二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 27章 黄昏 ( No.66 )
- 日時: 2011/08/02 20:20
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
サザナミタウン。
海辺に別荘が並ぶイッシュ最大の避暑地にして観光地。そして夏にはバカンスに来る人も多いとの事。
ちなみにこの街の別荘の大半は四天王、カトレアの物で、西の端にはブルジョワール家という富豪の別荘がある。
イリス達一行——とは言っても、シザンサスはサザナミタウンに用があったらしく、この街に来た時に別れたので、今はイリスとNの二人だけだ。
その二人はポケモンセンターの宿舎にて、談話していた。
「ミクリさんに負けたのがそんなに悔しかった?」
「別に。勝ち負けるのが勝負だからね。負けて悔しくはあるけど、なんだかな……」
イリスは二段ベッドの上段に寝転びつつ言う。何か、心の中にわだかまりがあるのだ。
「……ちょっと、外を歩いてくるよ」
イリスはベッドから降りて外へと出る。Nはそれを追わない。追っても、何もできないだろうし、イリスなら地力で何とかすると思っているからだ。
イリスはポケモンセンターから出ると、夕日が綺麗な浜辺に座り、一人黄昏れる。
「なーんか……昔の事思い出した気がするな……」
イリスは昔の事なんてあまり覚えていない。それよりも今起こっている事の方が、よっぽど印象深いものだからだ。
「父親の顔も忘れちゃったしな……」
イリスの父親はイリスが六歳前後の時に蒸発した。正直その歳ならば父親の顔くらい覚えていても不思議ではないのだが、覚えていないのだ。
「写真もないしなー……なんか見覚えのない女の子の写真はあったけど……そういえばチェレンも昔、僕の傍によく女の子がいたって言ってたっけか……全然覚えてないな……」
誰かがいたような気はするものの、霞がかったように見えてこない。
「あー……。……あ?」
イリスはバタンと砂浜に寝転ぶと、すぐ傍に人がいることに気付いた。
(今の今まで気付かなかったとか、どんだけ物思いにふけってたんだよ、僕は)
イリスは心の中で自分を毒づきながら、その人を見る。
その人はまだ若い——十七、十八くらいの女性、背が低めで童顔っぽいのでもっと若い——もしかすると少女と言っても良いくらいの年齢かもしれない。
髪は青色のショートヘアーで、服装はかなり薄い水色——パッと見白色に見えるほど——のワンピースを着ていて、避暑地に来たお嬢様といった風の人だった。
「……? ああ、すいません。すぐ隣でボーっと立ってて……お邪魔でしたか?」
「いえ、そんな事ないですよ。お構いなく」
その人はこちらに気づいたらしく(イリスが言える事ではないが遅い)イリスに頭を下げる。
その声は落ち着いていて、口調は丁寧なものだ。あまり良い例えではないとイリスは思うが、7Pのエレクトロとレイを足して二で割った感じだ。
「私、レイカといいます。あなたは?」
「僕はイリスです。しがないポケモントレーナーですよ」
イリスは起き上がりつつ名乗る。起き上がった理由は察してほしい。
「……なにか、悩んでいるように思われましたが、どうしたんですか?」
レイカは訊ねてくる。イリスはどう返したものか悩みつつ口を開く。
「何ていうんですかね……バトルに負けたらいろいろと思い出してしまいまして、頭の中が混乱してるというか……負けを実感した反動で脳に障害が起きているというか……できれば前者の方が良いですけど……」
イリスは曖昧に返答する。イリスもよく分かっていないのだ。
「……もしよければ、バトルのお相手ならしますよ?」
「ああ、それはありがたいのですが、そういうのじゃないんです。なんというかこれは、原因そのものに対して何かアクションを起こさないと解決しない類のものですよ……勘ですけど」
