二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 276章 先手 ( No.304 )
日時: 2011/10/10 14:48
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「もすすす……まさかこのモスギスさんから先手を奪うとは。流石、ポケモンマスターを目指したことがあった気がする男ですね」
「僕に変な設定付け加えないでください」
モスギスは戦闘不能となったトコヤミをボールに戻し、次なるボールを構える。
「ではではもすもす、モスギスさんの二番手はこのポケモン!テレレレッテレー!バンギラス!」
モスギスの二番手は、最初に出会った時に繰り出したポケモン、バンギラス。
「こんなに早く真打登場か……!」
イリスはバンギラスの特性、砂起こしで発生した砂嵐に目を細めながら呟く。
「行くぞリーテイル、まずはリーフブレード!」
リーテイルは一気にバンギラスとの距離を詰め、鋭い尻尾で切り裂く。
しかしバンギラスは特に効いた風には見えない。ノーダメージというわけではないようだが、効果が薄い。
「ばんばかばんばかバンギラス、ぶち壊す!」
バンギラスは大きく腕を振るい、リーテイルに鉄槌を下す。
しかしリーテイルは素早さが売りのポケモン。大振りの攻撃は、そうそう当たらない。
「だったら次は、ダイヤブラスト!」
リーテイルはバンギラスとの距離を取ると、宝石のように輝く白色の光線を発射する。
しかしこれも、効き目は薄い。
「バンギラス、ジオインパクト!」
バンギラスは銀色の膨大なエネルギーを身に纏い、リーテイルへと突撃する。
「リーテイル、かわしてロイヤルバーン!」
リーテイルは意外とスピードのあるジオインパクトを回避すると、自然の力を爆発させ、衝撃波を放ってバンギラスを攻撃。
ロイヤルバーンはバンギラスに直撃し、バンギラスはグラついた。どうやらロイヤルバーンはそれなりに効くようだ。
「よし、ならもう一度ロイヤルバーン!」
リーテイルは跳躍してバンギラスとの距離をさらに詰め、バンギラスの顔面に自然の力を爆発させた衝撃波をぶつける。
「なかなかの攻撃ですが、足元に注意しないともすのようになっちゃいますよ?」
唐突に、モスギスはそう言った。
「足元……?」
イリスはモスギスの言葉につられ、視線を下げる。すると
「バンギラス、ストーンエッジ!」
リーテイルの足元から鋭い岩が無数に飛び出し、リーテイルに突き刺さる。
「リーテイル!」
バンギラスは強大な攻撃力を持ち、なおかつリーテイルは岩タイプの技に弱い。そこえトコヤミ戦でのダメージもあり、リーテイルは戦闘不能となった。
「くっ、戻れリーテイル」
イリスはリーテイルをボールに戻し、次のボールを構える。
「次はこのポケモンだ。出て来い、エルレイド!」
イリスの二番手はエルレイド。格闘タイプの技ならバンギラスのタイプである悪と岩、両方の弱点を突ける。
「エルレイド、まずはリーフブレードだ!」
エルレイドはリーテイルとはまた違った素早い動きでバンギラスに接近し、草木の力を宿した刃で切り裂く。
「よし、続けてドレインパンチ!」
エルレイドは刃を引くと、今度は淡く光る拳をバンギラスの巨体に叩き込む。
流石のバンギラスでも威力四倍はきついのか、呻き声をあげる。
「もすもす、もすのバンギラスはそう簡単には倒せないのです。バンギラス、ぶち壊す!」
バンギラスは腕を大きく振るって鉄槌を下すが、エルレイドはサッと体を横にずらして、その一撃を回避する。
「連続でドレインパンチ!」
エルレイドは淡く光る拳を構え、バンギラスに連続で鉄拳を叩き込む。
「むむぅ、バンギラス、ジオインパクト!」
バンギラスは全身に膨大な銀色のオーラを纏い、至近距離にいるエルレイドに突撃する。
しかしエルレイドは間一髪のところでその攻撃をかわした。
「バンギラスの攻撃は大振りな分、威力は高いけどかわすのは容易い。このまま攻め落とさせてもらいますよ。エルレイド、ドレインパンチ!」
エルレイドは淡く光る拳を構え、バンギラスに殴り掛かる。
しかし

