか、レイの回想だけやたら長い……他の7Pが一章の半分から四分の一くらいの文字数なのに、レイだけ一章丸ごと……どんだけ凝ってたんだ、僕。
エレクトロの過去はじきに公開されるでしょう。ただ、P2ラボでの一件は、あまり関係ないものと思われます。
いえいえとんでもない。春休みであることをいいことに四千文字近くの長文をガンガン投稿しまくってるこの作品の感想を頂けるだけでもう嬉しい限りです。白黒もあまりまとまってない、ただ長いだけの文章を連ねるだけですし。この返信も1600文字以上あります。
なにはともあれ、そろそろこの小説も終わりですね。もしかしたら三月中に完結するかもしれないという淡い希望を持って爆更新が続くと思います。これからもよろしくお願いします。
- Re: 544章 同種 ( No.798 )
- 日時: 2013/03/24 13:02
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
プラズマ団随一の実力を持つドラゴン使い、ドラン。
ムントはそんなドランと直に戦って、彼の正体を薄々感づいていた。
そして彼の強さ、ドラゴン使いとしての強さも理解した。
ドラゴンタイプとは、他のタイプと一線を画すタイプだ。普通のポケモンでは感じられない何かも、ドラゴンタイプのポケモンを通じれば感じることもできる。逆に、ドラゴンタイプのポケモンを通じないと感じないこともある。
ムントは決してドラゴンタイプ一辺倒の使い手ではないのだが、それでもソウリュウシティの生まれということもあり、ドラゴンタイプのポケモンを好いてはいた。彼のエースがドラゴンタイプのオノノクスであることから、それは伺えるだろう。
ムントは一度、ドランに敗北した。完全な敗北だ。ドランが誇るドラゴンポケモン、彼の手持ちにおける最強の龍、ドラドーン。その圧倒的な力に、全く歯が立たなかったた。
ドランが自分の力そのものと言うだけあり、彼のドラドーンは強い。7Pにはエースだけがずば抜けて強いタイプが何人かいるのだが、その中でもドランは、その最上級に位置するかもしれない。
だが逆に言えば、そのドラドーンさえ倒せれば、ムントにも勝機が見えるということ。そしてドラドーンを倒せる可能性があるポケモンといったら、ムントの手持ちには一体しかいない。
そう、オノノクスだ。
だからムントは、オノノクスを徹底的に強化することにした。とはいえ彼のオノノクスは、ソウリュウのジムリーダーにも負けない、このイッシュ地方の中だけでもトップクラスの実力を誇るオノノクスだ。その相手を務められるポケモン、それもドラゴンタイプのポケモンは、そういないだろう。
だがそんな折、ムントはこんな話を聞いた。
それは、黒いオノノクスというポケモンの話だった。
この世界のどこかには、黒いオノノクスがいる。かつて龍の里と呼ばれた場所で、最強の名をほしいままにした漆黒の龍。この世界に存在するオノノクスの中では、最強の個体がいる、と。
今は、その強さを我が物にしようとするトレーナーや、通常個体とは色が違うということで物珍しさに手に入れようとするコレクターの手から逃れるべく、どこか遠い場所で保護されているらしい。
ムントが目を付けたのは、そのオノノクスだ。
色が黒いなどというのはどうでもよかった——どうでもよいまではないにしろ、この際あまり関係なかった。重要なのは、最強、という点だ。
つまり、その黒いオノノクスをムントのオノノクスが倒せば、最強はムントのオノノクスということになる。
それから彼は、黒いオノノクスの所在を調べ尽くした。かなり綿密に、巧妙に隠蔽されていたが、最終的にはその居場所を突き止めることが出来た。
黒いオノノクスの所在、それは——自然保護区という場所だった。