イリスはレイカの申し出を断る。今イリスに必要なのは、闘いではない。
「まあ、その起こすアクションにしたって何をするかとか全然分かってないですけど。それに、切っ掛けというか、そういう後押ししてくれるものが必要そうですね……」
レイカはそれを聞き、考え込む。イリスは半分期待しながらレイカの返答を待ち、そして
「それなら、海上レースに参加してはいかがでしょう?」
「海上レース?」
「はい。明日、サザナミ湾で海上レースという、サザナミタウンの観光業の一環として行われるイベントがあるんです。私もそれに参加するのですが、イリスさんもどうですか?」
「海上レースねぇ……」
イリスはしばし考え、結論を出す。
「まあ、出るだけ出てみましょうか。もしかしたら何か掴めるかもしれませんし、何か思い出すかもしれませんし、何かがどうにかなるかもしれませんしね」
そしてイリスは明日、サザナミタウン主催の海上レースに参加することとなった。
「イリス、何見てるの?」
夜、イリスとNはポケモンセンターの宿舎にて、談話を再会。
「サザナミタウンで明日行われる、海上レースのチラシ。僕、これに出ようと思うんだ。優勝者には賞品もあるみたいだし」
「へえ……。……イリスが出るなら、僕も出ようかな。面白そうだし」
「出る出ないは君の自由だよ。……さて、寝るかな。明日は別に早くないけど、体力を回復させなきゃね」
そう言ってイリスは眠りにつく。
そして明日、サザナミ湾には恐怖の集団が襲い掛かるのであった。
今回は知る人ぞ知るレイカが登場しました。え?ジムリーダーやってる普通のミクリがいるのにレイカがいるのはおかしい?ふっ、そんな事は作者都合の一言で済ませれば……すいません、あやまりますごめんなさい。レイカ登場の際に捻じれてくる裏設定は見逃してください。レイカは非公式のポケモン、アルタイル・シリウスに出てくるジムリーダーなのですが……ああ、どうにもあとがきが長くなって文字数がやばいですね。すみませんが、レイカについて知りたい人は、個人的に調べてください。では、次回は海上レースです。水の都のパクリ?人聞きの悪い、そんな訳ないじゃないですか。では、次回もお楽しみに。
- Re: 28章 海上レース ( No.67 )
- 日時: 2011/08/02 21:30
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
イリスがレイカと会話した後日。
この日はサザナミタウン観光業界主催の海上レースが執り行われる日だ。
Nは一足先に海上であるサザナミ湾に向かっていて、イリスはレース用のボートを借りるための手続きをポケモンセンターでしてから、サザナミ湾に向かう事となった。
「規定の大きさに達しないポケモンを使用する場合はボートを借りてレースに参加してください、か」
海上レースは水ポケモンと一緒にサザナミ湾を周るレースで、ある程度大きなポケモンならポケモンそのものに乗れば良いが、ポケモンが小さいとそういう訳にもいかないのでボートを借りる必要があるのだ。
「ブイゼルが進化すれば乗る事もできるみたいだけどな……。……あ」
イリスはポケモンセンター内にて、久しい人物を見つけた。向こうもイリスの存在に気付いたようで、イリスの方を向く。
「ムントさん、一年振りですね」
「……お前か」
ムントはいぶかしむような表情でイリスに言う。
ムント。一年前にイリスをボロ負け寸前まで追い詰めたトレーナーだが、その後プラズマ団の介入などで決着はつかなかった。(イリスの負けみたいなものだが)その後も仲間とは言えそうにもなかったが、プラズマ団と戦った者の一人で、プラズマ団と敵対関係にあるという意味においては同士である。
「ムントさんも海上レースに参加を?」