「バンギラス、地震!」

バンギラスは大地を揺るがすどころか、大地を割るような勢いで地面を鳴動させ、地震を起こす。そして地震によって放たれる衝撃波はエルレイドに襲い掛かり、エルレイドを吹っ飛ばす。
「エルレイド!」
吹っ飛ばされていたエルレイドは地面に叩きつけられる。エルレイドは元々、防御面はあまり高くないので、バンギラスの地震を耐え切れるわけもなく戦闘不能となった。
「戻れ、エルレイド」
イリスはエルレイドをボールに戻す。
これでイリスの手持ちは残り一体。セオリー通りでいくなら素早さが高く、かつ弱点も突けるフローゼルだろう。しかし
「相手がバンギラスなら、リベンジしないわけにはいかないよな。さあ最後は頼んだぞ、アブソル!」
イリスの最後のポケモンはアブソル。今だ言う事は聞かないが、イリスの手持ちの中ではリーテイルに次ぐ戦闘力を誇る。
「ほっほう。あの時のアブソルで来ましたか。しかし、もすのバンギラスに対し、その程度のポケモンでは、まさに飛んで火にいる夏のもす。返りもすにしましょう」
「全く持って意味不明ですけど、僕達だって今までただ遊んでたわけじゃないですよ。それを今から、証明してやります」



今回もイリスともすことモスギスのバトル。いやはや、バンギラス強いですね。そしてなんだか久々っぽい気がしますが、アブソルも登場です。次回はアブソルとバンギラスのバトルですが、アブソルはリベンジを果たせるのか……!?というわけで、次回もお楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.305 )
日時: 2011/10/10 14:52
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

大光さん

今し方確認しておきました。何と言いますか、タイミング的にグッドな台詞ですね。まあ、僕の主観ですけど。

Re: 277章 天災 ( No.306 )
日時: 2011/10/10 15:57
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「バンギラス、ジオインパクト!」
バンギラスは膨大な銀色のオーラを身に纏い、アブソルへと突撃する。
しかしアブソルは軽快な動きでそれをかわし、バンギラスの脳天に鋼鉄の尻尾を叩き込む。
「おお、頭を打たれてくらくらくらくらサクラビス。バンギラス、今こそサクラビスの敵を討つ時です!地震!」
バンギラスは大地を割る勢いで地面を踏み鳴らし、地震を起こす。
だがこの地震も、アブソルには当たらない。アブソルは跳躍して地震を回避すると、バンギラスの体を連続で切り裂く。
だが辻斬りは悪タイプの技で、同じ悪タイプのバンギラスにはほとんどダメージがない。
「もす……なかなかすばしっこいアブソルですね。よし、ここは君の必殺技、『トキメキが止まらないわモスギスビーム』を使うのです!……あはい、使えないですか。ショボーン……ではストーンエッジで」
物凄い適当な感じだが、バンギラスは鋭く尖った岩を自分の周囲に無数に浮かべ、それらを一斉に発射する。
対するアブソルは頭に思念を集め、襲い掛かる鋭き岩を全て砕き、バンギラスに接近。そのまま鋼鉄の尻尾を腹部に叩き込む。
「うーん……やっぱりどうも、決定力不足だな……」
イリスはアブソルに指示を出すことがないので、その間にバンギラスの様子を観察することにした。
バンギラスは鎧ポケモンと分類されるだけあって、相当硬い。いや、それは四天王モスギスが育てたというのもあるだろうし、実の所バンギラスは防御よりも攻撃に秀でているのだが、それでもイリスからすれば生半可な攻撃が効かない、防御の高いポケモンに見える。
実際、リーテイルのロイヤルバーン二発、エルレイドのドレインパンチ連発を喰らっても、効きはしたが倒れはしなかった。
つまりこのバンギラスは攻撃力が高く、防御力が高く、体力もある。種族として上位の存在であるということが分かる。
……まあそれでも非の打ち所くらいはあるもので、巨体ゆえの高ステータスだが、巨体ゆえに小回りが利かない。だからアブソルはちょこまかと動き回って、隙を見つけては攻撃しているのだ。
「バンギラス、地震!」
バンギラスは大地を踏み鳴らし、地震を起こす。
だがアブソルは何と言うこともなく跳躍してその攻撃をかわす。しかし
「バンギラス、捕まえるのです!」
モスギスのその一言で、バンギラスはアブソルを捕らえた。
いくらアブソルでも、空中にいては逃げようがない。
「しまった……アブソル!」
イリスは叫ぶが、もう遅い。
「バンギラス、ぶち壊す!」
バンギラスはアブソルを空中に放り、そこから鉄槌を振り下ろすように腕を叩きつけ、地面へと叩き落す。
効果いまひとつなのでギリギリ戦闘不能は免れたものの、大ダメージを受け、立ち上がる事すら出来ない。
「変わりませんね」
唐突に、モスギスは言った。
「確かに君も君のポケモンも変わったようですけど、そのアブソルだけは変わってないですね。もすの如く不変です」
モスギスは、割かし真面目な顔で言った。
「ポケモンはただ育てるだけじゃ進化しないです。愛情込めて、真心込めて、友情を深め合って、もすのようになって、初めて強くなれるのです」
せめてこういう時くらいは真面目に喋れ、とイリスは思わなくもないが、口には出さない。
(……確かに、思いを伝えるなら、プラズマ団より先にアブソルだよな)
イリスは意を決し、アブソルに語りかける。
「アブソル。お前が何で言う事を聞かないのか、何で僕に反抗的なのかは知らない。僕が気に入らないのか、僕の実力が足りないのか、僕のないが悪いのかも分からない。もしかしたら長い間あんな暗く狭い所に閉じ込められて、人間不信なのかもしれない。でも、お前が一生僕の言う事を聞かなくても、僕はお前を見捨てたりはしないからな。だって——」
イリスはいきを大きく吸い、そして