本来、自然保護区はイッシュ地方のポケモンを全て捕まえ、ポケモンを捕獲するとはどういうことか、ポケモンとはどういうものかを理解したものでなければ入れない。そして、今までその偉業を達成したものはごく僅かで、その僅かなトレーナーは、結局黒いオノノクスを捕まえることはなかった。
ムントはポケモン図鑑などを持ってはいないので、ポケモンの登録など行っていない。そして当然ながら、イッシュのポケモンを全て捕まえてなどいないし、今から捕まえる気もさらさらない。
そんな彼がどうやって自然保護区に入ったのかというと、フキヨセのジムリーダーや、カノコタウンのアララギ博士に頼み込んで、特別に入れてもらっただけだ。最初は突っぱねられたが、アララギ博士(父)の発言によって、最終的には入ることが出来た。
「ここが、自然保護区か……」
自然保護区というだけあって、人工の手はほとんど入っていない。中は文字通り自然が守られていて、多数のポケモンが見て取れる。
それらのポケモンと、生い茂った草をかき分け、ムントは自然保護区の奥地を目指す。入り組んだ深い森の最深部に、ムントの探し求めるポケモンがいるはずだ。
そして、どのくらい歩いたか分からなくなってきた頃、森の中心にして最深部。その場所だけ樹木がなく、草の背も低い。そんな開けた空間の中央に、それはいた。
顎斧ポケモン、オノノクス。
二足歩行で、細身かつ長身の体躯は鎧のような頑強な鱗で覆われている。牙は両刃の斧状であり、その鋭さを誇示するかのように鈍く煌めく。
そしてなにより、黒い。牙や腹が黒いのは元からだが、それ以外の箇所を防護する強固な鱗は漆黒に染め上げられていた。牙の刃と、両手両足の爪だけが赤く輝いている。
「…………」
見るだけで分かる、この黒いオノノクスの強さ。気迫というよりは、雰囲気。強者の空気感がひしひしと伝わってくる。もしかしたら、ドランのドラドーンと同等の強さかもしれない。
(……臆するな。こいつを倒すため、そしてあいつを倒すために、ここまで来たんだ)
ムントはボールを握り締める。そして、目の前に鎮座する龍と同種の龍。自分の絶対的なエースを、その場に顕現させる——
「行くぞ……オノノクス!」
「オノノクス、ドラゴンクロー!」
オノノクスの爪がドラドーンに喰い込む。落下の勢いを合わせたドラゴンクローほど威力は出ないが、それでも確実にドラドーンの体力を削っているはずだ。
「ドラドーン、アイスバーン!」
対するドラドーンは氷の衝撃波を放ち、オノノクスを引き剥がす。巨体で浮いているがゆえにこのフィールドでは有利なドラドーンだが、巨体過ぎてまったく小回りが利かないので、その点ではオノノクスに劣ってしまっている。
「オノノクス、龍の舞!」
オノノクスは着地すると龍の舞を踊り、さらに攻撃力と素早さを浄書させる。これで通常の三倍だ。
「ドラゴンクローだ!」
「ハリケーンだよ!」
そのままオノノクスは龍の爪でドラドーンを切り裂こうとするが、直前にドラドーンが猛烈な突風を放ち、攻撃は失敗に終わる。オノノクスは吹き飛ばされまいと、必死で踏ん張っていた。
「ハイドロポンプ!」
「瓦割りだ!」
続けてドラドーンは莫大な水量の水流を噴射するが、オノノクスは構えた手刀でこれを断ち切る。
「ドラゴンクロー!」
そしてオノノクスは跳躍し、オノノクスを引き裂く。流石に三倍まで膨れ上がるとそれなりに効くようで、ドラドーンは顔を歪めて後退した。
「強いね、ムント君。まるでいつかの黒い龍みたいだ……だったら、これはどうかな!? ドラドーン、ハイドロポンプ!」
ドラドーンは再び大量の水を噴射するが、それはオノノクスを狙ったものではない。オノノクスにも飛沫はかかるが、その水流は、塔の最上階というオノノクスの唯一の足場に向けて放射されたものだった。
「っ! まさか——!」
「そのまさかだよ! ドラドーン、アイスバーン!」
ドラドーンは高度を落とし、氷の衝撃波を放つ。この衝撃波もオノノクス自身に当てるものではなく、フィールド——オノノクスの生命線とも言える足場に向けて放たれている。