「いや、俺はこんな競技になど出ん。ただプラズマ団を撃滅する途中、ここに立ち寄っただけだ」
微妙にプラズマ団という単語にアクセントがつけられていた気がしなくもないが、とりあえず置いておく。
「お前は、前よりは強くなったのか?」
「……今は新しいメンバーで旅をしてますからね。まあ、仮に前のメンバーを使ってあなたと闘っても、今の僕では勝てないでしょう」
「闘志が萎えてるんです」とイリスは付け加える。
「っと、そろそろ時間ですね。では、僕は行きます」
イリスはムントとの話を切り上げ、サザナミ湾へと向かう。
サザナミ湾。
サザナミタウンを訪れた観光客が海水浴にやってくる海だ。
岩や小島、浅瀬などに囲まれているため、広い海とは決して言えないが、それでもそれなりの大きさはある。
またこの海の海底には遺跡があるとかないとかで、調査が進められているとかいないとか。
イリス達は主催者からのルール説明や優勝賞品などを聞き終え、それぞれスタート地点にてスタンバイする。
ルールは簡単。このサザナミ湾を回るように指定されたポイントを順番に回っていき、最後のポイントを通過した後はゴール地点の砂浜へと戻ってくるのだ。
ポイントを周る順序は不問、トレーナーやポケモンへの妨害はなしで、反則となり失格となる。
『それでは位置について、用意』
拡声器を伝って、主催者の声が聞こえてくる。
『スタート!』
そして、サザナミタウン海上レースは始まった。
イリスは今のところぶっちぎりで一番だった。ブイゼルのスピードは他者を圧倒するもので(アクアジェット使用。妨害目的ではないので、許されるはずだ)、どんどんポイントを通過していき、残りのポイントはあと五つ。
「この調子だと、簡単に優勝できるかな……?」
イリスは揺れるボートにしがみつきつつ呟くと、誰かが隣に並んだ。
レイカだ。
「速いですね、イリスさん。でも、私も参加したからには負けませんよ!」
レイカは勝気に言う。
レイカが乗っているのは、背中から頭にかけて青く、腹から顎にかけて青緑色の、首長竜のようなポケモンだ。
プレシオン、水龍ポケモン。水・氷タイプだ。
「では、先に行かせてもらいますね。プレシオン、冷凍ビーム」
プレシオンは自分の目の前の海上を凍らせ、氷の道を作る。そしてそこを滑るように進んでいく。
「な……!? あんな進み方があるとは……ブイゼル、こっちも負けてられないぞ。アクアジェット!」
ブイゼルは水流をまとって一気に加速する。これはボートに乗っているからこそできる行為だ。逆にレイカとプレシオンの行為はボートに乗らず、ポケモンに直接乗っているからこそできる。
イリスとブイゼルはなんとかレイカとプレシオンに追いつき、ともにポイントを通過。残り四つだ。
「追いついてきましたね……プレシオン、もっと加速して!」
「ブイゼル、このまま喰らいつくぞ。こっちも加速だ!」
プレシオンとブイゼルはどんどん加速していき、次々とポイントを通過していく。残り三つ、二つ、一つと来て、遂には最後のポイントを通過した。この時点でも、二人は同列だ。
「あとは浜に向かうだけ」
「そこが勝負の分け目ですね」
ブイゼルとプレシオンはラストスパートに入り、さらに加速する。その時だった。
「プレシオン!?」
プレシオンはどこからか攻撃を受け、止まってしまう。ブイゼルも止まり、周りを見渡す。そして
「皆で楽しくレースしてるとこ悪いけど、僕らの調査の邪魔になるからさっさと上がってくれるかな? もしくはここで死ぬ?」
上空より、磁石を付けたUFOのようなポケモンに乗り、紫色の髪の一人の男が現れる。
「君達のために名乗ってあげるよ。僕の名はアシド、7P(セヴンプラズマ)の一人。そしてプラズマ団のグレイトでジーニアスな科学者さ!」