「お前は、僕の仲間だから!」

アブソルは目を見開く。しかし、立ち上がることは出来ない。
「……まあ、もすでもないのですから、そう簡単にバンギラスの攻撃を受けて立ち上がれはしないでしょう。ではではもすもす、止めを刺しましょう。バンギラス、ジオインパクト!」
バンギラスは膨大な銀色のオーラを身に纏い、アブソルへと突撃する。
アブソルは立ち上がることも出来ずに、ただ、蹲るだけ。
しかしそんなアブソルに、奇跡が起きる。
「アブソル……!」

その時アブソルは、光り輝いた。

「こ、これは……!」
「進化の光……」
光に包まれたアブソルは、その光りの中で姿を変えていく。
そこにいたのは、アブソルの面影を残しながらも、アブソルとは違うポケモン。
漆黒の鎌のような角と、悪魔の羽のような尻尾は二枚の刃となり、足の踵にも黒い刃が突き出ていて、より凶悪な相貌となったが、どこか優しげな雰囲気が出ている。
災害ポケモン、ディザソル。アブソルの進化系だ。
「アブソル……進化、したのか……?」
イリスがそう呟くと、アブソル——否、ディザソルはコクリと頷いた。
以前のアブソルなら、絶対にそんな仕種はしなかっただろう。
「これはビックリ仰天。もすをここまで驚かせるなんて、才能ありますよ。もすすすす」
イリスはとりあえずモスギスの言葉を無視。ディザソルを見据える。
「……頼むぞ、ディザソル」
ディザソルは再度コクリと頷き、バンギラスと相対する。まるで、災害に立ち向うかの如く。



さて、今度はアブソルが進化しました。最近は進化が多発しております。と言っても、ちょっと前にリーテイル、今回のディザソルだけですが。いや、それにしてもディザソルは格好良いです。何がと問われれば全てと返すくらい格好良いです。そして次回はその格好良いディザソルが大暴れ。なので次回もお楽しみに!

Re: 278章 完成 ( No.307 )
日時: 2011/10/10 19:35
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ディザソル、辻斬りだ!」
ディザソルはアブソルの時よりも数段速いスピードでバンギラスに接近し、漆黒の刃で切り裂く。
急所を切り裂かれたのか、バンギラスは体を揺らしながらうめき声をあげる。
攻撃力も素早さも、ディザソルは進化して格段に上がったようだが、イリスが注目すべきはそこではなかった。
「ディザソル、お前……僕の指示を……」
そう、ディザソルはイリスに指示されて、辻斬りを放った。つまり、ディザソルは以前のアブソルとは違い、イリスの言う事を聞くようになったのだ。
「よし、ならこのまま一気に攻め落とすぞ。ディザソル、ツヴァイテール!」
ディザソルは刃状の二又の尻尾を硬化させ、バンギラスに二度、叩きつける。
「メガホーン!」
そして漆黒の刃をバンギラスに突き刺す。
この連撃で、バンギラスも相当なダメージを受けた。
「おおう、モスギスさんピーンチ!バンギラス、ストーンエッジ!」
「ディザソル、怒りの炎!」
バンギラスは鋭く尖った岩を無数に発射するが、ディザソルはそれらの攻撃を怒り狂ったように燃え盛る炎で全て焼き尽くす。
「メガホーンだ!」
そして漆黒の刃をバンギラスの腹部に突き立てる。直撃なので、なかなかのダメージだ。
「続けて行くぞ、辻斬り!」
さらにバンギラスの死角を狙って連続で切りつける。効果いまひとつといえど、連続で繰り出せばダメージは蓄積する。
「バンギラス、ぶち壊す!」
バンギラスは腕を大きく振るい、鉄槌を振り下ろす。
しかしディザソルには当たらない。ディザソルは俊敏な動きでバンギラスの鉄槌をかわすと、そのまま指示を待たずにバンギラスを切り裂く。
この辺の勝手に行動する癖は、まだ抜け切っていないようだ。しかし今ではそれも、一つのオプションだ。
「オート攻撃とは、なかなか便利だな。ディザソル、怒りの炎!」
ディザソルは怒り狂ったような炎を放ち、バンギラスを取り囲む。
「バンギラス、もすっと抜け出すのです!」
「遅い!メガホーン!」
ディザソルはバンギラスが炎からもすっと抜け出す前に漆黒の刃を突き刺した。
するとバンギラスはグラつき、体勢を立て直す前に崩れ落ちた。
そしてその顔は目を回していて、戦闘不能だ。
遂にあの強敵、バンギラスを倒したのだ。
「ふぅ……何とか、切り札のバンギラスは倒せたな」
イリスがホッと一息吐くと、モスギスはキョトンとした顔で言った。
「もすの切り札はバンギラスじゃないですよ?」
「え……?」
「仮にも四天王のもすが、そんな簡単に切り札を出すわけないじゃないでもすか」
モスギスはさも当然のように言う。つまり、モスギスにはまだ、バンギラスよりも強いポケモンがいるという事だ。
「ま、そんなにモスギスさんの切り札が見たいのであれば、特とご覧になればよいでしょう」
モスギスはそう言って、次なるボールを手に取る。