最初にハイドロポンプを受けて濡れた足場に、氷の衝撃波が直撃すればどうなる。この答えは子供でも分かる。そう、
「足場が、凍った……!」
ムントが嘆くように声を漏らす。
オノノクスはドラドーンと違い、空を飛べない。ゆえにこの唯一の足場を飛んだり跳ねたりしながらドラドーンに向かっていき、攻撃してきた。攻撃するにも攻撃を防御するにも、この足場はなくてはならないものだ。
だがその足場が凍りつけばどうなるか。それは、ドラドーンが証明する。
「ドラドーン、ハリケーン!」
直後、ドラドーンは激しい嵐を吹き荒ぶ。吹き荒れる暴風はオノノクスに襲い掛かり、オノノクスはなんとか踏ん張ろうとするが、地面は凍りついてしまい、踏ん張りが利かない。
ずるずると後退していくオノノクス。柵も何もない塔の縁まで押された、その時。
オノノクスは吹き飛ばされ、中空に投げ出された。
「オノノクス——」
相当高い塔だ。この高さから落下すればただでは済まないだろう。それ以前に、ここから落ちればもうバトルは続行不可能。一対一の勝負ならば、ドランの勝ちが確定する。
オノノクスは空を飛ぶことができない。ゆえに、空中に投げ出されれば、もう戻ることは出来ない——かに思われた。
が、しかし、
「——龍の舞!」
オノノクスは、まだ生きている。
ガリガリと塔の外壁を削るように足の爪を喰い込ませ、落下の速度を減速させる。そしてそのまま外壁の周りを足場にして、龍の舞を舞いながら、外壁を走り抜けた。
ダンッ、と最後の一蹴りでオノノクスは外壁から離れ、塔の最上階へと着地する。つまり、塔から吹き飛ばされたオノノクスは外壁を上って、復帰することに成功した。
「…………」
流石のドランも、言葉が出なかった。フードで完全に顔が隠れているので表情は分からないが、恐らく唖然としているのだろう。
「……驚いたよ。まさか、あんな状態でも戻って来るなんて」
声が上ずっている。それほどまでに驚いたのだろうか。
「……やっぱり、ドランを解放してくるのは、君しかいないみたいだね、ムント君——」
ドランは追想する。自分がまだ、人の姿を保っていなかった時のことを——
- Re: 545章 降着 ( No.799 )
- 日時: 2013/03/25 02:23
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ここに来てフルパワーを超える出力で放たれた噴火の直撃を受けたフィニクス。
全てを焦がし尽くす爆炎は容赦なくフィニクスを飲み込み、不死鳥をも焼き尽くす——はずだった。
「っ——! 耐えてる……!?」
フレイが珍しく驚きの表情を見せた。今の一撃で決めるつもりが、フィニクスはまだ戦闘不能ではない。紫色の体も煤けてしまっているが、いまだ翼を羽ばたかせて力強く空を舞っている。
「……私だって、今まで何もせずにいたんじゃない。兄さんやお父さんの力もあったし、お母さんを見つけたいって思いもある。でも、それ以上に師匠の——真実の英雄の一番弟子として、負けたくないんだ!」
ミキは叫ぶ。それと同時に、フィニクスの炎が激しく燃え上がった。
「う……これって」
フレイは顔を引きつらせた。次に放たれるであろうフィニクスの攻撃が分かってしまったからだ。
あの技は、聖電隊の者が使用するエース級ポケモンの奥の手。フレイも以前、一度だけ強化されたその技を目にしたことがある。あの火力は、ストータスの噴火に勝るとも劣らない強烈な攻撃だった。
それが今、ミキのフィニクスから放たれようとしている。
「フィニクス——テラブレイズ!」
フィニクスは莫大で、強大で、膨大な爆炎を解き放つ。
噴火の炎を受け、それを吸収したテラブレイズの破壊力は計り知れないほど凄まじかった。ともすれば、かの伝説のドラゴンポケモン、真実の龍、レシラムの炎に匹敵するかもしれないほどの業火が解放される。