今回はパーセンターさんの前作で投稿してくださったオリキャラ、ムントの登場です。前作ではイリスと話している場面がほとんどなかったので言いますが、キャラ崩壊などの不備があればお申し付けください。それから最後の7P、アシドも登場しました。アシドは7幹部でいうバイオに相等します。こっちは性格面や立ち位置が似てます。たぶん唯一7幹部と接点があります。では、次回はアシドとのバトル。お楽しみに。
- Re: 29章 海浜 ( No.68 )
- 日時: 2011/08/02 22:21
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
突如現れた7P(セヴンプラズマ)、アシド。
アシドは科学者らしく白衣を羽織ってはいるものの、その下はGENIUSという文字がプリントされたTシャツを着ている。
「さて、とりあえずは邪魔な奴らを消していこうか。ジバコイル、電磁砲」
ジバコイルというらしいUFOのようなポケモンは電磁力を凝縮した球を作り出し、大砲のようにそれを撃つ。
「プレシオン、サイコキネシス!」
プレシオンは海に向かって放たれた電磁砲を念動力で止め、破壊する。もしプレシオンがそうしなければ、今頃この海にいる人間とポケモンは全て感電していたであろう。
「ああ? 邪魔すんなよ、せっかく面白いものが見れそうだったのに。人間とポケモンが感電に苦しむ阿鼻叫喚の地獄絵図がみれそうだったのにさ」
アシドは恐ろしい事を悪戯がばれたみたいなノリで言う。
「お前ムカつくから、僕が直々にやってあげるよ。出て来な、ダンカンス!」
アシドはジバコイルに乗りながら、ポケモンを繰り出す。
出て来たポケモンは頭が体とは不釣合いなほど大きく、球状になっている。
石頭ポケモン、ダンカンス。水・岩タイプのポケモンだ。
「ダンカンス、ロケット頭突き!」
ダンカンスは頭を縮めるようにして力を溜め込み、溜め込んだ後はロケットのような勢いでプレシオンに頭突きを喰らわせる。
「プレシオン……きゃっ!」
「レイカさん!」
プレシオンはダンカンスの頭突きでひっくり返ってしまい、レイカは海に投げ出される。
「お前も人の心配してる場合じゃないだろ?」
アシドがそう言った瞬間、イリスの乗っていた小型ボートは底から木っ端微塵に砕け散った。そしてボートを破壊したのは、ダンカンス。
「ダンカンスのダイビングだ。目の前にばかり気をとられて、足元がお留守になってるよ?」
アシドの言葉はイリスに届かず、イリスはサザナミ湾へと沈んでいった。
場所は変わってサザナミ湾浜辺。ここにもプラズマ団が攻めてきていた。
「オノノクス、まとめて薙ぎ払え!」
そして浜辺にいたムントは、襲い来るプラズマ団の雑魚を蹴散らしていった。しかしいつまでも雑魚ばかり来るものではなく、今度は大物がやって来る。
「貴様、我々プラズマ団の邪魔をする気か?」
その大物は、7Pのガイアだ。雑魚とは言え任務を遂行する上ではそれなりに役に立つ人材をやられ、耐えかねてムントの元へと来たのだろう。
「いや、お前らの邪魔をする気はない。俺はただ——」
ムントは一拍置き
「お前らを潰すだけだ!」
その言葉が引き金となり、ムントとガイアはそれぞれポケモンを繰り出す。
「行け、トノッパー!」
「出て来い、アギルダー!」
ガイアが繰り出したのはバッタのようなポケモン、トノッパー。
ムントが繰り出したのは忍者のような姿のポケモン、アギルダー。
両者ともに虫タイプのポケモンである。
「アギルダー、撒菱」
アギルダー地面に撒菱を撒き、罠を張る。
「ふん。フォレスのように小癪だな。トノッパー、エアスラッシュ!」
トノッパーは風を切り裂く空気の刃を飛ばすが、アギルダーはそれをヒラリとかわす。
「撒菱」
そして再度撒菱を撒く。
「連続で悪の波動!」
トノッパーは悪意が込められた闇の波動を連続で放つ。だがしかしアギルダーはそれらを全て紙一重で、最小限の動きでかわす。