「テレレレッテレー!ティラノス!」

モスギスの切り札、それはバンギラスよりも巨大なポケモンだった。
バンギラスの三倍を遥かに超える巨体、褐色の体は、所々が薄い黄色に染まっている。
そして何よりも鋭い眼光、恐ろしい相貌。バンギラスが怪獣なら、このポケモンは恐竜だ。
暴君ポケモン、ティラノス。岩・悪タイプのポケモンで、前述の通り化石から復活する、恐竜ポケモンだ。
「おいおい……なんだよこれ、規格外過ぎる……いや、でか過ぎるだろ……!」
イリスはティラノスを見上げ、戦慄する。それもそうだろう、こんな巨大なポケモンを見せられたら、大抵、恐怖する。
「もすすす……では、一気に決めましょう。ティラノス、グランボールダ!」
ティラノスは雄叫びをあげると、地中より無数の岩石を呼び出す。そしてそれらを、ディザソルを囲むようにして放ち、ディザソルの動きを封じる。
「しまった……ディザソル!」
ディザソルは抜け出そうともがいているようだが、ガッチリと固まった岩石の集合体は、そう簡単には砕けない。
「それではこれでズガーンとフィニッシュ。ティラノス、ぶち壊す!」
ティラノスはその巨体からは想像もつかないようなスピードでディザソル(を覆っている岩石)に接近し、全てを破壊するかの如く突撃する。
すると岩石は文字通り、ぶち壊され、中にいたディザソルも砕かれた岩と同じく吹っ飛んでいく。
「ディザソル!」
吹っ飛ばされたディザソルはぐったりとして動かない。つまり
「戦闘不能……僕の、負けか……」



「ウィナー、モスギス!きゃーモスギスさんステキー!」
モスギスは勝利後、一人で浮かれていた。
対するイリスはやっとアブソルが進化し、言う事も聞いたというのに敗北してしまい、かなりブルーだった。
「おや、随分とへこんでますね。モスギスさんが勝ったというのに」
「モスギスさんが勝ったから、へこんでるんですよ」
素なのかわざとなのか、モスギスは地味に傷口に塩を塗ってくる。
「まあ、そう気に病まないでください。一緒に駆け上がりましょう、勝利の泥橋を!」
「あんたは一生黙ってろ!」
イリスはスッと立ち上がり、モスギスに背を向ける。というか、ポケモンセンターに帰る。
「……まあ、紛いなりにもアブソルが進化して、僕の言う事を聞いたのはモスギスさんのお陰だからな……そこだけは、感謝かな」
何はともあれ、これでイリスの手持ちは、完全完璧なフルメンバーとなった。



今回はディザソルが大暴れ、難敵バンギラスを下しましたが……もすの切り札、ティラノスにやられてしまいました。でもいいんです、ディザソルは格好良いから。ああ!でも僕はティラノスも好きだったり……うう、これは難儀なことです。まあ、僕の悩みなんて置いといて、次回予告でも。次回はNが出て来た理由が明らかに!というわけで、次回もお楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.308 )
日時: 2011/10/10 20:33
名前: 霧火 (ID: zMOZw82G)

アキラの備考、サンボイ、サンダースの戦術を少し追加しました。
確認、よろしくお願いします。


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