「ストータス!」
業火の直撃を受け、ストータスは悲鳴をあげる。威力は四分の一まで落ちているはずだが、尋常ではない火力だ。ダメージが蓄積し、耐久力の落ちているストータスには追い打ちのような一撃となっただろう。
やがて炎が鎮火する。大空にはフィニクスが、大地にはストータスが、いまだに君臨している。
「……まだ倒れないんだね、そのストータス。その諦めの悪さと力強さ、まるで師匠みたいだよ」
「残念だけど、あたしも簡単には負けられないんだよ。ジレンマっつーか、変な意地張ってるのかな。あたしでも、負けたくないって思っちゃった」
お互い満身創痍。技を放つだけでも精一杯の状態だ。次の一撃で、勝負が決まる。
「ねえミキちゃん、ちょっとした賭けをしよっか。次の一撃でどっちのポケモンが勝つか、賭けよう」
急にフレイはそんな事を言い出した。ミキとしては、敵の持ちかけた提案などに乗る理由などはない。ないのだが、
「……賭けに勝ったら、何があるの?」
賭けに乗るかのような返答を返した。それに対しフレイは、にへらーとした笑いを浮かべる。
「相手のお願いを一つ聞く。君との最後のバトルだもん、こんくらいが順当っしょー」
と言ってフレイは指差した。指の方向にはストータス——ではなく、フィニクスがいる。
「あたしはフィニクスに賭けるよ」
あろうことか自分ではなく相手のポケモンが勝つことに賭けたフレイ。当然ながらミキは訝しげな目でフレイを見つめる。
「まさか、バトルに負けても後から逃げられるようにするためとかじゃないよね?」
「まっさかー。あたしがそんなこすい真似すると思うー? あたしはゲームではフェアプレイを心情としてるから、そんなことしないよー」
「ならいいけど……でもそれじゃあ、私はストータスに賭けるしかなくなっちゃったよ」
「それが狙いだかんねー。先駆けたもの勝ちの世の中なのさー」
二人の少女の会話で、張りつめた空気感が和らいでいく。だがそれでも、今はバトルの時。刹那の内に、和らいだ空気は緊張感のあるものへと変貌する。
そして、二体は動き出す——
「ストータス、噴火!」
「フィニクス、流星群!」
ストータスは灼熱の甲羅から、凄まじい爆炎を噴き上げる。
フィニクスは果てしない大空から、数多の流星を降り注ぐ。
大地からは天を衝くような爆炎、天空からは地を砕くような流星。それぞれの大技は激しくぶつかり合い、空と地を震撼させる。
雲は吹き飛び、地面は割れる。激しい衝撃波と熱風が嵐の如く吹き荒れ、ミキとフレイは吹っ飛ばされまいとするが、それでもそれぞれのパートナー——フィニクスとストータスをしっかりと見つめている。
長い間せめぎ合っていた流星と爆炎だが、やがて二つの均衡が崩れた。
噴火が必殺の一撃に対し、流星群は文字通り星の群れだ。その量は正に星の数。一発の威力なら断然噴火の方が強力だが、立て続けに流星を撃ち込まれ、遂に噴き上げられた爆炎は跡形もなく散ってしまった。
そして、爆炎が消えても、流星は流れ続ける。止まることを知らない流星群は、大地に居座るストータスへと降り注ぐ——
「…………」
フレイは目を瞑っていた。結果は見なくても分かる。分かるのだが、それをこの目で確認するのは怖いと、そう思ってしまう。
負けてもいい、むしろ彼女に負けるのなら本望だ。そう思っていたはずなのに、いざ敗北を喫するとなると、躊躇してしまう。悟った風なことを言っておきながらこんな時に臆するなど、やはり自分はまだまだ子供だ。
だがいつまでもこうしているわけにはいかない。ちゃんと、ストータスがやられた姿を、自分の敗北を確かめなくてはならない。それが、次に繋がるのだから——
「……頑張ったね、ストータス。本当にありがとう。あたしがここまで来れたのは、君のお陰もあったんだよ。あの人から貰った卵があったからこそ、あたしは今、こうしてここにいるんだ」