「これで最後だ。撒菱」
アギルダーは撒菱を撒き、今度は攻撃の姿勢を取る。
「やっとやる気になったか。トノッパー、シグナルビーム!」
「アギルダー、虫のさざめき!」
トノッパーは色彩を束ねたカラフルな光線を放ち、アギルダーに攻撃する。しかしアギルダーは空気を振動させて衝撃波を発生させ、その光線を打ち消す。
「アシッドボム!」
そしてアギルダーは酸性の毒素を濃縮した爆弾を投げつけ、トノッパーを攻撃。
「もう一度アシッドボム!」
「同じ技が何度も通用すると思うな!飛び跳ねる!」
トノッパーは天をも貫くように大きくジャンプし、アシッドボムを回避する。
そして数秒後、トノッパーはアギルダー目掛けて亜音速で落下する。
「今のは当たったな……。アギルダーは速いが、その分打たれ弱い。効果抜群の飛び跳ねるを受ければ、もう立ち上がる事など——」
そこで、ガイアの口は閉ざされる。
トノッパーの飛び跳ねるの落下の衝撃で当たりには砂煙が舞い、視界が悪くなった。しかしその砂煙もすぐに晴れ、そこには倒れたアギルダーがいる——はずだった。
「アギルダー、ギガドレイン!」
アギルダーはトノッパーの体力を吸い取り、少量ながらも自分の体力を回復する。
「馬鹿な……トノッパーの飛び跳ねるを受けて、立ち上がるなど……」
そこでガイアはふと気付く。
「タスキ……? ……!」
「気付いたか」
ムントは言う。
「俺のアギルダーは気合のタスキを持っている。気合のタスキは体力が最大の時、致死量ダメージを受けても耐え切る道具。そしてこの使い捨ての道具は、俺のアギルダーとは相性が良い」
ムントがそう言った瞬間、アギルダーは消えた。
そう思った次の瞬間、アギルダーはトノッパーの目の前に現れ、酸の爆弾をぶつける。
「俺のアギルダーの特性は、通常ではありえない軽業だ」
軽業とは、持っている道具を失ったときに発動する特性で、そのポケモンの素早さが二倍になるのだ。
「……だが、まだ勝負は終わっていない。我々を相手にしたのだ、貴様にはそれ相応の苦しみを与えてやろう!」
今回はアシドとイリス、レイカのバトル(というか、イリス達が一方的にやられた)とガイアとムントのバトルです。ほんとはエレクトロとバトルしても良かったのですが、あの人はなんだか出番が多い気がしましてやめました。レイも考えたのですが、レイカと名前が似ているのでやめました。ドランにしようとも思いましたが、括弧が特殊な上多いのでやめました。フォレスやフレイは、後々出す予定なのでやめました。そういった消去法の末、ガイアがチョイスされたのです。では、次回のアシド、ガイアとのバトルをお楽しみに。
- Re: 30章 沈溺 ( No.69 )
- 日時: 2011/08/02 23:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ブイゼル、アクアジェット!」
「ダンカンス、思念の頭突き!」
ブイゼルのアクアジェットとダンカンスの思念の頭突きがぶつかり合う。しかし押し負けたのはブイゼルで、ダンカンスの圧勝だった。
「ダンカンス、お次は原始の息吹!」
ダンカンスは古代の力が込められた息吹をブイゼルに向けて放つ。
「ブイゼル、かわせ!」
イリスはブイゼルにそう指示を出し、ブイゼルはそれをかわすが
「おおっと? かわしてもいいのかな?」
「え? ……!?」
アシドの言葉にイリスが疑問符を浮かべていると、ダンカンスの放った原始の息吹が、イリスがしがみついている岩に当たり、粉砕した。
「そんなお荷物を抱えたままで僕とバトルするなんて、君は相当頭が悪いんだね。そんなのさっさとその辺に捨てればいいのに」
イリスは今、レイカを抱えている。イリスはダンカンスにボートを破壊された後、レイカを抱えて浮上し、近くに岩にしがみついてブイゼルに指示を出していたのだ。
「ブイゼル、凍える風だ!」
ブイゼルは冷たく凍える風を放ち、ダンカンスの動きを鈍らせる。
「ダンカンスの動きを鈍らせてその隙に岩場を探すって腹かい? なんとも滑稽な絵だね。ダンカンス、原始の息吹!」
ダンカンスは原始の息吹を放つが、その対象はブイゼルではなく、近くにある岩場。それらを片っ端から粉砕していく。
「この海は岩が多くて泳ぐ所が狭いんだってねぇ? それ丁度良い、僕がこの辺の岩場に小島、浅瀬を全部破壊してやろう!」
そう言うや否や、ダンカンスは原始の息吹で岩場などを破壊し始めた。
「くっ、卑怯な真似しやがって……!」
イリスはレイカを抱えているので、浮くだけでも精一杯だ。なので足場でも何でも探していたが、それも全部破壊された。
「レイカさんは一刻も早く処置が必要だってのに……!」
レイカはプレシオンから投げ出されて海に落ちた際に、恐らく大量の海水を飲んでしまっている。
「ケヒャハハハ!どうしたのかな? 早く岩場に向かわないと溺れちゃうよ?」
アシドはわざとらしく言い、イリスを嘲る。
「ダンカンス、まずポケモンをいたぶるか? ロケット頭突き!」
ダンカンスはロケットの如き勢いでブイゼルに頭突きをし、吹き飛ばす。
「ブイゼル!」
「ポケモンの心配してる場合かよ。原始の息吹!」
ダンカンスはイリスの目の前の海面に原始の息吹を放ち、波を立てる。そうすれば頭を出すだけで精一杯のイリスは波に飲まれ
「うおっ……!」
「原始の息吹だ」
ダンカンスはさらに原始の息吹を放ち、イリスを海に沈める。
「ケヒャハハハ!沈んじゃったよ。折角だから死体を拝みたかったんだけどなぁ……。まあいいや。後で引き上げれば面白い水死体になってるだろうし。……さてと」
アシドはブイゼルの方を向き、ニヤリと笑う。
「次はお前だぜ? ご主人様が沈んで助けに行きたいだろうけど、お前もここで終わりだからな。ダンカンス、ダイビング!」
ダンカンスはブイゼルの下から現れ、硬い頭をぶつけて吹っ飛ばす。
「思念の頭突き!」
そして今度は思念がこもった頭突きを喰らわせ、水面に叩き落とす。
「残念だったなぁ、もしお前が進化していれば、ご主人様を助けられたってのに。可哀想だなぁ、自分の主人も守りきれないとは。可哀想で薄情で無情で役立たずだ!お前が弱いからお前の主人は死んだんだぜ!」
アシドはポケモンにすらプレッシャーを与える。いや、そんな目論見などなく、ただ単に嫌がらせをしたいだけなのかもしれないけれど。
「さあて、こっちは順調快調。このグレイトでジーニアスなアシド様がいれば、失敗する任務なんてないのさ。ま、あっちがどうなってるかは知らんがね。ガイアはちゃんとやってんのかねぇ……」
アシドは砂浜の方を見ながら、そう呟く。
「トノッパー!」
トノッパーはアギルダーのアシッドボムと虫のさざめきを喰らい続け、遂に倒れた。
「くっ、なかなかやるようだが、まだ我がポケモンは尽きていない。行け、カモドッグ!」
ガイアが次に繰り出すのは、赤紫色の毛皮を持つカモノハシポケモン、カモドッグ。カモノハシとか言いつつも見た目は犬のようで、尻尾にはタマゴの殻がくっ付いている。ちなみに毒タイプだ。
「ちっ、撒菱か……」
カモドッグは場に出ると、撒菱を踏んでダメージを受ける。
「カモドッグ、ダストシュート!」
カモドッグは汚らしいゴミの塊をアギルダーに向けて放つ。
「かわせ、アギルダー!」
アギルダーはそれを紙一重でかわす。しかし
「辻斬り!」
いつの間にか接近していたカモドッグは、アギルダーの横を通り過ぎ、その間際に爪で切り裂く。
「アギルダー!」
体力がギリギリだったアギルダーは、その一撃を受けて戦闘不能となってしまう。
「戻れ、アギルダー」
ムントはアギルダーを戻し、次のボールを構える。