お疲れ様、と言って、ゆっくりと目を開いたフレイは手元のモンスターボールにストータスを戻した。
「あはは……負けちゃった。あたし、本気出してちゃんと負けたの、初めてだ」
手元に置いてある四つのモンスターボールを浴衣の中に仕舞い込むと、フレイは清々しい表情で、無邪気に笑っていた。
対するミキはというと、喋る気力もないのか、肩を上下させながらフィニクスをボールに戻すだけだった。しかし、顔には勝利の喜びが浮かんでいる。
「ミキちゃん、バトルには負けたけど、賭けはあたしの勝ちだよ。ミキちゃんにはあたしのお願いを一つ聞いてもらう。だから、ちゃんと見ててね」
「……?」
そう言ってフレイは、前に体重をかけた。段に着いていた手を離し、前に作用する勢いのまま、体を預ける。
「え……!?」
それが意味する事実は、ミキにとっては受け入れがたい、そもそも理解ができないような事実だった。
その真実、フレイの取った行動が意味すること。それはすぐに明らかになる。
刹那——
——フレイは、地面に降りたった。
「あぅ」
が、しかし、すぐに膝を折って地面に手を着いてしまう。
「だ、大丈夫?」
ミキは小走りでフレイへと駆け寄った。するとフレイは腕を伸ばし、
「ごめん……ちょっと、肩貸して……」
「う、うん……」
言われるがままに、ミキはフレイに肩を貸す。それで分かったが、フレイは非常に軽く、同時に相当小柄であった。年下のはずのミキよりも背が低い。
だがそんなことよりも、ミキは違う点に疑念を抱いていた。
「立てたんだ。師匠からは足が弱いから自分じゃ立てないって、7Pの人から聞いたって言ってたけど……」
「えへへー、まあねー」
自慢げに言うフレイだったが、語調は軽いものだった。
「足のことに関しては、プラズマ団じゃ知ってる人はほとんどいないよー。知ってるのはゲーチスと、アシドぐらいかなー。リハビリとかもめんどくて全然してなかったし」
ミキに支えられながら、二人はひとまずコロシアムから出るために歩を進める。
「確かにあたしは足の病気で自分の足じゃ立てなかったんだけど、プラズマ団に入る条件として、ゲーチスに治してもらったんだよ。いや……治しやがった、って言うべきかな」
ほんの少しだけ怒気を含んだ声でフレイは言う。
「あたしはフォレスと生きていくうちに、色々なことを思ったんだよ。最初はあの人に依存するのが心地よかったものだけど、それがあの人の負担になるって分かった時、足を治したいって思ったんだ」
「だから……プラズマ団に入って、足を治したの?」
「うん、概ねそんな感じ。でも、プラズマ団でフォレスと再会した時、また思ったんだ。足の病気がなくなれば、フォレスはもうあたしのこと見てくれないんじゃないかって。フォレスはあたしが一人じゃなにもできないから、一緒にいてくれたんじゃないかって。だから、ずっと足が弱いままでいるふりをしていた」
そしたら癖になっちゃったけどねー、と軽口を叩くフレイ。
「だけど、最近になってまた気付いた。こんな甘えた考えじゃダメだって。あたしにとっても、あの人にとっても。だからミキちゃん、君に負けてプラズマ団と縁を切って、あの人とのけじめをつけることにしたんだ」
君を利用したみたいで悪いけど、とフレイは付け足し、続ける。
「そう考えると、足を治してもらったのは最終的には良かったよ。あたしの足はかなりの難病らしくてね、治せるのはプラズマ団くらいだそうだよ」
言って二人はコロシアムから出た。ミキはここからどこへと向かうのか、フレイに尋ねる。
「そーだねー、そんじゃー森に向かってくれるかな」
北の方向を指差し、フレイはミキをまっすぐと見据える。そして言った。
「フォレスのとこに連れて行って、ミキちゃん」
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