「毒タイプの相手なら、この新戦力が適任だな」
ムントは自信満々に言い、そしてポケモンを繰り出す。
「見せてやろう、俺の新しいポケモンを。出て来い、アーボスク」
ムントが次に繰り出したのは、コブラポケモンのアーボスク。
紫色の蛇のようではあるが、その尾には薄く広がった突起があり、頭の付近の体はかなり分厚い。そして腹には、顔のような模様がある。
「ふん、確かに毒・鋼タイプのアーボスクなら毒技が効かないのでカモドッグには有利。しかし毒技が効かないのはこちらも同じだ。そして毒技などなくとも、カモドッグは貴様の軟弱なポケモンには負けん!カモドッグ、アクアテール!」
カモドッグは殻の付いた尻尾に水を纏わせ、アーボスクに叩きつける。しかし
「……何が、軟弱なんだ?」
吹き飛ばされたのはカモドッグだった。
「俺のアーボスクの硬度を甘く見るな。俺から言わせてもらえば、お前のカモドッグの方が、よっぽど軟弱だ」
「……ふん。たかが一回攻撃を弾いた程度でのぼせ上がるな。我がカモドッグは、まだ力を出し切ってはいない。その錆びれた鋼の体を、打ち砕いてくれよう!」
ムントとガイアのバトルは、まだまだ続きそうである。
今回書いてて思ったのですが、アシド、超性格悪いですね。トレーナーを困らせる事したり、いたぶったりと、最悪キャラですよ。笑い方も変だし。では本編長いのであとがき短めで、次回はムントとガイアの戦い、決着です。そしてイリスのブイゼルが……!?まあ、その辺は次回をお楽しみに。
- Re: 31章 渚 ( No.70 )
- 日時: 2011/08/03 09:30
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「カモドッグ、濁流!」
カモドッグはどこからか濁った大波を発生させ、アーボスクを押し流さんとする。
「アーボスク、メタルブラスト!」
対するアーボスクは多量の鋼を撃ち出して濁流を消し去ってしまう。
「電磁砲!」
そしてカモドッグに向けて、電磁力を凝縮させた球体を大砲のように発射。
「カモドッグ、かわして辻斬りだ!」
カモドッグは電磁砲をかわし、アーボスクの隙を突く爪の一撃を繰り出すが
「アーボスク、噛み砕く!」
アーボスクには全く効かず、カモドッグはアーボスクの牙に捕らえられてしまう。
「くっ、カモドッグ、アクアテール!」
カモドッグは口でくわえられた状態で体を捻り、水を纏った尻尾をアーボスクの顔面に叩きつける。
「無駄だ」
しかしアーボスクには全く効果がない。ダメージゼロとまではいかないだろうが、そのダメージも極々少量だろう。
「アーボスク、投げ飛ばしてメタルブラスト!」
アーボスクはカモドッグを空中に投げ飛ばし、身動きが取れないところに多量の鋼を撃ち出して攻撃。カモドッグは大きく吹き飛ばされるが、なんとか着地した。
「……なかなか、しぶといな」
「当然だ。我がカモドッグの秀でているのは攻撃でも素早さでもない、防御だ。その耐久力こそ、カモドッグの真骨頂。本来ならば相手を毒状態にしてから持久戦に持ち込むのだがな」
しかし、アーボスクは毒・鋼タイプなので毒状態になる事はない。
「カモドッグ、濁流!」
「アーボスク、電磁砲!」
カモドッグの濁流を、アーボスクの電磁砲が貫く。
「!これは……!」
Nがイリス達に追い着いた時には、もう手遅れと言ってもよかった。
イリスとレイカは海に沈み、ブイゼルはほぼ勝ち目のないダンカンスと奮闘している。
「おお? 新しい奴が来たな。お前はすぐに沈まないでくれよ。ダンカンスはブイゼルを嬲ってもらってるから、お前の相手はこいつだな。ジバコイル」
アシドは今まさに乗っているジバコイルの名を呼ぶと、ジバコイルは臨戦態勢となった。
「ジバコイル、シグナルビーム!」
ジバコイルは色彩を束ねたカラフルな光線を発射し、Nのポケモンを攻撃。しかし今のは威嚇だったのかなんなのか、Nのポケモンにはヒットしなかった。
「ドサーモン、まずはこいつを倒すよ。それからブイゼルの援護に行く。だから頑張ってくれ」
Nが乗っているのは紅鮭ポケモンのドサーモン。その体4m以上あり、かなりの巨体だ。そしてタイプは水・地面タイプ、どこに地面の要素があるかは不明。
「ドサーモン、大地の怒り!」
ドサーモンは尾びれを水面に叩きつけ、地面を揺るがす。そして地面から大量の土砂が噴出し、ジバコイルに襲い掛かる。
「ジバコイル、磁力線だ」
しかしジバコイルは慌てず騒がず、電磁波を放って強力な磁力の波を発生させ、その磁力の波で降り注ぐ土砂をシャットアウトする。
「トライアタックだ!」
ジバコイルの両肩(?)の目と中央の目が光り、そこから赤、青、黄の三色の光線が三角形を作りながら放たれる。
「ドサーモン、かわして竜の波動!」
ドサーモンはその光線をかわしつつ、ジバコイルに龍の力を波動として放つ。
「無駄だよ、磁力線!」
ジバコイルはまたも強い磁力を発生させ、龍の波動を打ち消す。
「どうしたのかな? そんな遠くからちまちまと攻めてたら、海に沈んだあいつらは溺死しちゃうぜ?」
「くっ……!」
アシドは自分の事を棚上げにして言うが、そんな事に口を挟む余裕はNにはない。
ドサーモンはNを乗せているため、物理技を使う事ができない。というか、そもそもジバコイル自体が高い所にいるため、そこまで攻撃が届かないので遠距離から攻撃するしかないのだ。
そしてジバコイルは高い特攻を活かして遠距離からの攻撃を連発している。特に軌道の見えない磁力線は、防御に使われても厄介だが、攻撃に使われたらもっと厄介だ。その上体も硬いので、攻撃がなかなか通らない。
「ジバコイル、連続でシグナルビーム!」
ジバコイルは色彩を束ねたカラフルな光線を連射する。しかしドサーモンやNに直接当てる気はないのか、ドサーモンやNの体を掠めるようにして放っている。たぶん嬲りたいだけが目的の行為だろう。
「ドサーモン、龍の波動!」
「ジバコイル、磁力線!」
ドサーモンは隙を見つけては龍の波動を放つが、ドサーモンの攻撃はことごとくジバコイルの磁力線にシャットアウトされてしまう。
「ぐっ……イリス、無事でいてくれ……!」
ブイゼルは、もう瀕死寸前で満身創痍といった状態だ。
しかし、まだ倒れていない。
何故なら、敵のダンカンスはブイゼルを倒す気がないからだ。
ダンカンスは主人と似て、敵を嬲りいたぶるのが趣味なのだ。
だから、ブイゼルはまだ倒れていない。
しかし、ブイゼルはもう負けも同然だ。
ここまでボロボロにされ、なおかつまだ嬲られているのだ、この状態から逆転するなど、ブイゼルには不可能だ。
それだけではない。
ブイゼルの主人は海に沈んだ。
主人なくしては、ポケモンは力を十分に発揮できない。
ブイゼルは自分の無力さを悔やむ。
自分が弱いばかりに主人を助ける事ができないと、後悔する。
奇跡は、起きないものだ。
ブイゼルはそう思う。
しかし、奇跡は起きるものだった。
今回はムントとガイアのバトルからですね。その次にNとアシド、最後はブイゼルの思いです。最後だけ一風変えてみたのですが、どうでしょうか。ちなみにブイゼルとその進化系統はかなり好きです。伝説以外の水タイプは基本嫌いな僕ですが、ブイゼル進化系統とダイケンキは別です。あとキングドラとかルンパッパとかホエルオーとかも好きです。ベガポケにも好きな水タイプはそこそこいます。……あれ?僕って本当に水タイプ嫌い?まあ、そんな事はさて置き、次回は遂にブイゼルが……!?まえのあとがきでも言いましたね、これ。そんなわけで、次回をお楽しみに。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
この掲示板は過去ログ化されています。